著者
若森 真樹 土井 龍雄 大久保 衞 大槻 伸吾
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.89-93, 2001
被引用文献数
1

食品および生活雑貨の受注販売会社の配送配達作業従事者,平成9年度365名,平均年齢31.4歳,平成10年度360名,平均年齢31.9歳,平成11年度362名,平均年齢32.1歳(すべて男性)に対し,作業状況を調査し,腰痛その他の障害の危険因子を分析し対策の立案,実施の資料とした.その結果から職場体操を作成し指導した.また,作業方法,姿勢の改善指導し,体力測定を行った.さらに職場リーダの養成や腰痛検診および腰痛体操教室を実施した.その結果,腰痛を訴える者は62.7%から47.2%,医師による腰痛検診の結果,所見なし30.5%から90.2%と改善した.体力測定結果は筋,筋持久力テストでは有意に向上した.この企業においては作業環境改善や省力化を中心とした対策を講じてきたが顕著な改善は得られなかった.今回,成果が得られた要因は作業状況を調査し予防と治療,また個体的要素と作業環境要素から作業や職場に適した対策を立案,実施し,教育やサポート体制の整備などを包括的に行ったことによるものと考えられた.
著者
亀山 敦史 森 啓 小町谷 美帆 小松 佐保 内川 竜太郎 甲田 訓子 奥瀬 稔之 小林 彩 呉 佳瑩 KAMEYAMA ATSUSHI MORI HIROSHI KOMACHIYA MIHO KOMATSU SAHO UCHIKAWA RYUTARO KOHDA KUNIKO OKUSE TOSHIYUKI KOBAYASHI AYA WU CHIA-YING
出版者
松本歯科大学学会
雑誌
松本歯学 = Journal of the Matsumoto Dental University Society (ISSN:21887233)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.88-96, 2021-03-16

Summary Many attempts to utilize ICT (Information and Communication Technology) tools have been made to promote active and interactive learning between teachers and students. A major area has been the introduction of education using clickers for dental students, and some reports indicated their effects. However, the introduction of mobile devices and software and their maintenance and management very costly. On the other hand, almost allundergraduate students of Matsumoto Dental University have a smartphone, and can connect to the Internet in the lecture room. Therefore, we conducted online exercises to pre- pare for the National Board Dental Examination using students' smartphones and the online real–time voting service"Mentimeter" at the lecture of Operative Dentistry for 6th–year dental students of Matsumoto Dental University, in the school year of 2019. We also conducted some anonymous online questionnaires using Mentimeter. Thirty percent of the participating students answered that they were not good at conservation and restoration studies. Although 97% of students answered that the test questions conducted in the exercise using Mentimeter were difficult, 92% of the students answered that the exercise was effective in deepening their knowledge of Operative Dentistry. The results of the questionnaires suggested the effectiveness of the interactive lecture using Mentimeter in order to deepen and retain knowledge of Operative Dentistry.
著者
北岡 和代 増田 真也 森河 裕子 中川 秀昭
出版者
The Japanese Association of Administrative Science
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.53-63, 2015 (Released:2015-12-25)
参考文献数
37

The Center for Organizational Research & Development, Acadia University, Canada developed a new measure, Areas of Worklife Survey (AWS) that measures six areas in the work environment. The objective of the present study is to translate the AWS into Japanese and evaluate factorial validity and examine criterion-related validity as well as reliability. The Japanese AWS was prepared and administered to a sample of employees at one IT enterprise. A total of 1,214 valid data was obtained. The AWS consists of 29 items that produce distinct scores for each of the six areas of worklife: workload, control, reward, community, fairness, and values. The exploratory factor analysis replicated the same six-factor structure as the original. The confirmatory factor analysis supported a six-factor model. Cronbach's alpha coefficients for all six subscales were .66-.88. The AWS had significant correlations with three subscales of the MBI-GS but not for workload-professional efficacy. In all, the examination found support for the validity as well as reliability of the Japanese AWS although a couple of issues to be resolved in the near future remain.
著者
豊田 真吾 立石 明広 熊谷 哲也 菅野 皓文 山本 祥太 千葉 泰良 森 鑑二 瀧 琢有
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
脳神経血管内治療 (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.285-288, 2014

