著者
濱田 信次 森本 沙也香 関野 秀男
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第37回情報化学討論会 豊橋
巻号頁・発行日
pp.P13, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
7

近年、密度行列埋め込み理論とよばれる動的平均場理論のある種の簡易版が提唱されており、これを6角格子のHubbard Modelに適用してグラフェンの電子状態の理解を試みた。
著者
宇治村 信明 大森 貴允 冨岡 真光 滝野 佑介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-3_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】中殿筋は股関節外転筋として周知されており、基本動作や日常生活動作時の骨盤安定性に重要な役割を果たす。股関節術後患者では中殿筋速筋線維の顕著な萎縮が認められ、中殿筋の質的機能向上の必要性が報告されているが、中殿筋速筋線維に対する治療手段は、限られた手段しか報告がなされていない。よって本研究の目的は、股関節外転運動速度を変化させることで、中殿筋速筋線維に対する質的トレーニングとなり得るかを表面筋電図を用いて検証した。【方法】対象は整形外科学的疾患及び神経学的疾患の既往歴を有さない健常男性30人(年齢29.3±5.9歳、身長171.1±5.2㎝、体重65.1±8.1㎏)とした。方法は、測定肢位は側臥位、股関節屈曲伸展角度中間位、骨盤帯での代償予防のためベルトにて骨盤を固定した。股関節外転運動は0°から20°への運動とし、運動開始のタイミングを把握するためフットスイッチを用いた。なお運動課題遂行前に無負荷にて練習を行った。負荷量は股関節外転最大筋力の10%の負荷量とした。運動課題はメトロノームを使用し1分間に60拍、40拍、20拍のリズムでの3条件とし、各1条件10人の3群にて中殿筋速筋線維の発火頻度量を比較した。解析した波形の中央部より前半を求心性、後半を遠心性とした。発火頻度量はwavelet変換を用いて表面筋電図周波数解析(EMGマスター小沢医科器械)にて測定を行った。統計学的解析は、各群及び求心性、遠心性収縮時における中殿筋速筋線維の発火頻度量を一元配置分散分析を用いて比較した。統計学的有意水準は5%未満とした。【結果】各群での中殿筋速筋線維の発火頻度量の結果は60拍群(173.7±63.9Hz)、40拍群(92.9±52.5Hz)、20拍群(74.9±40.6Hz)であり、運動速度を速めるにつれ有意に高い値を認めた(p<0.05)。求心性収縮時の中殿筋速筋線維の発火頻度量の結果は、いずれも有意差を認めなかった。遠心性収縮時の中殿筋速筋線維の発火頻度量の結果は、60拍群(477.0±191.9Hz)が40拍群(227.5±99.6Hz)、20拍群(179.4±111.3Hz)と比較し、有意に高い値を認めた(p<0.05)。【結論】股関節外転運動速度を速めることは、中殿筋速筋線維の発火頻度量の増大へ寄与することが示唆された。さらに中殿筋速筋線維の発火頻度量は、運動速度が速く、遠心性収縮にて高い値を示した。これは運動速度を速めることで遅筋線維に比べ速筋線維の方が発火頻度に有利であると報告されており、本研究においても運動速度を速くしたことで運動単位の動員と運動ニューロンの発火頻度量増大に繋がったと考える。求心性と遠心性を比較し、遠心性ではエネルギー消費量が少なく、強い力を出すことができる収縮様式と報告されており、本研究においても遅筋線維に比べ速筋線維の方が発火頻度に有利であったと考える。本研究の結果から股関節外転運動における運動速度や収縮様式を変化させることは、中殿筋の質的トレーニングの一助となり得ることが示唆された。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は松山リハビリテーション病院倫理委員会の承認を得て実施した。対象者には口頭にて研究の趣旨を説明し、その内容について十分に理解を得た。
著者
森田 康之 石黒 孝知 巨 陽
出版者
The Japanese Society for Experimental Mechanics
雑誌
実験力学 (ISSN:13464930)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.88-92, 2013-03-28 (Released:2013-09-28)
参考文献数
20

