著者
青木健著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2008
著者
青木 啓成 村上 成道 児玉 雄二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101362, 2013

【はじめに、目的】野球による肘関節障害は、内側型、外側型、後方型に分類される。特に内側型の障害が多く、内側上顆障害、内側側副靭帯損傷、尺骨神経障害などがある。尺骨神経障害はしびれのみでも競技能力に影響を与え、保存療法に抵抗する場合があるため手術治療を要することが多いと報告されている。尺骨神経障害は手術療法の報告はあるものの、理学療法アプローチに関する報告は渉猟した限り見あたらない。今回、投球を契機に生じた尺骨神経障害に対する保存療法を経験したので、共通所見と具体的な理学療法について報告する。【対象、方法】対象は2007年1月~2012年9月までに当センターで尺骨神経障害と診断され理学療法が処方された4例である(年齢14歳~16歳)。受傷機転につては、3例は一球投球した際に強い痛みが増強したエピソードがあり発症から受診までの期間は3~4週であった。1例は肘伸展位荷重時に強い痛みを生じ、受診までに3ヶ月経過していた。主訴は肘関節自動運動での肘内側の痛みに加え、ランニングで痺れや痛みが増強し、投球は困難であった。4例の共通所見は、肘関節は10~20度の伸展制限(健側比)を認め、肩関節は外転90度内旋、伸展制限が顕著であった。チネルサインは上腕内側遠位に認め、小指外転筋力の低下や尺骨神経領域の感覚障害は認めなかった。触診上は上腕内側・外側筋間中隔、円回内筋、肘筋と上腕三頭筋の付着部に滑動障害を認めた。競技復帰の条件は、しびれや痛みがなくランニング・バッティングが可能になり、かつ塁間投球が80%の強度で可能となることとし、復帰までの経過を後方視的に診療録より調査した。【倫理的配慮、説明と同意】患者・保護者には初回受診の際に個人データの使用許可を得た。【結果】治療方針は初診から3週間の理学療法で症状が改善しない場合に投薬とMRI検査を実施し、6週間で改善を認めない場合は神経伝導速度の検査を実施する。4例中、投薬、MRI検査、神経伝導速度検査を実施したのは1名であった。3例の競技復帰までの期間は受傷後12.5週~14週であった。受診までの期間が長かった1例はバッティングが可能になったが、十分な強度の投球が困難で完全復帰できなかった。理学療法プログラムは、まず、肘関節の伸展制限の改善を最優先した。徒手的に橈骨頭周囲のmobility改善、肘頭外側・肘筋下の癒着改善をはかり、更に上腕外側・内側筋間中隔の滑動性の改善のために徒手で同部位を圧迫しながら肘関節の他動運動を反復した。また、初期には肘関節の自動運動を中止し、他動運動を推奨したことが可動域改善に有効であった。肩・肘関節可動域と肘・上腕の軟部組織の滑動性を改善させることで徐々にチネルサインは消失し、受傷後6週程度でランニングが可能となった。その後バットスイングを開始し、肩甲帯・体幹の柔軟性・安定性や肘周囲の筋力を高めながらバッティング練習、シャドーピッチングへ移行した。シャドーピッチングの痛みが無くなった段階で実際の投球へと進めた。【考察】いずれの症例も緩徐に運動時痛が増強するのではなく、急激な運動時痛が特徴である。そのため、肘内側から後面に炎症症状をきたした可能性が高く、尺骨神経周囲の軟部組織や内側筋間中隔の癒着が症状の要因であったと考えられた。内側筋間中隔の癒着部は徒手的に圧迫するとしびれが出現しやすい。そこで同部位の滑動を改善させるために、まず上腕遠位外側筋間中隔ならびに上腕筋と上腕三頭筋の連結障害を改善させた。結果的にそれが上腕内側筋間中隔の緊張を緩和することにつながり、尺骨神経のストレス減少につながったと考えられた。林は超音波解剖所見より上腕骨小頭前面の60%を上腕筋が覆被すると報告している。つまり、上腕筋の緊張緩和は肘関節伸展制限の改善にも大きく影響したと考えられ、肘筋周囲の滑動性改善のみでは伸展制限は改善しなかった可能性が高い。肘の伸展制限の改善を最優先したことで日常生活上の上腕部のリラクゼーションが得られたことも改善要因の一つであったと考えられた。また、セルフケアとしての肘関節自動運動は、結果的に上腕二頭筋・三頭筋の緊張を高めることになってしまったことから上腕筋間中隔の緊張が緩和されないことが推察された。そこで自動運動を中止し、他動運動に切り替えたことは初期の肘関節可動域改善において重要なポイントであった。尺骨神経障害の理学療法において注意する必要性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】野球による尺骨神経障害に関する保存療法や理学療法については具体的な報告が皆無である。このような臨床症例の報告は患者の症状改善のみならず理学療法士の治療技術の発展のためにも意義があると考える。
著者
鈴木 昭二 足達 義則 青木 孝志 川口 雅司
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.163-170, 2010-03-01 (Released:2018-12-18)
参考文献数
4

