著者
川辺 信雄 飯田 隆 市川 文彦
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.79-98, 1991-04-30 (Released:2009-11-06)

一九八九年に発表されたわが国における外国経営史の研究業績を回顧するにあたっては、当該年度の国会図書館編集『雑誌記事索引』 (紀伊國屋書店) 、史学会『史学雑誌』、『ブックページ』 (ブックページ刊行会) などのレファレンス・ツールによった。 (経済資料協議会編集『経済学文献季報』は、現在休刊中であるが、まもなく復刊の予定。) しかしながら、国別に分担して執筆したため、取り上げた範囲、紹介・論評の比重、表記などについて統一性を欠いているが、ご寛容願いたい。重要な研究が欠落しないためにも、会員はもちろん、会員以外の研究者も雑誌論文・単行本をとわず、ご自分の研究成果を経営史学会事務局にお送りいただきたい。
著者
渡部 なつ希 飯田 隆雄
出版者
パーソナルファイナンス学会
雑誌
パーソナルファイナンス研究
巻号頁・発行日
vol.1, pp.7-15, 2014

北海道では20年前まではほんの数社に過ぎなかったワイナリーが2013年時点では約20社にまで増加している。本稿では日本で販売されているワイン全体の約4%でしかない純国産ブドウ原料100%のワイン、すなわち、ワイン生産地域でブドウを栽培し、そのブドウでワインを製造し販売するといった、産業としてのワイン生産を柱とする経済振興政策が、地域経済の発展及び人口の定着を目標とするときに、必ず問題となるファイナンスの視点から分析する。まず、ワイン製造会社が付加価値の高い商品群を生産できるようにファイナンスの仕組みを工夫する事により、波及倍率の低い農業生産0.57とその他食品部門0.52、土木・建設や金融サービス部門の0.89、公共サービスの1.02など、地域の産業構造による波及効果の偏りを考慮しながら、地域経済にも貢献できるような施策を考察する。そこで、『平成17年度北海道地域産業連関表』を用いて、経済波及効果と雇用効果をシミュレーションすることによって、そこに内在する様々な問題点を明示し、解決策を提案することにより、今まで以上に経済的に豊になる施策を提案しようとする試みである。その結果、北海道にとって、高付加価値ワインの生産と六次産業化は不可欠である。必要とされる資金調達手段として、補助金や金融機関を通じた制度融資の効果も大きいが、財政を投入しないで自由に活用できる投資資金も、効果が大きく、今後活用すべき制度と考えられる。具体的には、(1)各ワイン会社が土壌改良などでファイナンスしても、それほど波及倍率が高くなるわけではない。(2)政府補助金、金融機関の借入、匿名組合方式の投資資金をそれぞれ投入して、経済効果をシミュレーションしたがそれほど波及倍率が高くなったわけではない。(3)六次産業化の育成施策としてワイナリーがレストランやホテルを併設したとして新規施策に投入する資金を、政府と民間がお互いの得意とする部分でファイナンスすることにより、より効果的な経済効果が得られる。(4)オーガニックワインはブドウ栽培はじめ一連の製造工程に於いて人手がかかる分、人口の地域定着向上に大きく寄与できると期待される。
著者
飯田 隆
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.774-776, 1998-11-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
5
被引用文献数
2
著者
飯田 隆夫
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 = The Bukkyo University Graduate School review. 佛教大学学術委員会, 文学部編集委員会 編 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.41, pp.53-70, 2013-03

明治六年七月、権田直助は相模大山阿夫利神社の祠官としたが、神仏分離後の混乱した山内の改革を幾つか行ったが、そのうちの一つが奈良春日大社に伝わる倭舞・巫女舞を富田光美から伝習することであった。その伝習当時の倭舞歌譜が伝存されているが先行研究者はその歌譜と奥書に注目した。富田光美の家系は途絶していてこの歌譜の原本の存在は不明である。明治元年以降、春日社社伝の倭舞・巫女舞は富田光美夫妻によって全国に伝習されたが、先行研究と大山阿夫利神社・金刀比羅宮・春日社の歌譜を比較検討によって大山阿夫利神社の歌譜が原本に近いとの推定が可能である。富田光美は幕末期から明治維新の転換期に神社国家神道化の下、神社に奉納される神楽は富田家が相伝してきた倭舞・巫女舞が古儀に倣う最も相応しいものとして、白川家関東執役古川躬行や明治政府の後ろ盾で全国著名神社に伝習した。その伝習内容と背景を相模大山と関連させ論考をはかる。倭舞歌譜富田光美巫女舞東幸と雅楽制度芸能統制
著者
飯田 隆夫
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.44, pp.35-52, 2016-03-01

