著者
日野 泰雄 向井 一雄 水上 和也 森田 隼一
出版者
Japan Society of Traffic Engineers
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.B_18-B_25, 2015

少子高齢化と同時に人口減少が進む中、賑わいづくりもまた、まちづくりの重要な要素となっており、そのためには、特に高齢者を中心に外出機会を提供するとともに、移動のしやすさや同伴移動の推奨などによる移動支援が求められていると考えられる。そこで、本研究では、このような高齢者にとって移動しやすいまちづくりの実現を念頭に、「日曜日同伴者割引」、「通院利便性の向上に合わせた路線バスのコミバス同一区間同一料金」、「高齢化率の高い地区でのフリー乗降サービス」を新たに導入し、利用実態と利用者や市民意識の調査を実施した。その結果、これらのサービスの有用性と今後の展開に向けた課題を抽出することができた。その成果は、今後の高齢化社会におけるまちづくりと一体となったバスサービスの実現の先例を示すものと考えられる。
著者
築舘 香澄 大森 正司
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2012

<b>目的</b> &gamma;-アミノ酪酸(GABA)は抑制性の神経伝達物質として脊椎動物の脳内に存在することが知られている.また,現在では様々な末梢組織にGABAが存在することも認められている.近年,GABAは血圧上昇抑制作用や抗ストレス作用,成長ホルモン分泌促進作用,腎機能障害抑制作用,中性脂肪増加抑制作用を有することが知られ,機能性食品素材として注目されているが,食餌性GABAの体内における挙動について検討した研究はほとんどない.そこで本研究では,ラットにGABAを経口投与し,各臓器におけるGABAの分布について検討した.<br><b>方法 </b>6週齢のWistar系雄性ラットを用いた.ラットに10%GABA溶液を1mL強制経口投与し,1,3,5時間後に二酸化炭素による安楽死の後開腹し,心臓採血を行った.その後,生理食塩水を灌流して脱血し,胃,肝臓,腎臓,脾臓,十二指腸,盲腸,大腸,睾丸,脳を摘出した.採取した血液および臓器についてTCA溶液で除タンパク後,L-8800形日立高速アミノ酸分析計を用いてGABA含量を測定した.<br><b>結果 </b>血液,肝臓,十二指腸および睾丸中のGABA含量は,投与後1時間で最大値を示し,時間とともに緩やかに減少した.胃では投与後1時間で最大値を示し,その後,急激な減少が認められた.腎臓では,投与後1時間から3時間で最高値を示し,その後減少した.脾臓では投与後3時間で最大値を示した.盲腸および大腸では,投与後,時間とともに増加した.GABA投与後,脳中GABA含量の大きな変化は認められなかった.
著者
森貞 晃 小林 孝之 蓬原 弘一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.125, no.9, pp.839-846, 2005
被引用文献数
1

In this paper, construction logic of a man/machine safety work system is presented. Especially in a system where the human and machine cooperatively work on the time axis, safety assurance requires the human and machine to maintain different positions or states. A control of this positional relationship or state change is defined as block section control. In Chapter 3, the safety of the platform door system composed of train doors and platform doors is discussed. These systems are characteristic in that it has two or more safe areas and that its hazardous area change to safety area. The concept of the man/machine safety work system is applied to the station platform door system, and the conditions for assuring the safety of the control the station platform door system are derived.
著者
小池 義和 森野 博章 栗原 邦彰 糸井 成夫 河上 達 清水 悦郎
出版者
Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology
雑誌
JAMSTEC Report of Research and Development (ISSN:18801153)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.49-58, 2014
被引用文献数
3

近年,深海探査の要求は高まっており,低コストで簡易な深海探査システムの実現が望まれている.江戸っ子1号プロジェクトは,東京下町の中小企業,大学,研究機関,金融機関,企業有志がフリーフォール型の簡易深海探査システム実現を目的として集まって実施したプロジェクトである.プロジェクトでは,深海7800 mでの3Dビデオ撮影に成功している.このプロジェクトに参加した筆者らは,江戸っ子1号プロジェクトで使用したフリーフォール型深海探査システムのガラス球内部に温度センサと気圧センサを設置し,深海の温度プロファイル,着底,離底の検知ができないかを検討した.その結果,センサ出力から得られる体積変化分から着底,離底の検出が可能となることを確認した.
著者
藤森照信著
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
1989
著者
森 宜人
出版者
一橋大学大学院経済学研究科
雑誌
一橋経済学 (ISSN:18812376)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.35-64, 2016-07

