著者
片平 建史 武藤 和仁 橋本 翔 飛谷 謙介 長田 典子
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.453-463, 2018 (Released:2018-08-31)
参考文献数
29
被引用文献数
1 6

In this study, by proposing a model with a hierarchical relationship, we reconsidered the methodology utilizing the semantic differential technique. The proposed approach divided the subjective evaluation into the evaluative aspect and descriptive aspect, and identified the former as the upper layer expressing the level of value and the latter as a lower layer expressing the level of semantics. The subjective evaluation data was obtained in evaluation experiments measuring the value and semantics for the three-dimensional objects. Based on the obtained data, the proposed model was examined to see whether it can reflect individual differences and the influences of evaluation contexts that have been conventionally been treated as errors. Results showed that the proposed model expressed the influence of context and individual differences and suggested the need for a hierarchical approach beyond the framework of the semantic differential method, such as the conventional EPA structure.
著者
有賀治樹 岡明也 橋本学 長田典子
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-100, no.11, pp.1-6, 2013-08-24

本稿では,演奏者によらず使用できる,マーカレス・ピアノ運指認識手法を提案する.距離画像中のわずかな手掛かりをもとに指先候補位置を多数検出し,ピアノキー位置との対応を確率的に表現したものを仮説群として生成する.各仮説から手全体の姿勢を推定して画像化し,入力距離画像との手全体の整合性を求めることによって最尤仮説を決定する.このとき,各指先 (親指~小指) の存在確率マップを用いて指先候補位置を確率的に表現し,仮説の尤度に反映させる.汎用 3-D ハンドモデルを用いて仮説をオンラインで画像化することにより,個人ごとの事前の実データ学習が不要となり,演奏者固有の演奏時の手の姿勢に影響されにくい,汎用的な運指認識を実現した.計 128 音からなる初心者向け楽曲を用いた実験により,認識成功率 88% を確認した.
著者
岡明也 有賀治樹 杉山健太朗 橋本学 長田典子
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-100, no.10, pp.1-4, 2013-08-24

ピアノ演奏の練習において,特に初心者の場合には正しいキーを正しい運指で弾くという基本的な練習が重要であることから,演奏状況をモニタリングし,客観的な誤りをタイムリーに提示するピアノ演奏スキル評価システムが望まれている.本研究では,2 つの要素技術を組み合わせることによってこれを実現した.1 つめは,楽譜上の音符と実際に打鍵されたキーを照合する音列照合技術である.練習時には未打鍵や余打鍵の発生に加えて,正しい演奏でも多少の揺らぎが発生するため,DP マッチングに基づいて柔軟な照合を実現した.2 つめは運指認識であり,練習中の自然な演奏を妨げないために,距離センサで得られた動画像列に汎用 3D -ハンドモデルを適用する仮説検証型手法を提案した.実際の楽曲を用いた実験評価により,単純マッチングに比べ検出数約 83% 削減でき,処理時間 0.6 秒を確認した.
著者
藤澤 隆史 土屋 晋 高島 杏菜 原田 甫 長田 典子
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.127, no.4, pp.667-673, 2007-04-01 (Released:2007-07-01)
参考文献数
16

In this study, we evaluated observers' impressions on different styles of make-up applications. We showed the observers various styles of make-up for 3DCG characters, and they scored their impression of the made-up faces. In experiment 1, to identify the impression dimensions for the made-up faces, we had 38 undergraduate subjects evaluate 4 make-up styles using 23 adjectives. As a result, we extracted 2 factors, "external appearance" and "internal feeling" about the characters. In experiment 2, we had 70 undergraduate subjects evaluate 5 make-up styles using 7 adjectives. We applied the “positioning analysis" method for the SD data, and mapped the loading values for make-up styles (targets) and adjectives (scales) on a 2 dimensional plane. The results showed that the adjectives were different for each make-up styles, suggesting that the impression of CG characters can be controlled by make-up using texture synthesis.
著者
藤澤隆史 NormanD Cook 長田典子 片寄晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39(2006-EC-004), pp.9-14, 2006-05-03

