著者
貴島 耕平 砂口 文兵 藤井 暢人 藤木 春佳 松下 将章 金井 壽宏
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.47-58, 2014

Organizational development (OD) recently has focused on the invention of methods based on practical perspectives rather than academic ones. This movement has resulted in increased "development of OD." While this attention is mostly positive, it has led to a loss of clear identity for OD. Thus we call this phenomenon gritting refined gold. We argue the identity of OD by considering developmental practices, both empirically and theoretically. This study shows that OD has been consistent in its principle of development and has hold its traditional logic which had humanistic values at the center of interventions.
著者
金井 壽宏 髙橋 潔
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.4-15, 2008-06-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
51
被引用文献数
1

経営学における組織行動論は,心理学にベースを置き,しばしば社会学からも影響を受けてきた.心理学の影響で感情の機能が扱われ,社会学に依拠して感情にまつわる労働が注目され,ようやく経営における感情の研究が姿を現しつつある.その姿を,まず感情の定義,機能,種類,そして感情と行動との関係を踏まえ,トピックとしては,文化に規制される感情の表示規則,感情労働などに見る感情のマネジメント,経営層(マネジメント)の抱く不安などの感情,リーダーシップに伴う感情過程,カリスマの言説,ポジティブ組織行動における感情の扱いなどの論点について試論的にとりあげて,組織理論における感情研究のおおまかな地図を提示する.
著者
浦野 充洋 松嶋 登 金井 壽宏
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.66-80, 2011-07-15

In this seminal special issue, we propose that the scientific knowledge has a public nature. Therefore, our knowledge production is inevitably embedded within the socially constructed realities. We discuss how our knowledge production is related to the management practices, according to our field research of the urgent project in Sharp Co..
著者
金井 壽宏 三品 和広 上林 憲雄 原 拓志 平野 光俊 高橋 潔
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

長らく停滞した後、再復興期に入った日本の産業社会の活力の向上のため、企業の持続する競争優位性の元となる組織能力を再構築する必要がある。従来この議論は、たとえばリソースベースの経営戦略論として論じられてきたが、本研究では、組織能力構築に真に貢献できる、企業のコア人材、とりわけ経営人材と高度専門職人材に焦点を合わせて、人材の体系的な育成に関する理論的・実証的研究をおこなった。国家レベルの競争力を高めるうえで人材育成が果たす役割について米国を主たる比較研究も実施した。その結果、第1に、戦略の成功の問題は、人材育成の問題と切り離しては考えられないことが確認された。戦略的人的資源管理という名のもとに、戦略とリンクしてひとの問題を扱う重要性が示唆されてきたが、その育成内容は、次期経営幹部候補の体系的な育成、またその育成プロセスの加速化に焦点をあわせる研究が有望であることが判明した。また、どのように経営人材になるかという問題だけでなく、より早く最高経営責任者になり、より長く采配を振るう機会を与えることの重要性も確認された。第2に、経営人材、高度専門職人材を問わず、コア人材の育成は、フォーマルな座学の育成とのかかわりをけっして軽視することはできないが、産業のなかで、また個別の企業のなかで、いったいどのような仕事をどのような時期にだれのもとで経験するかという点がいっそう重要である。したがって、リーダーシップ開発の問題も、高度専門職の育成の問題も、なんらかの「経験の理論」にも裏付けられる必要があることがわかった。第3に、大きな展望としては、経営学におけるシステムに目を向ける視点と、ひとの問題を照射する視点とが今後は、意味ある形で統合されると、真に国家レベルの復興に経営学も貢献しうることが示唆された。経営学における人材育成を天下国家レベルの国の活力に結びつける研究への橋頭堡となった。
著者
金井 壽宏
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.62-75, 1996 (Released:2022-07-22)
被引用文献数
1

統合という問題を分化との関連において論じる.個人にせょ,集団にせよ,組織にせよ,そのシステムの分化の程度に応じた統合をはかることが,システムの発展や成長のために要請される.分化と結びつけられることなく統合ばかりを旗頭にするようでは,個人レベルでは独断的で権威主義的なパーソナリティ,組織レベルでは(表現は適当ではないが)ファシズムのような組織を生み出してしまうことになる.本稿では,「分化に応じた統合」という観点から,複数の分析レベルにまたがって議論が成立するようなクロス・レベル・イシューが試論的に展開される.
著者
金井 壽宏
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.80-90, 1989 (Released:2022-07-14)

ネットワークは,理想型においては,階層性や専門性を奇妙に持ちこまない対等な相互依存関係である.懸案があると電話で呼び出すこともできるが,ネットワーク内の同輩が一堂に会する機会もありうる.そこでは,なんの遠慮もなく自由に発想を走らせ夢を翔ばせるような議論が生まれるのが理想である.そのような同輩間での懸案の真剣かつ共感的な議論を,ピア・ディスカッションと呼ぶ.その組織論的な意味を,「気づき」の共有や,集団レベルでの知識の生成として探るのが本稿の目的である.
著者
金井 壽宏
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.46-59, 1990 (Released:2022-07-15)

組織研究における定性的研究方法には,多様なアプローチがある.本稿では,エスノグラフィーによって得られる多様な観察データに基づく比較ケース分析の方法論的奥行きを探る.ケースの選択における理論的サンプリングの意義,およびエスノグラフィーと臨床的方法の補完的相違についてもふれる.
著者
貴島 耕平 砂口 文兵 藤井 暢人 藤木 春佳 松下 将章 金井 壽宏
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.47-58, 2014-08-04 (Released:2017-08-07)

Organizational development (OD) recently has focused on the invention of methods based on practical perspectives rather than academic ones. This movement has resulted in increased "development of OD." While this attention is mostly positive, it has led to a loss of clear identity for OD. Thus we call this phenomenon gritting refined gold. We argue the identity of OD by considering developmental practices, both empirically and theoretically. This study shows that OD has been consistent in its principle of development and has hold its traditional logic which had humanistic values at the center of interventions.