著者
高橋 康貴 下平 陽介 吉田 樹 田近 宗彦 髙橋 壮 渡邊 健太 福田 翔 小泉 重仁 松橋 保 飯島 克則
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.120, no.4, pp.325-329, 2023-04-10 (Released:2023-04-10)
参考文献数
15

64歳女性.SARS-CoV-2 mRNAワクチン(3回目)の接種翌日から排便回数増加,血便,腹痛,発熱を認めた.下部消化管内視鏡検査にて全大腸に深掘れ潰瘍を認め,潰瘍性大腸炎と類似する炎症性腸疾患としてステロイド,インフリキシマブを導入し軽快した.mRNAワクチン接種を契機に発症した潰瘍性大腸炎に類似する炎症性腸疾患を経験した.
著者
田近 淳 大津 直 乾 哲也
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.23-35, 2016-01-15 (Released:2016-04-15)
参考文献数
40
被引用文献数
12

北海道,厚幌1遺跡で発見されたマウンドについて,トレンチ壁面の観察・記載から地すべり移動体であることを示し,その運動過程を検討した.マウンドは,主に樽前d降下火砕堆積物(Ta-d:8-9ka)起源の軽石層・岩片層・腐植層から構成され,Ta-d上位の腐植層を覆い,樽前c降下火砕堆積物(2.5-3ka)に覆われる.縦断方向の壁面では,マウンド堆積物の下底に腐植およびそれとロームの混合層からなる非対称変形構造やデュープレックスが認められた.また,堆積物にはリストリック正断層に類似した非対称伸長構造が見られた.これらのセンスはマウンドが背後の山腹から移動して定置したことを示す.このような未固結で成層した火砕物の地すべりは地震動によって引き起こされたと考えられる.14C年代と層序関係から,このマウンドを形成した地すべりの発生は補正年代で約4,600yBP以降から約2,500yBP以前までの間である.この年代は石狩低地東縁断層帯馬追断層の最新活動期と重なる.
著者
三浦 大樹 田近 五郎
出版者
都市有害生物管理学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.85-88, 2009-12-28
被引用文献数
1

封水トラップは排水管内の悪臭や害虫などの室内侵入を防止するための設備である.今回,「わんトラップ」を模した実験装置を用い,5種類の害虫について,封水トラップが通過できるかどうかを検証した.その結果,クロゴキブリとチャバネゴキブリは日本工業規格や建築基準法に定められた封水深5cmを通過した.一方,オオキモンノミバエ,キイロショウジョウバエ,イエバエの3種は封水がされていれば基本的に通過できないことが確認された.
著者
田近 一郎 本多 一彦 杉江 晶子 森 博
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.17-27, 2015-03-31

前回本紀要で報告した第2 報では,「CodeToGo」を利用するプログラミングでの能力向上と「TouchLua」を利用するアルゴリズムの理解を促進する試みを紹介し,これらが学生のスキルアップに有効であることを示した.またマルチタッチ入力や重力センサーが利用可能な2 つのiPad アプリ「Codea」,「Pythonista」の紹介と将来への展望を示した.本年度は,実際に「Codea」を使って本格的に教育を行った結果の報告と,タブレット上でのビジュアルプログラミング環境「Hopscotch」利用によるプログラミング教育の実践例を報告する.また,新しい動きとして,PC 上での有力なビジュアルプログラミング環境「Scratch」とほぼ同等な機能を有するiPadアプリ「Pyonkee」が登場した.オブジェクト指向を強く意識させるビジュアルプログラミング環境がタブレットに実装されたことによる新しい可能性(「プログラミング・オン・モバイル」と呼ぶことにする)にも言及した.
著者
田近 肇 片桐 直人 重本 達哉 大石 眞 竹内 康博
出版者
近畿大学
雑誌
科学研究費助成事業研究成果報告書 (2016)
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2017

