著者
鎌田 徹朗 橋本 剛
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.167-171, 2016-10-28

StarCraftはRTS(Real-Time Strategy)ゲームの中でも特に人気のシリーズであり,多くのプロが存在している.現在までに,プロより強いAI開発を目標として様々な研究が行われているが,AIはプロに対して0勝15敗と惨敗しており,プロのレベルには遠い.本研究ではより効率的なAIの強化を考え,StarCraftの作戦に注目し,深層学習を用いた対戦相手の作戦予測手法を提案する.
著者
川上 直人 橋本 剛
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2018-GI-39, no.6, pp.1-6, 2018-02-23

近年,囲碁や将棋の AI が人間のトッププレイヤーに勝利するなど完全情報ゲームの研究は大きな成果を上げており,次のターゲットとして不完全情報ゲームが注目されている.バックギャモン,ポーカー,麻雀においてはトッププレイヤー相当の実力を持つ AI が研究されているが,ガイスター ・ 軍人将棋など,チェスや将棋とルールが似ている不完全情報ボードゲームでは強い AI の研究があまり行われていない.本稿では不完全情報ボードゲームの一つである 「ガイスター」 AI を題材とし,GPW 杯ガイスター AI トーナメント 2017 で優勝した AI のアルゴリズムを紹介する.
著者
楊 せい 橋本 剛
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.161-164, 2015-11-16

東日本大震災から4年が経ち、供与期間終了後における応急仮設住宅の処分・再利用等が課題となっている。本研究では、福島県会津若松市の板倉構法による応急仮設住宅を復興公営住宅に転用する事業を対象とし、解体工事のプロセスを明らかにするとともに、部材の再利用率を検証することを目的として、仮設住宅の解体工事に関する調査を行った。ビデオカメラと調査シートを用いて解体工事を詳細に記録し、事業者に対して再利用に関する資料提供を依頼した。木造構造材の大部分は再利用可能であることが明らかとなった。一方で、1階の落としパネルの破損率は33.4%だった。また、外壁竪羽目板の破損率は最も高く、約6割の破損が生じた。
著者
野津 佑太 後藤 嵩幸 橋本 剛
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.123-128, 2016-10-28

コンピュータ将棋の評価関数は,Bonanzaメソッドの考案により機械学習で値を決めることが一般になり,格段にレベルが向上した.現在では,プロ棋士との対局で勝利するなど,トッププロの実力を追い越そうとしている.しかし,中盤以降に比べて序盤が弱いという弱点も抱えている.将棋プログラムの強さは評価関数の精度で決まる.40駒からなる将棋の盤面を評価する際,一般には局面を駒数個からなる部分局面に分割し,足し合わせて評価を行う.現在の多くのプログラムは,駒組み合わせ全てを保持する評価関数を用いているため,3駒程度の少ない駒数にしか分割できない.そのため,序盤で特に重要な盤面の細かな違いを認識することが出来ない.高次元組み合わせ評価を行うためには,重要な駒組み合わせのみを評価する評価関数が必要である.後藤は,重要な駒組み合わせのみを抽出する評価項目自動抽出法を提案し,高次元組み合わせ評価が可能となることを示唆した.しかし,学習や対局中の探索時間が大幅に増加し,まだ実用レベルには至っていない.そこで本研究では,評価項目自動抽出法の高速化手法を提案する.高速化手法を実装し,高速化前のプログラムと速度比較実験・対局実験を行い,性能向上を確認した.
著者
橋本 剛
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.5-9, 2007-01-01

コンピュータ将棋は予想を上回る勢いで進化を遂げ,プロレベルまであと一歩のところまで来た.本稿ではその強さを象徴する話題を取り上げ,次に最新技術の紹介を探索,評価関数,詰み探索の順に行う.実現確率探索は人間に近い思考を実現する画期的な方法でブレークスルーとなった.2006年コンピュータ将棋選手権で初出場初優勝を果たしたBonanzaは,これまでの常識を覆す全幅探索と評価関数の学習でこの世界に衝撃を走らせた.今後はさらに進歩が加速すると予想され,名人を超える日もそう遠い未来ではないのかもしれない.
著者
鎌田 徹朗 橋本 剛 高野 誠也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-6, 2015-02-26

