- 著者
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金子 栄廣
山口 稔
- 出版者
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
- 雑誌
- 廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.2, pp.45-53, 1994-04-30 (Released:2010-05-31)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
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溶出試験は廃棄物の有害性評価の一指標として広く用いられている。しかし, その方法が多様であるため, 結果の科学的な解釈が難しい, 異なる方法による結果の比較ができないなどの問題を抱えている。これを解決する手段として最大溶出可能量を測定することを目的とした溶出試験が注目されている。本研究では, 都市ごみ焼却飛灰中に含まれる重金属を対象として攪拌強度, 固液比, 接触時間, pHの溶出操作条件をパラメータとした溶出実験を行い, それぞれの条件下で溶出する金属量を調べることによって最大溶出可能量を調べるための溶出操作条件について検討した。その結果, カドミウム, 銅, 亜鉛およびマンガンについては最大溶出可能量を把握する溶出条件を設定できた。しかし, この条件では鉄の溶出量は接触時間の影響を, 鉛の溶出量は固液比および酸の種類による影響を受けることが明らかとなった。このように成分によって溶出の制限となる操作因子が異なるため, 最大溶出可能量を把握するための溶出試験方法を決めるには, 対象成分に応じて適当な溶出操作条件を検討する必要があることが示された。