研究成果の概要(和文):本研究では、イタリア、ドイツ、オーストリア及びフランスの4か国の墓地埋葬法制の全体像を明らかにし、それらの国々において①墓地を設置するのは原則として市町村であり、市町村は住民に対して墓地を提供する義務を負うものとされていること、②市町村が墓地を規律するに際し、宗教的少数派の信教の自由に配慮して一定の積極的施策が行われていることを明らかにした。③また、墓地の規律において、公衆衛生の確保、個人の信教の自由以外に、土壌・水質の保護といった環境利益、歴史的な文化財の保護といった文化的な利益、都市計画との適合性も考慮されていることを明らかにした。研究成果の概要(英文):Through this study, we analyzed cemetery laws in the European nations, such as Italy, Germany, Austria and France, and clarified (1) that cemeteries are usually managed by the local public entities and these entities have the legal duty to offer cemeteries to their residents in those nations and (2) that some accommodations are made in order to assure the religious freedom of religious minorities. We also clarified that, besides the religious freedom and the sanitary interests, some environmental interests, like protection of soil and water, some cultural interests, like protection of historical assets, and the coherence to the city plan are taken into consideration in regulating cemeteries.
著者
糸井 充穂 宇田川 誠一 田近 謙一 田代 健治 大竹 伸一 阿部 建之
出版者
日本大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、医学教育に必要でありながらカリキュラムの改正や削減で十分に時間を割くことができない理数系の基礎科目を一般教育で強化・充実をはかるために、物理学・数学及び生物学分野を融合した、視覚的・実質的な数理複合教材を開発した。具体的には、ハイスピードカメラを用いた物理学実験の試行やJAVAシミュレーションの視覚補助教材効果の検証と医学教育と関連した物理学実習項目の強化を行った。またこれらの教材の教育効果を追跡するため、研究期間を通してアンケート調査を行った。
著者
後藤 和久 田近 英一
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.4, pp.193-203, 2011-04-15 (Released:2011-08-12)
参考文献数
80

過去30年にわたって,天体衝突と顕生代における大量絶滅の関係を探る研究が行われてきた.しかし,両者の明らかな関係が見出せるのは,いまだに約6550万年前の白亜紀/古第三紀(K/Pg)境界だけである.本研究では,地質学的証拠,地球近傍天体観測データに基づく天体衝突頻度の推定,および月面のクレーターサイズや形成史などの最新の研究を総合的に検討した.その結果,K/Pg境界での天体衝突の規模は,5~10億年に1度程度の頻度の超大規模衝突だった可能性があり,K/Pg境界以外の絶滅境界で天体衝突の明らかな痕跡が見つからないという地質学的証拠とは矛盾しない.一方,K/Pg境界での天体衝突による大量絶滅のメカニズムについては,いまだに十分解明されていない.この理由のひとつは,衝突クレーターそのものに関する地質学的研究が乏しいことである.衝突現象の実態解明のために,衝突クレーター掘削計画の早期実現が望まれる.
著者
橘 省吾 田近 英一
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

