著者
青木 信之 鈴木 繁夫 渡辺 智恵 池上 真人 松原 緑 榎田 一路 寺嶋 健史 汪 曙東 高橋 英也 阪上 辰也 江村 健介
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2018年度(平成30年度)については、本科研の最大課題について大きな知見が得られた年度となった。まず学生に実施したアンケート結果については、多くの大学生は長期休暇期間後の英語力低下は感じている、学習不足も感じている、しかし休暇期間中の学習機会の大学による提供については積極的ではなく、学習を管理されることについてはほとんど望まないということであった。一方、少人数ではあったが、長期休暇期間中に英語e-ラーニングを実施した大学では、学習量は学期中よりかなり少なかったものの、それでも受講しなかった学生達に比べて、英語力が向上あるいは維持されるという結果が示された。本研究で取り組もうとしてきたのは、英語力を向上させるには(特にある程度の基礎力をもった大学生の場合は)、集中的に大量の学習をさせることが必要であり、そしてそれをe-ラーニングによって実施することが可能であるということであった。本科研では、それに加えて、教養教育期間中にしっかりと英語力を上げ、そしてそれを維持させるには、長期休暇期間中の学習不足を克服する必要があり、それこそe-ラーニングの出番であることを証明するということで主目的であった。つまり、本科研の最大のポイントは、長期休暇中の英語力低下を防ぐという点であり、そういった意味では大きな前進があったと考えている。
著者
青木 巖
出版者
三田哲學會
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
no.8, pp.169-187, 1931-08
著者
川崎 寛也 赤木 陽子 笠松 千夏 青木 義満
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.334-341, 2009 (Released:2015-01-23)
参考文献数
13

本実験では,サーモグラフィ動画像の自動色分解処理技術を用い,中華炒め調理における具材及び鍋の温度変化を詳細に把握するための新規システムを構築し,プロ調理と家庭調理の比較によりあおり操作の調理科学的意義を考察した。さらにあおり操作の回数も自動取得した。回鍋肉(豚肉とキャベツの味噌炒め)調理を例とし,サーモ動画像と可視動画像を同時に取得した後,サーモグラフィの動画像から鍋領域と具領域を分離して鍋と具材の表面平均温度を経時的に把握した。終点具材温度に家庭調理とプロ調理では大きな差が見られなかった。プロ調理では,あおり操作が定期的連続的に行なわれているのに対し,家庭調理では不定期であった。各あおり操作の前後におけるプロ調理の具材温度上昇は家庭調理よりも大きい傾向があった。鍋温度はプロ調理では家庭調理よりも顕著に大きく上昇した。本システムにより,動きを伴うプロの炒め調理においても,具材や鍋の平均温度変化を計測する事ができた。

1 0 0 0 OA 越中地志

著者
青木北海 著
出版者
中田書店
巻号頁・発行日
1932
著者
青木 光広
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.621-624, 2005

Periarthritis of the shoulder is characterized by freezing phase, frozen phase, and thawing phase. However, the pathology of its clinical course is not clarified. Recent development of shoulder open surgery, arthroscopy, MRI and PET demonstrated that shoulders with persisting pain and contracture had hyperemia and edema of the joint capsule and subacromial bursa. Thus, we tried to elucidate clinical phases of frozen shoulder based on connective tissue repair and remodeling.<br>Early freezing phase of the shoulder is consistent with acute inflammatory phase of connective tissue repair. In this period, edema and hyperemia of the shoulder joint capsule appears with occurrence of shoulder pain (0 to 1 month from the onset). Late freezing phase of the shoulder is consistent with fibroplasias of connective tissue repair. In this period, infiltration of fibroblasts and new vessels in the capsule appears with progressive pain and reduction of range of motion (1 to 2 months from the onset). Freezing phase of the shoulder is consistent with consolidation stage of remodeling of connective tissue repair. In this period, fibrosis and thickening of the joint capsule appears with progressive contracture (2 to 6 months from the onset). Thawing phase of the shoulder is consistent with maturation stage of remodeling of connective tissue repair. In this period, remodeling of joint capsule appears with gradual relief from joint contracture (6 month to 1 year from the onset).<br>Joint capsule of the shoulder is known to have enough redundancy. However, if the inflammation of the capsule spreads all over the shoulder joint, fibrosis and production of collagen fibers in the capsule develops. Subsequent relief form joint contracture with remodeling of the capsule explains characteristic features of clinical staging of periarthritis of the shoulder. Comparing clinical stage and extent of connective tissue repair, theoretical back ground of physical therapy and surgical treatment is evident.
著者
高崎 博司 村木 孝行 宮坂 智哉 韓 萌 宮本 重範 青木 光広 内山 英一 村上 弦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.C0330, 2005

