著者
金子 是久 三村 啓太 天野 誠 長谷川 雅美
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.163-176, 2009-12-31 (Released:2012-05-28)
参考文献数
37
被引用文献数
5 3

This research studied the management situation of different habitats, investigating flora and dividing the grasslands located in Shiroi City, Chiba Prefecture into six habitats (abandoned rice fields, mowed land, sloped, developed land, management -abandoned land, arable and playgrounds). For the species rate of attribute-based classification for each habitat, endangered plants were the most common in mowed land, and were the least common at abandoned rice fields, developed land and arable and playgrounds. Grassland plants were the most common in mowed land, and were the least common in abandoned rice fields. Ruderal plants were over half at 50-60% in all habitats. Exotic plants were the least common in mowed land, and were the most common in developed land. Endangered plants included many species at 17 species for mowed land, and included few species at abandoned rice fields and developed land. In grassland types at each habitat, Miscanthus sinensis and Imperata cylindrical types included many species at mowed land, Zoysia japonica type included many species in arable and playgrounds. With respect to management of each habitat, we found that mowed land and a part of sloped is regularly mowed of about 1-3 times per year, arable and playgrounds are hard mowed over 4 times per year, and in other habitats, although the length of time that has elapsed since abandonment is different, basically, these habitats are abandoned.
著者
長谷川 利拡
出版者
独立行政法人農業環境技術研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010

イネの交雑育種が組織的に行われるようになって100余年が経過した。この間に大気CO_2濃度はおおよそ80ppmも上昇したが、これまでの品種改良によって高CO_2濃度に適応した品種が作出されてきたかは明らかではない。今後さらに大気CO_2濃度の上昇が予測される中、これまでの品種の変遷と高CO_2に対する応答性との関連を明らかにすることは、将来の育種の方向性を検討する上で重要である。そこで、過去約100年間の遺伝的改良が高CO_2に対する応答に与えた影響を圃場条件で明らかすることを目的に、茨城県つくばみらい市のFACE実験施設で高CO_2処理(外気+200ppm)を2か年行い、明治時代から現在までに育成された新旧主要イネ品種の収量応答を比較した。供試品種は愛国(1882年品種登録)、農林8号(1934年)、コシヒカリ(1956年)、アキヒカリ(1976年)、あきだわら(2009年)の5品種である。籾収量はFACEにより有意に増加した(p=0.03)。FACEによる収量の増加率は、2ヵ年ともに農林8号が最も高く、アキヒカリが最も低かった。登録年と収量増加率の関係では、現代品種のあきだわらを除き、旧品種(愛国、農林8号)と新品種(コシヒカリ、アキヒカリ)を比較した場合、旧品種の収量増加率が高かった(p=0.01)。収量構成要素では、単位面積あたりの穂数の増加率が旧品種ほど高い傾向がみられたのに対し、1穂籾数の増加率は新品種ほど高い傾向がみられ、これまでの遺伝的改良によりCO_2増加に対する応答が穂数の増加から穂のサイズの拡大に移行したことが示された。登熟歩合の増加率は、粗籾収量と同様の傾向であった。稔実籾数に登熟籾1粒重を乗じて計算した登熟シンクキャパシティーと実収量との間には、年次・品種・CO_2処理にかかわらず非常に高い正の相関がみられた。この結果から、シンクサイズのCO_2応答性が収量応答を決定していたと推察された。
著者
原 暉之 長谷川 毅 平井 友義 原 暉之
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

この研究の目的はロシア革命から第二次世界大戦にいたるまでのソ連の内政と外交に、軍事的要因がいかにかかわりあい、いかなる影響を与えたかを究明することにあり、具体的には、軍事的要因が、ロシア革命とボリシェヴィキ権力の樹立、内戦期における共産党独裁政権の確立、ネップ期の内政と外交、集団化と工業化によるスタ-リン体制の確立、反党派と軍の粛清、第二次世界大戦の開始にいたる歴史過程の中でいかなる重要性をもって具体的な政策過程に影響を与えたかを、軍事ドクトリンの変遷、軍事組織の変遷、党軍関係の進展という三つの視点から分析しようとするものであった。過去三年間にわたる共同研究は、これらの問題の解明にかなりの実績を挙げたといえる。まず第一に、この最終年度には、前年度に引続き、ソ連軍事関係の組織だった文献収集を継続した。また、「スタ-リン集団化と工業化の軍事的意義」「反党派と軍の粛清」について第一回の研究会を、「第二次世界大戦への準備」について第二回目の研究会を開き、現在、『軍事的要因からみたソ連社会主義の特質』と題する、今までの研究成果をまとめ、さらにこれまでパソコンに入力したソ連軍事関係の資料一覧を含んだ報告を刊行する準備が進められている。三年間にわたる研究の結果、内戦を通じて形成された赤軍は、「赤色司令官」と「軍事コミッサ-ル」という特色の制度を産み出し、それが、トロツキ-・フルンゼ論争を経て、常備軍の形成へと導かれ、主として軍事力の増強を第一優先順序においてなされた工業化を促すとともに、ソ連の社会主義の性格を、本質的には軍国化するに至った過程が明確にされた。即ち、軍事的要因は、ソ連の社会主義の性格になによりも増して決定的な役割を果たしたのであり、この結果をまとめた報告書は、この点で今後のソ連研究に大きな影響を与えることを信じている。
著者
前岡 浩 福本 貴彦 坂口 顕 長谷川 正哉 金井 秀作 高取 克彦 冷水 誠 庄本 康治
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.529-533, 2008 (Released:2008-10-09)
参考文献数
16
被引用文献数
11 4

