著者
森地 茂 清水 哲夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.13, pp.915-922, 1996
被引用文献数
1

現在, 都市高速道路では渋滞緩和対策の1つとして流入制御が行われているが, 一般街路への負荷が大きいこと, 事故発生時及び渋滞発生時のような非定常な交通状態に対処できない等の問題を抱えている。本研究は, ランプの待ちスペースに車両を滞留させながらリアルタイムに車両を流入させる手法の開発可能性を検討することが目的である。その際制御オプションの1つとしてピークロードプライシングを導入するが, これにより流入禁止時間を減らす工夫を試みる。このような制御には, 急速な求解が可能な最適化アルゴリズムが必要であるが, 本研究では遺伝的アルゴリズム (GA) の適用により, この問題の解決を試みる。
著者
河野 文彰 和田 俊介 仙波 速見 水野 隆之 川越 勝也 清水 哲哉 中村 都英 鬼塚 敏男
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.71-75, 2012 (Released:2013-01-31)
参考文献数
19

症例は67歳,女性。頸部腫瘤と胸部異常陰影の精査のために当科に紹介となった。頸部超音波検査および頸部CT検査で,30mm大の頸部腫瘤を右内頸静脈の背面に認め,穿刺細胞診にて悪性(乳頭癌)と診断された。しかし甲状腺には明らかな異常病変を認めなかった。また患者は来院時より右の眼瞼下垂と瞼裂狭小を認めていた。甲状腺オカルト癌および頸部リンパ節転移と診断し甲状腺全摘出術と頸部リンパ節郭清術を施行した。頸部腫瘤は内頸静脈と右椎骨前筋群に浸潤を認め,さらに右迷走神経と右交感神経幹への浸潤も認めた。迷走神経は温存できたが,内頸静脈および交感神経幹は合併切除を余儀なくされた。術前に交感神経鎖浸潤を来たしHorner症候群を呈した興味あるまれな症例を経験したので報告した。
著者
林 貴史 澤田 隆 清水 哲 河村 良寛 岸 清志
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.1366-1369, 1999-05-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
12

症例は60歳男性.糖尿病を指摘されていたが未治療であった.発熱,嘔気を主訴に入院,抗生剤の全身投与を行うも効果なく,敗血症からDIC状態となる. CTscanで肝外側区域に限局するガス産生化膿性肝膿瘍と診断されたため経皮的膿瘍ドレナージを試みるも少量の排液しか認めず,その排液からはKlebsiella pneumoniaeが検出された.膿瘍を含めた肝外側区域切除と胆嚢摘除術を行った.膿瘍は10×9×5cmで多数の隔壁を有する出血壊死巣であった.術後は治療に比較的よく反応し敗血症, DICは徐々に改善し,血糖はモノタード・インスリンでコントロール良好となった.膿瘍の経皮的ドレナージが困難なガス産生化膿性肝膿瘍症例に対する治療法の1つとして,膀膿瘍を含めた肝切除術は有効な方法と考えられた.
著者
清水 哲郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.581, pp.54-65, 2009-07-13

IMEと言えば、例えば「あそうさん」を「麻生さん」に変換するのが本来の役目。しかし、麻生さんの内線番号やメールアドレスに変換するなど、備忘録的な使い方もできるのをご存じだろうか。あるいはメールの決まり文句を一発で入力したり、「うらわざ」でWindowsのコマンド一覧を出すなど、使い方次第で応用は無限大。IMEのキホンから実践テクニックまでを一挙に紹介しよう。
著者
清水 哲朗
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.13-24, 2013-12-31 (Released:2017-05-22)

Kiyoshi Miki (1897-1946) studied the aspect of imagination as for mythology, system, technology, and experience through The Logic of Imagination. In each theme, pathos and logos were involved each other. Among the involvement between pathos and logos various forms with imagination have been produced in history. Based on Miki's vision for imagination, in this paper I concider Miki's perspective for the themes concerning the power of imagination in Kant's critical philosophy. At each stage of the Kant's deduction in that case I will analyze how Kant found out the modeling power of imagination at the process of the deduction. For Kant's regulation of imagination I will think about how Miki considered the Kant's deployment of imagination compared with Mild's own logic of imagination. I will try to understand how Kant gave forms to imagination according to the each stage of his logic of imagination. Through such multi-layered examination for imagination as described above, I will be able to pursuit the significancies and possibilities of the modeling power of imagination.
著者
清水 哲哉 中津 亨 宮入 一夫 奥野 智旦 加藤 博章
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.161-167, 2004 (Released:2008-03-24)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