本論文では、負性インピーダンス変換器(NIC)を用いた等価回路決定法における測定回路の改良を提案している。この方法では、一箇所の測定が数分でできる利点がある。測定原理は、OPアンプの仮想接地の概念を利用し、非接地キャパシタンスCだけの回路にしておき、それを外部に付けたコイルと共振させて、その共振周波数からCの値を測定している。改良された測定回路では測定精度も改良されている。
著者
青木 正美 須藤 雄介 宮本 実
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第44回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-183, 2017 (Released:2018-03-29)

血中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)は、肝障害のバイオマーカーとして使われているが、毒性試験では肝臓に病理組織学的変化がみられなくても上昇するケースがしばしば認められ、肝臓以外の由来を考慮する必要がある。しかし、毒性試験に使用される動物種の臓器・組織におけるこれらバイオマーカーの発現分布及びその分布の動物種差に関する情報は限られている。本研究では、ラット及びサルの全身諸臓器・組織におけるALT、AST及びGLDHの分布について、各酵素の活性値及びタンパク質発現量(ALT及びASTはアイソフォームとして)を含めて多角的に解析を行った。ALTは、イヌについても諸臓器・組織におけるタンパク質発現量を調べた。その結果、ASTはラット、サルともに肝臓特異性が低く、骨格筋、心臓、舌等の多くの臓器・組織に広く分布していた。GLDHは肝臓特異性が非常に高く、肝臓が最も主要な由来臓器であると考えられた。ALTは肝臓特異性が比較的高かったものの、種間でいくつかの興味深い相違が認められ、例えばラット小腸におけるALT1タンパク質及びALT活性はサルやイヌのそれらと比較して著明に高値を示しており、血中ALT活性上昇に寄与し得ると考えられた。このことは薬剤が消化管障害を惹起する場合に、同じく障害を受けても血中ALT活性が変動する種としない種が存在する可能性を示唆しており、検査結果を評価する際にはこれらの種差に十分留意する必要があると考えられた。本研究では、各動物種における肝逸脱酵素の詳しい臓器・組織分布が明らかになったとともに、血中の変動への影響が考えられる毒性評価上も重要な種差を見出した。これらの情報は、毒性試験における血液生化学的検査データをより正確に解釈することに貢献すると期待される。
著者
青木 理紗 大野 華純 仲川 瑞希 長谷川 智美 星 芙美香 倉智 雅子
雑誌
新潟リハビリテーション大学紀要 = Niigata University of Rehabilitation Bulletin (ISSN:21890684)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.75-78, 2013-12-01

新潟方言の理解と使用の地域差について,新潟県在住の中学生以上を対象に中越(長岡,柏崎),下越(新潟),佐渡で実地調査した.10 種類の新潟方言を含めた例文を作成し,被験者に提示した.被験者にはこれらの方言の意味を答えてもらい,同時に日常生活でも使用しているかを回答してもらった.方言の理解・使用についての大きな地域差は認められなかった.それと同時に被験者の年齢に関係なく,若年群・高齢群ともに標準語普及と方言離れが示唆された.
著者
藤原 一平 青木 浩介 中嶋 智之 高橋 修平
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2018-04-01