要旨: 【目的】今回我々は,脳血管内治療における3D ワークステーションの微細な術中操作を目的として,ワイヤレスマウスを活用したため報告する.【症例】2013 年8 月から2014 年6 月までの脳血管内治療連続70 例を対象とした.3Dワークステーション専用コンピュータにワイヤレスマウスレシーバーを接続,ワイヤレスマウスを用いてテーブルサイドで3D ワークステーションの術中操作を行った.本法により,テーブルサイドでも操作室のコンソールと同様に,3D ワークステーションの微細な術中操作が可能であった.【結論】本法は,脳血管内治療を効率的に行う一助となると考えられた.
著者
森安 孝夫 Moriyasu Takao モリヤス タカオ
出版者
中央ユーラシア学研究会
雑誌
内陸アジア言語の研究 (ISSN:13415670)
巻号頁・発行日
no.17, pp.117-170, 2002-09

庄垣内正弘教授還暦記念 チュルク学特集号 / Papers in Honour of Professor Masahiro SHOGAITO on his 60th BirthdayNOTE: 図版あり / With Plates (1.8MB)
著者
森田 悠基 松井 藤五郎 大和田 勇人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1B21, 2009

<p>本論文では構築したWeb上のブログ空間から、評判ブログを抽出し、検索できるようにするためのシステムに対し、適切な分類アルゴリズムを比較検討する。ブログを個人ブログと非個人ブログに分けるという観点に基づいた分類に対し、Naive Bayes, Support Vector Machineといった教師あり学習とEMといった半教師学習を組み合わせた手法について比較実験を行う。</p>
著者
大屋 久晴 永田 二郎 西 鉄生 森岡 祐貴
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.1021-1023, 2009-11-30
参考文献数
7
被引用文献数
2

症例は65歳の男性で,腹痛・発熱で発症し近医を受診。回盲部周囲の炎症を指摘され当院を紹介された。腹部では,臍部・右下腹部に圧痛を認めた。CTでは回盲部付近回腸側に34×28mm大のlow density areaを認め,内部にbone densityが確認され周囲fatの炎症所見を示した。発症前にぶり大根を食べていたことから魚骨穿孔による腹腔内膿瘍と診断した。抗生剤・絶飲食のみでは改善が得られないため,最終的には手術を行った。開腹所見では虫垂先端に穿孔部を認め,同部位に骨片が確認され,これを中心に周囲膿瘍が形成されていた。虫垂切除術・洗浄ドレナージを施行した。誤嚥魚骨による消化管損傷は特異的な症状がないが本症例では詳しい食事歴の聴取とmulti detector-row computed tomography(MD-CT)により診断が可能であった。
著者
神野 佑介 永田 英 新居 優太郎 今林 潤 鷲見 香莉奈 若林 健流 岩築 美幸 松田 孟男 柏木 ハツヱ 佐古 佐世子 鴈金 舞 鄭 喆心 廣岡 陽子 森本 拓輝
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-05-10

アトウッドの滑車を利用して加速度をコントロールすれば,月や火星の重力もつくれると考え,重力可変装置を製作した.下降するおもりの側を実験カプセルとして内部の重力を計測した.0.5秒の短い時間ではあるが,火星,月,エンセラダスの表面重力を作ることができた.すでに実働している微小重力発生装置と連携すれば0Gから1Gの任意の重力を生み出すことができる.さらに,上昇するおもりの側を実験カプセルとすれば,約1.5Gまでの重力をつくりだせると考えられる. この装置で作った火星表面重力を用いて,火星での水の振る舞いを観察した.その結果,火星上の水は,地球上での挙動とかなり異なることがわかった.火星重力下での水は,粘性が大きくなったような動きを示した.映像から解析した火星の水の粘性は地球の水と比べて約2.4倍であった. 簡単な原理で目的とする天体の重力を実現することができた.今後の太陽系探査で,さまざまな天体環境での予備実験に重要な役割を果たすと考えられる.
著者
柏田 良樹 森田 益史 野中 源一郎 西岡 五夫
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.856-860, 1990-04-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
13
被引用文献数
11 15

