著者
田中 孝 加藤 智弘
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.487-489, 1999-08-25
被引用文献数
3

We investigated the distribution of Kouyawarabi plants (Onoclea sensibilis L.) infested with Pseudomonas plantarii in Yamagata prefecture and confirmed survival activity of the overwintered bacterium in the plants. Of 239 samples collected from 19 locations in the prefecture, 77 leaf samples were infested with the bacterium. The leaf samples collected from Mogami-machi were highly infested with P. plantarii. High infestation rate of bacterial seedling blight of rice was also observed in Mogami-machi area. The plants were artificially inoculated with the organism and exposed outdoors in summer. In the following spring, the bacteria were re-isolated from the leaves, stems and rhizomes of the plants. The pathogenic bacteria were successfully re-isolated from the overwintered whole plants at the level of 1.2×10^4-3.4×10^6cfu/g. Because the organism appears to survive in Kouyawarabi plants under natural conditions in Yamagata prefecture, the plants are considered to be an important infection source of the disease.
著者
馬場 嘉信 富崎 理代 角田 ちぬよ 田中 淳子 秀 佳余子 津波古 充朝
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.853-857, 1993-12-05
被引用文献数
4 1

DNAの高分解能分離を達成するために, キャピラリーゲル電気泳動におけるゲル組成が, DNAの分解能に与える影響について検討した.1本鎖DNAの分離においては, 非架橋ポリアクリルアミドのゲル濃度について検討し, 最適条件下では, オリゴマーから250塩基までの1本鎖DNAが60分以内に1塩基の違いのみでベースライン分離された.又, 2本鎖DNAの分離においては, 架橋ポリアクリルアミドゲルのゲル濃度及び架橋度を検討し, 最適条件下では, PCR生成物を含む100から12000塩基対の2本鎖DNAが, 40分以内に10塩基程度の違いで分離された.その際の理論段数は, 1m当たり数百万段であった.
著者
田中 實男
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.125-134, 1993-03-31

国民栄養的觀点から, 良質の動物性たん白質の供給源としての鶏卵が首位を占めていたのは1979年(昭和54)までであったが, 現在でも重要な地位を占めている.その鶏卵生産を担った採卵鶏経営は, 1960年(昭和35)ごろまでは農家の80%を占める450万戸で10羽程度の鶏が飼養されていた.しかし, 1965年(昭和40)に生産性の高い外国鶏が過半を占めるころには規模拡大が進行し, こののち経営数の急減と飼養羽数の急増は加速化され, 消費を上回る供給増大のために1974年(昭和49)には, 現在まで続く生産調整が開始された.この間の鶏卵生産の特徴は, 農外資本による鶏卵生産への参入であり, さらには1万羽以上飼養の経営数は10%ながら, 成鶏めす羽数シェアは90%にも達していることである.このように大規模化した採卵鶏経営の特徴は, 専ら規模拡大を指向して絶えず生産技術水準の向上を図っていることである.この点について, 18年間にわたる家族労力経営事例について点検すると, 明確に生産技術水準の向上が確認された.そのことは, 生産性の高い鶏種の導入による側面もあろうが, 他方, 高生産性の鶏種の能力を発揮させ得る管理能力の存在も示している.それらは, 1人あたり管理羽数の増大のなかで成鶏めす羽数規模の拡大を図りつつ, 平均産卵率を70%から75%へ, 平均卵重を58gから62gへ向上して成鶏年間産卵量を15kgから17kgへと増加させている.一方, 生産費の60%も占める飼料費については, 成鶏年間飼料消費量を殆ど増減のない39kgに保ちつつ, 飼料要求率を2.6から2.2へと低下させている.結果として, 管理労働1時間あたり鶏卵生産量は, 15kgから40kgへと向上した.鶏卵生産における生産技術上の改善努力がなされるなか収益性の動向は, 1974年(昭和49)に鶏卵の生産調整が開始され鶏卵価格は停滞するが, 飼料価格は高値を維持したままなので卵飼比は70%にも達していた.1985年(昭和60)の円高によって飼料価格は急落するが, 鶏卵価格も低落したため卵飼比は50%に下落した.しかし, 高卵飼比でも鶏卵価格が高水準の場合は, 所得は可成りの額が実現されるが, 鶏卵価格が低水準になると, 卵飼比は低下しても所得額は増大しない.低卵価のなかでの低所得額が, 現在の採卵鶏経営の実態である.このような状況の場合, これまでは規模拡大による鶏卵生産量の増大によって, 所得総額の維持拡大を図ってきていた.そして, 現在の鶏卵生産は, 規模拡大を行っても生産性水準の維持向上が可能であった経営のみによって担われて来ているのである.このことは, 18年間にわたる家族労力中心の採卵鶏経営の分析においても観察された.このような採卵鶏経営の困難さは, 古くから指摘されていたことでもあって, 採卵鶏を200〜300羽飼養して専業経営と言われた時代にも, 「農家殺すに刃物は要らぬ, 鶏を半年も飼わせれば良い」ということばがあった.鶏卵生産は, 農産物のなかでも所得率の最も低い作目の生産であるために, 昔からも生産技術上の失敗は許されなかったのである.これからの採卵鶏経営は, ますますその数を減じて行くであろう.他方, 鶏卵供給水準を維持するためには, 経営規模は拡大化を続けざるを得ない.その経営規模の拡大を図りつつ採卵鶏経営を存続させるには, 何よりも生産技術水準の維持向上の努力が前提条件となるのである.
著者
橋本 正樹 藤澤 一樹 宮本 久仁男 金 美羅 辻 秀典 田中 英彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.71, pp.393-400, 2007-07-20
参考文献数
16
被引用文献数
1