和音/和声(chord/harmony)は,メロディ(melody),リズム(rhythm)とともに音楽を形作る重要な要素である.音楽の物理的な音響的特徴とその心理的な印象や感性との関連性について定量的に評価するために,本研究では和音性についての評価モデルを構築した.和音性は,(1)協和度(心地よい-わるい,澄んだ-濁った),(2)緊張度(緊張した-落ちついた),さらに長調か短調かといった性質を決定する(3)モダリティ(明るい-暗い,うれしい-悲しい)から構成される.本研究において提案されたモデルと,これまで経験的に知られている様々な和音タイプおよび得られた実験データとの整合性を確認し,妥当性の検討を行なった.
著者
中村 あゆみ 古屋 晋一 合田 竜志 巳波 弘佳 長田 典子
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.840-845, 2013 (Released:2013-10-16)
参考文献数
11

The purpose of the present study was to assess effects of daily piano practice on speed and accuracy. When they were asked to play the trained tone sequence as fast and accurately as possible, the maximum rate of keystrokes increased after the practice, indicating enhancement of finger movement speed. This was also the case when playing an untrained tone sequence with the left hand and untrained right hand as fast as possible. A retention test, being performed two months after the final practice session, revealed no apparent deterioration of the hand motor functions, suggesting robustness of motor memory acquired through the piano practice. Finally, provision of visual feedback regarding rhythmic accuracy of keystrokes facilitated the movement accuracy, which implicates a potential of the augmented feedback for improving piano performance.
著者
長田 典子 北村 紗衣 湯澤 優美 斉藤 賢爾 門林 岳史 折田 明子 横山 太郎 木下 知威 森山 至貴 松田 英子
出版者
北村紗衣
巻号頁・発行日
2012-04-12

表象文化論学会第4回大会パネル「共感覚の地平 : 共感覚は『共有』できるか?」, 2009年7月5日, 京都造形大学, 京都
著者
高井 康太 千葉 広大 藤村 武史 平田 純也 合田 竜志 巳波 弘佳 長田 典子
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 35.8 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.73-76, 2011-02-12 (Released:2017-09-21)
参考文献数
6

ピアノ演奏をCGアニメーションで表現する技術が,コンテンツ制作や音楽教育などさまざまな分野で求められている.我々はリアルで自然なピアノ演奏動作の解析やCG表現の研究を進めている.本研究では,ピアノの演奏動作を楽譜のみから自動生成し,リアルなCGアニメーションを出力する方法を提案する.ピアノ運指および軌道は最適化手法により決定する.自動生成された演奏モーションは演奏スキルレベルによってヒューマナイズされ,GPUレンダリングによりリアルな肌質感をリアルタイムに表現する.これらはピアノ演奏技術の学習支援等に利用できる.
著者
長田 典子 和氣 早苗 大須賀 美恵子 井口 征士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.113, pp.25-28, 2003-06-06
参考文献数
4

最近のテレビ番組で,ストーリーの山場にコマーシャルを挿入する手法が見受けられるが,集中を削がれるため,とりわけ子供に対する影響が懸念される.そこでコマーシャルの挿入タイミングが子供の集中力に及ぼす影響について検討を行う.呼吸・脈波・瞬目に関する生理心理計測実験を実施したところ,呼吸率と呼吸振幅の変化を4つの集中度パターンに分類できた.また瞬目についても集中度との関連が明らかになった.実験結果から,高まった注意集中が削がれることにより,次の注意集中の高まりが遅れることが観測された.そしてCMを効果的に提示するという観点からも,CMはストーリーの山場より完結後に挿入されるのが望ましいとの見解を得た.
著者
高瀬 雅良 饗庭 絵里子 田中 里弥 藤澤 隆史 赤塚 諭 下斗米 貴之 長田 典子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第10回大会
巻号頁・発行日
pp.132, 2012 (Released:2012-07-20)

