著者
田中 久美子
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-21, 2015 (Released:2015-07-31)
参考文献数
28

The relationship between test anxiety and restrained eating, as assessed by estimates of the calorie content of food was investigated. Female undergraduate students (N=169) participated in the study. They were shown two “healthy” (fruits) and four “unhealthy” foods (chocolate, potato chips, etc.), and were asked to estimate the calorie content of each food item. Participants also completed questionnaires assessing their test anxiety, as well as the Revised Restrained Scale. Results indicated that restrained eaters were more likely than unrestrained eaters to underestimate the calorie content of healthy food, regardless of their anxiety status. This finding suggested that restrained eaters, who are concerned with managing their weight, believe that healthy foods do not affect potential weight gain, which supported the health halo effect. Moreover, restrained eaters with low anxiety overestimated calories in sweets, which are unhealthy food, whereas restrained eaters with high anxiety underestimated their calories. These biases suggest that lower calorie estimation of unhealthy foods allowed restrained eaters to feel fewer cognitive conflicts associated with eating as an emotion regulation strategy.
著者
田中 久美子
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.315-325, 2012-04-27

Hearing impaired clients tend not to participate in psychotherapy, and those who do often aren't fully understood their psychic world. Particularly in Japan, there are insufficient psychological supports and few clinical psychological studies have been performed for the hearing impaired. Generally people who have lost their hearing at some point in their life can communicate somewhat using vocal language, but hearing impaired from birth can't. Psychotherapy in latter group is thought to be impossible. It may initially seem that they can't communicate with clinicians, but mutual exchange may occur if clinicians are able to use sign language. People with hearing impairment have the right to receive sufficient communications, and clinicians should be aware of the necessity of sign language. Ideally, we can use sign language, but it may take long time to master. Therefore, we must at least recognize that it is important to involve interpreters with sign language, but they tend to be troubled with many points between clients and therapists.
著者
中園 嘉巳 田中 久弥 井出 英人
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.23-28, 2003-02-01
被引用文献数
1

指タッピング法を用いて,予測ボタン押し動作における予測精度を測定した.被験者には,ブザー音が周期的(インターバル:0.8,1.1,1.3,1.9秒)に繰り返し呈示され,a)音を聞きながら,あるいはb)音に合わせてボタンを押しながら,最後のブザー音の後に予測したインターバルの経過を待って,指でボタンを押すように指示された.ボタンが押されるまでの時間が予測時間として,インターバルの実時間との差が予測誤差として測定された.結果,被験者15名において,インターバルの長さと予測誤差の大きさとに相関が認められた.その内9名では,インターバル1.9秒において予測時間が実時間より10%を越えて有意に減少した.音に合わせたボタン押し動作を伴った場合b),対照例a)と比較して,予測時間の変動係数(CV)が有意に減少した.つまり,周期的運動を行うことによって予測時間の精度が向上した.この結果は,心理学的時間知覚と生理学的周期運動との連関を示唆する.
著者
田中 久男
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、アメリカ文学を地方主義(regionalism)という観点から究明しようと試みたものである。東部、南部、中西部、西部という従来の合衆国の地域分けを本研究も踏襲した。しかし、E.エリオット編『コロンビア米文学史』(1988)で地方主義を担当したJ.M.コックスも、「西部は未来と移動性そのもの--つまりアメリカなのだ」と、西部を扱うことの難しさを歎いているが、本研究でも、西部の研究は言及程度に留まった。とはいえ、従来の地域分けにつきまとっていた、ニューイングランドを含む東部を合衆国文化の中心とする政治的、経済的力学と連動した地域文化観の偏りを意識して、4地域を平等の力学の中で捉えようと努めた。もっとも本研究者の関心が、W.フォークナー研究にあり、当然、南部に比重が大きく傾くことは避けがたかった。が、それでも、現今の批評の柱であるジェンダー、階級、人種という3視点に注意を払い、宗教やエスニシティや時代の要素にも目配りしながら、各地域のアイデンティティやイメージ、すなわち、その地方が意識し内面化しているアイデンティティと、文学や映画や写真などの外部のメディアや部外者が提供するイメージとが、どのように絡まって重層的に地方の特質を築きあげていくのかを考察しようとした。その際、F・ジェイムソンの『地政学の美学』(1995)やH.K.バーバの『文化の位置づけ』(1994)という文化唯物論的なポストコロニアリズムの視点に立つ研究書を参照することにより、場所の間にも歴史的に構築されたヒエラルキーが存在することを認識し、文学における地方主義の表象解釈が依拠していた審美的な要素に、彼らの先鋭なイデオロギー的な視線を呼び込むことにより、少しは新しい解釈を提供できたのではないかと自負している。

