著者
丸尾 幸嗣 山下 敦子 飼沼 亨 小松 哲郎 田中 綾 山根 義久
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.15-18, 2002-01-31 (Released:2010-09-09)
参考文献数
5

高所落下症候群の猫2例を報告する。9および6ヵ月齢の若齢猫は6および7階から落下し, 左大腿骨遠位成長板骨折および右尺骨近位骨折・橈骨頭脱臼を受けた。受傷後, 全身状態の回復を待って, それぞれの骨折・脱臼の整復・固定術を実施した。予後はいずれも良好であった。今後このような症例は増えてくる社会背景があるが, 飼主への啓蒙により予防することが大切である。
著者
濵野 純 田中 綾乃 田畑 泉
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.319-331, 2022-08-01 (Released:2022-07-12)
参考文献数
49

The purpose of this study was to examine the risk factors of stress fractures in terms of training distance and intensity in young male Japanese high school long-distance runners. Nine hundred and twenty-five runners from high schools, colleges, and work teams responded to our questionnaire. Our analysis of the questionnaire found that the onset rates of stress fractures in males were 25.0%, 40.2%, and 55.3% in high school runners, collegiate runners, and work team runners, respectively, suggesting that young Japanese long-distance runners are more likely to suffer from stress fractures than European and American runners. Stress fractures occurred in male high school and collegiate runners after training that had increased running distance (24.7% and 33.1%, respectively) or running intensity (17.0% and 9.6%), or both increased running distance and increased running intensity (29.8% and 34.6%), suggesting that an increase in running distance at moderate intensity might be a major risk factor in stress fractures in young male long-distance runners. Data from college and work team runners that ran all three years of high school show that stress fractures are most likely to occur in May of the high school freshman year. These results suggested a need to reconsider training programs for freshmen to prevent stress fractures in young runners.
著者
田中 綾帆 野井 真吾
出版者
日本発育発達学会
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.73, pp.1-12, 2016

<p>Background:In recent Japan, the sleep situations of children are worried about. As one background of such a problem, the screen thyme of children increase is regarded as uneasiness. Therefore, the practices of "no media" which limits screen time are spreading all over the country.</p><p>Objective:The purpose of this study was to inspect the effects of the "no-media" practice in junior high school.</p><p>Methods:Subjects were 672 children at a public junior high school in Shizuoka. All investigations were carried out on control day and practice period in October 2014. The sleep situation and subjective symptoms of fatigue were measured in this survey.</p><p>Results:Subjects were early to bed and early to rise. There were also few shortage and issues of sleep. Additionally, they had few subjective symptoms of fatigue and Internet addiction tendency. Furthermore, as a result of having inspected the "no media" practice, the bed duration was significantly earlier and sleep time was also significantly longer in practice period. The subjective symptoms of fatigue in practice period were decreased. In this study, the sleep situations and subjective symptoms of fatigue by the difference of the challenge item in this practice were also analyzed. As a result, in the group which challenged the practice of "no media", it was shown that the sleep situation was improved and tiredness was decreased.</p><p>Conclusion:From the above facts, we reached the conclusion that the "no media" practice analyzed in this study is effective in children's health.</p>
著者
田中 綾乃 TANAKA Ayano
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 = Bulletin of the Faculty of Humanities and Social Sciences,Department of Humanities (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
no.34, pp.49-57, 2017

「アートの公共性」とはどのようなことを意味するのであろうか。一般的にアートとは、アーティストが自由に表現した個人的な産物であり、それが公共性を持ちうるかどうかは無縁である、と考えることができる。いわゆる「芸術のための芸術(Artforart・ssake)」という考え方は、現代の私たちには根強く支持されている。しかし、現在、私たちが考える「芸術」という概念そのものは、18世紀半ばのヨーロッパの思想において確立した概念である。そして、それとともに、アーティストと呼ばれる「芸術家」も登場することになる。もっとも、近代以前から古今東西、様々な芸術作品が存在し、その作品の作者がいることは自明のことであるように思える。だが、もしかしたら、そのような見方は、近代ヨーロッパで確立された芸術観を私たちが過去に投げ入れているのかもしれない。芸術の自律性を説く「芸術のための芸術」とは、芸術が宗教のため、あるいは一部の貴族や権力のためだけにあるのではなく、まさに芸術の自己目的を主張するものである。そして、そのことによって、アートは誰にでも等しく開かれた存在となるのである。本稿では、この近代的な芸術観によってこそ、アートは公共性を持ちうることになるという点をヨーロッパの近代思想、特に18世紀のドイツの哲学者イマヌエル・カントの美学理論を概観しながら論じていく。また、「アートの公共性」について具体的に考えるために、20世紀後半に登場した「アートマネージメント」という概念に着目する。本稿では、現在、様々な芸術作品や表現方法がある中で、「アートマネージメント」の必要性を考え、さらにはこの「アートマネージメント」という概念がアートと社会とを媒介する機能を果たすことを論証しながら、「アートの公共性」について一考察を行うものである。
著者
田中 綾乃 TANAKA Ayano
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要 = JINBUN RONSO : BULLETIN OF THE FACULTY OF HUMANITIES, LAW AND ECONOMICS (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.49-57, 2017-03-31