エンドポリガラクツロナーゼ(EndoPG)は,inverting型の加水分解酵素であり,その触媒機構の詳細は不明であった。本研究では,リンゴ銀葉病菌(Stereum purpureum)の病徴発現蛋白として単離されたEndoPG Iを用いて触媒機構の解明を目的としてX線結晶構造解析を行った。イオンスプレー型質量分析装置を用いたEndoPG Iの糖鎖修飾の分析結果からEndoPG Iの結晶化には,3種のアイソフォーム,EndoPG Ia,Ib,Icのうち糖鎖の最も少ないEndoPG IaをEndoHで糖鎖切断した脱糖鎖型EndoPG Iaを用いた。この脱糖鎖型EndoPG IaをPEG 4000を沈殿剤に用いたハンギングドロップ蒸気拡散法により結晶化した。得られた結晶は,空間群P1に属し,格子定数はa=37.26 Å,b=46.34 Å,c=52.05 Å,α=67.17°,β=72.44°,γ=68.90°であった。この結晶を用いて大型放射光施設SPring-8によりX線回折実験を行った。結晶構造の決定は,多波長異常分散法で行った。SPring-8で収集したデータを用いて初期位相を決定し,最終的に0.96 Å分解能でR値11.4%,Rfree値14.0%という超高分解能のEndoPG Iの構造モデルを得た。得られたEndoPG Iの構造は,10回の完全ターンの平行β-へリックス構造であった。さらに反応生成物であるガラクツロン酸(GalA)を1分子を含むbinary複合体と2分子含むternary複合体の結晶構造を1.00 Åおよび1.15 Å分解能で決定した。binary複合体において1分子のピラノース型(GalpA)の結合がみられた。GalpAの結合位置は,活性残基と推定されているAsp153,Asp173,Asp174の還元末端側にあたることから,GalpAは+1サブサイトに結合していると考えられた。一方,ternary複合体においては,GalpAの他に,フラノース型のGalfAの結合がみられた。GalfAの結合位置は,活性残基の非還元末端側にあたる-1サブサイトと決定された。+1サブサイトでは,三つの塩基性残基,His195,Arg226,Lys228がGalpAのカルボン酸の結合に関与していた。一方,-1サブサイトでは,特異なcis型のペプチド結合がGalfAのカルボン酸の認識に関わっていた。そこで,二つのガラクツロン酸の結合状態を基に,基質の-1,+1結合した2量体部分のモデルを構築し,EndoPG Iの反応機構を検討した。まず,Asp173は切断される基質モデルのグリコシド結合と直接水素結合しうる位置にあった。したがって,Asp173はグリコシド結合にプロトンを供給する一般酸触媒残基と確認された。一方,Asp153とAsp174は,基質のアノマー炭素を求核攻撃すると考えられる水分子と水素結合していた。このことから,Asp153あるいはAsp174が水からプロトンを引き抜き活性化する一般塩基触媒残基と予想された。
著者
高橋 典明 佐藤 良博 清水 哲男 橋本 修
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.175-178, 2014-08-31 (Released:2015-11-13)
参考文献数
9

肺がんにおける緩和ケアは他のがんと基本的に同じである.ただし,肺がんはがんのなかでも予後が不良で,他のがんよりも疼痛ばかりでなく咳や呼吸困難などの呼吸器症状が伴いやすい.そのため病名告知されるだけでも精神的負担は特に強い.したがって,肺がんにおいて身体的,精神的,社会的およびスピリチュアルな苦痛に対する緩和ケアはきわめて重要であり,早期から緩和ケアを実施することは肺がん患者の延命にもつながる重要な要素である.肺がん終末期の身体的苦痛として呼吸困難の頻度は高く,臨床的に問題となることも多い.呼吸困難の治療は原因病態に対する治療が第一であるが,複数の原因が絡み合い難治性で不可逆的なことも多い.その呼吸困難に対する薬物治療としてモルヒネは第一選択とされ,日本緩和医療学会の「呼吸器症状の緩和に対するガイドライン」でも推奨されている.しかし,その有効性については一定の見解は得られていないのが実情である.そのことを踏まえて,肺がん終末期医療の実情について,呼吸困難に対するモルヒネ投与を例にとって検討し,さらに非がん性呼吸器疾患に対する終末期医療との比較についても述べる.
著者
清水 哲雄
出版者
滋賀大学
雑誌
彦根論叢 (ISSN:03875989)
巻号頁・発行日
vol.285, 1993-11-30
著者
熊本 吉一 小泉 博義 黒沢 輝司 山本 裕司 呉 吉煥 鈴木 章 松本 昭彦 近藤 治郎 清水 哲 梶原 博一
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.1429-1434, 1984-11-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
10