A chemical examination of the polyphenolic constituents of the fern, Dicranopteris pedata HOUTT., has led to the isolation of eight new proanthocyanidins possessing a doubly-linked (A-type) unit, together with known flavan-3-ols and proanthocyanidins. On the basis of chemical and spectroscopic evidence, they are characterized as epiafzelechin-(4β→8, 2β→O→7)-eniafzelechin-(4α→8)-epiafzelechin(8), epicatechin-(4β→8, 2β→O→7)-epiafzelechin-(4α→8)-epiafzelechin(9), epiafzelechin-(4β→8, 2β→O→7)-epizfzelechin-(4α→8)-epicatechin(10), epiafzelechin-(4β→8, 2β→O→7)-epicatechin-(4α→8)-epicatechin (11), epicatechin-(4β→8, 2β→O→7)-epiafzelechin-(4α→8)-epicatechin (12), epicatechin-(4β→8, 2β→O→7)-epicatechin-(4α→8)-epiafzelechin (13), epicatechin-(4β→8, 2β→O→7)-epicatechin-(4α→8)-epigallocatechin (14) and epiafzelechin-(4β→8)epicatechin-(4β→8, 2β→O→β→7)-epicatechin-(4α→8)-epicatechin (15).
著者
森川 重敏 石川 順子 釜付 弘志 新里 康尚 渡辺 朝香 石川 洋 千原 啓 永田 哲朗 米谷 国男
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.1495-1502, 1990

当科で行っている塩酸 Bupivacaine を用いた持続硬膜外麻酔 (以下硬麻) による無痛分娩の安全性の確立を目的として, 硬麻下に生まれた新生児の神経行動および長期予後として, 乳児の精神発達について比較検討した. 合併症のない満期産頭位経腔分娩例中, 無作為に抽出した硬麻群72例 (吸引分娩 (以下VE) 33例, 非吸引分娩 (以下NSD) 39例), 同様に対照群として非硬麻群28例 (VE 13例, NSD 15例) について, 1) 局麻薬 Bupivacaine 濃度と Neurological and Adaptive Capacity Score (NACS) (Amiel-Tison et al.) を用いた新生児の神経行動との相関, 2) 新生児における NACS と総哺乳量および新生児体重減少との関連, 3) 長期予後として, 津守・稲毛による乳幼児精神発達質問紙を用いた乳児の精神発達について比較検討し, 以下の結果を得た. 1) 局麻薬 Bupivacaine の母体静脈血, 臍帯静脈血, 臍帯動脈血中濃度は, すべて Bupivacaine 総投与量と相関していた. そして, 新生児の神経行動 (NACS) は, Bupivacaine 総投与量が多いほど, 不良であることが判明した. 2) 硬麻下に生まれた新生児の1時間以内の NACS は, 分娩様式の別なく不良であり, この抑制傾向は, 生後3日目まで残っていた. 3) Bupivacaine 総投与量と分娩所要時間は相関していた (r=0.85). また, 分娩所要時間が200分以上の群は200分未満の群に比較して, 新生児の1時間以内の NACS は, 硬麻の有無, 分娩様式にかかわらず, 抑制傾向がみられた. 4) 新生児の総哺乳量は, 硬麻群において, 生後2日目まで抑制傾向がみられたが, 生理的体重減少では差はみられなかった. 5) 長期予後としての乳児の精神発達は, 生後11ヵ月, 3ヵ月, 6ヵ月時, 硬麻群, 非硬麻群間に有意差を認めず, 児の精神発達は良好であった. 以上, 硬麻は安全性の高い, ほぼ理想的な無痛分娩法といわれているが, 新生児の神経行動から短期予後について検討すると, まだ改善すべき点があると思われる. しかしながら, 児の長期予後としての精神発達は問題ないと考えられる.
著者
山田 鑑照 尾崎 朋文 松岡 憲二 坂口 俊二 王 財源 森川 和宥 松下 美穂 吉田 篤
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.353-374, 2009 (Released:2010-01-20)
参考文献数
49