和音は, 音楽聴取で喚起される情動に大きな影響力を持つ。先行研究の多くは単一の和音を対象としているが, 音楽では和音進行が重要な役割を持っていると考えられる。本研究においては, 和音進行聴取時の脳活動と心理的な印象について,fMRI およびSD 法を用いた検証を行った。その結果,長三和音を含む和音進行の聴取によって, 眼窩前頭皮質(BA47)での賦活が 確認された。また, 和音進行の印象には不協和度・モダリティ(長調的/短調的)・緊張度の3因子があることが示された.さらに和音進行前あるいは進行後の和音の印象 に有意な変化が生じる和音進行が存在することが明らかになり,和音進行の結果として得られる印象が,単一の和音によって得られる印象とは 異なることが分かった。長三和音が特に明確な印象を引き起こす和音であることも示され, 脳活動との間にも整合性が見られた。
著者
饗庭 絵里子 高松 直也 沼田 晃佑 柳田 修太 鈴木 征一郎 佐藤 暢 長田 典子 高田 勝啓
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.677-685, 2016 (Released:2016-12-26)
参考文献数
23
被引用文献数
3

The purpose of this study is to identify a ‘kansei’ space for ‘kandoh’ evaluation model that considers individual characteristics. We performed two experiments that attempted to construct such kandoh models for a younger age group and a mature age group. In the first experiment, 69 suitable words for evaluating the image quality were selected from 150 Japanese words to express kandoh. In the second experiment, using the selected kandoh words, the kansei space for each age group was identified and analyzed by individual differences in scaling, multi-dimensional scaling, and cluster analysis. Based on the results, we observed differences in the interpretation of the words between age groups. Thus, the constructed kansei spaces were shown to also have differences depending on the age group.
著者
飛谷 謙介 饗庭 絵里子 東 祐介 相田 恭平 長田 典子
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.J276-J284, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
26

近年,コンピュータやセンサの発達に伴って,ユニークなフィードバックやインタフェースを利用したアート表現の一つとして,メディアアートが提案されている.その中でも,光や水をテーマとしたアート作品は現実世界において体験することの難しい独特な空間を作り出す.本研究は,水の流れ等の物理的な刺激によって発光する性質を持つ「夜光虫」に注目し,夜光虫をモチーフとしたメディアアート作品”バーチャル夜光虫”を提案する.夜光虫の大きな特徴として,物理的な刺激により発光する性質が挙げられる.また,海洋性のプランクトンであるため水の流れとともに光が減衰することで,独特な発光現象を見ることができる.このような体験を流体シミュレーションと3次元レンジデータ計測を組合わせることで実現し,CGを用いて仮想的に表現する.さらに,ユーザの操作によって変化する水の流れに合わせてサウンドエフェクトと発光色を変化させる.これにより,水の流れを媒介とした光と音のアート表現を実現する.また,コンジョイント分析による印象評価実験から,本システムにおける「夜光虫らしさ」および「美しさ」の要因を明らかにする.最後に,より直感的な体験を可能にするため,多層構造の布ディスプレイを映像提示装置として使用したバーチャル夜光虫システムを作成する.
著者
勝占 真規子 北原 鉄朗 片寄 晴弘 長田 典子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.163-168, 2008-02-09

本研究では,ベイジアンネットワークを用いたコードネームからの自動ヴォイシングシステムについて述べる.ヴォイシングは音楽的同時性(響き)や音楽的連続性(流れ)を考慮しながらテンションや転回形を決定する必要があり,自動的に決定するのは容易ではない.この問題を解決するため,メロディやヴォイシング進行を考慮した事例学習型のコード・ヴォイシングモデルを構築する.メロディ音に音名ごとの占有度を定義することで音の衝突や不協和を避け,またヴォイシングをbottom,middle,topの3要素に分けることで前後の進行を考慮する枠組みを提案する.事例型システムに伴う自由度の拡大に対しては,モデルを細分化することで対処する.システムではこれらを組み込んだ1つのモデルから,尤もらしいヴォイシングを推測することが可能となる.実際にジャズ楽譜から学習したヴォイシング推定モデルを用いて,妥当なテンションや進行のある結果が出力されることを示した.This paper describes automatic chord voicing system using the Bayesian network. Automatic chord voicing is not easy because it needs to decide tensions and inversions by taking into acount interference with musical simultaneity(HIBIKI) and musical sequentiality(NAGARE). To solve this problem, we construct a chord voicing model based on the Bayesian network which taking into acount interference with the melody and temporal smoothness of the voicings, This model includes melody-node which represents the degree of occupancy per pitch notation, previous and next voicing nodes which are separated 3 elements, and our system infers the most likely voicing from the model. Moreover, we divide the model per root tone of chord to solve the degree-of-freedom problem This modeling makes it possible to take into acount both simultaneity and sequentiality at a single inference process. Experimental results of chord voicing for jazz musical pieces showed that our system generated chord voicings that has appropriate simultaneity and sequentiality.
著者
高井 康太 千葉 広大 藤村 武史 平田 純也 合田 竜志 巳波 弘佳 長田 典子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.73-76, 2011-02-12