急性腸間膜血管閉塞症は,絞扼性イレウスと共に腸管の血行障害をきたす代表的な疾患である.最近我々は塞栓摘除術のみで救命せしめた上腸間膜動脈塞栓症の1例を経験したが発症より手術による血流再開に至るまで3時間40分と短時間であったため腸切除を免れた.また横浜市立大学第1外科のイレウス症例中,術前に動脈血ガス分析をおこなった33例を検討したところ,腸切除を免れた.すなわち腸管が壊死に陥らなかった症例ではbase excessはすべて-2.8mEq/l以上であった.このことより絞扼性イレウスの手術適応決定の指標としてbase excess測定が有用であるとの結論を得たが,本来イレウスにおける手術適応の決定は遅くとも腸管の可逆的な血行障害の時点でなければならず,この点よりbase excessのみでの適応決定は慎重でなければならないと考えられた. これらの経験をもとに,腸管の血行障害における有用な補助診断法としての的確な指標を検討するために犬を用いて上腸間膜動脈を結紮する実験をおこなった.その結果,早期診断の一助として, total CPK, base excessが有用であるとの結論を得た.
著者
清水 哲也 水口 義昭 吉岡 正人 松下 晃 金子 恵子 川野 陽一 勝野 暁 神田 知洋 高田 英志 中村 慶春 谷合 信彦 真々田 裕宏 横室 茂樹 内田 英二
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.79-85, 2016-01-31 (Released:2016-04-26)
参考文献数
19

ERCPは胆膵疾患の診断に不可欠な手技となり,ERCPを応用したさまざまな手技が活用されている一方,ERCPの偶発症は重篤化しやすく慎重を要す手技である。ERCP合併症の中でも後腹膜穿孔は死亡率が高く,その診断と対処が重要である。1999年1月から2015年5月までのERCP自験例 4,076例のうちERCPの後腹膜穿孔を10例(0.25%)に認め,その原因と対応を検討した。穿孔部位は,乳頭部3例,胆管3例,膵管2例,十二指腸2例であり,原因は,乳頭部穿孔ではEST,胆管穿孔では砕石処置具の挿入,膵管穿孔ではカテーテル操作,十二指腸穿孔では内視鏡の挿入による損傷であった。後腹膜穿孔を疑う際にはENBDや胃管で減圧しCTで後腹膜穿孔の重症度を確認する。CTで後腹膜に液体貯留を認め,かつ発熱や疼痛のある症例は緊急手術を行う。後腹膜気腫のみ,もしくは少量の液体貯留のみで無症状の症例は保存的加療を行い経時的に疼痛や液体貯留をフォローし,所見の悪化がある際は緊急手術を考慮する。
著者
清水 哲郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.491, pp.117-120, 2005-10-10

「マイ ドキュメント」とは?/「マイ ドキュメント」の正体/Dドライブに移動する
著者
田中 邦雄 清水 哲也 佐野 文男 阿部 善右衛門
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.25-32, 1976-02-29 (Released:2011-03-09)
参考文献数
19

Since R. Damadian suggested the detectability of tumors by nuclear magnetic resonance (NMR), the authors have focused their attention on the facts such as the quantities related to the kinds of water and tissues. And at least qualitative information could be non-invasively obtained.In this paper, in order to clarify the applicabilities of our proposed magnetic focusing method for non-invasive tumor detection, the nuclear magnetic relaxation time (T1) of transplanted malignant tumor (AH-66) in rat, excised normal and cancerous tissues in man were measured in vitro experiment.The resultant findings are summarized as followings.1) Transplanted malignant tumor in rat showed (30-120) % longer value of T1 than that of the respective normal tissues.2) In 14 cases of the uterus, breast and stomach in man, the T1 of cancerous tissues increased (10-150) % than that of their normal portions.3) When mixed tissue was studied, T1 changed as the ratio of tumor to normal tissue changed.4) The longer the time elapsed, the greater the T1 value exhibited by normal and the smaller the T1 measured for cancerous tissue. When both normal and cancerous tissues coexist, T1 decrement of the tissue is small.
著者
清水 哲 横山 日出太郎 松川 博史 城島 標雄 有田 峯夫 須田 嵩 五島 英迪 松本 昭彦 田中 耕作 萩原 明 井出 研 近藤 庸人
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.923-927, 1985-07-25 (Released:2009-02-20)
参考文献数
6

乳癌集団検診の二次検診において,コンタクトサーモグラフィーを,マンモグラフィー,エコーグラフィーと共に補助診断法として用い,その有用性,限界について検討を行なった.使用したサーモブレートは,イタリアFinpat社製 “Breast Thermo Detector” であり今回は特に,腫瘤部の温度の高低に注目して診断した.その結果,乳癌症例の正診率は全体で68%, T>2cmでは86%, T〓2cmでは38%であった.病理組織学的には,線維腺腫,乳腺のう胞腫との鑑別は容易であったが,乳腺症との鑑別は難しかった.したがって,コンタクトサーモグラフィーは乳癌の精密検査法としての利用価値は低いとおもわれた.しかし,触診の補助診断法として用いることにより,手軽で安価な検査法としての利用価値があるのではないかと考えられた.