著者
BRAND Amy:著 高木 和子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.410-418, 2004 (Released:2004-09-01)
被引用文献数
1

CrossRefは,共有技術を築くことを目的とした自立的な会員制の協会である。その使命は学術出版社や専門書出版社間での共通な合意が求められるサービスを通して,学問研究の出版物へのアクセスを向上させることである。CrossRefのネットワークは今日,数百の出版社から出版される数百万の論文やその他コンテンツを網羅する。本記事は,CrossRefが2000年に開始されて以来どこまで進んだか,そして科学・学術・専門コンテンツをオンラインでリンクする真に包括的なネットワークに到達するには,何を進める必要があるかを見ていく。
著者
高木 直史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.280-286, 1996-03-15
参考文献数
7
被引用文献数
11
著者
高木 啓吾 加藤 信秀 笹本 修一 秦 美暢 田巻 一義 木村 一博 梁 英富 外山 勝弘
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.138-144, 2004
参考文献数
7
被引用文献数
4

背景.気管病変に対するステント療法は,多くの気道疾患患者のQOL向上に寄与したと言えるが,その適応,手技,合併症,成績に関する問題が未だ山積している.本稿では気管および気管分岐部のシリコンステント療法の有用性と問題点に論点を絞り,我々の経験例を中心に分析したので報告する.対象.1992年4月から2003年4月に経験した気管および気管分岐部の狭窄病変32例で,部位は気管14例,気管分岐部18例,疾患別では,肺癌16例,食道癌11例,悪性リンパ腫2例,気管切開後狭窄2例,甲状腺腫1例であった.ステント種別では,Dumon直型14例,Dumon-Y型13例,Dynamic型5例であった.結果.肺癌による狭窄のうち,気管病変は縦隔のbulky転移リンパ節によるものですでに予後不良であり,留置後の多くが1ヶ月以内に死亡したが,気管分岐部病変では,3ヶ月以上の生存例が10例中7例(70%)あり生存が見込まれた.一方,食道癌では,気管病変にせよ気管分岐部病変にせよ,ステント療法に加えて化学放射線治療が奏効するので,3ヶ月以上の生存例は予後が判明している10例中6例(60%)にあった.ステント留置後の腫瘍の再増生や瘻孔発生の可能性を考えると,本病変ではワイアーステントよりもシリコンステントの有用性が高いと考えられた.ステント留置に際して気管分岐部病変では,狭窄程度のみならず気道軸の偏位を重視しなくてはならず,高度偏位例では術中に出血に基づく換気障害による一時的な低酸素血症に留意しなくてはならなかった.留置後療喀出障害はステント全長が90mm以上の例で高率にあり,またステント内面の細菌増生は,留置後4ヶ月以上経過した12例で検討すると,全例でbiofilmの形成を認め,留置後の定期的な経過観察が必要と思われた.結論.シリコンステント療法は,その侵襲度は大きいが確実な気道確保のもとで行う安全な療法である.これを実践するには万全の体制でよき指導者のもとで臨まなくてはならない.呼吸器科医は今後硬性気管支鏡の苦手意識を取り去り,軟性気管支鏡のみならず硬性気管支鏡も熟知して,確実な気道確保のもとで多くの治療法を選択できるようになることが望まれる.
著者
加藤 洋介 高木 元
出版者
愛知県立女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究は、平成4年度文部省科学研究費補助金 奨励研究(A)「河内本源氏物語の校合と校異語彙索引の作成」での研究成果をもとに計画したものである。上記研究において、池田亀鑑編著『源氏物語大成 校異篇』(以下『大成』と略称)で割愛された河内本校異を、原本調査に基づいてすべて採録し、その過程で発見された『大成』校異の誤りを正した。その成果はすでに『源氏物語大成 校異篇 河内本校異補遺 稿(-)』(1993)としてまとめたところであるが、対象としたのは洞壺巻から葵巻までであり、本研究はその後を受け、平成6年度から作業を開始し、『稿(二)』(賢木巻〜朝顔巻、1994)『稿(三)』(少女巻〜若菜下巻、1995)『稿(四)』(柏木巻〜早蕨巻、1996)、『稿(五)』(宿木巻〜夢浮橋巻、1997)として成果をまとめ、これで『源氏物語』全巻の調査を終えたことになる。上記『源氏物語大成 校異篇 河内本校異補遺 稿(一)〜(五)』にて調査した校異は、すべて機械可読データとしても保存している。そこでは校異に採用したミセケチ・書入傍記などの情報を、機械データとして検索可能なものとすることによって、原本調査のデータシートにそのまま流用でき、さらにはそのデータに一定の符号等を付し、日本語組版ソフトLAT^EXを使用することで、校異データに『大成』と同様の符号を付した印刷用版下を作ることも可能になった。諸本調査および校異作成からその印圧刊行までの過程で発生する人為的誤りを、機械を使用することで可能な限り減らすための方法を、ほぼ確立できたように思われる。
著者
高木 秀雄 曽田 祐介 吉村 浄治
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.56, pp.213-220, 2000-03-15
被引用文献数
4