ピアノ演奏をCGアニメーションで表現する技術が,コンテンツ制作や音楽教育などさまざまな分野で求められている.我々はリアルで自然なピアノ演奏動作の解析やCG表現の研究を進めている.本研究では,ピアノの演奏動作を楽譜のみから自動生成し,リアルなCGアニメーションを出力する方法を提案する.ピアノ運指および軌道は最適化手法により決定する.自動生成された演奏モーションは演奏スキルレベルによってヒューマナイズされ,GPUレンダリングによりリアルな肌質感をリアルタイムに表現する.これらはピアノ演奏技術の学習支援等に利用できる.
著者
北橋 忠宏 福永 邦雄 小島 篤博 長田 典子
出版者
関西学院大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

現在の物体認識では、認識中の対象物に人間が触れることなど論外である。それは認識システムが対象を外観的特徴に基づき認識しているため、対象物が手影になることや外見が変更されることを排除する必要があるからである。これに対し人間は、人の動作・行動とそれに関与する事物との強い関連を知り、人の行動を観察することで事物や機能・用途を予測し認識できる。この方策を物体認識に導入し、新しい物体認識方式を提案した。提案システムは、(1)系列画像の解析部、(2)2種類の辞書:行為・行動に関する辞書と物体に関する辞書、(3)推論機構、から構成される。(1)では、系列画像の背景を消去し変化領域を従来手法により求め、その中の肌色領域の抽出により顔や手を求める。それらの位置・動きから人物の見掛けの動作を求める。同時に人体以外の変化領域を見出し、両者の時間経過を求めるとともに、それらの相互関係を求める。(2)の行為・行動辞書には行為・行動の特徴と通常関連する物体の項目を設けた。物体辞書は従来の外観的特徴を排し、用途や機能などを新たな特徴に掲げた。見出し語も、従来の事物名称ではなく、用途・機能による概念分類(例えば、可搬物、可食物)が用られる。これら2種類の知識はそれぞれ概念階層にまとめられる。(3)2種類の辞書は共通する項目をもち、これらにより関連付けられ、この関連性を基に(1)で認識した人物動作から関連する物体を辞書の探索によって推測し、(1)で抽出した人体以外の変化領域を人体動作と関連付け、認識のための推論機構の基礎をなしている。また、最近(1)に隠れマルコフモデルを導入し行為・行動認識で良好な結果を得た。人の後姿から扱っている物の認識とか、ものまねやしぐさの認識ができそうである。
著者
藤澤隆史 NormanD Cook 長田典子 片寄晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39, pp.9-14, 2006-05-03

和音/和声(chord/harmony)は,メロディ(melody),リズム(rhythm)とともに音楽を形作る重要な要素である.音楽の物理的な音響的特徴とその心理的な印象や感性との関連性について定量的に評価するために,本研究では和音性についての評価モデルを構築した.和音性は,(1)協和度(心地よい-わるい,澄んだ-濁った),(2)緊張度(緊張した-落ちついた),さらに長調か短調かといった性質を決定する(3)モダリティ(明るい-暗い,うれしい-悲しい)から構成される.本研究において提案されたモデルと,これまで経験的に知られている様々な和音タイプおよび得られた実験データとの整合性を確認し,妥当性の検討を行なった.A psychophysical model designed to explain the phenomena of resolved/unresolved harmonies and the major/minor modalities in traditional Western diatonic music is presented. The model uses solely the acoustical features of the pitch combinations for calculation of the total"dissonance","tension"and"modality"of chords. Dissonance is defined as a 2-tone effect, similar to the model of Plomp&Levelt. Tension is defined as a3-tone effect due to the relative size of intervals,following the"intervllic equivalence" by Leonard Meyer. The total sonolity of any number of tonal combinations can be computed on the basis of these two concepts.