High-efficiency technology to the photodiodes has become a critical issue. Surface plasmon resonance (SPR) would be one of the means for solving the problem. Photocurrent of photodiodes is enhanced by metal nanoparticles, which induce the localized SPR, deposited on light-receiving surface of the photodiodes. Most previous studies had been focused on the photocurrent enhancement effect around maximum absorption wavelength of the nanoparticles. The effect except the wavelength has not been paid attention yet. For instance, in case of a solar cell, metal nanoparticles which have maximum absorption wavelength at around 500nm, have been widely employed since solar light has higher illuminance around 500nm. However, the photocurrent enhancement effect of the nanoparticles has not studied around near-infrared light though illuminance of the near-infrared light is quite valuable. Therefore, in this study, experimental investigation of photocurrent enhancement effect was conducted using Au nanoparticles with 100 and 150nm in nominal diameters, which have maximum absorption wavelengths at around 500nm. As a result, the photocurrent enhancement effect was obtained at near-infrared wavelengths. In addition, higher enhancement effect was achieved when the two Au nanoparticles were mixed. This would be ascribable to obtaining wider bandwidth of maximum absorption wavelengths due to mixing of different-size nanoparticles.
著者
酒見 由美 伊豆 哲也 武仲 正彦 野上 保之 森川 良孝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.1542-1553, 2010-09-15

出入国の厳格かつ迅速な管理を目的として,国際民間航空機関(ICAO)は電子パスポート(e-Passport)の導入を推進しており,日本を含むいくつかの国ですでに発行が開始されている.2009年8月に開催された国際会議においてCoron,Naccache,Tibouchi,Weinmannは次世代のe-Passportが使用するISO/IEC 9796-2署名の偽造攻撃法と,実際の偽造署名データを発表した.Coronらは計算機実験データをもとに,他の条件下での攻撃コストを予想している.Coronらの署名偽造攻撃では,条件を変更した場合,攻撃計算量の算出に必要なパラメータの計算方法に影響が生じる.しかし,Coronらの評価方法では,その影響について考察されていないため,他の条件下での脅威が判断しにくいという問題がある.本稿ではCNTW攻撃の詳細な計算量を算出・評価するとともにCoronらの署名偽造攻撃を次世代e-Passportに適用した場合の偽造可能性を議論する.For establishing strict and rapid immigration control, ICAO has been spreading the electronic passport (e-Passport), which is introduced in some countries including Japan. Recently, on August 2009, Coron, Naccache, Tibouchi, and Weinmann announced a new forgery attack against the signature scheme ISO/IEC 9796-2, which will be used in the next-generation e-Passport. Using the experimental results, Coron et al. estimated the attack's cost under other conditions, but they did not consider that parameters which used to compute the attack's cost depend on the conditions. Therefore, it is difficult to evaluate the attack's threat by their estimates. In this paper, the detailed cost of the attack is shown. Then, this paper discusses the possibility and the effect when the attack is applied to the next-generation e-Passport.
著者
森 忠文
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.14-23, 1977-02-15 (Released:2011-07-19)
参考文献数
20
被引用文献数
3

京都御所周辺は, 明治維新のころまでは多くの公家の住む屋敷町であったが, 明治2年の東京遷都ののちは, 公家は東京に移りあるいは他に転出して, 一部の建物は取りこわされて空地となり, やがて土地建物の所有も一般民間人の手に移っていった. 一方その邸宅跡には学校や裁判所が設けられ, 御所で博覧会が開かれるなど御所周辺は変貌した.明治10年 (1877) 2月, その対策として, 明治天皇の御沙汰書が出され, 大内保存事業が始まった. これは, 御所をながく保存するための前提として, 周辺の民有地を買収するとともに建物を撤去し, 御所への火災延焼のおそれをなくしようとするものであって, そのために明治10年から21年まで毎年4000円を支出すること, またその事業を京都府に委任するというものであった.京都府は大内保存掛を置いて鋭意事業を推進し, 幾多の曲折を経て, 明治13年 (1880) に当初予定された構想にさらに追加工事を加えたもののほとんどすべてを実現した. このようにして初期の御苑は成立したのである. すなわち, 民有地を買収し, 建物を撤去し, 周囲に石積土塁を設けて境界とし, 奥まったところにあった門を土塁の線に移設し, 道路を設け, 御所周囲, 主要道路, 石積土塁上等の植樹その他雑工事を行なったのである. 予定では21年までとなっていたが, 保存費の繰上げ交付によって促進され, 期間は短縮された. またそれに要した経費は少くも45000円であった.御所そのものの維持管理は, この事業とは別に宮内省において京都府が協力して行なわれていたので, 大内保存事業はもっぱら間接に御所を保存するために行なわれたものである. これを今日的に言えば, 御所を文化財としてながく守るための環境整傭事業であった.この事業の着想が正しかったということは, その後, 100年の御苑の歴史が実証している. この大内保存事業すなわち御苑造成事業は, 明治初期において, 御所を文化財として保存するために行なわれ, しかも成功した大規模な造園事業として評価されるべきものと考える.
著者
中村 省吾 大場 真 森 保文 根本 和宣
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>地方創生に向けた地域資源活用による活性化方策の一環として、木質バイオマス利用には多くの期待が寄せられているが、その具体化にあたっては多様なステークホルダーの存在もあり課題が山積しているのが現状である。</p><p>本研究では、福島県奥会津地域に位置する三島町(本町は人口約1,600人の小規模な自治体で、地域資源を活用したエネルギー施策の検討を進めている)が近年進める森林利活用施策に注目し、同町における木質バイオマスに関する取組の現状を把握することを目的として、町役場担当者に対するヒアリング調査を行った。</p><p>三島町では2016年から町内の森林活用の観点から木質バイオマスの検討が開始され、その中で木質バイオマスの事業利用(年間数千m3)と家庭利用(年間数m3)を並行して推進する必要性が確認された。特に後者では薪ボイラーによる冷暖房システムを町内施設に整備し、燃料供給を町主体の木の駅プロジェクトにより収集する方式を採用した。2019年度には上流(山主)、中流(森林事業者)、下流(エネルギー需要家)の各ステークホルダーが一体的に検討する場として協議会の設立が予定されていた。</p>
著者
森 博康 徳田 泰伸
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.207-218, 2021-06-01 (Released:2021-05-13)
参考文献数
26