【目的】テニス肘に対する理学療法、またラケットスポーツの障害予防として手関節伸展筋群のストレッチが行われている。手関節伸展筋群のストレッチに関して、諸家により様々な方法が紹介されている。しかしながら、実験的にどの肢位が最も伸張されるのかは検討されていなかった。本研究の目的は、肘関節に起始する手関節伸筋群に対しどの肢位が最も効果的に筋肉を伸張しうるかを新鮮凍結遺体右上肢を用いて定量的に検討することである。<BR>【対象】実験標本は、胸郭・上肢付の新鮮凍結遺体右上肢5肢とした。<BR>【方法】実験は、新鮮凍結遺体の肩甲骨をジグに固定し、右上肢を他動的に動かして行った。測定は、前腕中間位・肘45度屈曲位・手関節中間位・指伸展位(以後基本肢位と呼ぶ)から、肘関節45度屈曲位・最大伸展位の2パターン、前腕は中間位と最大回内位の2パターン、手関節は中間位から最大屈曲位・最大屈曲尺屈位・最大橈屈位の3パターンの合計12肢位で行った。これらの肢位における各筋の伸張率は、線維方向に沿い筋の中央部に設置したLEVEX社製パルスコーダーを用いて測定した。測定値は基本肢位からの伸張率で表した。測定筋は長橈側手根伸筋(以後ECRL)・短橈側手根伸筋(以後ECRB)・尺側手根伸筋(以後ECU)・総指伸筋(以後EDC)の4筋とした。<BR>【結果】筋の伸張率が最大となる肢位はECRL とECRBで肘関節伸展・前腕回内・手関節屈曲尺屈位であり、平均22.7%と18.7%であった。ECUは肘関節45度屈曲・前腕中間・手関節橈屈位で平均3.52%、EDCは肘関節45度屈曲・前腕回内・手関節橈屈位で平均7.93%であった。ECRLは前腕回外よりも回内位で伸張され、肘関節伸展位でさらに伸張され、手関節が屈曲尺屈位で最大の伸張率を示した。ECRBは肘関節伸展・前腕回内位で伸張率が高く、手関節は屈曲位と屈曲尺屈位の差は無かった。EDCとECUは各肢位での差は少ないが、ECUは手関節橈屈位で伸びる傾向があり、EDCは肘関節伸展位、前腕回内位、手関節橈屈位で伸張率が大きい傾向があった。<BR>【考察】ECRL・ECRBは肘関節伸展・前腕回内・手関節屈曲尺屈で大きく伸張した。これは、肘関節屈伸の回転中心が両者の後方に位置し、また両者が前腕回旋軸の橈側に位置する身体運動学的所見と一致した。肢位の違いによるEDCの伸張率の差が少ない理由は、EDCが肘関節回転中心、前腕回旋機能軸に沿って走行していること、指関節の可動性が加味されたためと考えられる。ECUの伸張率は他の前腕伸筋と比較して明らかに小さく、ECUは手関節の運動よりはむしろ安定化に寄与する筋であると考えられた。<BR>【結論】肘関節伸展・前腕回内位でのストレッチ肢位が効率よく手関節伸展筋群をストレッチできることが示唆された。
著者
藤井 岬 宮本 重範 村木 孝行 内山 英一 鈴木 大輔 寺本 篤史 青木 光広
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0995, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】足関節周囲の骨折や靭帯損傷による固定や不動により生じる足関節拘縮は,歩行動作に影響を与え,日常生活動作や社会活動に大きな影響を及ぼす.関節拘縮に対する理学療法手技の1つに関節モビライゼーションがあり,足関節背屈制限に対して距腿関節,遠位脛腓関節へのモビライゼーションが治療として用いられる.臨床では距腿関節モビライゼーションが多く用いられているが,遠位脛腓関節に対する治療手技の効果について詳細は明らかにされていない.本研究の目的は,生体に近い未固定の遺体を用いて遠位脛腓関節の運動学的な特性を把握し,足関節拘縮に対する効果的な治療手技を検討することにある.【方法】実験には生前同意を得られた新鮮遺体標本7肢(男性5名,女性2名,平均死亡年齢79.9)を用いた.下肢標本を足底接地させ,中足骨と踵骨で木製ジグに固定した.近位の固定を行う前に足関節の背屈可動域,腓骨の運動を磁気センサー3次元空間計測装置(3Space Tracker System)を用いて計測した.次いで,足関節底屈10°を保持して大腿遠位部をジグに固定した.モビライゼーション手技を想定して腓骨外果を4方向(後方,後上方,上方,後外側)に,それぞれ19.6N,39.2Nの強度で牽引し,腓骨の変位をX(前後方向),Y(内外側方向),Z(上下方向)成分に分けて測定した.【結果】足関節の背屈可動域は平均13.25°±4.85であった.4つのモビライゼーション方向(後方,後上方,上方,後外側)の腓骨外果の変位はそれぞれ,X軸上で0.13±0.10,0.19±0.11,0.09±0.08,0.48±0.16,Y軸上で0.19±0.12,0.13±0.11,0.04±0.04,0.22±0.20,Z軸上で0.09±0.06,0.07±0.06,0.05±0.04,0.20±0.10であった.二元配置分散分析を用いて検定したところ,3軸方向成分全てにおいて牽引による変位量は統計学的に有意であった(X:P<0.0005,Y:P=0.005,Z: P<0.0005).牽引強度による変位量の比較ではX成分でのみ有意に39.2Nで大きかった(P<0.0005).方向と強度の相互作用については有意差が認められなかった.方向についてBonferroniの方法で多重比較したところ,X,Z成分では後外側とその他の方向,Y成分では上方とその他の方向のモビライゼーション間で有意差がみられた.【考察】以上の結果より,後外側方向へのモビライゼーション手技は腓骨を前後・上下方向へ大きく動かすことが明らかにされた.また上方向への手技では内外側への動きが少なかった.更に前後方向への変位にのみモビライゼーション強度が関与することが判明した.従って,足関節背屈制限に対する遠位脛腓関節のモビライゼーションにおいては,腓骨の後外側方向への滑り運動手技が有効であり,強い強度を用いた方がよいと考えられる.
著者
荒木 智子 青木 光広
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌医科大学保健医療学部紀要 (ISSN:13449192)
巻号頁・発行日
no.5, pp.91-95, 2002-03