Japan Geoscience Letters (JGL) は,JpGU発足時に地球惑星科学分野全体に情報を伝達する初めての媒体として創刊された.季刊誌として,これまでに15巻1号まで計55号が発行されている(2019年大会時には15巻2号が発行されている予定である). 対象,手法が多岐にわたる地球惑星科学においては,時に互いの研究の理解が難しいこともあり,分野全体で興味を持たれそうな話題を共有することを目的に,JGLでは毎号最大4本のトピックス記事を掲載してきた.分野や著者の所属機関などのバランスを考慮しながら,編集委員会でトピックスを選定し,15巻1号までに157本の記事を掲載してきた.執筆依頼を快く引き受けてくださり,限られた誌面のなかで,地球惑星科学分野の様々な話題をわかりやすく紹介してくださったすべての著者の皆様に感謝したい. これまでの15年の間に議論はされたものの実現できなかったことのひとつに,執筆いただいたトピックス記事をもとにして,一般向けの書籍を出版することがある.JGL誌面ではひとつの記事は4500文字程度で,図表が2-3枚含まれる.これに解説を加えたり,新たな成果を盛り込んだりしていただき,分量を倍にすれば,1万字となり,4-5年分の記事で新書一冊程度にはなる.地球惑星科学分野の研究最前線を一般の方に楽しんでもらう書籍として出版できれば,JpGUの広報普及活動としての新たな柱となるのではないかと考える. 国際化のために,英語版ニュースレターをつくってはどうかなどの意見もあるかもしれない.しかし,編集の現場は人手が足りず,現状では手が回らない.地球惑星科学全体をできるだけ広くフラットに見渡す意識で,編集作業に加わっていただける方がおられれば大変有難い.とはいえ,大学や研究機関が現在置かれている状況や,現在のJpGUの規模や今後の国際戦略を考えると,研究者だけで実現できることには限界がある.大学では昨今URAを導入し,大学マネジメントと研究者を繋ぐ活動の強化を進めているが,そのような仕組みをJpGUでも取り入れられないだろうか.地球惑星科学という研究コミュニティを代表するJpGUだからこそ,JGLをひとつの軸とした広報普及活動を発展させ,コミュニティ内の共通理解をさらに進め,社会とのつながりを強固にするために,そのような人材活用も考えるべきではないだろうか. JGLの15年は,我が国における地球惑星科学分野全体をまとめるコミュニティの形成と発展の15年でもある.JGLは地球惑星科学コミュニティ全体をまとめることに対し,ある程度の貢献をしてきたと編集委員会では考えているが,JpGUの財政状況などを考慮し,今年からJGLの配付は希望する会員限定となっている.JGLではこれまでアンケート調査など読者の皆様からのフィードバックを受ける機会を設けてこなかったが,本講演の場ではぜひJGLのこれまでや今後のあり方について,参加者の皆様からのご意見を頂戴したい.

4 0 0 0 IR トピックス

著者
長田 敏行 田近 英一 五所 恵実子 稲垣 秀彦 広報誌編集委員会
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.3-5, 2006-05

天皇皇后両陛下の本研究科附属植物園への行幸啓/第9回公開講演会開催される/第6回理学部海外渡航制度(アメリカ)/UCバークレー&スタンフォード大学訪問記/理学部1号館に理学部年表等の展示が完成
著者
田近 英一
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.79-94, 2007-02-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
86
被引用文献数
1

Liquid water on the surface of the Earth might have frozen entirely at least 3 times during the history of the Earth (650 Ma, 700 Ma, and 2.2 Ga). Assuming such extreme conditions, the snowball Earth hypothesis explains several unusual geological features associated with glacial deposits in the Proterozoic glaciations. Life should, however, have faced serious crises during these glaciations because liquid water is necessary for life. In particular, survival of photosynthetic algae, which are supposed to have appeared before the Neoproterozoic glaciations, might have been difficult if the surface water froze completely. There would have been refugia for life during the global glaciations. Life could have survived if the equatorial ocean was not completely frozen (soft-snowball condition), or equatorial sea ice might have been very thin (on the order of 10 meters). Even if these conditions were not achieved, life could have survived in shallow hot springs around volcanic islands. It would be much more difficult for eumetazoa to survive such severe conditions if they appeared before the Neoproterozoic glaciations as suggested by molecular clock studies. The appearance of eumetazoa after the last global glaciation (Marinoan glaciation), as suggested by the paleontological record, however, avoids this problem.
著者
田近 淳 大津 直 乾 哲也
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.23-35, 2016
被引用文献数
12

北海道,厚幌1遺跡で発見されたマウンドについて,トレンチ壁面の観察・記載から地すべり移動体であることを示し,その運動過程を検討した.マウンドは,主に樽前d降下火砕堆積物(Ta-d:8-9ka)起源の軽石層・岩片層・腐植層から構成され,Ta-d上位の腐植層を覆い,樽前c降下火砕堆積物(2.5-3ka)に覆われる.縦断方向の壁面では,マウンド堆積物の下底に腐植およびそれとロームの混合層からなる非対称変形構造やデュープレックスが認められた.また,堆積物にはリストリック正断層に類似した非対称伸長構造が見られた.これらのセンスはマウンドが背後の山腹から移動して定置したことを示す.このような未固結で成層した火砕物の地すべりは地震動によって引き起こされたと考えられる.<sup>14</sup>C年代と層序関係から,このマウンドを形成した地すべりの発生は補正年代で約4,600yBP以降から約2,500yBP以前までの間である.この年代は石狩低地東縁断層帯馬追断層の最新活動期と重なる.
著者
田近 肇
出版者
岡山大学法学会
雑誌
岡山大学法学会雑誌 (ISSN:03863050)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.366-334, 2012-12
著者
藤吉 俊尚 肱岡 範 今岡 大 原 和生 水野 伸匡 田中 努 田近 正洋 清水 泰博 丹羽 康正 山雄 健次
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.111, no.12, pp.2346-2354, 2014

