著者
青山 倫久 綿貫 誠 内田 宗志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.F-66-F-66, 2019

<p>【はじめに,目的】</p><p> 股関節唇損傷を合併した寛骨臼形成不全(DDH)に対し股関節唇修復術を併用した内視鏡下棚形成術を行った女性新体操選手の臨床成績を検討し,競技復帰に向けたリハビリテーションについて報告すること。</p><p>【方法】</p><p> 当院で股関節唇修復術および内視鏡下棚形成術を施行した女性新体操選手6例(平均年齢20.4歳)を対象とした。術後は当院のプロトコルに従い,4週目から段階的に荷重を行い,可及的に股関節可動域および股関節周囲筋力と体幹筋力の改善を図った。患者立脚型スコアとしてModified Harris Hip Score(MHHS),iHOT12,Vail Hip Scoreを用い,術前および術後最終フォローアップ時の臨床成績を比較した。</p><p>【倫理的配慮】</p><p> 対象にはプライバシー保護に充分配慮することを説明し,本学会の演題登録に関して同意を得た。</p><p>【結果】</p><p> 6例とも受傷前と同等の競技レベルまで平均8.5ヵ月で復帰した。iHOT12は術前42.2±24.1点から最終フォローアップ時92.9±16.1点へ有意に改善した(p<0.05)。同様にVail Hip Scoreも術前47.7±19.9点から最終フォローアップ時85.6±10.2点へ有意に改善した(p<0.05)。MHHSは術前後で有意差をみとめなかった。</p><p>【考察】</p><p> 本邦ではDDHの高い有症率が報告されている。股関節唇修復術を併用した内視鏡下棚形成術は,DDHを呈する女性新体操選手に好ましい臨床結果および高い割合での競技復帰をもたらす可能性がある。</p>
著者
宇根 寛 青山 雅史 小山 拓志 長谷川 智則
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.2, pp.287-296, 2015-04-25 (Released:2015-05-14)
参考文献数
20
被引用文献数
5 6

The 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake brought severe damage caused by wide-ranging soil liquefaction across the Tohoku and Kanto districts. In Abiko City, Chiba Prefecture, heavy liquefaction damage occurred in a small area, which was not accurately predicted by the existing liquefaction hazard map. The authors consider the reason to be land history, such as landform development and artificial landfill, which was not taken into account in the assessment of liquefaction risk. Accordingly, Abiko City has revised the hazard map to take account of micro-landform classifications using land condition maps, old edition maps, and aerial photographs with the assistance of the Geospatial Information Authority's support team.
著者
青山学院編
出版者
青山学院
巻号頁・発行日
1965
著者
青山 幸生 牧 裕一 山本 達夫 広門 靖正 永田 勝太郎
出版者
公益財団法人 国際全人医療研究所
雑誌
全人的医療 (ISSN:13417150)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.22-28, 2020-01-25 (Released:2020-07-02)
参考文献数
13

全人的医療では,身体・心理・社会・実存レベルにおいて患者を理解することが必要であり,具体的方法論として,パソジェネシスand/orサルトジェネシス的アプローチを的確に,しかもタイムリーに実践できることが求められる.さて,全人的医療の主柱のひとつである,「患者固有の資源を見出し,それを活性化していく」ことは,まさにサルトジェネシス(健康創成論)の考え方であり,「資源」は具体的な「患者力」そのものであると考えられる.さらに患者がコヒアレンス感(sense of coherence; SOC,人生への対処姿勢,人生には意味があると思える感覚)をどの程度有しているかにより,資源をうまく活用し患者力をさらに高めていけるかの決め手となる.患者力を意識しながら,治療者,患者が相互主体的関係の中でともに資源(患者力)に気づいてそれらを活性化していくところに従来のパソジェネシス(病因追究論)単独でのアプローチとの大きな違いがある.今回,45歳女性で,抗うつ薬離脱時,その副作用により約10年間にわたり心身ともに苦しめられ,その間もともとあった多くの資源をベースに,家族や友人などの暖かい傾聴,受容,支えにより自身の患者力をさらに伸ばすことができた結果,ゆっくりではあるが夢に向かっての一歩を踏み出せた症例を経験したので合わせて報告したい.
著者
野澤–竹田 努 閻 美芳 小寺 祐二 青山 真人 西尾 孝佳 小笠原 勝
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.129-139, 2020

<p>地域住民の雑草管理能力が過疎高齢化に伴い低下するなかで,一般市町村道から交通量の多い広域農道や土地改良事業で設置された農業用水路の畦畔に至るまで,地域自治体の雑草管理に関する負担がますます増加する傾向にある。また,イノシシなどの鳥獣害が中山間地域を中心に問題になっている。そこで,地方行政担当者が雑草や鳥獣害に対してどのような問題意識を有し,いかに対処しているのかを明らかにする目的で,栃木県全域の市町を対象としたアンケートを実施した。2018年7月にアンケート調査票を,栃木県内の全25市町の雑草と鳥獣害対策に関連する137部署に返信用封筒と共に郵送し,回答を83部署から得た。集計は複数回答の場合も単純に加算し評価した。また,回答した市町の部署を生活系部署,土木系部署,農業系部署に分けて,部署間における問題意識の共通性を解析した。これらの結果から,雑草と鳥獣害対策において,殆どの市町が人員,予算不足および土地の権利に関する問題を抱えており,限られた予算の中での問題解決には生活系部署を中核にした部署連携が有効であることが示唆された。</p>
著者
熊井 巧 青山 真大
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.4, pp.354-365, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)
参考文献数
27
被引用文献数
4