To evaluate the effectiveness of a 24-week nutritional supplementation program involving whey protein intake after resistance exercise in treatment of sarcopenia and quality of life (QOL) among older women with sarcopenia, we carried out a pilot study, randomized controlled trial among elderly individuals with sarcopenia, aged 65-years or older, who were allocated to three groups: exercise and whey protein supplementation (Ex+Whey) group, exercise (Ex) group, and whey protein supplementation (Whey) group. Sarcopenia was defined using the Asian Working Group for sarcopenia 2014 criteria, as follows: low hand-grip strength (<18.0 kg) or slow gait speed (<0.8m/sec), and low skeletal muscle mass index (SMI, <5.7kg/m2). A 24-week program of resistance exercise, carried out twice per week, was combined with whey protein supplementation, involving 11.0 g of protein and 2,300 mg of leucine. After the 24-week intervention period, the Ex+Whey group (n=20) showed a decrease in sarcopenia, lower SMI, lower grip strength, and increase in physical QOL score (sarcopenia; p=0.004, SMI and grip strength; p=0.008, QOL; p=0.027). After the 24-week intervention period, the Whey group (n=20) showed a decrease in sarcopenia and lower SMI (all p=0.017). The Ex-group (n=19) did not show a decrease in sarcopenia, lower SMI, and lower grip strength. These results suggest that resistance exercise and whey protein intake in older women with sarcopenia, on the multiple outcome measures such as improves lower SMI, lower grip strength, and physical QOL. However, there were no between-group differences in the change from the pre- to the post-intervention period at 24 weeks in the lower SMI and lower grip strength. In this study, the intervention effect of Ex+Whey could not be clearly shown in the outcome measures.
著者
奥村 昌央 森井 章裕 桐山 正人
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.138-143, 2019-04-20 (Released:2020-04-20)
参考文献数
10

腹腔鏡下子宮全摘出術による医原性尿管損傷の3例を経験したので報告する.症例1は50歳女性で近医にて腹腔鏡下子宮全摘出術を施行され術後採血で腎機能低下と腹部エコーにて左水腎症を認めたため翌日,当科へ紹介された.CTで左水腎症を認めRPでは左尿管口から2cmの部位で尿管カテーテルの挿入が困難であり,産婦人科手術の2日後に開腹手術とした.左尿管下端部で尿管が結紮されており挫滅した部分を切除し尿管端々吻合術を施行した.症例2は38歳女性で近医にて腹腔鏡下子宮全摘出術を施行され,術後に腹部膨満感と下痢が生じた.術後9日目の採血で腎機能の低下と腹部エコーで左水腎症を認め,翌日当科へ紹介された.CTで左水腎症と腹水を認め,RPでは造影剤の尿管外への溢流を認めた.左尿管損傷による腹腔内尿溢流と診断し開腹し左尿管膀胱新吻合術を行った.症例3は45歳女性で近医にて腹腔鏡下子宮全摘出術を施行され,術後採血で腎機能低下と腹部エコーにて左水腎症を認め術後5日目に当科へ紹介された.CTで左水腎症と左尿管下部での尿管閉塞を認め,腹腔鏡と膀胱鏡,X線透視を併用し,同日手術を行った.腹腔鏡で腹腔内を観察すると左尿管下部が結紮糸により引きつれ屈曲しており,腹腔鏡下で結紮糸を切断すると尿管の屈曲が解除され尿管ステントが留置できた.1カ月後,尿管ステントを抜去し左水腎症は改善した.
著者
森田 秋子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.287-291, 2018-09-30 (Released:2019-10-02)
参考文献数
3

