著者
野家 啓一 座小田 豊 直江 清隆 戸島 貴代志 荻原 理 長谷川 公一 原 塑 北村 正晴 村上 祐子 小林 傳司 八木 絵香 日暮 雅夫 山本 啓
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

討議倫理学に基づく科学技術の対話モデルを作るために、科学技術的問題をテーマとする対話を実践し、そこから理論的帰結を引き出す研究を行った。その結果、以下の成果がえられた。1. 高レベル放射性廃棄物の地層処理に関する推進派と反対派の対話では、合意にいたることは困難だが、対話を通じて、理にかなった不一致に至ることは重要性を持つ。2. 推進派専門家と反対派専門家が論争を公開で行った場合、その対話を一般市民が聴いて、めいめい自分の見解を形成することがあり、このことが対話を有意義にする。3. 対話を成功させるためには、信頼や聴く力、共感のような習慣や徳を対話参加者がもつことが重要であり、このような要素を討議倫理学の中に取り込んでいくことが必要である。4. 対話では、価値に対するコミットメントを含む公正さが重要で、追求されるべきであり、それは、価値に対する実質的コミットメントを持たない中立性とは区別される。
著者
高橋 正道 山田 敏弘 長谷川 卓 安藤 寿男
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

これまでに、2009~2011年の間、5回にわたるモンゴルの白亜紀についての野外調査を行った。主な調査地は、バガヌール、フレンドホ、テブシンゴビ、ツグルグ、シーブオーボ、シネフダク、バヤン、エルヘートなどのウランバートルの東南のゴビ地域である。この調査に参加した人数は、モンゴル古生物学研究所、エール大学、シカゴ植物園、金沢大学、新潟大学のメンバーである。これらの調査によってモンゴルの白亜紀の地層から初めて、3次元的構造を残している小型炭化化石を発見し、被子植物の初期進化と地球環境の変遷解明に有効な手掛かりを得ることができた。分担者の長谷川は,フレンドホ地域のフフテグ層において地質柱状図を作成し,植物化石試料採集露頭周辺についての地質学的な記載を行った。また、シネフダク地域のシネフダク層に関して柱状図を作成の上、採集した試料について有機炭素の同位体比を測定した.その結果,7‰程度の変動があることが明らかになった.この結果は,湖堆積物への植物プランクトン類と高等植物の相対的な含有率の変動を示していると考えられ,湖の成層状態や河川による高等植物遺体の流入量など,気候に関連する要因の変動読み取れることが判ってきた。また、マレー大学のLee教授と筑波大学の久田教授の協力を得て、モンゴルと対比可能なマレーシアで、熱帯地域での白亜紀の地層からの小型炭化化石の探索の可能性を探った。

1 0 0 0 OA 菌株の保存法

著者
長谷川 武治
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.157-162, 1964-06-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
27
著者
長谷川 高生
出版者
近畿医療福祉大学
雑誌
近畿福祉大学紀要 (ISSN:13461672)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.42-46, 2002-12

In this paper I try to analyze the relationship between individual and society through the consideration on the opinions of three famous western philosophers, M.Heidegger, M.Buber and J.Ortega y Gasset. First of all, M.Heidegger shows the ontological distinction between entity (Seiendes) and being (Sein), and according to his view, the being of Dasign is 'care' (Sorge) and the meaning of the being of Desein is 'temporality'. By the direction of this 'care' , Dasein has two modes of being : unauthenicity (das Man) and autenticity (eigentliche Existenz). These modes of existence are constructed in the world, and so Dasein is called Being-in-the-world (In-der-Welt-sein). This Being-in-the-world contacts with the world of utensils (Zeuge) by 'attention' (Besorgen), and with the world of others by 'nurturance' (Fursorge). Next, M.Buber puts special interests on the relationship between subject-object through 'arts' and between subject-subject, and particularly on the relationship between I -Thou (Ich-Du) with 'love'. In his opinion, man can find mistery of God by 'religious revelation'. Thirdly, J.Ortega y Gasset starts from each one's human life which is the radical reality and consists of him and his circumstance. In this world of circumstance we find things and others. In the relation to things, we find minerals, planets and animals on the 'pragmatic fields', and in the inter-individual relationships, we 'co-live' with parents, lovers, and friends. With relation to the majority, Ortega point out the revolt of the masses in the present days.In the social life, Ortega put a special focus in the phenomenon of 'usage' (uso), impersonal, irrational, and pseudo-natural. This usage automatizes human behaviors and makes man live a creative life at an altitude of the times. The difference of these opinions on individual and society designed by three philosophers depends on the characters of their own philosophies : Heidegger's theory of being, Buber's theology and Ortega's philosophy of life.

1 0 0 0 日本の恐竜

著者
長谷川善和文 薮内正幸絵
出版者
福音館書店
巻号頁・発行日
1988
著者
長谷川 武光 細田 陽介 杉浦 洋
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

現在の計算機上での数値計算は倍精度(10進約16桁)で行われる。工学や自然科学の分野で高精度計算の要求が高くなっている。そこで本研究では8倍精度(10進約72桁)で数値計算を簡便に行えるオンラインシステムの構築を目指した。本システムはWeb上での8倍精度計算のための高精度電卓のような機能を提供する。さらに、専門家向けには通常の倍精度計算でのC言語プログラムを受け付けて8倍精度計算結果を提示する。
著者
芝 祐輔 坂井 亮太 綿野 亮太 奥田 泰考 若林 宏海 荒川 昌史 中澤 寛仁 須藤 俊明 梶井 英治 長谷川 剛 岡山 雅信
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.23-26, 2013 (Released:2013-05-02)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

要 旨目的 : これまで長期災害支援の報告は数少ない. そこで今回我々が経験した東日本大震災の長期災害医療支援として巡回診療で得られた診療記録と処方箋から薬剤関連データを解析した. 方法 : 巡回診療で得られた診療記録と処方箋から患者数と医薬品の処方件数ならびに処方件数の多かった上位3位の医薬品使用量の推移について解析した. 結果 : 患者数は支援を開始した3/26から1週間後の166名/日 (中央値48.5名, 範囲14-166) をピークに減少し, 4/11以降は24名 (中央値)/日 (範囲0-47) であった. 医薬品の処方件数は感冒薬, 降圧薬, 抗アレルギー薬の順で多かった. また医薬品の使用量は感冒薬と降圧薬は時間経過とともに減少したが, 抗アレルギー薬は継続的に処方されていた. 結論 : 災害医療支援チームは被災地の医療機関の復興状況に応じて急性期だけでなく長期の支援を行うべきである. また支援の介入が早いほど, 急性疾患と慢性疾患の両方の治療薬を災害医療支援チームは必要とする.