著者
佐藤 崇弘 田中 久隆 佐藤 昌彦 小出 隆夫
出版者
社団法人 砥粒加工学会
雑誌
砥粒加工学会誌 (ISSN:09142703)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.451-456, 2014

小径ドリル加工における回転振れの発生は,工具径に対する回転振れの比が大きいため,加工挙動に大きな影響を及ぼす.回転振れのあるドリルは,被削面食い付き後に回転中心に収束していく場合があるが,ドリル先端形状の影響など不明な点が多い.そこで,本報告では回転振れのあるドリルの加工挙動について解析と実験から考察した.とくに,食い付き時における回転中心からみた切れ刃の向きが,加工挙動に及ぼす影響について調べた.その結果,加工中,ドリル先端中心がシャンク端面中心に対して回転方向の位相遅れが発生する場合,切れ刃の向きが時々刻々と変化することで被削材より受ける力が変化し,加工挙動に影響を及ぼすことがわかった.
著者
衛藤 久美 中西 明美 藤倉 純子 松下 佳代 田中 久子 香川 明夫 武見 ゆかり
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.252-266, 2019-05-15 (Released:2019-06-11)
参考文献数
17

目的 埼玉県坂戸市が2006年より女子栄養大学と協働して取り組んできた,坂戸市全小・中学校における「坂戸食育プログラム」(以下,食育プログラム)の評価を行い,これまでの成果と今後の課題を明らかにすることを目的とした。方法 本プログラムの対象は,小学5年生から中学2年生の全児童生徒である。本研究では,2006年度から2014年度に実施された児童生徒および教師対象の調査データを用い,経過評価および影響評価を行った。食育プログラムの授業実施状況および学習者の反応を把握するための調査(調査A),食育プログラム実施者のプログラムに対する反応として,小・中学校教員の食育プログラムへの関わりによる変化を確認するための調査(調査B)のデータを用いて経過評価を行った。4年間の児童生徒の学習効果を確認するための追跡調査(調査C),各学年の児童生徒の学習効果を確認するための前後比較調査(調査D),4年間の食育プログラム学習後の生徒の状況を把握するプログラム終了後調査(調査E)のデータを用いて影響評価を行った。活動内容 小学校の4年目ならびに中学校の2年目に教員が回答した授業実施状況について,授業が指導案通り「実施できた」クラスが7割以上,教材を「すべて使用した」クラスが8割以上,学習内容を児童生徒たちが「ほぼ理解できた」クラスも5割以上だった。小学校教員ならびに中学校男性教員は,研修会参加や授業実施経験がある者において「食育への関心が高くなった」と回答した者の割合が高かった。児童生徒の学習効果について,4年間の食育プログラムの学習効果はみられなかったが,各学年の食育プログラム学習前後に,具体目標②「健康を考え,バランスの良い食事をとろう」に関する食態度が改善した。終了後調査より,4年度すべて9割以上の中学2年生生徒が,食育プログラムを「学習してよかった」と回答した。結論 食育プログラムは,継続的に実施され,教員の食育への関心を高めることに役立っていると示唆された。児童生徒は,授業に多く含まれる目標「健康を考え,バランスの良い食事をとる」ことに関する食態度で有意な変化がみられた。今後は,学習内容の改善や,継続的な食育プログラムの実施体制の推進の他,学校を拠点とし,児童生徒の家族等他世代へも波及するような食育の検討が必要である。
著者
田中 久美子 石田 英敬
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.13(2003-CE-073), pp.75-81, 2004-02-06

語学学習をweb上で支援するツール天神を紹介する。教員が用意したさまざまな問題に対し学生が解答を入力て学習を行なう一方で、教員は学生の学習の進捗状況や達成度を管理・評価する。語彙、文法、作文のほか、リスニングなどマルチメディアにも対応している。また、自動採点機能を備えており、教員の負荷を減らすと共に、解答入力後ただちに自動採点の結果が学生に提示され、学生による自学自習を促進する点に本システムの特徴がある。本稿では、システムの全容を紹介し、1学期間の初等フランス語の授業における運用例を紹介する。
著者
加藤 郁子 佐藤 忠 田中 久美子 横山 郁美 大川 貴子
出版者
福島県立医科大学看護学部
雑誌
福島県立医科大学看護学部紀要 = Bulletin of Fukushima Medical University School of Nursing (ISSN:13446975)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-12, 2019-03