経穴研究委員会として3回目のワークショップを第57回全日本鍼灸学会学術大会 (京都) において開催し、 2つのテーマについて検討し報告した。 第1テーマ (日中における循経感伝現象の研究) 1) 中国における循経感伝現象の文献調査 (王):1979年以降の中国において行われた循経感伝現象の主要な研究についての文献調査。 経絡現象並びに循経感伝現象の定義、 循経感伝現象の特徴とその発現機序について報告する。 2) 良導絡よりみる循経感伝現象 (森川):腎透析患者並びに胃全摘患者における反応良導点出現及び特定部位刺激による反応良導点の出現と針響の出現例を報告し、 反応良導点と循経感伝現象の関係について検討した。 3) 循経感伝現象の発現機序 (山田):鍼灸刺激により知覚神経終末から神経伝達物質が放出される。 この神経伝達物質がリンパ管に吸収されリンパ管平滑筋を刺激して循経感伝現象が起こる。 その伝搬速度、 阻害因子などを踏まえて発現機序について検討した。 第2テーマ (経穴の部位と主治) 1) 環跳穴の解剖学的部位 (尾崎・松岡):環跳穴はWHO主導による経穴部位国際標準化において中国案並びに日本案の両案併記となった。 この両部位において体表に対して垂直方向に刺鍼したときの皮下構造から考えられる臨床効果について比較検討した。 2) 環跳穴の部位・主治の変遷 (坂口):WHO主導による経穴部位国際標準化において両案併記となった 「環跳穴」 について、 中国と日本の古典を引用し部位と主治の変遷について比較検討した。
著者
長谷川 浩一 林 真人 川口 健司 田代 晴彦 森川 篤憲 岡野 宏 川上 恵基 村田 哲也
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第56回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.29, 2007 (Released:2007-12-01)

(症例)患者はインドネシア国籍の29歳男性で、平成19年1月17日に頭痛を主訴に当院外来を受診。頭部単純CTで左側頭葉に低吸収域を呈する脳病変を認めた。しかしながら不法滞在者であると判明し、それ以上の精査治療は母国で行うべきと初診医が判断し、即時の帰国を勧めた。しかしながら、症状は徐々に悪化し発熱と意識障害をきたしたため、1月21日に当院救急外来を受診し内科入院となった。入院時、口腔内カンジダ症を認め、抗HIV抗体が陽性であった。髄液検査では異常を認めなかったが、AIDSによる脳トキソプラズマ症が最も疑われ、ST合剤とクリンダマイシンの投与を開始した。治療により解熱しCRPも9.0から0.5に低下したが、意識状態の改善はあまり認められず、到底旅客機で帰国できる状態ではなかった。2月1日に局所麻酔下で定位的に病変部位の生検術を施行し、病理組織にて脳トキソプラズマ症の確定診断が得られたため、2月8日に三重大学附属病院血液内科に転院した。その後、ピリメサミンを用いた積極的な治療により旅客機で帰国できる状態にまで回復した。 (当院での対応)不法滞在のため保険には未加入で、治療費は自費のため金銭的な援助をインドネシア大使館にも相談したが、予算がないため金銭的な援助は不可能との返事であった。また、当院はAIDS拠点病院に指定されていないため、県内のAIDS拠点2病院への転院も考慮したが困難であった。三重大学附属病院のみHIV感染により何らかの合併症を発症している事が確認されていれば、何とか受け入れ可能であるが、少なくとも脳の生検でAIDS以外の脳病変を否定する事が前提条件であった。HIVに対する手術器具の消毒法もHCV等と同じであるが、HIV感染患者の手術は当院では初めてであり手術室等からの反対もあったが、転院のためには他に手段はなく、当院でやむなく生検術を施行した。 (考察)不法滞在患者でなく金銭的に問題なければ、大学病院以外のAIDS拠点病院への転院も可能であったと思われるが、研究機関でもある大学病院しか受け入れは許可してもらえなかった。鈴鹿市は外国人の割合が高いので、不法滞在の外国人も多いと予想されるが、これは全国的な問題と考えられる。不法滞在者であるからといって人道的に治療を拒否する事はできず、行わなければならない。その様な場合、どこからか金銭的な援助を得て、なんとか治療を行える方法はないのであろうか。また、外来受診の翌日に名古屋の入国管理局から連絡があり、すぐに帰国させる様に伝えたが、手続き上少なくとも1週間以上かかり、結局その間に症状が悪化し帰国できなくなってしまった。不法滞在ではあるが、この様な緊急事態の場合、入国管理局はもっと早く帰国の手続きをとる事はできないのであろうか。この患者は治療により帰国できる状態にまで回復したが、回復しなかった場合は二度と自国の土を踏む事はできなかったと考えられた。