競泳では四肢の使い過ぎ症候群が高頻度に発生すると報告されている。今回、大学水泳部における水泳による障害発生について部員41名にアンケート調査を行い、障害発生状況を把握し、その原因と予防対策を考察した。合宿前の障害既往は19名にみられ、合宿期間中に30名に新たな障害が発生した。障害部位は肩が有意に多く、次いで腰、膝の順であった。また経験年数が長いほど、中級者・上級者ほど高率に障害が発生した。水泳競技で高率に障害が発生する我々の結果は、水泳障害を調査した他の研究と一致していた。障害は練習開始早期に発生し、経験者ほど高率で肩関節に多いことから、合宿前より既に障害の下地が存在し、それが合宿の集中練習で悪化する状況が示唆された。この結果から、水泳合宿による障害予防には過剰負荷を起こさない練習計画と、技量に合わせた練習量の調節が必要であると考えられた。また重症化を防止するためには、障害に対する適切な対応と過剰負荷状態を早期に検出できる判定基準が必要と考えられた。It is reported that overuse injuries frequently occur in the competitive swimmers. In this report, the incidence of swimming injuries on intensive training for university students was investigated using the questionnaire. We analyzed the results and found characteristic features of 41 competitive swimmers in university students. On the bases of these results, the measure for prevention of swimming injuries was discussed. The history of previous injuries before intensive training was seen in 19 swimmers. The swimming injuries occurred in 30 swimmers during this intensive training term(four days). Incidence rate of shoulder injury was greater than that of other injuries, followed by low back and knees. Moreover, the most frequent injuries were seen in the middle and high level swimmers and were found in experienced swimmers longer than 10 years. Our results agreed with those in other literature in which swimming injuries were investigated. It is proved that swimmers who had long swimming experiences. Therefore, over loading on the shoulder by intensive training was considered to be a major pathogenic factor. To solve this problem, arrangement of adequate training schedules that take the level of each swimmer into consideration and suitable conditioning prior to or after the onset of injuries are required. Further, it is thought that the standard to detect overload condition of swimmers should be made in order to find injuries before they got worse.
著者
星野 翔一 青木 健一 福住 紀明 山口 正二
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.127-135, 2011 (Released:2016-03-12)
参考文献数
13

