著者
小木曽 太知 大野 陽哉 鈴木 彩輝 下畑 享良
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.532-535, 2023 (Released:2023-08-29)
参考文献数
12

弓道における異常な運動(いわゆるイップス)のうち,「もたれ」は狙いを定めたときに意図したタイミングで矢を放てない状態を指す.私達は「もたれ」が動作特異性局所ジストニア(task-specific focal dystonia,以下TSFDと略記)である可能性を考え,「もたれ」を呈する3例,対照群として弓道での異なるイップスの一種「早気」3例,いずれも認めない3例に問診と表面筋電図を行った.結果,「もたれ」の特徴として,定型性,感覚トリック,早朝効果が確認されたが,「早気」ではこれらの所見は認めなかった.また検査中に「もたれ」が出現した2例中1例で,上肢の異常な拮抗筋の共収縮を認めた.以上より,「もたれ」はTSFDの特徴を有している可能性が示唆された.
著者
廣川 満良 鈴木 彩菜 川木 裕子 工藤 工 木原 実 宮 章博 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.32-38, 2020 (Released:2020-06-16)
参考文献数
27

甲状腺穿刺材料を用いた補助診断法について概説する。穿刺針洗浄液を用いた生化学検査,たとえばサイログロブリン,カルシトニン,PTHなどは細胞診よりも診断精度が高く,比較的安価であることから,適応や評価を十分に理解したうえで積極的に用いるべきである。リンパ腫,特にMALTリンパ腫を疑った場合は,フローサイトメトリーによる軽鎖制限の確認は非常に有用である。遺伝子検査は本邦では未だ日常的には行われていないが,今後細胞診で濾胞性腫瘍や意義不明と報告された結節に対して行われていくことになるであろう。
著者
鈴木 彩夏 半谷 眞七子 亀井 浩行
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.688-697, 2019-12-10 (Released:2020-12-11)
参考文献数
22
被引用文献数
3

The medical system has been changing from medical institutions to home medical care with an increase in the number of elderly persons. Home medical care is a type of interprofessional team care, requiring pharmacists' participation. However, insufficient cooperation with other occupations makes participation difficult under some circumstances. In this study, we interviewed 5 pharmacists who had participated in home medical care in Aichi Prefecture with respect to the involvement of pharmacists in home medical care and opinions regarding multi-occupational cooperation (semi-structured interview), and qualitatively analyzed their responses using the Grounded theory approach. Concerning the involvement of pharmacists in home medical care, two characteristics were extracted: “pharmacists' viewpoint required for home medical care” and “relationship with other occupations”. In the field of home medical care, the number of requests for the management of terminal-stage patients has increased, and pharmacists must perform “viewpoint of medical staff”-based management, such as sterile preparation and emergency management. On the other hand, pharmacists' “viewpoint of living people” to support patients' feelings or lifestyle and “view of life and death” were required for the management of terminal-stage patients. With respect to the relationship with other occupations, the results showed that pharmacists' low-level recognition of the contents of home service affected cooperative work, suggesting the necessity of presenting the pharmacists' position to contribute to other occupations and establishing a face-to-face relationship.
著者
鈴木 彩
出版者
慶應義塾大学国文学研究室
雑誌
三田國文 (ISSN:02879204)
巻号頁・発行日
no.59, pp.44-59, 2014-12

一 「原作通り」ではないテクスト二 〔お稲に向けた語り〕・〔読者に向けた語り〕三 新派劇 <白鷺> と、原作を代替する試み四 物語の統括者から、劇中人物へ五 芸妓からの解放 : <白鷺> の新たな展開
著者
杣取 恵太 坂本 次郎 時田 椋子 鈴木 彩夏 国里 愛彦
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.41-58, 2016-03-15