論考の目的本稿は、相模国の山岳寺院大山寺の支配にあった御師が、神仏分離直前、国学平田家および神祇伯白川家の関東執役古川将作とどのような関係をもち、行動を選択していたのかを安政六(一八六九)年から慶應三(一八六七)年を対象に考察することをねらいとする。研究の方法分析ツールとして、白川家「門人帳」・平田家「門人帳」と大山寺宮大工、大山寺、平田家等に残された日記類を使用する。分析の結果相模国大山寺は幕府の庇護を受け、文化・文政期、大山信仰は最盛期を迎えた。その信仰を牽引した大山御師は大山寺の強い支配下にあったが、幕末期これら御師の中に不満が蓄積され、慶応三年にはその力関係を逆転させた。本論は、以下のキーワードをもとにその検証を試みるものである。白川家教線拡大復古派国学の波及白川家・平田家重複入門相模大山の安政大火御師の身分的転換
著者
飯田 隆夫
出版者
佛教大学総合研究所
雑誌
佛教大学総合研究所紀要 = Bulletin of the Research Institute of Bukkyo University (ISSN:13405942)
巻号頁・発行日
no.26, pp.1-18, 2019-03

実乗は、相模大山寺別当に一八六八年三月着任直後、総督府より大山寺の立退きの宣告を受け、直後立退と本尊の山外移転を決めた。大山麓民は即時にこのことに反対し、本尊を山内に留めた。一八七六(明治九)年、俄かに本尊を納める不動堂再建の動きが起こり、麓村民・明王寺他子院・大工棟梁景元の三者で再建協議を開始した。村民は再建資金を旧御師持の檀那場から寺僧が調達するなど三者の個人的活動に依拠していたためこの協議には限界があった。一八八三(明治一六)年三月、新たに山口左七郎はじめ麓村の豪農・篤農や有力者を筆頭に、新築・庶務・寄付・出納の四係で構成された再建協会が組織化され、一八八五(明治一八)年一一月に不動堂が完成した。三者間の協議は、資金調達が最も難題であったが、麓村の豪農・篤農や参詣道の重立、有力者の結束により、慶應四年閏四月に廃寺通告された大山寺は、明治一八年一一月、僅か二〇年後に不動堂として再興された廃寺復興の稀な例である。別当実乗麓村民再建資金豪農・篤農大工棟梁
著者
飯田 隆
出版者
法政大学経済学部学会
雑誌
経済志林 = 経済志林 (ISSN:00229741)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.67-85, 2005-03-07

In Japan, financial administration which was carried out by the Ministry of Finance was known as "Convoy System (Goso Sendan Hoshiki)" since World War II. This "system" regulated larger banks with higher efficiency in order to put smaller banks whose management had poor efficiency on an equal footing in the financial system. This phrase refers to escorting cargo ships in war in which the speed of the escort is adjusted to the slowest ship. The problem is who was using this phrase for the first time, when it was, and where he was using it. In this paper, after careful investigation, it is concluded that a writer named Yamamoto Saburo was that person. However, his actual identity remains unclear, and one cannot deny the possibility that he was a bureaucrat in the Ministry of Finance. It seems that this phrase had been used inside the Ministry of Finance in the latter half of the 1960s. In that case, maybe, the bureaucrats who joined the Japanese navy during World War II began to use it. But as the Ministry of Finance itself could not use this phrase openly or officially, it was not known in the private sector. However, after Yamamoto Saburo used this phrase in a financial journal in 1976, it came to be used widely in the financial journalism. Among dictionaries of banking and finance or economics, the word "Goso Sendan Hoshiki" appeared frequently after 1998, which was the year that Japanse financial administration changed and the so-called "convoy system" came to an end.
著者
飯田 隆雄
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.439-448,503, 1999-05-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
48