1 0 0 0 OA COLING '94報告

著者
田中 久美子 宮田 高志
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.184-188, 1995-03-15

第15回計算言語国際会議(International Conference on Computational Linguistics,略称COLING)が,8月5日から9日にかけて5日間,京都で開催された.プログラム委員長にSheffield大学のYorick Wilks,会議委員長に京都大学の長尾真という顔ぶれで,参加者は約600人,採択論文は197件であった.また一般発表の他に招待講演が4件,招待パネルが2件,チュートリアルが6件,日本企業のデモンストレーションが7件,行なわれた.さらに本会議の前後に2つの併設ワークショップ(Second Annual Workshop on Very Large Corpora (8月4日)およびInternational Workshop on Sharable Natural Language Resources (8月10日,11日))が開かれた.
著者
江原 遥 田中 久美子
出版者
言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.151-167, 2008-10

近年,国際化に伴い,多くの言語を頻繁に切り替えて入力する機会が増えている.既存のテキスト入力システムにおいては,言語が切り替わるたびに,ユーザーが手動で,テキスト入力ソフトウェア(IME)を切り替えなければならない点が,ユーザーにとって負担になっていた.この問題を解決するために,本論文では,多言語を入力する際にユーザーの負担を軽減するシステム,TypeAnyを提案する.TypeAnyは,ユーザーが行うキー入力からユーザーが入力しようとしている言語を判別して,IMEの切り替えを自動で行う.これによって,ユーザーがIMEを切り替える操作量が減るため,複数の言語をスムーズに切り替えながら入力することが可能になる.本研究では,隠れマルコフモデルを用いて言語の判別をモデル化し,モデルにおける確率をppM法を用いて推定することでTypeAnyを実装し,その有用性を評価した.その結果,人工的なコーパスにおける3言語間の判別において,96.7% の判別精度を得た.また,実際に多言語を含む文書を用いて実験したところ,切り替えに必要な操作の数が,既存の手法に比べて93%減少した
著者
田中 久美子 岩崎 英哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.87, pp.107-114, 1996-09-12

コーパスから得られた共起情報は,共起関係を枝,語をノードとするグラフと見なすことができる.同じ語が複数の意味を持つことがあるという曖昧性によって,この共起グラフは全体でひとつの大きなグラフを形成している,本稿では,曖昧性を「共起関係の推移律」という観点から捉え,共起グラフから同じ意味・話題を成す部分グラフを推移律が成立するように抽出して全体をクラスタ分けするための手法を提案する.クラスタ分けされたグラフの性質などについても考察する.さらに,実際に20Mのコーパスから作成した共起グラフに対して本手法を適用した結果,および,それを用いた主成分分析による記事の分類を行なった結果も合わせて報告する.Co-occurrence information, obtained from a corpus, is a graph, regarding words as nodes and co-occurrences as branches. Subgraphs of different themes stay connected because of ambiguous words. This paper assumes the ambiguity as the non-transitivity in co-occurrence relationship and tries to cluster a graph into subgraphs in which transitivity holds. Several properties of such subgraphs are also discussed. The clustering method is applied to a co-occurrence graph obtained from 20M Japanese newspaper articles and its results are analyzed. They are also used to classify the articles.
著者
田中 久美子 岩崎 英哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.88, pp.49-56, 1996-09-12

コーパスから得られた共起情報は,共起関係を枝,語をノードとするグラフと見なすことができる.同じ語が複数の意味を持つことがあるという曖昧性によって,この共起グラフは全体でひとつの大きなグラフを形成している.本稿では,曖昧性を「共起関係の推移律」という観点から捉え,共起グラフから同じ意味・話題を成す部分グラフを推移律が成立するように抽出して全体をクラスタ分けするための手法を提案する.クラスタ分けされたグラフの性質などについても考察する.さらに,実際に20Mのコーパスから作成した共起グラフに対して本手法を適用した結果,および,それを用いた主成分分析による記事の分類を行なった結果も合わせて報告する.Co-occurrence information, obtained from a corpus, is a graph, regarding words as nodes and co-occurrences as branches. Subgraphs of different themes stay connected because of ambiguous words. This paper assumes the ambiguity as the non-transitivity in co-occurrence relationship and tries to cluster a graph into subgraphs in which transitivity holds. Several properties of such subgraphs are also discussed. The clustering method is applied to a cooccurrence graph obtained from 20M Japanese newspaper articles and its results are analyzed. They are also used to classify the articles.