著者
鈴木 博道
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.174-178, 2013-05-01
参考文献数
4

医学もデータベースも,きちんと定義し説明するのは難しいものである。天文学や理論物理学については日常会話にのぼることがほとんどないであろうが,医学医療については話題となることは多い。データベースなどのIT関連用語は身近で触れることは多いものの,きちんとした説明をするのは誰にでも出来ることではない。医学分野の特性,特殊性を踏まえて,いわゆる医学分野のデータベース概要と利活用について紹介をする。
著者
鈴木 博
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.18, pp.47-53, 1980-06-25

HOLTHUIS(1973)は,海岸から少し内陸に入ったところにあり,海水が地下から浸透し,潮汐によって水面が上下する潮溜りをanchialine Pool(陸封潮溜り)とよんでいる。このような環境に生息するエビ類は,現在5科10余種が知られ,そのほとんどのエビの体色は鮮かな赤色である。ここに報告したエビはAntecaridina lauensis(EDMONDSON)で,Fiji諸島(模式標本産地)・Europa諸島(マダガスカル西方)・Dahlak諸島(シナイ半島東部)・Hawaii諸島などで知られ,日本では南大東島からの記録(諸喜田,1975)があるのみであった。 このエビが発見された黒島の古井戸は,典型的なanchialine poolで,塩分は1979年12月7日の測定では13.22‰であった。このエビの第1・2・5胸脚はそれぞれヌマエビ科の特徴を示しているが,眼上棘を欠き,額角は短かくとがり無棘,眼柄は短かく,複眼は退化的,鰓は7対,外肢がすべての胸脚に存在することなどが種の特徴である。暗所では,多くの個体は鮮かな赤色であるが,明所では色素細胞の収縮により,体は黄赤色か半透明となるものがみられる。
著者
鈴木 博人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.22-00278, 2023 (Released:2023-08-20)
参考文献数
13

鉄道には,なだれ防止林という雪崩による運転支障や列車事故を防止するために設置された防災設備がある.本研究では,上越線と米坂線を対象になだれ防止林の雪崩防止効果を評価した.両線区では,雪崩発生件数は1960年代前半に減少側に不連続的変化(ジャンプ)したが,年降雪深および年最大積雪深に減少側へのジャンプがみられるのは1980年代半ばまたは後半である.一方,両線区では開業後の1930年代から設置されてきたなだれ防止林の多くは,雪崩発生件数が減少側にジャンプした1960年代前半に所期の機能を発揮し始めたと考えられる.また,雪崩発生件数のジャンプ以前では,雪崩発生件数と降積雪量との正の相関が強い.これから,雪崩発生件数が1960年代前半に減少側にジャンプしたのは,なだれ防止林の効果であると評価できる.
著者
我妻 昂樹 鈴木 博人 村上 賢一 鈴木 誠 藤澤 宏幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.32-41, 2019 (Released:2019-05-17)
参考文献数
17

〔目的〕フォームに着目した運動学習課題として膝立ち位でのファンクショナルリーチ(FR-k)を取り上げ,Internal Focus of Attention(IFA)のより優れた教示内容を明らかにすることを目的とした。〔対象〕健常青年18名とした。〔方法〕プレテストにてFR-k距離及び重心位置を測定した後,上肢へのIFA教示群(IFA-U)と下肢への教示群(IFA-L)の2群に割り付け,各群30試行の練習を実施させた。また,練習期間終了後の翌日と1週間後における保持テストを実施した。〔結果〕FR-k距離については両群で即時的に有意な変化が認められ,運動学習効果が確認された。また,保持テストにおいて群間で有意な差があり,IFA-L群の方が優れたパフォーマンスを示した。〔結語〕FR-kにおいて,下肢への教示は上肢への教示よりも,運動学習に優れた効果を示した。
著者
有吉 友和 加藤 直三 鈴木 博善 安藤 義人 鈴森 康一 神田 岳文 遠藤 聡
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.15-25, 2007 (Released:2007-09-11)
参考文献数
35
被引用文献数
3 2

This paper describes the developments of new pectoral fins made of elastic materials with the functions of flexibility and multifunctionality for biomimetic underwater vehicles to use as not only a propulsive device, but also other applications such as grippers, avoiding damages to environment by rigid fins. We developed two types of elastic pectoral fins, an actively controlled pneumatic fin and a passively controlled flexible fin in this study. We carried out the verification tests for generating the propulsive forces and FEM analyses of the behaviors of two elastic pectoral fins.
著者
鈴木 博人
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.41-49, 2016-09-30