StarCraft はリアルタイムストラテジー (RTS) ゲームの中でも特に人気のシリーズであり,多数のプロプレイヤーがいる.AI 同士で対戦を行う大会が開催され, StarCraft AI の開発は徐々に盛んになってきているが,まだプロに勝てるほど強くない.2012 年と 2014 年に開催された大会で上位入賞 AI 対プロの対戦が行われたが,結果は AI 側の 12 戦全敗であった.この対戦を分析すると,ユニットの移動時の配置に大きな問題があることがわかった.本研究では StarCraft AI に隊列の概念導入を提案し,実装を行い実験により有効性を調べる.StarCraft is a popular series of Real Time Strategy (RTS) games with which many professional players play. Tournaments for AI are often held and development of StarCraft AI gradually becomes popular, however it can not defeat professional players yet. Higher-ranking prize StarCraft AI programs on 2012 and 2014 tournaments played with a professional player and the result is zero win twelve loses among twelve games from AI. Analysis of these games makes aware that disposition of units while moving has great difficulty. This research introduces a concept of ranks of troops to StarCraft AI, implements it and examines its effectiveness by experiments.
著者
橋本 剛
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.64-75, 1997
被引用文献数
2

This study purported to analyze and clarify factors that cause interpersonal stress, conflicts, inferiority complex and dislocation in adolescence. Study I identified three categories of interpersonal stress: (1) interpersonal conflict, (2) interpersonal inferiority complex, and (3) interpersonal dislocation. Study II examined correlations between personality trait scales and these three categories. These correlations were analyzed according to stressfulness and frequency of events. As a result, validity of the three categories was supported, and it was suggested that different strategies were necessary for intervention in order to reduce the impact of stress.
著者
橋本 剛
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.94-102, 2000-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
29
被引用文献数
4 4

教育場面においても対人関係の否定的側面が精神的健康に及ぼす影響は重大な問題であると考えられる。本研究では (1) 社会的スキルと対人ストレスイベント (ストレッサーとなり得る対人関係上の出来事) の関連,(2) 対人方略 (他者との関わり方/スタイル) と対人ストレスイベントの関連,(3) 対人方略と社会的スキルの関連, を検討することを目的とした。分析対象は大学生計200名 (男性105名, 女性95名, 平均年齢19.38歳) であった。分析の結果, 社会的スキルは対人劣等とは負の関連を持つという仮説は支持されたが, 対人摩耗とは正の相関を示すという仮説は必ずしも支持されなかった。また, 社会的スキルの対人ストレス緩衝効果は示されず, 部分的に直接効果が示された。対人方略と対人ストレスイベントの関連については, 内省傾向が否定的影響力をもつことが確認された。対人方略と社会的スキルの関連については, 対人関係の深化を回避する傾向が社会的スキルと負の関連を持つことが確認された。最後にこれらの知見を受けて, 今後の課題などが議論された。
著者
鎌田 徹朗 橋本 剛 高野 誠也
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2015-GI-33, no.10, pp.1-6, 2015-02-26

StarCraft はリアルタイムストラテジー (RTS) ゲームの中でも特に人気のシリーズであり,多数のプロプレイヤーがいる.AI 同士で対戦を行う大会が開催され, StarCraft AI の開発は徐々に盛んになってきているが,まだプロに勝てるほど強くない.2012 年と 2014 年に開催された大会で上位入賞 AI 対プロの対戦が行われたが,結果は AI 側の 12 戦全敗であった.この対戦を分析すると,ユニットの移動時の配置に大きな問題があることがわかった.本研究では StarCraft AI に隊列の概念導入を提案し,実装を行い実験により有効性を調べる.
著者
橋本 剛明 唐沢 かおり 磯崎 三喜年
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.76-88, 2010
被引用文献数
2

大学生が所属するサークル集団は,フォーマルな組織とインフォーマルな集団の双方の特徴を併せ持った集団であり(新井,2004),本研究はこれを準組織的集団と位置づけた。その上で,サークル集団における成員と集団とをつなぐコミットメントのモデルを探り,検討を加えることを目的とした。具体的には,組織研究の領域における3次元組織コミットメントのモデル(Allen & Meyer, 1990)を基盤に,サークル・コミットメントを測る尺度を作成し,学生205名を対象に調査を行った。その結果,サークル集団におけるコミットメント次元として,情緒的コミットメント,規範的コミットメント,集団同一視コミットメントの3因子が抽出された。さらに,それぞれのコミットメント次元の規定要因に関して,集団がフォーマル集団に近い程度を表す集団フォーマル性との関連を含めて分析を行った。情緒的コミットメントは課題および成員への集団凝集性により規定されており,また,課題凝集性と集団フォーマル性の交互作用が示唆された。規範的コミットメントと集団同一視コミットメントはともに,集団フォーマル性と成員凝集性によって規定されていることが認められた。<br>
著者
フランク スコットハウエル 猪俣 芳栄 橋本 剛 スコット ハウエル 猪俣 芳栄
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