[目的]フリーウェアであるImageJは顕微鏡画像の処理,解析に利用されているが,角度測定機能は理学療法分野でも活用可能と考えた。そこで,立ち上がり動作を利用し,ImageJによる体幹前傾角度測定の信頼性を検証した。[対象]被験者は3名,ImageJを使用する検者を10名とした。[方法]被験者に左側の肩峰,大転子,膝関節外側関節裂隙に反射マーカーを貼付し,立ち上がり動作を矢状面から1回撮影した。体幹前傾角度はImageJおよび三次元動作解析装置で測定した。[結果]級内相関係数と標準誤差を用いて統計解析を行った結果,検者内・検者間信頼性を示すICCはともに高かった。[結語]ImageJを用いた二次元での動作分析は理学療法分野における評価や研究,教育に有益な手段である可能性が示唆された。
著者
前田 惟裕 佐藤 直樹 長谷川 義幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.1020-1026, 2010-12-01
参考文献数
18

国際宇宙ステーション(ISS)への有人輸送に関しては,米国ではスペースシャトル,ロシアではソユーズが使用され,中国では独自の神舟シリーズを成功させている.米国ではISSの運用延長とスペースシャトルの2010年の退役が決定された.日本では有人関連技術を習得するため,ISSに結合する有人宇宙実験施設JEM,宇宙ステーション補給機HTVの開発・運用が成功裏に行われ,各分野で大きな成果が得られている.米国では2010年4月にオバマ大統領から小惑星・火星への有人探査についての声明が発表された.宇宙用周波数調整会議(SFCG),国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)での検討に加え,我が国は将来有人技術の発展が必要と考えられるので関連事項について解説する.
著者
長谷川 尭史 小川 貴弘 渡邉 日出海 長谷山 美紀
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.J240-J250, 2012 (Released:2012-06-25)
参考文献数
15

This paper presents a support vector data description (SVDD)-based method for finding new benthic species from microscopic images and its application to taxonomy position estimation. First, the proposed method generates hyperspheres that represent taxonomic species taxa of known species and enables automatic species classification. Furthermore, weight estimation of visual features based on multiple kernel learning (MKL) is used in this approach to realize automatic weighting of categorical traits that are traditionally determined by taxonomists. Next, based on the traditional taxonomic classification scheme, the proposed method merges the hyperspheres of similar species and generates new hyperspheres that represent ultra-species taxa in higher hierarchies. Then, from the obtained results, a new decision tree, whose nodes are hyperspheres of species taxa and ultra-species taxa, is constructed. By using this decision tree, new benthic species can be found from target samples, and their taxonomic positions can also be estimated.
著者
弘瀬 冬樹 中村 綾子 長谷川 昭
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.249-260, 2002-12-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
27
被引用文献数
11

We found a clear b-value variation associated with the rupture of asperities based on investigations of spatial and temporal distributions of frequency-magnitude relation for earthquakes in the northeastern (NE) Japan subduction zone. We used the Tohoku-University earthquake catalogue in the period from January 1, 1981 to October 3, 2001 after correcting artificial magnitude shift and removing artificial events. Spatial distribution of b-value is compared with the locations of asperities estimated on the plate boundary east off NE Japan. Estimated b-value decreases with increasing depth. Anomalously high b-values are observed in two areas off-Iwate and off-Fukushima regions, and asperities do not intrude into them. Temporal variation of b-value for presently analysed six asperities shows a remarkable increase in b-value after the rupture of each asperity. Then the b-value decreases gradually. These observations suggest that b-value reflects the stress change occurring in the vicinity of the asperities.
著者
長谷川 浩司
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6472号)