「アートの公共性」とはどのようなことを意味するのであろうか。一般的にアートとは、アーティストが自由に表現した個人的な産物であり、それが公共性を持ちうるかどうかは無縁である、と考えることができる。いわゆる「芸術のための芸術(Artforart・ssake)」という考え方は、現代の私たちには根強く支持されている。しかし、現在、私たちが考える「芸術」という概念そのものは、18世紀半ばのヨーロッパの思想において確立した概念である。そして、それとともに、アーティストと呼ばれる「芸術家」も登場することになる。もっとも、近代以前から古今東西、様々な芸術作品が存在し、その作品の作者がいることは自明のことであるように思える。だが、もしかしたら、そのような見方は、近代ヨーロッパで確立された芸術観を私たちが過去に投げ入れているのかもしれない。芸術の自律性を説く「芸術のための芸術」とは、芸術が宗教のため、あるいは一部の貴族や権力のためだけにあるのではなく、まさに芸術の自己目的を主張するものである。そして、そのことによって、アートは誰にでも等しく開かれた存在となるのである。本稿では、この近代的な芸術観によってこそ、アートは公共性を持ちうることになるという点をヨーロッパの近代思想、特に18世紀のドイツの哲学者イマヌエル・カントの美学理論を概観しながら論じていく。また、「アートの公共性」について具体的に考えるために、20世紀後半に登場した「アートマネージメント」という概念に着目する。本稿では、現在、様々な芸術作品や表現方法がある中で、「アートマネージメント」の必要性を考え、さらにはこの「アートマネージメント」という概念がアートと社会とを媒介する機能を果たすことを論証しながら、「アートの公共性」について一考察を行うものである。
著者
柴田 真裕 田中 綾子 諏訪 清二
出版者
防災教育学会
雑誌
防災教育学研究 (ISSN:24359556)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.23-33, 2022 (Released:2023-10-31)

本研究は,全国の小学校127 校,中学校207 校,高等学校243 校,特別支援学校32 校の計 609 校を対象に防災マニュアルと防災訓練の現状について調査したものである。 防災マニュアルについて,高等学校,特別支援学校では他の学校種と比較し防災マニュアルの 設置が進んでいない状況が明らかとなった。防災訓練については,小学校は他の学校種と比較し, 1 年に複数回数の実施が多く,「1 回」だけの実施は少ない。その一方,高等学校は「1 回」のみ の実施が多く,「3 回」,「5 回以上」といった複数回数の実施は少ない結果が得られた。 本研究結果から,学校種が進むにつれ,防災に対する取り組みが疎かになっており,また,「防 災マニュアル」,「防災訓練」で学校現場が感じている課題は外部組織等との連携によって解決に 導く事ができる可能性が示唆された。
著者
合屋 征二郎 佐藤 琴美 島田 香寿美 上村 暁子 田中 綾
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.107-111, 2018-09-25 (Released:2019-09-25)
参考文献数
24

低ナトリウム血症を伴うACVIM分類ステージCの僧帽弁閉鎖不全症犬に対してアルギニンバソプレシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタンを投与した。投与前134 mmol/lであった血漿ナトリウム濃度はトルバプタン投与から7週間後に147 mmol/lまで上昇した。トルバプタン投与に伴い,左室拡張末期径およびE/Emは29.9 mmから27.8 mm,19.0 から11.6にそれぞれ減少した。これらの結果はトルバプタンの水利尿効果により前負荷の軽減と電解質の正常化が同時に行われたことを示した。
著者
才田 祐人 田中 綾 羽山 庸道 曽田 藍子 山根 義久
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.437-439, 2007-04-25
被引用文献数
2 2

2ヶ月齢,雄のロングコート・チワワが肺動脈弁狭窄症と診断された.超音波検査における圧較差は158mmHgであった.そこで,経心室的肺動脈弁拡大形成術(Brock法)を試みた.術後,顕著な胸水貯留が認められたが,集中治療により術後5日目にはほとんど認められなくなった.術後2ヶ月目に実施された心カテーテル検査では,施術前と比較して右室収縮期圧の減少が確認されるとともに患畜の一般状態は大幅に改善された.
著者
鈴木 浩明 田中 綾乃 小美濃 幸司 白戸 宏明
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.323-332, 1999-10-15
参考文献数
16
被引用文献数
2 3