【研究目的】精神科病院の看護師が,がんを併発した精神疾患患者に関わる際に感じる困難の実態を明らかにすること.【研究方法】A県の精神科病院に勤務し,がんを併発した精神疾患患者に関わった経験がある看護師・准看護師を対象に,自記式質問紙による実態調査を行った.調査項目は対象者の基本属性,看護ケアの困難感(6要因25項目),がんを併発した精神疾患患者と関わるために必要な教育のニーズ(3要因12項目)である.【結果】分析対象は138名.看護ケアの困難感では,〈患者のセルフケア〉,〈家族による支援〉について70%以上の看護師が難しいと感じていた.がん看護の基本的な知識と精神疾患患者への応用についての教育ニーズでは,80%以上の看護師が必要性を感じていた.【結論】精神看護とがん看護に携わる看護師が情報交換を行い,相談できる体制を作ることが看護ケアの困難感軽減につながると考える.
著者
田中 久 千熊 正彦 渋川 明正 中川 照真
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

セレンは栄養学的に必須元素であることが認められていると同時に, 微量でも生体に有害な作用を及ぼす元素で, その必須量と有害量との差が小さい点で特異な元素である. その生体への取りこみ, 代謝に関してはまだ不明な点が多くその解明が待たれているが, 現在までにその代謝の有意義なモデル反応が知られていないためにその研究がおくれていた. 我々はセレンが生体内に入ってから代謝される過程で重要な反応と考えられている生体関連チオール類とのセレノトリスルフィドの生成及び分解反応を適当なモデル反応を用いて追究すること, 及びセレンの簡易な微量定量法を確立することがまず必要と考え, 数種のチオール類とセレン(IV)との反応を検討した. その結果ペニシラミンとの反応で生成するセレノトリスルフィドが極めて安定であることを見出し, それを単離し, 高速液体クロマトグラフィー, 各種分光学的方法によるキャラクタリゼーションを行い, かつグルタチオン, システインなどとのセレノトリスフィド生成反応をを解析し, チオール交換反応がセレノトリスルフィドの生成に伴いおこることを見出し, これらの反応はセレンの代謝過程のモデル反応として有意義なものであることを認めた. 一方従来より知られているセレンの分析法より簡便でかつ生体試料, 環境試料の分析に適する方法の確立を目的として上記のペニシラミンとのセレノトリスルフィド生成反応を利用することを考え, セレノトリスルフィド生成反応と発蛍光体への誘導反応とを組み合わせて高速液体クロマトグラフィーによる分析法を開発し, その方法が生体試料, 環境試料に適用できることをたしかめた. 今後この分析法を用いてさらに詳しく生体関連チオール類とセレンとの反応を解析し, かつ現在までにまだほとんど検討していないセレノトルスルフィドの分解反応についても検討し, その研究成果を基にしてセレンの生物活性に関する化学的研究の推進に寄与したい.
著者
落合 清茂 田切 美智雄 田中 久雄
出版者
資源地質学会
雑誌
資源地質 (ISSN:09182454)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.291-300, 1993-08-31
参考文献数
20
被引用文献数
1

釜石鉱山の日峰鉱床と新山鉱床におけるスカルン帯のスカルン,およびザクロ石と単斜輝石について,コンドライトで規格した希土類元素(REE)パターンを示し,スカルン帯の生成過程でのREEのの挙動を解析した.スカルン帯は閃緑岩類と石灰岩との間に発達し,全岩のREEは閃緑岩側から石灰岩へと減少する.スカルンのREEは閃緑岩類に由来し,熱水溶液からの供給はほとんどなかったものと考えられる,単斜輝石は負のEu異常を示し,その大きさは閃緑岩側から石灰岩へと増大する.ザクロ石のEu異常は正まあたは負と大きく変動する.鉱物のEu<SUP>+2</SUP>/Eu<SUP>+3</SUP>比を決める主な要因は酸素フュガシティー(fo<SUB>2</SUB>)であり,単斜輝石の負のEu異常はfo<SUB>2</SUB>の減少と共に大きくなり,ザクロ石はEu<SUP>+3</SUP>をEu<SUP>+2</SUP>よりも優先的に取り込む.熱水溶液のfo<SUB>2</SUB>は石墨を含む石灰岩との交代反応により次第に減少した.ザクロ石のEu異常の大きな変化は,高いfo<SUB>2</SUB>をもった初生の熱水溶液と低いfo<SUB>2</SUB>の石灰岩との反応によって生じたfo<SUB>2</SUB>の変動の反映である.
著者
豊福 俊泰 三嶋 信雄 田中 久士
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.658, pp.141-152, 2000-09-20
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