ダイオキシン類は都市ゴミや産業廃棄物等の焼却から発生し, 生活環境を汚染してきた。その結果, 食品を介した人体汚染が進み, 内分泌撹乱物質としても心配されている。油症は今から30年以上前に西日本一帯で発生した食用ライスオイルによる大規模な食中毒事件である。一見, ダイオキシンと何ら関係がないように見えるが, 実はライスオイルに混入していたポリ塩素化ダイベンゾフランをはじめとする, いわゆる, ダイオキシン類が原因で発生している。また, 台湾においても同様の事件が発生している。2, 3, 7, 8-四塩化ダイベンゾ-p-ダイオキシン (TCDD)はサリンの2から10倍も強い毒性を持つといわれ, 1997年2月にIARC (International Agency for Research on Cancer) はフランスのリヨンで開いた専門家会議でTCDDをヒトに対して発がん物質であるというカテゴリーに分類した。我々は, 日本人の母乳や血液等のダイオキシン類による汚染を調査してきた。本稿ではこのダイオキシン問題について人体汚染中心に紹介し, さらに, ダイオキシン類と日本の油症および台湾のYuchengについて概要を述べた。
著者
川崎 厚司 飯田 隆幸 星野 健太郎 杉山 敦士 祖父江 昭彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail)講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, no.16, pp.97-100, 2009-12-02
被引用文献数
1

We are developing a train communication and control network "INTEROS", which adopts the Ethernet transmission technologies and has the ability of high-capacity data transmission for a next-generation railway operation system. This paper describes characteristics of the present train's transmission line in order to clarify the problems and to develop new transmission lines which are suitable for the Ethernet transmission.
著者
飯田 隆雄
出版者
パーソナルファイナンス学会
雑誌
パーソナルファイナンス学会年報 (ISSN:18843328)
巻号頁・発行日
no.10, pp.89-108, 2010-09-10