本研究では,きょうだい構成と性格特性・シャイネス特性・心理的距離との関連性を検討することを主たる目的とした。性格特性を測定するため,柳井・国生(1987)が作成した新性格検査を用いて,共感性・自己顕示性・持久性を測定した。次に,シャイネス特性を測定するため,鈴木ら(1997)が作成した早稲田シャイネス尺度を用いて,行動(消極性)・感情(緊張・過敏さ)・認知(自信のなさ)を測定した。最後に,心理的距離を測定するため,山口ら(1989)が作成した心理的距離測定用スケールを用いて,被験者と家族・教員・ペット間の心理的距離を測定した。その結果,きょうだい構成と性格特性・シャイネス特性・心理的距離が,おおいに関係していることが明らかにされた。性格特性・シャイネス特性・心理的距離において,きょうだい構成は重要な要因であることが示唆された。
著者
林 典雄 浅野 昭裕 青木 隆明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CaOI1021, 2011

【目的】肘関節周辺外傷後生じる伸展制限に対する運動療法では、特に終末伸展域の改善には難渋することが多い。その要因について筆者らは、上腕筋の冠状面上での筋膜内における筋束の内側移動、上腕骨滑車を頂点とした遠位筋線維の背側へのkinkig、加えて長橈側手根伸筋の筋膜内後方移動、上腕骨小頭と前面の関節包と長橈側手根伸筋のmusculo-capsular junctionでの拘縮要因などについて、超音波観察を通した結果を報告してきた。一方、肘伸展制限は前方組織にのみ由来するわけではなく、肘伸展に伴う後方部痛の発生により可動域が制限される症例もまれではない。このような肘終末伸展に伴う後方部痛は、関節内骨折後の整復不良例や肘頭に発生した骨棘や遊離体が原因となる骨性インピンジメントを除けば、後方関節包の周辺組織の瘢痕や関節包内に存在する脂肪体に何らかの原因を求めていくのが妥当と考えられる。本研究の目的は、後方インピンジメント発生の好発域である30°屈曲位からの終末伸展運動における肘後方脂肪体の動態について検討し、運動療法へとつながるデータを提供することにある。<BR>【方法】肘関節に既往を有しない健常成人男性ボランティア10名の左肘10肘を対象とした。肘後方脂肪体の描出にはesaote社製デジタル超音波画像診断装置MyLab25を使用した。プローブは12Mhzリニアプローブを用いた。方法は、被験者を測定台上に腹臥位となり、左肩関節を90°外転位で前腕を台より出し、肘30°屈曲位で他動的に保持した。その後徐々に肘を伸展し、15°屈曲時、完全伸展時で後方脂肪体の動態を記録した。<BR> 画像の描出はプローブにゲルパッドを装着して行った。上腕骨後縁が画面上水平となるように肘頭窩中央でプローベを固定すると、上腕骨後縁、肘頭窩、上腕骨滑車、後方関節包、後方脂肪体、上腕三頭筋が画面上に同定される。その後、上腕骨後縁から肘頭窩へと移行する部分で水平線Aと垂線Bを引き、水平線Aより上方に位置する脂肪体と垂線Bより近位に位置する脂肪体それぞれの面積を計測し、前者を背側移動量、後者を近位移動量とした。脂肪体面積の計測はMyLab25に内蔵されている計測パッケージのtrace area機能を使用した。統計処理は一元配置の分散分析ならびにTukeyの多重比較検定を行い有意水準は5%とした。<BR>【説明と同意】なお本研究の実施にあたっては、本学倫理委員会への申請、承認を得て実施し、各被験者には研究の趣旨を十分に説明し書面にて同意を得た。<BR>【結果】背側移動量は30°屈曲時平均26.7±10.5mm2 、15°屈曲時平均42.2±16.1mm2 、完全伸展時平均59.7±15.5mm2であった。完全伸展時の脂肪体背側移動は、30°屈曲時、15°屈曲時に対し有意であった。30°屈曲時と15°屈曲時との間には有意差はなかった。近位移動量は30°屈曲時平均5.4±2.9mm2 、15°屈曲時平均11.9±8.4mm2 、完全伸展時平均20.6±10.8mm2 であった。完全伸展時の脂肪体近位移動は、30°屈曲時に対し有意であった。30°屈曲時と15°屈曲時、15°屈曲時と完全伸展時との間には有意差はなかった。<BR>【考察】本研究で観察した後方脂肪体は滑膜の外側で関節包の内側に存在する。肘後方関節包を裏打ちする形で存在するこの脂肪体は、超音波で容易に観察可能であり、薄い関節包の動態を想像する際に、伸展運動に伴う脂肪体の機能的な変形を捉えることで、間接的に後方関節包の動きを推察することが可能である。今回の結果より後方脂肪体は、肘の伸展に伴い肘頭に押し出されるように機能的に形態を変形させながら、より背側、近位へ移動することが明らかとなった。この脂肪体の移動は併せて関節包を背側近位へと押し出す結果となり、後方関節包のインピンジメントを回避していると考えられた。我々は以前に後方関節包には上腕三頭筋内側頭由来の線維が関節筋として付着し、肘伸展に伴う挟み込みを防ぐと報告したが、後方脂肪体の機能的変形も寄与している可能性が示唆された。投球に伴う肘後方部痛症例や関節鏡視下に遊離体などを切除した後の症例で伸展時の後方部痛を訴える例では、後方脂肪体の腫脹像や伸展に伴うインピンジメント像をエコー上で観察可能であり、肘後方インピンジメントの一つの病態として認識すべきものと考えられた。<BR>【理学療法学研究としての意義】実際の運動療法技術においては、後方関節包自体の柔軟性はもちろん、肘頭窩近位へ付着する関節包の癒着予防が脂肪体移動を許容する上で重要であり、内側頭を含めた上腕骨からの引き離し操作も拘縮治療を展開するうえでポイントとなる技術と考えられる。