Diagnostic tests specify whether a person has a specific disease or not and it extremely contribute decision-making of the intervention. Various types of diagnostic test are proposed and their methodological qualities have been improved. However, there are much inconsistent evidences in diagnostic test accuracy studies. We have become so difficulty of decision making in diagnostic test. Therefore, we believe that individual studies on diagnostic test accuracy should be synthesized for evidence based clinical psychology. In systematic reviews of diagnostic test accuracy, Cochrane collaboration is making up its guideline "Handbook for diagnostic test accuracy reviews". In the handbook, some key components of systematic reviews and meta-analysis in diagnostic test accuracy are explained, which contain the drawing up protocol, search strategy, assessing methodological quality, and meta-analysis. We review the key components of systematic reviews and meta-analysis according to "Handbook for diagnostic test accuracy reviews".
著者
大江 元貴 居關 友里子 鈴木 彩香
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.226-241, 2020

<p>日本語の左方転位構文は,情報構造上どのような働きをするか,話しことばか書きことばか,という問いのもとでその特徴が記述されてきたが,そのような抽象的なレベルでの記述では実際の使用を十分に捉えられていなかった.本稿は,具体的な言語使用環境(ジャンル)ごとに異なる文法の存在を想定する「多重文法モデル」の考え方を基盤として,コーパス横断的調査に基づいた左方転位構文の分析を行った.その結果,以下の二点が明らかになった.①日本語の左方転位構文は,情報構造のレベルよりも大きな談話展開のあり方に関わり,大きく〈予告・総括〉型と〈項目提示・注釈挿入〉型の二つのタイプに分けられる.②日本語の左方転位構文の特徴は,話しことばか書きことばかという対立では捉えられず,「独演調談話」とでも呼ぶべき,話し手と聞き手の不均衡な関係を前提としたジャンルと結びついている.多重文法で想定されている多様なジャンルの輪郭を明確にしていくためには本稿のような具体的な言語表現から出発してその言語表現のジャンル特性を特定していくというアプローチを取り入れていくことが重要になる.</p>
著者
石井 直弘 清水 雄介 青木 麻利江 鈴木 彩馨 貴志 和生
出版者
日本マイクロサージャリー学会
雑誌
日本マイクロサージャリー学会会誌 (ISSN:09164936)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.178-181, 2020

<p>Various techniques for nail reconstruction have been reported until now; however, a simple one providing good esthetic results was difficult to find. Arterialized venous toenail flap is a free flap that includes the nail bed and matrix with a pedicle formed solely by the subcutaneous vein of the toe. The use of this flap is minimally invasive, easy, and the flap has a high survival rate. The mechanism of graft survival remains unknown given the non-physiological circulation. To the best of our knowledge, no studies have explained this mechanism with reference to detailed postoperative course. We herein present two cases of nail reconstruction performed using arterialized venous toenail flap. We analyzed the postoperative course in detail, which enabled us to postulate on the mechanism of graft survival.</p>
著者
鈴木 彩加
出版者
大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
no.30, pp.61-66, 2009

書評 : Anita Superson & Ann Cudd(eds.), "Theorizing Backlash : Philosophical Reflections on the Resistance to Feminism", Roman & Littlefield Publishers, Inc., 2002
著者
渡部 真子 鈴木 彩日 松村 知歩 水 梨恵 石橋 ちなみ 岡田 玄也 杉山 寿美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2019年度大会(一社)日本調理科学
巻号頁・発行日
pp.36, 2019 (Released:2019-08-26)