This paper shows how the urban governance in Germany changed in the period around the building of Weimar Republic using a case study on the unemployment relief in Hamburg. In Germany, the Reich begun to deal with the unemployment problem on the basis of the wartime welfare in 1915. Its administration was, however, in the hands of such urban organizations as municipalities and private charities, and the roll of the Reich was limited to offer them subsidies. This framework was basically taken over by the unemployment relief introduced by the Reich in 1918 that served as the core system in this field until the introduction of the unemployment insurance by the Reich in 1927. The aim of the present paper is to examine the relationships in this framework between the Reich and the urban organizations, between the official and private sectors in the city, and between the unemployment relief and the public welfare in the municipality.
著者
佐藤 弘康 平沢 晋太郎 門野 冴美 晴山 知拓 藤田 剛平 金高 勇介 田村 広志 小森 均
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.32-36, 2017-05-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
10

Objective: Currently, the creation of a pharmaceutical risk management plan (RMP) for new drug information is obliged to pharmaceutical companies.  The created RMP is published on the Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PMDA) website.  RMP is a useful information source to ensure drug safety by healthcare professionals, including pharmacists.  “Risk minimization activities” of the RMP are especially important elements for healthcare professionals because they describe measures to minimize risk to patients.  We conducted a cross-sectional survey of the description of the contents of “risk minimization activities” in the RMP.Methods: The RMP of 177 drugs that had been published in February 22, 2016 were investigated.Results: Total risks enumerated for the study drugs were 1,678.  “Routine risk minimization activities” constituted 92.0% of total risks.  The most listed item on “routine risk minimization activities” was “attention on the product labeling of the drug package insert” (91.3%).  Differences in the expression level on “attention on the product labeling” were observed.  On the other hand, the most listed item of “additional risk minimization activities” was “the creation of documents for healthcare professionals” (38.3%) and “implementation of Early Post-marketing Phase Vigilance” (27.1%).Conclusion: A clear understanding of RMP by healthcare professionals is important.  In the RMP, “risk minimization activities” (especially “additional risk minimization activities”) are the most important contents for healthcare professionals, because they include information of documents created by the pharmaceutical company for patient safety.  The level of description of the contents of RMP varies between drugs.  It is essential that these descriptions be uniform the expression level to be easily and accurately utilized by healthcare professionals.
著者
森部 豊
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
no.49, pp.105-126, 2016-04

This paper sets out current trends (and problems) in research on the history of theXi and Qidan peoples in the Tang dynasty. It also introduces epitaphs of these peoplesthat were discovered during the late-twentieth and early-twenty-first century in Chaoyang (Liaoning Province), Beijing, Xi'an, and Luoyang, while clarifying current scholarly issues and the direction of future research. These epitaphs provide new information on the "loose-rein prefectures" (jimizhou), territories indirectly administered by the central imperial authority, and the Fubing military system in the Tang dynasty.
著者
小村 弘 茂本 友貴枝 河原 亥一郎 松田 健一 阿野 理恵子 村山 洋子 森脇 俊哉 吉田 長弘
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.141-147, 2005-01-01
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