今年度までの主な研究実績は以下の通り。ー 国際的な資金の流出、流入が日常化する経済では、中央銀行は、インフレ率の安定に加えて、金融不均衡(その結果として生じる産出量の大幅変動)の是正、をも考慮して、政策を決めなくてはならない。金融取引がグローバル化するもとで、金融政策、および、マクロ・プルーデンス政策のあり方についての研究を進め、景気に応じて税率などを変化させるマクロ・プルーデンス政策の有効性を確認した。ー 大国の政府債務が国際流動性として需要される背景には、保険市場が完全でないため、政府債務が安全資産として、その保有を通じて、ありうべきリスクから生じる損失が小さいものとなることが考えられる。このため、不完備市場において、どのような財政政策が、リスク・シェアリングを改善するかについての理論的理解にも努めた。また、不完備市場における均衡を求める数値計算能力(すなわち、プログラミング能力)も向上させた。ー 国際的な流動性需要の背景には、高齢化といった構造要因がその背後に存在するため、高齢化が進展する国では、どのようなメカニズムが、その国の貯蓄・投資バランスに影響を与えるのかの理解にも努めた。ー リスクが存在するもとで、実体経済変数と金融資産のポートフォリオを同時に決定する手法の習得にも努めた。ー どのような状況において、政策協調のゲインが存在するかについての知識を深めるとともに、国際的な政策協調、非協調のもとでの均衡を求める手法の習熟にも努めた。
著者
青木 信裕 水津 考 小島 直
出版者
一般社団法人 日本時計学会
雑誌
マイクロメカトロニクス (ISSN:13438565)
巻号頁・発行日
vol.54, no.202, pp.11-16, 2010-06-10 (Released:2017-11-09)
参考文献数
1
被引用文献数
2

The hands of the analog watch can be thrown off by exposure to strong magnetism or impact. So we developed a new mechanism and algorithm of auto hand position correction for the analog watch. It detects the position of the hands periodically and adjusts them to the correct position if it discovers any discrepancy, and it corrects all three hands (hour, minute, and second hand) position by using one set of detection device.
著者
三橋 敬憲 高梨 睦 奥井 隆雄 青木 文男
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.211-216, 2020-04-01 (Released:2020-04-01)

特許出願を戦略的に行っていると考えられる中小企業を対象に当該企業により形成された特許出願網が同業他社にどのような影響を与えているかを検討した。具体的には介護入浴装置業界のマーケットリーダーであるO社を分析対象とした。O社を含む主要3社は介護入浴装置市場において市場シェアを伸ばし,現在では寡占市場を形成している。このような状況を形成する上でO社の特許出願網が市場シェアの獲得に寄与していると仮定し,O社の出願戦略を出願件数,推移,出願時期,内容等から推定すると共に,競合する他2社の出願の権利化阻止に寄与しているか等を確認した。その上で,O社の出願の特徴及び知財戦略の関係について考察した。
著者
平井 茜 青木 修 伴 由衣菜 佐久間 香 向井 公一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.155-159, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
10

〔目的〕本研究の目的は,立脚初期における裸足歩行とハイヒール歩行の膝関節屈曲角度の違いを検討し,そのメカニズムを明らかにすることとした.〔対象〕被験者は,健常若年女性15名(平均年齢:19.8±0.7歳)とした.〔方法〕光学式三次元動作解析装置,床反力計,および表面筋電図を使用し,裸足およびハイヒール着用時の歩行を比較した.〔結果〕ハイヒール歩行では裸足歩行よりも膝関節屈曲角度が有意に大きく,大腿の起き上がり角度が有意に小さかった.しかし,下腿角度には有意差はなかった.〔結語〕ハイヒール歩行の立脚初期における膝関節屈曲角度の増大は,大腿部の起き上がりの不十分さによるものと考えられた.
著者
福田 明人 青木 司光
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.32-44, 1977-01-15 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1