2016年1月30日に多摩キャンパスにおいて開催された日本比較法研究所と韓国・漢陽大学校法学研究所共催のシンポジウム「日本及び韓国における現在の法状況」における報告
著者
我妻 昂樹 鈴木 博人 川上 真吾 鈴木 さゆり 佐藤 清登 松坂 大毅 嶋田 剛義 榊 望 藤澤 宏幸
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.579-584, 2022 (Released:2022-12-15)
参考文献数
17

〔目的〕運動器疾患患者の治療場面を観察し,理学療法士の言語指導の実態を明らかにすることとした.〔対象と方法〕理学療法士13名,患者11名が参加し,19場面を測定した.測定後,言語指導を言語教示,フィードバック,言語強化に分類した.〔結果〕理学療法士による言語指導の43.0%が言語強化であった.また,理学療法士が使用した言語教示の69.1%,フィードバックの89.0%がInternal Focus of Attentionであった.〔結語〕理学療法士は,言語強化を無自覚に多用している可能性が示唆された.動作指導では目標物を設置しづらいが故に,Internal focus of attentionが多用される可能性が示唆された.
著者
小海 宏之 岡村香織 中野明子 鈴木博子 岸川雄介 園田薫 石井博 成本迅 Hiroyuki KOUMI OKAMURAKaori NAKANOAkiko SUZUKIHiroko KISHIKAWAYusuke SONODAKaoru ISHIIHiroshi NARUMOTOJin 花園大学社会福祉学部 藍野花園病院 藍野病院臨床心理科 阪本病院 藍野病院老年心身医療センター 藍野病院老年心身医療センター 藍野病院老年心身医療センター 京都府立医科大学大学院医学研究科精神医学教室 Faculty of Social WelfareHanazono University Ainohanazono Hospital Department of Clinical PsychologyAino Hospital Sakamoto Hospital Center of Geriatric Medicine and Psychiatry Aino Hospital Center of Geriatric Medicine and Psychiatry Aino Hospital Center of Geriatric Medicine and Psychiatry Aino Hospital Department of Psychiatry Kyoto Prefectural University of Medicine
巻号頁・発行日
vol.19, pp.37-44,

本研究は、高齢統合失調症者の表情認知における特徴を検討することにより、高齢統合失調症者の情動機能に関する今後の神経心理学的研究の基礎資料にすることを目的とした。対象は高齢統合失調症者7名(平均年齢71.7±6.4歳)と健常高齢者10名(67.4±6.6歳)である。方法は対象者にMini-Mental State Examinationおよび小海ら(2007)が SuperLab Pro V.2.04でプログラミング作成した Emotion Recognition Testを個別実施した。その結果、高齢統合失調症者は健常高齢者と比較して、全般的認知機能の低下が認められ、また、怒りや悲しみなど不快情動の表情認知を誤る率が高く、反応時間も遅いことが明らかとなった。これらの特徴から、高齢統合失調症者は、とくに右側前帯状皮質、扁桃体や島皮質周辺領域における機能の低下を示唆すると考えられ、また、これらのことが対人関係上の問題となる可能性を示唆するとも考えられる。
著者
鈴木 博 長島 昭
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.46, no.408, pp.1574-1582, 1980-08-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
15
被引用文献数
3 4

最近,海水は従来より広い温度・圧力の範囲で利用される機会が増した.冷却水としての利用,海洋温度差発電,淡水化あるいは深海での機器の伝熱などがその例である.本研究では従来のデータのない30℃以上を含めて,0℃から80℃までそして400bar程度までの高圧域で,海水の粘性係数を閉回路式の高圧用毛細管式測定装置によって実験研究を行った.試料としては,標準海水を用いた.得られた結果から,純水の粘性係数に対する海水の値の比を広い範囲で表す実験式を作成した.
著者
鈴木 博信 Hakushin Suzuki
雑誌
桃山学院大学社会学論集 = ST. ANDREW'S UNIVERSITY SOCIOLOGICAL REVIEW (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.1-16, 1998-03-31

Western leaders and mass media, including their Japanese counterparts, quick to claim "victory" in the cold war, never took a close look at the "losers". It was assumed that Russians would take to Western forms of economic and polifical development as eagerly as they had bought Western jeans and rock music tapes on the black market. The West's, that is, our biggest mistake was to have expected more than Russia was able to become. We did not fully understand how sick Soviet society was. There was, on top of everything else, no trusted new "elite" to replace the old. A truly non-partisan civil service has always eluded Russian governments. And the so-called democrats or reformers in power are themselves nomenklatura people, their children and their acquaintances. In a word, the system never collapsed after August, 1991, despite the appearance. S. Handelman, Canadian joumalist and author of ≪Comrade Criminal≫, elucidates, in his work, that the bureaucrats and managers of the former regime acquired new capital and political strength by exploiting the legal vacuum left by departing Communist authorities. Thus, a post-Soviet mafiya emerged, in corporating (1)the most entrepreneurial element of the former nomenklatura and (2)the gangster capitalism of the new. The Comrade criminal-the personification of this new force that combines the just mentioned two elements-is now setting the rules of game in Russia. Inspired by Mr. Handelman's sardonic insight, I try to trace here, both on local and national level, though in a very sketchy way, how the nomenklatura suruives. And by drawing this sketch, I want to clarify the essence of the organisation, that had been called the Communist Party of the Soviet Union.
著者
貝塚 祐太 鈴木 博元 上原 知也
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
アイソトープ・放射線研究発表会
巻号頁・発行日
vol.1, 2021