コンビナトリアルケミストリーの発展により化合物ライブラリーの数は百万を越え, 週に何十万もの化合物が多くの生物学的ターゲットに対してスクリーニングされている. これに伴い多くのリード化合物が見出されている. さらに開発候補品のディベロッパビリティにおいて動態代謝特性が重要な要因の1つであるとの認識が深まり,優れた薬物動態プロファイルを伴った開発候補品を見出すため探索動態グループに対する要求が年々高まってきている.このような状況下において, 溶解性, Caco-2膜透過性及び代謝安定性試験などについてハイスループットスクリーニング(HTS)への取り組みが行われてきた. しかしながら, 探索動態試験におけるHTSは時間と労力を必要とし, 評価できる化合物の数は最大でも生物学的ターゲットに対するHTSの1/100から1/10000と限られている. 近年, 合成化合物の体内動態特性を予測するためのin silicoモデルが検討されている.特にpolar surface area(PSA), molecular weight(MW), 脂溶性(logP)及びhydrogen bonding(HB)の数などの種々のパラメータが用いられ, 薬物の膜透過性又は経口吸収性の予測が試みられている.
著者
小村 弘 松田 健一 茂本 友貴枝 河原 亥一郎 阿野 理恵子 村山 洋子 森脇 俊哉 吉田 長弘
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.131-139, 2005-01-01
参考文献数
25
被引用文献数
1 3

肝臓での代謝安定性は経口吸収性とともに生体内利用率に影響する重要な因子であり, その最適化は多くのプロジェクトにおける最重要課題の1つである. 一般に代謝試験には肝ミクロソーム系又は単離肝細胞系が用いられている. 肝細胞系はphaseI及びII代謝活性, さらに肝取り込みや胆汁排泄に関与する膜輸送系を有しており, 開発候補品を初め薬物の詳細な代謝検討に使用されている.しかし非凍結及び凍結ヒト肝細胞の場合コストが高く付くこと, またロット間の代謝活性の個体差が大きいこと, そしてロボットへの適応が難しいことから, 創薬の初期スクリーニングには適していないものと考えられる. 一方, 肝ミクロソーム系では細胞質の酵素によるphaseI及び硫酸抱合活性などのphaseII代謝を測定することができないが, 主代謝酵素であるcytochromeP450(CYP)活性が存在し,いずれの種についてもミクロソームを容易に入手できる. 特にヒトではハイスループットスクリーニング用として多くのドナーから調製されたミクロソームが市販されている.
著者
小村 弘 河原 亥一郎 茂本 友貴枝 松田 健一 阿野 理恵子 村山 洋子 森脇 俊哉 吉田 長弘
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.121-130, 2005-01-01
参考文献数
27
被引用文献数
2 5

経口吸収性は生体内利用率に影響する重要なファクターの1つであり, ヒトでの低い吸収率さらにはその個体間の大きなバラツキは, 開発候補品のディベロッパビリティーを大きく低下させる. 近年コンビナトリアルケミストリー及びハイスループットスクリーニング(HTS)の導入は幅広い生物学的ターゲットに対して効率的にリード化合物の創出を可能にしてきたが, リード化合物の経口吸収性を初め体内動態に関わる物性を悪化させた. したがって, 創薬において吸収性に優れた開発候補品を創製するためにはリード化合物の最適化が必要となる. 吸収性は主に水に対する溶解性と膜透過性が大きく関わっており, これらのスクリーニング系が開発されてきた.近年その処理能力を上げるため, より簡便な比濁分析法や溶液沈殿法を用いた溶解性試験, さらにはCaco-2細胞の短期間培養法, N in one 及び96 well formatを用いた透過性試験系が採用されている.
著者
森 川豊 中 洋- 尾 崎葦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1972, no.6, pp.1023-1028, 1972-06-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

-重促進鉄(Fe-Al203)上における窒素ガスの同位体交換反応の速度を280~330℃で求めた。この速度は,吸着窒素の脱離速度と-致したので,-重促進鉄上に吸着した窒素は大部分解離型であると推定された。-重促進鉄上での同位体交換反応は純鉄上,二重促進鉄上でのそれにくらべてきわめて速い。また同位体交換反応に対する共存水素の効果は,二重促進鉄の場合には促進効果であったのに対し-重促進鉄では阻害効果を示した。純鉄にK20を添加したFe-K20上でこの共存水素の効果を調べたところ,明らかな促進効果を示した。これらの事実から,アンモニア合成触媒におけるAl203は,窒素の解離に対する活性をきわめて増大する効果を有するが,その活性は水素が共存すると減少する。また,促進剤K20は,水素が共存する系でN2=2NHなる過程を促進することにより,窒素の解離吸着をいちじるしく速くすると推定した。