分散システムは、単一システムと比較して経済性、速度、冗長性、拡張性、柔軟性といった面で優れているため、その実現に向けて従来より多くの研究が行われてきた。しかしながら、それらの諸研究における実装の多くはミドルウェアやアプリケーションのような上位層で実現されているために権限管理の粒度が粗くなり、システム全体に対する適切な安全性確保を困難にしている。このため本研究では、ディペンダブルな分散システムの構築を目的としたシステムソフトウェアによる細粒度の権限管理方式を検討する。また、その実装としてCapabilityを利用した手法について検討する。This paper describes the use of operating system for the realization of distributed secure computing infrastructure. In particular, it describes a few resource management schemes for distributed environment, addressing the fine-grained protection and the principle of least privilege. These are compared each other in terms of the features they offer in the context of secure computing: Reference monitor concept, secure channel, authorization and naming. Finally, we suggest a prototype of our system and the future plan.
著者
田中 博 文 勝義 黄 水鎭
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.825-826, 1998-11-30
被引用文献数
1
著者
田中 博之
出版者
放送大学
雑誌
研究報告 (ISSN:09152202)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.81-93, 1989-09

筆者が滋賀大学附属中学校と研究上のおつきあいを始めてもう5年近くになる。その間,特に当校の「びわこ学習」のカリキュラム開発や評価に関する研究のお手伝いをさせていただいた。(田中1987)そして本年度からは,新しく始められた「選択学習」のカリキュラム評価と改善のプロジェクトに参加する機会を得た。研究開発学校での実験的な取り組みにたいして研究者として新しいアイディアを提供したり,また具体的なデータに基づいて実践の評価を行なうことで当校の実践の基盤を固めることができればと願っている。
著者
岡崎 好秀 中村 由貴子 東 知宏 宮城 淳 田中 浩二 久米 美佳 大町 耕市 下野 勉
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.2-8, 1999-01-30
被引用文献数
19

幼稚園児(5,6歳)94人を対象として,齲蝕活動性試験Cariostat^[○!R](三金工業)・Dentocult-SM^[○!R] Strip mutans (Orion Diagnostica)・Dentocult-LB^[○!R] (Orion Diasnostica)と口腔内状態の関連性について調査した。1 : Cariostatは,全員から採取可能であった。しかしDentocult-SM Strip mutans・Dentocult-LBは,85名(90.4%)しか採取できなかった。2 : 幼稚園児の齲蝕有病者率75.3%1人平均d歯数4.04歯,平均df歯数6.55歯,CSI 13.9であった。3 : Carinstat^[○!R]とDentocult-LB^[○!R]は,d歯数,df歯数,CSIの各齲蝕指数との関係において高度の相関が認められた(p<0.001)。4 : Dentocult-SM^[○!R] Strip mutansは,d歯数,df歯数と高度の相関性が認められた(p<0.01)。5 : すべての試験方法において,健全群と未処置群,処置終了群と未処置群の間に有意差が認められた(p<0.05)。6 : Cariostat^[○!R]はスクリーニング基準を1.5/2.0間にしたとき,敏感度0.703,特異度0.857となった。Dentocult-SM^[○!R] Strip mutansでは2/3間で敏感度0.359,特異度0.900であったDentocult-LB^[○!R]では10^3/10^4間で,敏感度0.625,特異度0.85となった。Cariostat^[○!R]とDentocult-LB^[○!R]は齲蝕指数と同程度の相関が認められたが,Dentocult-SM^[○!R] Strip mutansの相関はやや低かった。
著者
福永 峰子 梅原 頼子 藤原 いすず 川村 亜由美 山田 芳子 前田 千津子 田中 治夫
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿国際大学短期大学部紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.9-17, 2005

本学食物栄養専攻生68名を対象とし,絵に描いた弁当箱の枠の中に日常弁当と理想弁当の中身をスケッチしてもらい,その中から食品数,料理数,料理の組み合わせなどを集計した。結果は次のとおりである。1)最も多く使用していた食品数は日常弁当,理想弁当とも10〜12種類であった。2)食品群別では最も多く使用されていたのは,日常弁当,理想弁当とも緑黄色野菜であり次いで,その他の野菜,穀類であった。3)料理頻度の割合では,日常弁当,理想弁当とも,主食と副菜は,100%,主菜は90%,デザートはわずか30%であった。4)料理の組み合わせは56パターンあり,最も多かった組み合わせは日常弁当で「主食+主菜+副菜6」,理想弁当で「主食+主菜+副菜3」であった。5)料理数では,主食が27種類,主菜が75種類,副菜が138種類,デザートが19種類であった。
著者
田中 海一 幾野 敬太 葛西 洋平 福永 和哉 欅田 英之 江馬 一弘 菊池 昭彦 岸野 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.125, pp.29-33, 2007-06-22

通信波長帯でのサブバンド間遷移(Intersubband transition:ISBT)は、LOフォノン放出により超高速で緩和するため、光スイッチング素子としての応用が;期待できる。GaN系ISBTは他のISBT試料と比べて特に高速で緩和することができるが、問題点として、サファイア基板との格子不整合によつて生じた貫通転位によるスイッチング効率の低下があげられる。高密度柱状結晶のGaNナノコラムでは、貫通転位を含まない優れた結晶性を有するため、試料の高品質化が望める。そこで我々はGaNナノコラムに多重量子ディスク(MQD)を挿入した試料において、通信波長帯でのISBTによる吸収を確認した。さらに、ポンプ・プローブ法を用いて、ISBT吸収飽和信号の超高速な緩和過程を観測し、性能指数を見積もった。