近年, 気泡混合軽量土を用いた軽量盛土工法を採用する施工事例が, 急激に増加している. 気泡混合軽量土の配合設計法としては, 暫定配合表から使用する原料土 (砂質土) ごとに補正計算によって配合を決定する方法が, 日常管理試験法としては, 早期品質判定のため材齢7日の供試体による方法がとられているのが現状である. 使用される原料土は多岐に渡ることからも, 合理的な品質管理法の確立が急務となっている. そこで, 本研究は, 気泡混合軽量土の主要な要求性能であるフロー値, 湿潤密度および一軸圧縮強さに対して, 影響する要因を, 多数の試験結果の回帰分析によって解明するとともに, 実際の工事の管理データで実用性を検証することにより, 気泡混合軽量土の品質管理法を提案したものである.
著者
黒岩 真幸 田中 久治 堀 良彰 大谷 誠
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成26年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第67回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.231, 2014-09-11 (Released:2016-02-10)

近年,スマートフォンやタブレットなどの普及や,動画配信サービスの充実によりトラフィックが増加している.また,セキュリティの脆弱性を狙った攻撃も少なくない. 一方,近年,SDNという概念が注目されている.これはソフトウェアによってネットワーク全体を制御しようという考え方である.そのSDNの標準の技術の1つにOpenFlowがある.OpenFlowを用いることで,プログラミングによってパケットの制御が可能になる.本研究ではOpenFlowによるパケット制御と,パケットを可視化するパケットアートシステムの開発を行った.これにより,ネットワークの状態を把握,また攻撃を検知することができる.
著者
田中 久雄 田村 俊一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1754, pp.86-89, 2014-08-25

答 安易に赤字事業から撤退する考えはありません。東芝の139年という長い歴史の中で、現在の主力事業である重電も業績が悪い時期がありました。当時支えたのが家電やカラーテレビです。
著者
松原 仁 田中 久美子 Frank Ian 田所 諭
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence : AI (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.177-180, 2002-11-01
被引用文献数
4 2

We address the problem of information flow in disaster relief scenarios by presenting an architecture for generating natural language dialogue between large numbers of agents. This architecture is the first step towards real-time support systems for relief workers and their controllers. Our work demonstrates how natural generation techniques from the MIKE commentary system for RoboCup soccer can be carried over to that of RoboCup Rescue. Thanks to this background, the initial product of our research is a system that explains a RoboCup Rescue simulation not to the agents in the domain themselves but to a watching audience. This "commentary" is produced by recreating the actual dialogues most likely be occurring in the domain: walkie-talkie-conversations.
著者
田中 久夫
出版者
神戸女子大学民俗学会
雑誌
久里
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-18, 2003-06
著者
田中 久徳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.305-314, 2016

<p>国立国会図書館は果たすべき使命と5年間にわたって取り組む6つの中期目標を2012年に公表したが,そのうちの一つとして「情報アクセス(の向上)」がある。本稿では,情報アクセスの改善に向けた国立国会図書館の最近の取り組み状況について概観し,併せて,資料デジタル化,視覚障害者へのテキストデータの提供,次世代検索手段としての統合オンラインサービス,国立国会図書館サーチと国のアーカイブ利活用促進策について,課題と方向性を説明する。</p>
著者
田中 久美子
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-21, 2015

The relationship between test anxiety and restrained eating, as assessed by estimates of the calorie content of food was investigated. Female undergraduate students (<i>N</i>=169) participated in the study. They were shown two "healthy" (fruits) and four "unhealthy" foods (chocolate, potato chips, etc.), and were asked to estimate the calorie content of each food item. Participants also completed questionnaires assessing their test anxiety, as well as the Revised Restrained Scale. Results indicated that restrained eaters were more likely than unrestrained eaters to underestimate the calorie content of healthy food, regardless of their anxiety status. This finding suggested that restrained eaters, who are concerned with managing their weight, believe that healthy foods do not affect potential weight gain, which supported the health halo effect. Moreover, restrained eaters with low anxiety overestimated calories in sweets, which are unhealthy food, whereas restrained eaters with high anxiety underestimated their calories. These biases suggest that lower calorie estimation of unhealthy foods allowed restrained eaters to feel fewer cognitive conflicts associated with eating as an emotion regulation strategy.