著者
嘉義 智紀 高橋 修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.209-216, 2008-02-27
被引用文献数
1

近年,無線アドホックネットワークの研究が盛んに行われている.アドホックネットワークの問題点としてパケット到達率が悪く信頼性が低いことがあげられる.通常,信頼性を向上させるためにARQやFECという手法が用いられる.しかし,無線環境においてARQは受信確認であるACKが到達せず何度も再送してしまい遅延が大きくなってしまうという問題点があり,FECは符号化されて得た冗長なパケット送信しなければならず送信元ノードの送信回数が増えてしまう問題点がある.そこで本論文ではマルチパスルーティングによって複数経路を構築し,送信元ノードはパケットを符号化せずにそれぞれの経路に送信し,中継ノードが符号化を行うNetwork Codingを用いることでアドホックネットワークのような信頼性の低い環境下において効率的な信頼性向上手法を提案する.さらに本提案手法をシミュレータ上で実装し,評価を行った結果,既存の転送方式に比べパケット転送率が向上し,送信元で符号化を行った場合と比べ,パケットオーバーヘッドが減少することを示すRecently, the wireless mobile ad hoc network been studied. However, the ad hoc network is low reliability by low ratio of packet delivery. Usually, ARQ and FEC are two methods used to recover the lost packets for low reliability networks. However, ARQ may not be applicable in low reliability and high mobility network such as the ad hoc network because of increase delay caused by retransmissions of sender by unreachable ACK. The source node must send redundant encode packet by using FEC, and the source node increase frequency of transmission. In this paper, We propose an efficient reliability improvement method use multipath routing constructs multiple routes and apply network coding in low reliability network. In our proposal, the source node encodes no pakcets, and sends only data packets to each route. In addition, our proposal is mounted and evaluated on simulator. Results of simulation experiments show that the proposed method achieves higher ratio of delivery than DSR. In addition to, our proposed method achieves lower packet overhead than existing method that encoded by the source node.
著者
高橋 修平 川村 彰
出版者
北見工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

積雪地域の冬期間交通路で大きな問題である路面凍結を検知するシステムを試作開発した。検知装置は入射角45°のLED光源,天頂センサー,反射角45°センサーからなり,拡散反射および鏡面反射を求めた。スリップ事故の原因となる光沢路面は鏡面反射率から判別でき,ブラックアイスバーンは鏡面反射と拡散反射の比から抽出できた,道路上の観測は,北見市内、陸別町,国道39号山間部(石北峠)等で行い,良好な結果を得た
著者
亀田 貴雄 川村 彰 高橋 修平 本山 秀明 古川 晶雄
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

南極氷床の沿岸域から内陸 1000kmに位置するドームふじ基地までの雪面の起伏状況を雪上車および橇に搭載した3次元加速度計を用いて定量化し,その分布の特徴を明らかにした。ドームふじ基地では雪尺を用いた積雪堆積量観測を継続し, 2008年以,年間積雪堆積量は 1995~2006年と比べると変動が大きくなったことを見いだした。また, 2003年 11月 14日未明にドームふじ基地で起こった皆既日食中の気象観測データの解析を進め,急変する日射量の変動による気温と雪温の変化の状況を明らかにした。
著者
福田 正己 高橋 修平 曽根 敏雄 石崎 武志 成田 英器 高橋 伸幸
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1989

1.地下氷の存在が確認されている置戸町鹿の子ダムサイト斜面で、凍土の水平的な分布を確認するために、電気比抵抗探査を実施した。その結果、表層部で高い比抵抗値を示しており、同時に行った1m深さの地中温度の水平分布で示された低温地域と一致した。 2.かつて地下氷の存在が確認されていた地点に10m深さの検層孔を設け、3年間にわたって50cm毎の垂直地中温度分布の経時変化をモニタ-した。その結果、1988ー1989年までは表層から1m〜5mまでは、年間を通じて凍結状態にあり永久凍土の存在が確認できた。しかし、1989年の冬季が暖冬であり、引き続く1990年夏が暑かったため、1990年夏季に一旦凍土層が消滅した。 その後、冬季の寒気によって再び凍土層が再生しつつある。 3.低山地に形成分布している置戸町の永久凍土と比較するため、大雪山の永久凍土の分布と構造を明らかにするための現地調査を実施した。まず電気抵抗探査により、大雪山平ガ岳村付近のパルサ分布地域で、永久凍土の水平及び垂直探査を行った。同一地点で、凍土のボ-リング探査を行い、凍土の垂直分布が電気探査結果と一致するのを確認した。さらに、得られた凍土コア-サンプルを用いて、花粉分析とAMS^<14>C年代測定を行い、古環境の復元を行った。 4.花粉分析の結果、3mー5m深さでは、コナラ層とハンノキ層の花粉の出現頻度が高く、かつての温暖期に対応するものと推定される。1mー3mでは貧〜無花粉層となり、寒冷期に対応する。1m以浅では、エゾマツとアカエゾマツが多くなり、次第に温暖化してきたことを示唆してる。80cm深さから得られた腐食物の^<14>C年代は7060±200BPYとなった。これは後氷期の温暖期に一致しており、花粉結果に対応付けることができた。
著者
高橋 竜男 高橋 修 水野 忠則
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.1417-1431, 2004-05-15