<p>がん細胞では一般にアミノ酸などの栄養素に対する需要が増加しているため、アスタチン-211(<sup>211</sup>At)標識アミノ酸誘導体によりがんのα線治療を行うことができる。そこで当研究室が開発した<sup>211</sup>At標識母体であるネオペンチル構造をヒスチジンと結合させた薬剤を設計した。本研究では、<sup>211</sup>At標識薬剤を開発する前段階として、<sup>211</sup>Atと同族の<sup>125</sup>Iを標識した薬剤を用いて基礎的評価を行った。</p>
著者
鈴木博雄編
出版者
振学出版
巻号頁・発行日
1990
著者
丸山 正隆 大坪 千秋 田中 三千雄 大井 至 上地 六男 竹本 忠良 鈴木 博孝
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.414-427, 1975

1971年11月から1974年2月までの間に単一の検者により前方直視鏡で内視鏡検査を施行された475例中, 130例に潰瘍あるいはその瘢痕以外の何らかの変化を十二指腸球部に観察した. これらの全てが十二指腸炎の所見であるか, あるいは, 所見を認めなかつた例を正常としてよいかどうかはまだ不明であるが, これらの変化の多くは前回の病理組織学的検討と照合して考えた時, 原発性十二指腸炎の種々の所見の反応と考えられる. このうち, 発赤, びらんなどは表在性十二指腸炎の所見といえるが, 生検的には間質性十二指腸炎を獲え難いため, これがどの程度含まれてくるかは不明である. 萎縮性十二指腸炎は日本では稀とされ, 生検でこれを獲えることは困難もあるが, 血管透見, Liver area の出現, 絨毛の萎縮などはこれを示す可能性のある所見として考慮し得る. このほか種々の小陥凹や小隆起は十二指腸炎との関連性を考慮し得る所見である.
著者
鈴木 博人 河島 克久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_301-I_306, 2018

<p> 本研究では,新潟県とその周辺地域における鉄道駅構内の露場で観測された年最大積雪深の資料を整理することで,1927年冬期から2018年冬期における豪雪年の年最大積雪深の分布図を作成した.これらの分布図は,この期間の年最大積雪深の観測記録が残る地点のデータを基に豪雪年として抽出された1927年,1940年,1945年,1961年,1963年,1984年の各冬期について作成した.その上で,豪雪年における年最大積雪深の分布の地域的特徴を明らかにした.さらに,雪の降り方とそれが鉄道に与えた影響や,鉄道で行われてきた雪害対策について概観する.</p>
著者
松崎 哲也 鈴木 博 神谷 正男
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.65-69, 1989
被引用文献数
3

1984年4月から6月にかけて奄美大島で捕獲したアマミノクロウサギ (<I>Penzalagus furnessi</I>, 以下クロウサギと略す) 雌雄各5匹を導入し, ケージ内飼育・繁殖を試みた。飼育中のクロウサギは神経質で音に敏感で警戒心が強く, 常に逃避行動をしめした。飼料は, ウサギおよびナキウサギ用の固形飼料を主に, 好食するサツマイモ, リンゴ, ススキ等の野草を若干与えた。クロウサギはカイウサギと同じく食糞行動がみられた。糞には硬い糞と軟らかい糞の2種があり, 後者を食した。ケージ内飼育のクロウサギは最大体重に達するまでに13ヵ月を要したが, 雌雄間に体重の差はみられなかった。繁殖には小型のケージ6個を並列に並べた6連式ケージを作製して用いた。交配は雌雄1: 1で行った。雌雄各5匹の種々の組み合わせで, 延べ74回の交配を試みた。そのうちの1組に妊娠が成立し, 1986年6月10日, 1仔の誕生をみた。この新生仔 (2日齢) は体重が100gであり, 目や耳が閉じ, 門歯が萌出していた。また, 新生仔は野生色の短毛を有しており, 腹部の皮膚は赤味を帯びていた。4肢の爪は伸びて, 先端は白く糸状に巻いていた。新生仔は生後4日で死亡したが, この時の体長は15cmであった。