次の二つの観点より「化学英語論文における複合名詞」の研究を行った。1.Inorganic Chemistry誌中、英語圏の化学者と日本人が執筆した論文の各章の複合名詞(NCs)の使用頻度を比較した。両地域のNCsの利用頻度はほぼ同じで、日本人のNCs用法は適切であることがわかった。更に、NCs中に隠された表現を検討した。2.Dalton Transactions誌の英語圏化学者の論文中で使用されている頻出NCsをPERCコーパスで検索し、用法を調べた。その結果、NCs の従属部は単数形をとること、「名詞+名詞」と「形容詞+名詞」が同じ意味をとる場合、前者は意味を限定する役割があることがわかった。
著者
古村 沙智代 佐々木 宣介 橋本 剛 飯田 弘之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.27, pp.33-39, 2002-03-15

将棋種の起源に関する研究はたくさんなされているが,文献上の記述があいまいで,実際にどのようにプレイされていたのかを正確に知ることはできない.そのような中で,将棋種の進化論的変遷を解明するためにゲーム情報学的アプローチと呼ばれる,コンピュータ解析を用いたゲーム比較が注目されるようになった.本稿では,その過程と,今後の課題,そして,現時点で取り組むべき,重要な課題について述べる.本稿で焦点を当てる2点は,将棋種の進化の過程で盤サイズの大きい将棋種はほぼ絶滅したにもかかわらず生き残っている中将棋,そして,詰めの概念が導入された経緯,についてである.In a previous study we have investigated the evolutionary changes when going from Heian shogi (an old version of shogi) to modern shogi, using a computer analysis. The novelty of our approach was combining a computer analysis with a historical study when investigating the evolutionary history of games. We also previously proposed a measure to obtain more insight into the evolutionary changes of chess-like games. This measure is based on the game statistics such as the average possible moves and gema length. To collected such data, a method of computer self-play has been incorporated. The present contribution focuses on two unsolved points: (1) the survaival of Chu shogi, the only large shogi variant that is still being played, and (2) the notion of a check and mate. To explore the two points, we performed some expriments of human games on Heain shogi variants, and computer self-play.
著者
橋本 剛 堀越 哲美
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.68, no.571, pp.55-62, 2003
被引用文献数
7 6

The objective of this paper is to clarify the cooling effects of the sea breeze going-up along Shonai and Shinkawa rivers running around the outskirts of Nagoya on the urban thermal environment. In five days during summer of 2001 and 2002, air temperature, humidity, wind direction and velocity were observed as follows : these climatic conditions were measured at 4 stationary points and 58 mobile observation points along Shonai River, Shinkawa River, and some of streets crossing these rivers. The sea breeze from lse Bay went up these rivers in the daytime. ln that case, the cooling effects of the sea breeze were appeared over the area far about 15km from the sea. The wind direction of the sea breeze turned from southwest to southeast in the evening. Not only the wide rivers but also the narrow canal could acl as "Wind Trail" of the sea breeze over the area far from 5km at least. Heat island appeared clearly in the early morning of still fine days, but a part of heat island was cut off "Wind Trail" in the daytime. Consequently, both of Shonai and Shinkawa rivers were certified to have a role of "Wind Trail".
著者
野口 陽来 松井 利樹 橋本 隼一 橋本 剛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.59, pp.31-35, 2008-06-20

現在,コンピュータ囲碁ではモンテカルロ法を用いた探索法が主流となっている.その中でより強いプログラムを作るためにプレイアウトの精度を上げる研究が盛んに行われている.その中でパターンを用いてプレイアウトの精度を高める方法が,その方法を使ったプログラムが大きな大会で優勝したため注目されている.本研究では大きさの異なる二つのパターンを棋譜より抽出し,それらのパターンを使用したプレイアウトの性能を比較した。その結果大きいパターンを使用したプレイアウトの方がパターンを使用しないそれより高い性能を示すことがわかった。またパターンはそれに応じた使い方をしなければ効果が出ないことが予想された。Today, Monte-Carlo method is mainly used in the domain of computer go. There are many studies that improve the accuracy of the Monte-Carlo playout. In this paper, we extract two set of patterns of different size from game records and compare the performances of these patterns. The experimental results show that the bigger patterns have performance better in the playout. Moreover the performance depend on how the patterns are used.