著者
中山 泰喜 青木 克巳 沖 真
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.26, no.Supplement1, pp.223-226, 2006-07-01 (Released:2009-12-08)

It is said that the Jomon Age began about 12, 000 years ago and continued till about 2, 500 years ago. The potteries of that age are known as Jomon pottery. Among them, a pottery discovered from the Umataka ruin in Niigata Prefecture in 1931 has an excellent shape. It is said that this pottery was made about 4, 500 years ago. Jomon potteries of similar artistic styles have been discovered in various parts of Japan. These potteries have very nice shapes, but the pottery discovered from the Umataka ruin excels other potteries by its excellent proportion. In this report, it was made clear that the vortex patterns of side wall consist of twin vortex and Karman vortex applying visualization methods using the pollen of cedar and pine trees, and computer simulation.
著者
中山 泰喜 菊池 徹夫 沖 真 青木 克巳 丸岡 計
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.24, no.Supplement1, pp.165-168, 2004-07-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
1

It is said that Jomon Age began about 12, 000 years ago and continued till about 2, 500 years ago. The potteries of that age are known as Jomon pottery. Among them, a pottery discovered from the Umataka ruin in Niigata Prefecture in 1931 has an excellent shape. It is said that this pottery was made about 4, 500 years ago. Jomon potteries of similar artistic styles have been discovered in various parts of Japan. These potteries have very nice shapes, but the pottery discovered from the Umataka ruin excels other potteries by its excellent proportion. From the shape of lip, it was named "Kaen pottery". However, from the patterns of its lip and side wall, it is more appropriate to consider that they are related to water flow. In this report this hypothesis is examined by a visualization method using the pollen of cedar and pine trees, and computer simulation.