本論文では,モバイルコンピューティングの現状の課題として,携帯性と機能性を両立するクライアント端末が存在しないことをあげ,この解決策として,移動機を利用することを前提として設計した,新しいシンクライアント/サーバシステムを提案する.最初に,移動機を端末にするという観点,W-CDMA 網を介するという観点,モバイルコンピューティングにおける利便性という観点から,モバイルコンピューティングにおけるシンクライアントシステムに関する要件を抽出する.次に,既存のシンクライアントシステムに関して,これらの要件に対する充足度の評価を行い,その結果,要件をすべて満足しているものは存在しないことを示す.さらに,この問題を解決するために,既存方式を基礎に,GUI 仕様変換ゲートウェイの導入,移動機上での擬似GUI の提供等のカスタマイズを行った,モバイル向けシンクライアントシステム方式を提案する.最後に,作成したプロトタイプの実装およびその評価結果について述べ,提案方式の有効性を実証する.
著者
宮西 洋太郎 高橋 修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.58, pp.87-91, 2005-06-03
参考文献数
9

地震などの大規模災害発生時には,通常の固定電話などにおいて非被災地から被災地へのトラフィックが急増し,交換機の輻輳状態を最悪状態から保護するため,通信規制が行われる.またさらに大規模災害の場合には,電話局の崩壊や停電のために,通常の通信手段がすべて遮断される可能性も予想される.そのような場合にも,衛星回線やアマチュア無線をはじめ各種無線通信手段が残存していることが想定される.身近なところでは,各個人が所持している携帯電話それ自体単体としては正常であることが想定される.本稿では,そのような状況において,携帯電話を用いて,特に高速道路や一般国道上を走行または停止している自動車に乗車する人の所持する携帯電話を用いて,非常時の通信手段を確保することの実現可能性や解決すべき問題点などについて検討する.When a huge disaster such as a huge earthquake happens, normal communication methods can not be available because of communication traffic congestions or facility corruptions. And it will happen that there are no communications between the stricken area and other areas. However the highway could be assumed as communication channels if we could utilize the mobile nodes in cars running on highways. We propose such an idea and consider the problems that should be solved.
著者
松川 正樹 高橋 修 林 慶一 伊藤 慎 Konovalov V. P. Valentine
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.48, pp.29-42, 1997-06-30
被引用文献数
1

西南日本のジュラ紀から前期白亜紀付加体の重複配列分布は, 付加体の放散虫化石と付加体の堆積物に不整合で覆う非海成ないし浅海成の堆積物に含まれる軟体動物化石の化石層序と時代論に基づき, オーテリビアン期に形成されたと解釈される。一方, 日本を含む東アジアの浅海成堆積物から後期ジュラ紀〜前期白亜紀のアンモナイトが産出し, それらが低緯度地域と高緯度地域の種を含む。これは, この地域が二つの異なる海流の影響を受けたことを示し, 現在の下部白亜系の分布位置と堆積当時の分布位置がほぼ同じであったと解釈できる。特に, 前期白亜紀の手取地域は高緯度地域からの海流の影響を受けたことが示唆される。これらの解釈は, この時期のテクトニクスの考察による日本列島の位置の解釈と化石による解釈の両者がともに整合性のあることを示す。
著者
小林 偉昭 高橋 修 新田 哲二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.779-780, 1988-09-12

INTAP(財団法人情報処理相互運用技術協会)の試験検証センターは,通産省の指導のもとに1987年9月に設立され,多くの会社の協力を得て次のような活動を行なっている。(1)情報処理システムのOSI(Open Systems Interconnection)規約準拠性を確認する。(2)情報処理システムの相互接続性を促進する。ここでは,その活動の一つであるコンフォーマンス試験方法の検討状況及びODA/ODIFに対する考察を紹介する。
著者
若濱 五郎 成瀬 廉二 庄子 仁 藤井 理行 中澤 高清 高橋 修平 前 晋爾
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