大野川層群霊山層中の花崗岩礫と, 朝地変成岩類分布域中の山中花崗閃緑岩のK-Ar年代を測定した.花崗岩礫4試料から得られたホルンブレンドと黒雲母のK-Ar年代は103〜108Maとよく一致した.一方, 山中花崗閃緑岩1試料について得られたK-Ar年代は, ホルンブレンドが103Ma, 黒雲母が104Ma, カリ長石が75.1Maとなった.霊山層中の花崗岩礫と山中花崗閃緑岩は年代的には一致するものの, 微量元素や帯磁率が異なる.しかしながら, 大野川層群の堆積物は北方から供給されたという報告があることから, 霊山層中の花崗岩礫の供給源が朝地地域周辺の花崗岩類から由来した可能性は高い.大野川層群が領家帯の和泉層群の西方延長に相当するのか, あるいは古領家帯の跡倉層-真穴層に対比されるかを明らかにするためには, 今後朝地変成岩類の帰属問題を解決する必要がある.
著者
高木 美也子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.47-51, 2004-09-17

ES細胞とは生体を構成するあらゆる組織・器官に分化する能力を持つ細胞のことであり、アメリカ、ウィスコンシン大学のJ.A.トムソンらは、1998年11月、ヒト胚から初めてES細胞を樹立した。ES細胞は新規の医療に結びつくものとして大いに期待される反面、不妊治療のために作られ凍結保存されているヒト受精胚(余剰胚)から採取されるため、生命の源を壊すという倫理問題が存在する。この問題の本質は、ヒト胚の潜在性をどのように捉えるかであろう。反対する人は、ヒト胚はまだ人間の状態ではなくても、人となる潜在性を持っており、それを遂行する権利があると主張する。しかしながら人になる潜在性とは、ヒト胚が人にまで成長することを、賦与するものではないと考える。文部科学省では、現在、特定胚及びヒトES細胞研究専門委員会において、各研究機関から提出された樹立計画及び使用計画を審査している。私もその一委員として関わっており、審査で問題になった点等も考察した。さらにヒトES細胞研究では、文化的・宗教的な背景が大きく影響してくる。日本では、ヒト胚を壊してES細胞を樹立するという問題に、国民からのそれほど強い反対はない。反面、生命最後の部分では拘っており、国民的総意として心臓死しか受け入れられない。これが脳死問題である。日本は文化的にも、脳死体からの臓器、組織提供の医療ではなく、移植用材料を作り出すES研究に向かわざるを得ないのではないか。
著者
水野 智士 高木 浩吉 小暮 悟 伊藤 敏彦 甲斐 充彦 小西 達裕 伊東 幸宏
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.12, pp.77-82, 2005-02-05
被引用文献数
5

