著者
大井 将徳 中村 嘉隆 稲村 浩 高橋 修
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.581-590, 2019-02-15

平成29年における自転車乗車中の死傷者のうち64.7%が法令違反運転中に交通事故に遭っているなど,近年,自転車が関与する事故が問題となっている.自転車の違反運転に関する法律や条例は整備されてきているが,いまだ違反運転の認知度は低い.そのため,自動的に自転車違反運転を検知して運転者に違反運転内容などを通知することによって,違反運転を減少させるようなシステムが必要となる.本論文は複数センサを用いた非接触センシングによる自転車運転者の状態検出に基づく自転車違反運転検知システムを提案する.提案システムはモーションセンサと照度センサを用い,モーション比較,深度情報取得,トラッキング時間測定,自転車走行位置計測,照度測定を用いて自転車違反運転内容を判断し,その内容を運転者および周囲へと通知する機能を備える.屋外において提案システムの対象判別および違反運転判断についての評価実験を行い,実用に耐える精度を確認した.
著者
高橋 修
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.99-124, 2017-09-15

表題の崇源院は江戸幕府二代将軍徳川秀忠の正室であった江(1573~1626)のことで、崇源院とは彼女の死後の贈名である。彼女は寛永3年(1626)に江戸城内で死去し、その遺骸は火葬に付され、増上寺に埋葬された。昭和33~35年(1958~60)に増上寺内で実施された発掘調査により、崇源院の墓石が地下から発掘された。この調査以後、彼女の墓石は行方不明となっていたが、最近の調査により山梨県甲州市にある古刹 恵林寺境内にあることが判明した。墓石の周囲には文字が刻まれており、従来はその解読が不十分であった。そこで今回の再発見を契機として、墓石碑文の解読とその現代語訳を試み、また、何故、彼女の墓石が地下に埋められたのか、その歴史的背景を明らかにすることを本稿の目的として設定した。Suugenin(崇源院1573~1626) was the shougun Tokugawa Hidetada's (徳川秀忠) wife. In 1626 she died at Edo Castle. She was cremated and buried in Zojoji(増上寺).The tomb of Suugenin was excavated by an excavation survey at Zojoji in 1958~1960. Later, her grave became missing. It turned out that it was in Erinji(恵林寺).Her tomb is engraved with letters, but they were not legible in traditional research. Therefore, this paper aims to clarify the following two points: first of all, I will decipher the inscription and make a modern translation, secondly, I will discuss why the tomb was buried underground.
著者
小島 康弘 中村 静香 阿部 公哉 高橋 修 塚田 英一 黒川 隆久
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.170-176, 2005-02-01
参考文献数
6
被引用文献数
4 2

This paper presents a newly developed EDC (Economic Dispatching Control) function for Tohoku EPCO's new EMS system. In this new EDC, we can minimize total fuel cost under system security constraints such as "AFC margin considering band width and ramp rate in future band changing schedule" and "power flow constraint considering future maintenance schedule". We formulate EDC problem as "continuous variable (generator output) optimization" under "combinatorial optimization of band schedule". To optimize this problem, Problem Space Search method and interior point QP method are adopted. Test results and the actual operation show that, this new EDC can follow against steep increase and decrease of electric demand cooperating with AFC. This EDC has been operating successfully in Tohoku EPCO since June 2003.

1 0 0 0 常陸平氏

著者
高橋修編著
出版者
戎光祥出版
巻号頁・発行日
2015
著者
藤田 秀二 上田 豊 東 久美子 榎本 浩之 亀田 貴雄 高橋 修平 古川 晶雄 松岡 健一
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.415-425, 2002-07-15 (Released:2009-08-07)