症例は40歳代の男性.20歳から印刷業に12年間従事し,塩素系有機溶剤に曝露していた.肝機能障害で前医を受診し,肝門部胆管癌と診断され陽子線治療を施行したが,約3年後にリンパ節再発を疑われて当科紹介され,EUS-FNAで診断し化学療法を開始したが,2年でリンパ節が再増大し,外科的リンパ節摘出を施行した.その後1年8カ月再発していない.印刷業従事者が発病し,労災と認定された職業性胆管癌を報告する.
著者
田近 英一
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.79-94, 2007-02-25
参考文献数
86
被引用文献数
3 1

Liquid water on the surface of the Earth might have frozen entirely at least 3 times during the history of the Earth (650 Ma, 700 Ma, and 2.2 Ga). Assuming such extreme conditions, the snowball Earth hypothesis explains several unusual geological features associated with glacial deposits in the Proterozoic glaciations. Life should, however, have faced serious crises during these glaciations because liquid water is necessary for life. In particular, survival of photosynthetic algae, which are supposed to have appeared before the Neoproterozoic glaciations, might have been difficult if the surface water froze completely. There would have been refugia for life during the global glaciations. Life could have survived if the equatorial ocean was not completely frozen (soft-snowball condition), or equatorial sea ice might have been very thin (on the order of 10 meters). Even if these conditions were not achieved, life could have survived in shallow hot springs around volcanic islands. It would be much more difficult for eumetazoa to survive such severe conditions if they appeared before the Neoproterozoic glaciations as suggested by molecular clock studies. The appearance of eumetazoa after the last global glaciation (Marinoan glaciation), as suggested by the paleontological record, however, avoids this problem.
著者
池田 龍介 鈴木 孝治 田中 達朗 谷口 利憲 白岩 紀久男 卞 在和 津川 龍三 中村 武夫 岩佐 嘉郎 田近 栄司
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.183-189, 1984-02

当科において1974年より1981年までの7年4ヵ月,富山県立中央病院泌尿器科において1961年より1981年までの20年11ヵ時間と経験した尿路結石のうち,赤外線分光分析が行なわれた1514結石についてマイクロコンピューターを用いて臨床的分析を試みた.男子930例,女子344例,年齢は1歳より90歳に及び平均は男子44.7歳,女子41.6歳であった.結石成分分析には日立赤外線分光光度計EPI-G3型を,マイクロコンピューターとしてはSHARP MZ-80Cを用い,年齢,性別,発生部位,内層成分,外層成分,血清電解質,尿中電解質などを入力し,color display, green display, printer, X-Y plotterに出力,表示させた.4年前に報告した300個の結石における成績と比較すると,若干の変化が見られ,年齢分布において腎結石,膀胱結石含有患者の老齢化の傾向が認められたIn our laboratories, more than 1,500 urinary calculi have been analyzed by infrared spectroscopy. These data were statistically analyzed by microcomputer. The most frequent type was calcium oxalate combined with calcium phosphate, followed by pure calcium oxalate and magnesium ammonium phosphate combined with calcium phosphate. In particular, the composition of magnesium ammonium phosphate combined with calcium phosphate increased as compared with that four years earlier. Four years ago, we spent one month to statistically analyze 300 urinary calculi. But in this study, only sixteen days was required to analyze 1,500 urinary calculi by using a microcomputer.