近年の音声認識、言語理解技術、及びコンピュータ性能の向上によって、音声を用いるインタフェースやタスク指向型の対話システムが利用されるようになってきた。そんな中で、より一般的にシステムが利用されるようになるには、より頑健な言語理解が必要となる。本稿では、より頑健な意味理解を実現するために、音声認識信頼と対話履歴を利用して、ユーザ発話意図の推定を行う手法について記述する。本研究では、言語理解の頑健さを向上させるために、対話履歴において、県名や市町村名など、どのカテゴリについての発話がされたのかを識別する。その識別結果と、認識結果のn-bestを利用して言語理解結果を生成する。これを実現する場合、カテゴリ識別の精度がそのまま言語理解精度に影響する。そこで、ユーザの発話意図を推定することで、カテゴリ識別精度の向上を図り言語理解精度向上を目指した。評価実験を行い、音声認識の1-bestをそのまま利用する言語理解手法よりも提案手法のほうが、言語理解精度が高くなることを示した。The spoken dialogue interface and the task oriented dialogue system has come to be used by improving the speech recognition, the language understanding technologies, and the computer performance. We need a more robust language understanding for the system to come to be used more generally. Our paper deals with speech intent presumption method using the confidence score of speech recognition and dialogue history for robust meaning understanding. This language understanding results are generated by using the speech recognition results (n-best) and the identification results. Thus, the accuracy of the category identification influences the language understanding accuracy. Then, we used the presumption of user's speech intention in order to improve the language understanding accuracy. As the result of evaluation experiment, we show that the language understanding performance used our proposed method is higher than the language understanding method which simply gives priority to the first hypothesis of a n-best.
著者
大橋 和彦 高木 道浩 杉本 千尋 小沼 操
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

ウイルス、細菌などの病原体には標的細胞への吸着の際、細胞表面糖鎖をレセプターとして利用しているものが多く、このようなレセプターをワクチンなどに利用すれば、株間で抗原性が異なる病原体に対しても広く有効な防除法を開発することが可能になる。そこで感染症防除のためにこれらの糖鎖を擬態できるようなペプチドを探索・同定し分子擬態利用法を開発するため、ウイルス(NDV)をモデルとしてNDVレセプター構造を分子構造的に模倣するレセプター擬態ペプチド分子を探索し、そのNDV感染に対する防御能を検討した。NDVヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)抗原を標的として特異的に結合するペプチド分子をランダムペプチドライブラリー(6mer〜8merのペプチドを含む)よりファージディスプレイ法とバイオパンニング法により探索した。その結果、NDV HN抗原に対して特異的結合性を示す3種類のファージクローンが得られた。得られたクローンの塩基配列・アミノ酸残基を解析した結果、EVSHPKVG、WVTTSNQW、SGGSNRSPの3種類のアミノ酸配列が擬態分子として同定された。さらに各ファージクローンのNDV特異的結合能は、抗NDVニワトリ抗血清を利用したELISA競合阻止試験によっても確認された。次にこれらの各ファージクローンより予想されたアミノ酸配列をもとに合成ペプチドを作製し、NDV粒子に対する結合能や感染防御能を解析した。3種類の合成ペプチドはNDVによる赤血球凝集活性を阻止できなかった。しかしながら、ウイルス中和試験の結果、これらのペプチドが部分的にNDVの感染を中和できることが示された。今後、これらのペプチドが結合するNDV粒子状の分子を明らかにするとともに、そのアミノ酸配列をもとに、よりNDV感染阻止能力の高いアミノ酸配列を模索し、in vivoにおける効果を検討することが、臨床応用に向けて必要となる。
著者
陰原 聞天 荘司 輝昭 高木 徹也 岡田 健夫 拍手 宏允 渡邉 貞一 須藤 孝子 梶原 正弘 佐藤 喜宣
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.245-249, 1994

1987年7月から1991年12月までの間に当法医学教室で取り扱った248件の解剖例のうち,自動車を運転中に交通事故を起こして死亡したとみられたが,解剖の結果,内因性の急死であると判明した4例について報告する。4例の平均年齢は49.5歳で,男性3例,女性1例であった。死因は心臓疾患2例,脳血管障害1例,慢性アルコール性疾患1例であった。これまでの報告では,運転中の内因性急死例は,基礎疾患を持つ高齢の男性に多い傾向があると指摘されていたが,自験例においても,3例が中高年男性であった。基礎疾患が明かであった者は1例のみで,4例中3例は生前に医療をほとんど受けていなかった。運転中の急死の予防は困難であるが,中高年者が自動車を運転する場合には定期検診の義務づけを徹底するなど,疾患の早期発見を行い,疾患があれば,適切な医療を受け死亡事故を予防をする事が重要と考えられた。
著者
高木 元 タカギ ゲン
出版者
高木, 元