多職種連携を進めるために, 高次脳機能障害に関わる専門職は適切な情報を発信する役目を持つ。 情報はしばしば特徴的な個別症状の説明に重きが置かれることが多いが, むしろ「患者は何ができ何ができないか, どこまでわかっているか」につながる総合的な重症度を示す, 全般的認知機能に関する情報の重要性が高い。認知関連行動アセスメント ( Cognitive-related Behavioral Assessment: CBA) (森田ら 2014) は, 行動観察をもとに全般的認知機能を評価する評価表であり, わかりやすい概念や用語を用い, 専門知識のない職種でも評価や議論に参加しやすい利点を持つ。そのため職種を越えた障害像の共有につながり, 多職種連携のツールとなる可能性がある。   コミュニケーションを専門とする言語聴覚士は, 高次脳機能障害のリハビリテーションに, 会話を活用できる可能性がある。会話による自己の行動や思考を言語化する過程が, 患者の自己意識への働きかけとなり, 病識向上などへの効果が期待される。
著者
森田 正輝 永吉 由香 木村 淳志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ce0121, 2012

【はじめに、目的】 ランニングやボールキック等により、脛骨前方移動量(以下、移動量)が増加するという諸報告がある。しかし、それらは単的な運動にすぎず、実際のスポーツ活動中に測定した報告は無い。また、前十字靱帯(以下、ACL)損傷が試合・練習の後半で発生しやすいという報告もあり、その原因の解明は意義があることだと考える。今回、女子バスケットボールにおいて、ACL損傷についての教育を受け予防トレーニングを行っているチームと教育・トレーニングを行っていないチームに対して練習中の移動量を経時的に測定し練習量と移動量の関係を中心に調査することでACL損傷予防を検討した。【方法】 高校女子バスケットボール部のチームC(19名・平均年齢15.9±0.7歳)とチームN(14名・平均年齢16.5±0.5歳)の2チームに所属する部員で、当日の練習に全て参加し、且つ膝に愁訴の無い者を対象とした。測定は、利き足・非利き足の移動量をロリメーター(日本シグマックス社製)にて3回ずつ測定した。以上の測定を、練習前・練習中間・練習後(以下、前・中・後)にそれぞれ実施した。チームCは当院スタッフが帯同し、ACLについての講義を受け予防トレーニングを行い3年間ACL損傷が発生していない。チームNはACLについての知識が無く予防トレーニングも行っておらず3年間で2例2膝のACL損傷が発生している。当日はこの2チームが4時間半の合同練習を行った。得られた測定値はWilcoxon符号付順位和検定を用い有意水準を5%未満として統計学的処理を行った。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者にはヘルシンキ宣言に基づき、あらかじめ本研究の内容・個人情報の保護を十分に説明し、参加に同意を得て行った。【結果】 チームCの利き足は、前4.39mm・中5.31mm・後5.42mm、前-中(p<0.01)・中-後(p=0.60)、非利き足は、前4.16mm・中5.41mm・後5.66mm、前-中(p<0.01)・中-後(p=0.27)であった。チームNの利き足は、前4.14mm・中5.31mm・後5.55mm、前-中(p<0.01)・中-後(p=0.37)、非利き足は、前4.33mm・中5.29mm・後5.61mm、前-中(p<0.01)・中-後(p=0.08)であった。いずれのチームにも同様の結果が得られた。【考察】 移動量はACLの緊張だけでなく関節包・筋などの軟部組織の柔軟性も関与している。バスケットボールに多いダッシュ・ターン・ジャンプ動作は、膝関節に前後方向・回旋ストレスを与え、それらに対し直接的なストレッチとなることで、軟部組織の柔軟性が向上し、移動量の増加が認められたと考える。しかし、どちらのチームも同様の結果であったにも関わらずチームCにはACL損傷が発生していないことから、選手に対しACLについての教育や予防トレーニングを行うことが重要であることを示唆している。また、今回の研究では練習中間までの移動量の増加が著しく、中間からは時間経過とともに起こる上昇はゆるやかになるが、頭打ちにはならなかった。試合・練習の後半に受傷が多いという報告もあり、移動量の増加がこの一因となっている可能性が示唆されるため、これを念頭に置いて予防トレーニングをする必要がある。【理学療法学研究としての意義】 我々理学療法士としてはACL再建術後等の患者に対し動作指導を行う際に、疲労を起こさないように配慮することが多い。しかし、今回の研究結果により練習・試合の後半を見越しての確実な動作を獲得するためのアスレチックリハビリを実施し、競技復帰を許可することの重要性を示した。