This paper reports a variable flux PM motor based on a new principle of self-excitation utilizing space harmonics that are inevitably generated in concentrated winding structures. In addition, it has a passive variable flux function. Its rotor is composed of consequent poles for each N- and S-pole pair and self-excited wound-field poles. The effects of the passive variable flux function on the driving performance and its efficiency map are demonstrated via the prototype.
著者
青山 一真 安藤 英由樹 櫻井 悟 宮本 靖久 古川 正紘 前田 太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.219-228, 2015-09-30 (Released:2017-02-01)

Galvanic Vestibular Stimulation (GVS) can present left/right, front/back and left/right yaw acceleration sensation. It is known that the acceleration is produced towards anode from cathode. However, presenting superior-inferior directional acceleration sensation is not reported. It seems that current path in the head is not well understood and that gravity acceleration masks the perception of weak acceleration sensation even though it evoked superior-inferior acceleration within the GVS safety guideline. Therefore, we invented the stimulation method that can make subjects feel inferior-superior acceleration sensation within the safety guideline by applying inferior-superior direction countercurrent that can present strong inferior-superior directional acceleration sensation passing through the holes of temporal bone. The effects of inferior-posterior directional countercurrent were investigated by measuring subjective acceleration perception and body sway.
著者
森田 陽子 福内 靖男 厚東 篤生 鈴木 則宏 五十棲 一男 後藤 淳 清水 利彦 高尾 昌樹 青山 正洋
出版者
The Keio Journal of Medicine
雑誌
The Keio Journal of Medicine (ISSN:00229717)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.120-127, 1997 (Released:2009-03-27)
参考文献数
25
被引用文献数
10 15

We investigated rapid changes in pial arterial diameter and in cerebral blood flow (CBF) caused by transient ipsilateral common carotid artery occlusion (CCA-O) in anesthetized rats in order to elucidate how the cerebral circulation reacts to acute stem artery occlusion. In separate groups of rats, pial arterial diameter was recorded through a dosed cranial window and CBF was recorded by laser-Doppler flowmetry. CCA-O was performed for 5 minutes under normotension and normocapnia (control) and under graded hypotension, hypercapnia and hypocapnia. In the control condition, pial arterial diameter increased rapidly, triggered by CCA-O. It took 12±3 s to reach the maximum of 204±42% of the value before CCA-O, and 60±24 s to become stable at 131±11%. CBF decreased rapidly to 66±11%, then increased reactively to 135±9%, and again decreased to 91±3%. The reactive increase in CBF caused by CCA-O decreased in parallel with the degree of hypotension, and also became barely detectable under hypercapnia. Our data suggest that active vascular dilation in the territory of the occluded artery is important for inducing collateral circulation.
著者
青山 庄 樋上 義伸 高橋 洋一 吉光 裕 草島 義徳 広野 禎介 高柳 尹立 赤尾 信明 近藤 力王至
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.312-321, 1996-05-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
16
被引用文献数
2

1994年春,ホタルイカを内臓ごと生食後に旋尾線虫幼虫type Xによると思われる急性腹症を呈した10例を経験した.症状では,全例に腹痛,9例に嘔気・嘔吐,4例に下痢,6例に腹水を伴った腸閉塞と1例に皮膚爬行疹を認めた.検査所見では,経過中において,全例に末梢血の好酸球増多,9例に血清IgE値増加が認められた.ホタルイカ内臓の約3%に旋尾線虫幼虫type Xが寄生しているとの報告から,その抗体価を測定したところ,9例中7例で陽性を示した.1例では,腹膜炎の診断で回腸部分切除術が行われ,組織学的に,局所的なびらんと粘膜下層内に著明な好酸球とリンパ球浸潤を伴う炎症所見が認められたが,9例は保存的治療で軽快した.
著者
川島 明子 川原﨑 淑子 青山 佐喜子 橘 ゆかり 三浦 加代子 千賀 靖子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】日本調理科学会特別研究である「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」において,1960年〜1970年頃までに定着していた家庭料理について聞き書き調査を行った。本研究では,この調査結果を基に副菜の地域別の特徴を探ることを目的とした。</p><p>【方法】平成25年12月〜27年3月に,県内の12地域を訪れ,橋本・那賀,和海は紀北,上富田,大塔,田辺(湊浦),那智勝浦,太地,熊野川は紀南,有田川,由良,日高(御坊)は紀中とし聞き書き調査を行った。調査対象者は,合計38名の女性,平均年齢は72.3±6.3歳であった。今回は調査結果から副菜を地域ごとに抽出し検討を行った。</p><p>【結果および考察】副菜の材料は調査全地域で野菜,山菜,海藻類が酢の物,和え物,煮物として調理されていた。また海の幸に恵まれている,和海(除く紀美野),日高(由良・御坊),田辺,那智勝浦・太地の地域ではじゃこ,釜揚げしらす,鯨のオバキイ(尾羽毛の加工品)や太刀魚の酢の物,また野菜や山菜の煮物がみられた。さらに熊野山間部の上富田・大塔では鯨のコロ(皮を揚げ乾燥させたもの)の煮物,じゃこの炒め物に,有田地方ではぎんた(体長8cmで沖合や深所に生息する)を酢の物や炒め物にしていた。汁ものは全域で雑煮が挙げられ,中には上富田・大塔のぼうり(食べない雑煮)や日高の伊勢エビの味噌汁がみられた。他には紀ノ川流域の鰯の団子汁,おつけ(どじょう汁),上富田・大塔のアラメの味噌汁,田辺のヒロメの清汁やしらすの味噌汁があり,地域性もみられた。漬物は,梅干し,金山寺味噌や白菜漬け,沢庵,らっきょが漬けられていた。また紀南地域では高菜の漬物,紀ノ川流域で「漬物のたいたん」が副菜として挙げられていた。</p>