鶯という鳥は不思議な鳥である。万葉の時代から「我がやどの梅の下枝に遊びつつうぐひす鳴くも散らまく惜しみ」(『万葉集』八四六、巻五「梅花の歌三十二首」中の薩摩目高氏海人。)などと詠まれ、古代から長い時を通じて人々が親近感を持ち続けた鳥の一種であった。この鶯には「春鳥」「春告鳥」などという異名が備わっていることから了解できるように(『和漢三才図会』の鶯の項には「正二月に至て鳴くを春起と曰ふ。二三月に至て鳴を止む。春去と曰ふ。茶を採るの候なり。呼て報春鳥と為す。」とある。)、梅花と併せて早春という季節の到来を告げる存在でもあった。さらに「歌詠鳥」とも呼ばれ、その美しい鳴き声を愛されて飼育されるようになり、「鶯(鳴)合」と呼ばれる鳴声の優劣を競う遊戯が流行した。「ホーホケキョ」という鳴声から法華経が連想されて「経読鳥」などという異称も与えられ、同時に「鶯の谷渡り」という言葉もその声に由来したものであった。「法華経」の他にも三光(月日星)を啼くなどという見方もあり、これらは鳥の囀りを人間が勝手に解釈した結果に過ぎないのではあるが、「聴き耳」型の話とは違って、鳥類の発する音声に意味を見出すのに特殊な能力を必要としていない点に注意が惹かれる。「國文学」1999年2月号(學燈社)〈特集・ジャンルを横断する近世文学の新局面〉所収
著者
高木 啓伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.1317-1327, 2000-05-15
被引用文献数
14

情報の電子化が進む現在,検索システムを用いることで膨大なデータの中から特定の情報を容易に探し出すことができる.ところが一方で情報の増加にともない,あまりにも多くの検索結果が引き出されるという現象が起きている.そのため初心者のみならず,目的の情報にたどりつけないという状況に陥ることもしばしばである.このようなユーザの迷いの状態をコンピュータが自動検出し,適切な作業支援を行えばユーザの作業効率が著しく向上すると期待される.しかし,従来の作業履歴の解析を中心とした作業支援システムでは,ユーザが「迷い」の状態に入ったときに履歴自体の取得が困難になるため,その原因を推定することは難しい.ユーザの迷いを推測するためには,時間の空白なくユーザの作業を測定する必要がある.そこで,本論文では視線追跡装置を用いて,ユーザの視線の動きをリアルタイムに測定し,その測定結果よりユーザの迷いを推測する手法を提案する.画面上を移動するユーザの視線には迷っているときに特徴的に現れる視線の一連の規則的な動き,「視線パターン」が含まれている.このような「視線パターン」を発見するためのN-Gram解析を用いた解析手法と,パターンの発生時のユーザの思考を測定してパターンの意味を検証する手法を提案する.本手法を翻訳課題に適用した結果,ユーザが「迷いの状況」に陥ったことを示す規則的な視線パターンを発見した.さらに,このパターンが生じたときのユーザの思考を測定して,これらのパターンが確かにユーザが迷っているときに生じていることを明らかにした.最後に,これらの結果を利用した「迷い」の状況に応じた効果的な作業支援システムの実現性を検討する.With the rapid digitalization of data and the development of efficientsearch engines, it has become easier to track down desired informationwithin a vast volume of data. However, the quantity of online dataoften causes a search engine to return a huge number of hits. As aresult, even advanced users often cannot find the information theywant. It would be possible to offer a better task-processingenvironment if computers could automatically recognize uncertainty onthe part of the user and offer appropriate assistance.However, it is very difficult for existing task assistance systems,which facilitate operation by analyzing a user's operational history,to detect when a user is experiencing uncertainty, since nooperational history exists for such periods. To detect uncertainty, asystem would need to measure a user's behavior continuously withoutany gaps.In this paper, we propose a method of realizing such detection. Themethod is based on measurement of a user's eye movements in real timeby means of an eye-tracking system. While a user's eyes are followingmovements on the screen, a frequent and recurrent ``eye movementpattern" occurs when a user experiences uncertainty. We propose ananalysis method, based on N-Gram analysis, for detecting suchpatterns. We then propose an evaluation method for determining themeaning of the pattern by questioning the user about his or herthought processes during the period when this pattern appeared.We applied this method to a translation task, and detected a recurrenteye movement pattern that occurred when a user experienceduncertainty. Questioning of the user at this time confirmed thereality of the pattern. On the basis of our results, we investigateways of creating an effective task assistance system for various typesof uncertainty.