2006年12月13日に国会を通過した改正貸金業法が北海道経済に与える影響を、北海道開発局(2004)の『平成12年北海道産業連関表33部門北海道産業連関表及び各種係数表』を利用して、以下のような政策の生産誘発額の総合波及効果と雇用誘発効果を計測するとによって、制度改革に内在する問題点を明らかにしたい。なお、ここでは以下、生産誘発額の総合波及効果及を単に経済効果、雇用誘発効果を雇用効果とぶ。さて、この改正貸金業法についての議論は社会政策の側面と経済政策の側面に分けて議論しなければならないが、多くの場合これらが混同されている。本稿では、特に、経済政策の側面から取り上げ、地域経済への影響を名目GDP成長率に換算して考察する。まず、制度改革による影響を、(1)個人向け無担保貸金業の上限金利規制のケースについて、(1-1)金利20%超のケースと(1-2)貸付残高全体のケースに二分し、マイナスの経済効果を分析する。(2)総量規制が完全実施された場合(総量規制については、2008年度完全実施されたとして)のマイナスの経済効果を分析する。次に、(1)(2)の比較の対象として、(3)2009年度支給された定額給付金のプラスの経済効果を分析する。第一段階として、ザックリと概算推計する。分析対象年度間の貸付残高の減少額を、無担保貸金業者の最終財としてのサービスに対する需要の減少分と捉えた。そこで、この数値を産業連関表の「金融・保険」部門に(無担保貸金業者への最終消費支出の減少分として)入れて、マイナスの経済効果を計測した。第二段階として、(1)(2)では消費者(個人)に焦点を当てて、貸付残高の減少額に随伴する最終需要(消費支出)の減少額を、大阪府のアンケート調査(コミュニケーション科学研究所編(2009)「消費者金融からの借入の主な利用目的(大阪府)」『貸金業者等動向調査事業第1回中間報告』<修正版>(2009年12月10日))を利用して、消費者行動にそくして、産業連関表の各部門に按分する方法で予測し、マイナスの経済効果を計測した。(3)では国立社会保障・人口問題研究所編(2007)「都道府県別の男女別年齢5歳階級別人口推計結果のほか、推計結果の一部を都道府県別一覧表にしたものを含む」『日本の都道府県別将来推計人口』(平成19年5月推計)から給付金額の異なる年齢の人口を確定し、給付総額を推計した。また、総務省ホームページ(2009)の統計データの「総世帯」の「(再掲)可処分所得に対する割合・平均消費性向(%)」にある平均消費性向、平成21年4月〜6月64.9%、7月〜9月72.2%、10月〜12月52.0%の平均値をもとに、ここで利用する消費性向0.63を確定した。その結果、(1)上限金利規制(1-1)金利20%以上の概算推計ベースでは2005-2006年度名目GDP成長率マイナス0.14%、雇用誘発効果マイナス1,796人、2006-2007年度名目GDP成長率マイナス0.33%、雇用誘発効果マイナス4,180人、2007-2008年度名目GDP成長率マイナス0.29%、雇用誘発効果マイナス3,652人、アンケート調査ベースでは、2005-2006年度名目GDP成長率マイナス0.13%、雇用誘発効果マイナス5,137人、2006-2007年度名目GDP成長率マイナス0.30%、雇用誘発効果マイナス11,935人、2007-2008年度名目GDP成長率マイナス0.26%、雇用誘発効果マイナス10,426人、(1-2)金利全体の概算ベースでは2005-2006年度名目GDP成長率マイナス0.15%、雇用誘発効果マイナス1,992人、2006-2007年度名目GDP成長率マイナス0.33%、雇用誘発効果マイナス4,220人、2007-2008年度名目GDP成長率マイナス0.31%、雇用誘発効果マイナス3,872人、アンケート調査ベースでは2005-2006年度名目GDP成長率マイナス0.14%、雇用誘発効果マイナス5,481人、2006-2007年度名目GDP成長率マイナス0.30%、雇用誘発効果マイナス12,050人、2007-2008年度名目GDP成長率マイナス0.28%、雇用誘発効果マイナス11,057人、となった。(2)総量規制概算推計で総量規制に抵触するうちの16%が借入を拒否されるとすると名目GDP成長率マイナス0.20%、雇用誘発効果マイナス2,477人、20%が借入を拒否されると名目GDP成長率マイナス0.28%、雇用誘発効果マイナス3,448人となる。アンケート調査ベースでは16%が借入を拒否されるとすると名目GDP成長率マイナス0.19%、雇用誘発効果マイナス7,597人、20%が借入を拒否されると名目GDP成長率マイナス0.25%、雇用誘発効果マイナス10,100人となる。(3)定額給付金概算推計では給付金の平均消費性向が20%なら、名目GDP成長率プラス0.12%、雇用誘発効果プラス1,446人、給付金の平均消費性向が63%なら、名目GDP成長率プラス0.37%、雇用誘発効果プラス4,556人となる。消費コンバーターベースでは給付金の平均消費性向が20%なら、名目GDP成長率プラス0.10%、雇用誘発効果プラス2,442人、給付金の平均消費性向が63%なら、名目GDP成長率プラス0.30%、雇用誘発効果プラス7,695人となる。上記分析は2010年6月から改正貸金業法が完全実施されると、上限金利規制と総量規制の2008年度ベースは概算推計合計マイナス0.51%(16%破綻)、アンケートベースでマイナス0.49%(16%破綻)の名目GDP成長率であり、新規失業者に至っては、概算推計で6,349人(16%破綻)、アンケートベースで18,654人(16%破綻)となった。また、本稿では消費者向け無担保貸金業者貸付残高のみを分析したものであり、ここでは、2008年度ベースで、貸金業の総貸出残高(378,467億円)の約17%(65,865億円)の貸出残高の分析にすぎない。従って、貸金業全体の経済効果を推測すれば、約5倍、アンケート調査ベースで名目GDP成長率約マイナス2.5%、新規失業者は約9万人となる。北海道は日本全国の約4%経済とすれば、全国規模に単純換算すると、新規失業者数は25倍の約47万人という計り知れない影響が出るものと考えられる。これらの結果から、資金の出し手は営業が続けられなくなる事から縮小や廃業に至り、借り手も必要資金が入手できないことから、個人企業の縮小や廃業、主婦層の手元流動性の欠落も加わって、税金の納付者が失業保険や生活保護の受領者へと変化する。従って、税収が落ち込むばかりか政府支出が増加すると考えられる。セーフティーネットが充分機能していない現状では、流動性の制約を招く制度改革は、極端な消費の冷え込みとなって表面化し、さらなる景気の後退を促進する。しかも、多くの失業者や食べていけない人達を排出することから治安も不安定になり、さらなる政府財源の悪化の原因となる。
著者
豊田 正武 堤 智明 柳 俊彦 河野 洋一 内部 博泰 堀 就英 飯田 隆雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.316-320, 2000-10-25

野菜試料における, アセトン・ヘキサン振とう抽出法とトルエン還流抽出法のダイオキシン類抽出効率の比較を行った. 抽出試験を3回行った結果, ほうれん草では, 振とう抽出でPCDDs, PCDFs及びCo-PCBsが平均0.48, 0.80及び7.7pg/g検出され, 還流抽出では同様の順に0.43, 0.72及び7.3pg/g検出された. また, ちんげん菜では, 振とう抽出でPCDDs, PCDFs及びCo-PCBsが平均0.67, 0.50及び2.6pg/g検出され, 還流抽出では同様の順に0.81, 0.64及び2.6pg/g検出された. 両抽出法の間で, 抽出量には有意な差はなく, 両者の野菜中ダイオキシン類の抽出効率は同様であることが判明した.