本研究は、南極クィ-ンモ-ドランド氷床、グリ-ンランド氷床、北極氷冠、およびアジア内陸地域の氷河等にて堀削し採取された氷コアの解析を行い、諸特性を相互に比較検討することを目的として進められた。特に、最終氷期以降の大気環境変動の過程ならびに氷床・氷河の変動におよぼす氷の動力学的特性を明らかにすることに重点をおいた。研究成果の概要を、以下の1〜4の大項目に分けて述べる。1,氷の物理的性質の解析:氷床氷中の氷板、気泡、クラスレ-ト水和物の生成過程、ならびに多結晶氷の変形機構や再結晶について新しい知見が得られるとともに、氷コアの構造解析の新手法が開発された。2,氷の含有化学物質の分析:氷床氷中の酸素同位体、トリチウム、二酸化炭素、メタン、固体微粒子、主要化学成分、火山灰等の分析結果から、最終氷期以降あるいは近年500年間の大気環境変動過程について多くの情報が集積された。特に、両極地の比較検討も行われた。3,雪の堆積環境に関する解析と数値実験:南極地域にて観測された気象・雪氷デ-タ等の解析、および数値シミュレ-ションを行うことにより、中・低緯度から極地氷床への物質・水蒸気の輸送過程ならびに雪の堆積・削はく現象と分布について研究された。4,氷河・氷床の流動と変動機構に関する解析と数値実験:南極東クィ-ンモ-ドランド氷床の平衡性、白瀬氷河の変動、山脈周辺の氷床の動力学的特性、深層氷の年令推定法などについて考察された。1990年9月、札幌において本総合研究の全体研究集会を開催し、各研究結果の総合的討論を行った。この成果は、総合報告書(B5版、312ペ-ジ)として1991年3月に出版された。同報告書では、将来の氷床コア研究の展望と諸課題も論じられている。
著者
安達 治秀 高橋 修造 廣田 俊久
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
no.26, pp.283-284, 1990-07-25

We have developed the Super Mini FPU Transmitter Equiptment which is small size, light weight and easy operation.
著者
小川 真司 赤星 和人 高橋 修 永田 雅章 千野 直一
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.320-324, 2005-05-18

正中神経感覚神経伝導検査の手掌部刺激は, 刺激部位, 記録部位が統一されていない. 手掌の刺激部位を定め, 逆行性感覚神経伝導検査を施行した. 記録電極は中指掌側近位指節関節付近に設置した. 刺激電極は手掌部, 手関節部, 肘関節部に設置した. 立ち上がり潜時の平均は, 手掌部で1.14msec, 手関節部で2.39msec, 肘関節部で5.98msecであった. 頂点潜時の平均は, 手掌部で1.66msec, 手関節部で3.00msec, 肘関節部で6. 82msecであった. 振幅の平均は, 手掌部で
著者
携帯電話アプリケーション 作成プロジェクト 新美 礼彦 高木 剛 小西 修 宮本 衛市 高橋 修
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第20回全国大会(2006)
巻号頁・発行日
pp.111, 2006 (Released:2006-12-07)

GPS携帯電話を用いたマルチベンダ対応アプリケーションを開発した。GPS機能を用いて、グループメンバの現在位置を地図上に表示し、チャットによりコミュニケーションがとれるシステムを実装した。また、グループメンバで共有できるオンラインスケジューラを実装した。今後、両機能を実装したアプリケーションを開発する予定である。
著者
石川 憲洋 木下 真吾 高橋 修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.245-253, 2000-02-15
被引用文献数
1

インターネット上の新しいサービスとして,プッシュ型情報配信サービスが注目を集めている.しかしながら,これらのサービスの大部分はクライアントが定期的に情報配信サーバにアクセスする「疑似プッシュ型」であり,情報のリアルタイム配信,クライアントの増加に対するスケーラビリティの確保などの課題は解決されていない.一方,プッシュ型情報配信サービスを実現するための基盤技術としてIPマルチキャストが注目を集めているが,現在実験段階にあり,実用化には至っていない.本論文では,IPユニキャスト通信のみをサポートしている現在のインターネット上でプッシュ型情報配信サービスを提供するための新しいアーキテクチャとプロトコルを提案する.我々のアーキテクチャは,情報のリアルタイム配信,クライアントの増加に対するスケーラビリティの確保などのプッシュ型情報配信に対する要求条件を満足することができる.我々のアーキテクチャは,情報配信サーバ,中継サーバ,クライアントから構成される.クライアントの増加に対するスケーラビリティを確保するために,複数台の中継サーバが木構造で接続される構成とした.我々のアーキテクチャを実現するために配信チャネル管理プロトコル(DCMP)と呼ぶ新しいプロトコルを開発した.本アーキテクチャに基づく実装と,そのコンテンツ配信システム(RealPush Network)への適用についても述べる.Push information delivery services have been emerging as a new serviceover the Internet.However, most of those services are pseudo-pushinformation delivery services where clients periodically accessinformation delivery servers.Those pseudo-push information deliveryservices do not resolve issues such as scalability on the increase ofclients and real-time delivery of information.While it is expected thatIP multicast is a core technology for push information delivery servicesover the Internet, IP multicast is now at the experimental stage, andhas not been fully deployed over the Internet at this time.In this paper,we propose a new architecture and protocol for push informationdelivery services over the existing Internet that does not support IP multicast.Our architecture satisfies the requirements on pushinformation delivery, such as scalability on the increase of clients andreal-time delivery of information.Our architecture consists ofinformation delivery servers, relay servers and clients.To retain thescalability of our architecture, multiple relay servers form arelationship that has a tree structure.To realize our architecture, wehave defined a new protocol called Delivery Channel Management Protocol(DCMP). We have implemented a prototype system based on our architecture.In addition, we have develped a contents delivery systemcalled RealPush network, as an application of our architecture.