鉄道車両がカント (横断勾配) のついた曲線区間に停止した際に生じる床の傾斜角と乗客 (乗員) の不快感との関係を検討するための基礎実験を行った. モックアップ車両の床面の傾斜角度を0~12度まで2度刻みで変化させ, 被験者に傾斜の強さや不快感の評価を求めた. 乗客 (乗員) の一般的な姿勢や行動を考慮して, 着座姿勢, 停立姿勢, 通路歩行時, 車内販売用ワゴン操作時の各条件を検討対象とした. 歩行実験では履物の違いが評価に及ぼす影響も検討した. その結果, 着座・停立条件の不快感は歩行・車内販売条件より高いこと, 靴の違いは歩きにくさの評価には影響するが, 傾斜に起因する不快感の評価には影響しないこと, 車内販売作業では傾斜角が6度を超えると急速に不快感が高まること, などが明らかになった. 最後に, 傾斜角度を独立変数, 不快感を従属変数とする回帰式の作成を試みた.
著者
平尾 秀博 井上 知紀 星 克一郎 小林 正行 島村 俊介 清水 美希 田中 綾 高島 一昭 森 有一 野一色 泰晴 山根 義久
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.357-362, 2005-04-25
被引用文献数
2

新型の弁付き導管を犬大動脈弁を用いて作成した.生体代替弁はグルタールアルデヒドとエポキシ化合物(Denacol-EX313/810)により固定した.超極細ポリエステル繊維製人工血管(直径10mm, 全長20mm)を使用した.犬4頭に左心室-大動脈間弁付き導管(AAVC)移植術と大動脈バンディングを行いバイパス群とした.もう4頭にはAAVC移植術は行わず大動脈パンディングのみを行いコントロール群とした.心臓カテーテル検査と心血管造影検査を術後2週間, 6カ月に行い, 血行動態を評価した.左室収縮期圧, 左室拡張終期圧, 左室-大動脈間圧較差それぞれにおいて2群間に有意な差(p<0.01)がみられた.左室心血管造影検査でバイパス群の全頭において弁付き導管の開存が確認された.心臓エコー検査を術前, 術後2, 4, 6カ月に行った.コントロール群では圧負荷による心筋の求心性肥大がみられ, 一方バイパス群では左室の遠心性肥大がみられ, AAVCにより左室圧負荷の軽減が維持されていることが示唆された.
著者
柴田 真裕 田中 綾子 舩木 伸江 前林 清和
出版者
防災教育学会
雑誌
防災教育学研究 (ISSN:24359556)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.19-30, 2020 (Released:2021-10-19)

日本の小学校,中学校,高等学校の防災教育の実情と課題についてアンケート調査によって明らかにした。 結果は次のとおりである。 1)防災教育を実施していない学校が非常に多く,その割合は,小学校が約20%,中学 校が約30%,高等学校が約40%であった。 2)ほとんどの学校で,防災教育の年間実施回数は,1 回から3 回程度であり,体系的な 教育がなされていない。 3)文科省が求めているような各教科による防災教育はほとんど行われていない。 4)教員の防災に関する知識が不足している。 5)防災教育教材の多くが受け身型の授業のための教材であり,教員が使用したくなるア クティブラーニング教材が少ない。
著者
重松 久夫 加賀谷 雅之 浜尾 綾 田中 綾 鈴木 正二 坂下 英明 奥村 泰彦
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.57-61, 2000-03-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
17
被引用文献数
2

This article describes the incidence of mineralization in the stylohyoid ligament complex (SLC) in a sample of the patient population of the Meikai University School of Dentistry. The age of the patients ranged from 3 to 89 years, and a total of 800 orthopantomographs of the patients were analyzed. There was a sharp increase in mineralization during the first three decades of life, from 38% in the first decade to 90.5% in the third. No relationship could be established between the extent of mineralization and increasing patient age thereafter. The SLC could be detected in 93.8% of the adult patients who were over 20 years of age. The results suggest that orthopantomography is one of the best methods to observe the SLC. A classification of the radiographic appearance of the SLC based on three types of complexes -type A: normal type B: elongated and type C: very elongated- is proposed. According to the classification, among adult patients, type A represented 73.9% type B 18.7% and type C 1.2%. Among all patients, the incidence of elongated SLC was 19.9%. This classification is easy and useful to diagnose an elongated SLC clinically.
著者
田中 綾乃
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.54, pp.215-226,232, 2003-04-01 (Released:2009-07-23)

This essay treats of Kant's concept of intuition. Intuition shown as the key subject in Kant's Critique of Pure Reason is mainly sensible intuition.Kant's argument, however, was not understood at that time. Traditionally, intuition meant intellectual intuition. Therefore, conforming to this tradition, Kant's concept of intuition was regarded as a degradation from a high degree of "intellectuality" to a lower degree of "sensibility", which was criticized.But I think the opposite, that is to say, that neither intellectuality nor sensibility is necessarily the property of intuition itself. In this essay, I try to show that the original property of intuition is "immediacy", and examine the case of Kant.In addition, I aim at the idea that the symbol is identified as intuitive cognition in Critique of Judgment, and I try to clarify the important role of intuition in Kant's philosophy.