著者
永井 亜貴子 武藤 香織 井上 悠輔
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.223-232, 2018 (Released:2018-05-29)
参考文献数
13

目的 全国の市町村における本人通知制度の普及状況を明らかにし,バイオバンク・ジャパン(BBJ)の予後調査の結果とあわせて分析することにより,本人通知制度が学術研究を目的とした住民票の写しの利用に与える影響について検討する。方法 2015年2~3月に全国の1,741の市町村(特別区を含む)を対象に,本人通知制度の導入状況や同制度の運用形態,学術研究目的の住民票の写しの交付に関する判断基準等について,電話調査を実施した。電話調査で明らかになった本人通知制度の導入の有無と,BBJで2011~2016年度までに実施した計4回の予後調査における住民票の写しの請求に対する交付可否の結果との関連について検討した。結果 電話調査の結果,1,741市町村から回答が得られた(回収率100%)。本人通知制度をすでに導入している市町村は28.9%であり,導入予定がある市町村は5.1%であった。学術研究目的での住民票の写しの交付の判断基準については,担当者ごとに住民基本台帳事務処理要領をもとに判断している市町村は84.8%,担当者間で共有する一定の基準などがある市町村は14.4%であった。BBJの予後調査で行った住民票の写しの交付請求に対する交付拒否の理由として,同意書に住民票の利用について明記されていないことが挙げられ,一部の市町村は本人通知制度の開始に伴う交付判断基準の見直しを挙げていた。本人通知制度の導入の有無とBBJの予後調査における住民票の写しの交付請求への可否の結果の間に,有意な関連は見られなかった。結論 BBJの予後調査で行った住民票の写しの交付請求の拒否理由の一部に本人通知制度の導入による判断基準の見直しが挙げられていた。多くの市町村に学術研究目的での住民票の写しの交付に関して一定の判断基準がないことから,今後,学術研究目的の住民票の写しの交付判断に必要な研究の公益性に関する基準を示すなど,市町村を支援する取り組みが必要である。
著者
柘植 あづみ 武藤 香織 洪 賢秀 熱田 敬子 岩江 荘介 八代 嘉美 粥川 準二 小門 穂 仙波 由加里 張 チョンファン 三村 恭子 渡部 麻衣子
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

医療技術の開発/応用とジェンダーの関係を検討するために日本、韓国、アメリカ等での遺伝子技術、生殖技術、再生医療研究の患者/利用者、研究者への聞き取り調査を実施し、さらにインド、中国などの情報を収集した。そこから医療技術の開発/応用にジェンダー役割が無批判に受容され、それが技術を要請する根拠になることを示した。その上で新しい医療技術の規制を考える際にジェンダーの視点の必要性を指摘した。
著者
柊中 智恵子 中込 さと子 小野 ミツ 前田 ひとみ 武藤 香織 北川 小夜己 矢野 文佳 村上 理恵子 福田 ユカリ
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究は、遺伝性神経難病である家族性アミロイドポリニューロパチーに焦点を当て、患者・家族と看護職のニーズ調査をもとに、看護職に対する遺伝看護教育プログラムを開発することを目的として実施した。患者・家族のニーズ調査から、発症前遺伝子診断を受けて生きる人、発症者、家族といった立場の様々な苦悩や葛藤の様がわかった。また、看護職も遺伝性疾患ということで、対応に困難を感じていた。これらの結果に基づき、教育プログラムに盛り込む内容を検討した。