【目的】戦国期毛利氏の食に関しては,1549年に毛利元就が元春,隆景を伴い大内義隆を訪問した際に毛利氏が用意した6回の饗応献立が「元就公山口御下向の節饗応次第(以下,饗応次第)」に記されている。また,毛利氏の家臣,玉木吉保が当時の食材や調理法を「身自鏡」に記している。我々はこれまでに「饗応次第」において,雁や雉に加え,白鳥や鶴,獺が供されていたこと,「身自鏡」において調理法のみでなく,青黄赤白黒の視点が記されていること等を報告している。本研究では,「饗応次第」の献立再現を通して,当時の食について考察した。【方法】「饗応次第」の献立再現では,料理のレシピ(食材量,調理法,盛り付け,器等)の決定が必須である。そこで「饗応次第」「身自鏡」をさらに読み解くとともに,吉川元春館跡発掘調査(記録,出土遺物),同時期の料理書である「大草家料理書」,「明応九年三月五日将軍様御成雑掌注文」からの再現事例等を確認し,「饗応次第」に記された6回の饗応食のうち折敷や器が記された三月五日の饗宴献立の再現を試みた。【結果および考察】「饗応次第」には十二文あしうち,三度入り,小中等と記され,上記発掘調査において側板0.5cm程度の足付折敷,6〜8cmの土師器皿が多く出土されていることから,食材量は器の大きさに併せて決定した。また,当時の饗宴は食さないとの解釈もあるが,白鳥や鶴等の渡り鳥や,鷹のものと思われる獺等,極めて貴重な多様多種の食材が30〜35人分が用意されていることから食されたと解釈した。再現した献立にはぞうに等の儀礼的な料理がある一方,料理の組み合わせや順序への配慮がうかがえた。今後,当時の人々の食への価値観等も含め,検討したい。
著者
野溝 万吏 馬場 長 鈴木 彩子 山西 恵 山口 綾香 角井 和代 松村 謙臣 吉岡 弓子 近藤 英治 佐藤 幸保 濱西 潤三 小阪 謙三 万代 昌紀 小西 郁生
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.40-45, 2013

子宮びまん性平滑筋腫症は,無数の小さな筋腫結節が粘膜直下の子宮筋層にびまん性に増生する病態を呈し,特殊な発育様式をとる子宮筋腫に分類される.小筋腫は往々にして100個を超えて筋層内および粘膜下に発育し,高度の過多月経や月経痛を生ずるため,手術や薬物治療が必要となる.20~30歳代の女性に好発することが知られており,妊孕性を保った管理法が求められるが,従来の核出術では多数の筋腫を核出することは容易でなく,術後すぐに再発することが多い.今回,われわれは高度貧血をきたす子宮びまん性平滑筋腫症を認め,また妊孕性温存を希望する姉妹の例を経験した.いずれも術前に長期間の偽閉経療法を行った後に,子宮を半割し小筋腫核を可能な限り核出することで,術後長期にわたって過多月経や月経痛を伴うことなく経過観察が可能であり,1例では術後に生児を得た.実母も若年から多発子宮筋腫を発症し,同症であった可能性が高く,同症が家族性に発症することが示唆される.今後の症例集積により病態解明および若年患者の管理法がさらに確立することが期待される.〔産婦の進歩65(1):40-45,2013(平成25年2月)〕
著者
鈴木 彩
出版者
慶應義塾大学国文学研究室
雑誌
三田國文 (ISSN:02879204)
巻号頁・発行日
no.58, pp.19-32, 2013-12

一、"幻想的戯曲"の系譜と「恋女房 : 吉原火事」二、日常世界における対立 : 吉原と根岸三、もう一つの対立 : 吉原と「赤魔姥」四、二つの物語 : お柳の変化をもたらすもの五、吉原が焼かれる理由 : 赤魔姥と価値の反転
著者
内山 俊朗 鎌谷 崇広 京谷 実穂 鈴木 彩乃 鈴木 健嗣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.16, no.16, pp.30-33, 2011-03-30

beacon(ビーコン)はパーソナル化の傾向にある従来のデジタル楽器とは違い、人が集まり体を動かしながら音を奏でることができる空間を生み出す新しいプロダクトです。誰でも気軽に楽しめるという性質と、練習と創意工夫によって新たな芸術表現へとつながる性質を併せ持っています。音楽によって、人と関わりを持つ場を提供することを目的とし、学校教育、レクリエーション、フィットネス、リハビリテーション、新しいゲーム、競技、新しい芸術表現などのシーンで利用されることを想定しています。