近年のデータ通信環境の進歩に伴い,南極雪氷観測データの取り扱いに関しても,その保存・公開方法の見直しが急務となっている.南極研究プロジェクトの努力の結晶であるデータが,将来にわたり価値を保ちつつ研究に活用され,散逸の危険なく安全な保存がなされ,且つ,アクセス権・版権・公開方針が一定のルールのもとで取り扱われる必要がある.こうしたマネジメントの善し悪しが,研究コミュニティーの将来の知的生産性に決定的に影響するため,問題提起と要点の整理を目的として本稿を提出する.各国の事例を参考に,マネジメントに求められる諸機能を分析した.重要な点は,長期に安全に維持運営される必要があること,国家事業として実施されてきた南極観測を対象としたマネジメントであること,それに,研究コミュニティーがこれを実質的に構築し且つ利用者となることである.このため,(1)南極研究機構のなかでデータマネジメント機構を作る体制が望ましい.(2)情報管理の専門性と手間を考慮した場合,専門情報技術者を配置した維持管理が不可欠である.さらに,(3)仕組みが機能するには,研究コミュニティーからのサポートが不可欠である.
著者
高橋 修
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.12, pp.836-852, 2000-12-15
被引用文献数
3

関東山地秩父帯南帯および四万十帯北帯に分布する中生代付加コンプレックスを, 前期ジュラ紀から後期白亜紀にかけて形成された15のユニットに区分した.それらの復元された海洋プレート層序から, 関東山地では, ジュラ紀全般(第I期)および後期白亜紀(第III期)の付加体が連続的に形成された時期と, 最後期ジュラ紀〜前期白亜紀の, 付加体形成の減衰の時期(第II期)が認められた.後者(第II期)は, 秩父帯付加コンプレックスと四万十帯付加コンプレックスの境界に一致している.また, 復元された海洋プレート層序は, 秩父帯および四万十帯付加体を形成した二つの異なったプレート(イザナギプレートおよびクラプレート)の沈み込みを示唆する.上述した付加の減衰は両プレートの沈み込みの変換期に起こった可能性がある.このように, 付加体の研究は, 中生代のアジア東縁のプレート運動史を考える上で, 重要な示唆を与えてくれる.
著者
城ヶ? 寛 森 信一郎 渡辺 悠太 中村 嘉隆 高橋 修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CDS, コンシューマ・デバイス&システム
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-7, 2015-05-14

スマートデバイスの普及により,信頼のおける少人数のメンバーが一時的なグループ形成し情報共有する場面が増えてきている.こうした場面で一時的なグループの素早い形成が必要とされている.本稿では,グループのメンバー間の信頼関係を人の認知能力とスマートデバイスと協働して確認する.提案システムにより,直感的なインターフェースを利用してグループを形成するための認証手続き負荷を軽減し迅速な情報共有のニーズに対応することが可能であることを確認したので報告する.
著者
西村 浩一 高橋 修平 本山 秀明 小杉 健二 根本 征樹
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

風力発電と太陽光パネルを用いた吹雪計測システムの開発を試みた。低温風洞で出力特性等の検証後、国内は新潟県と北海道、国外ではフランスアルプスで性能試験を行った。2013年には南極の昭和基地近傍の氷床上で、約2カ月にわたる吹雪の自動観測に成功したほか、フランスと共同でアデリーランドの観測タワーで吹雪フラックスの鉛直分布を求めた。また英国と共同で砕氷船により南極海の棚氷を周回し、海塩エアロゾルの供給源としての吹雪の寄与の測定を行った。一方、メソスケール気象モデルWRFで南極氷床上における気象要素の時系列変化を求め、これに基づいて算出された吹雪量を2000年の南極みずほ基地での観測結果と比較した
著者
高橋大斗 中村嘉隆 高橋修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.16, pp.1-6, 2013-11-07

近年のモバイル端末の高性能化に伴い,モバイル端末が扱うファイルサイズは肥大化している.ファイルサイズの肥大化への対応のため,アドホック通信を用いたモバイル端末間のファイル転送方式は今後さらなる改良が求められる.また,モバイル端末間でのファイル転送の際には,中継役を不要とするアドホック通信が適していると考えられる.本研究ではアドホック通信におけるファイル転送効率化の手段として,マルチホーミングと TCP マルチコネクションに焦点を当て,モバイル端末間における効率的なファイル転送方式を提案・実装した.本提案方式の有効性を示すべく,無線通信環境の変化時におけるスループットの変動などにも注目し,その評価を行った.
著者
高橋 修 加藤 聡彦 林 路子 清水 佳都子 千葉 康子 白濱 秋美 窪蔵 孝道 佐々木 啓吾 長嶋 敦 原 直 栗原 由紀子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.901-906, 2013 (Released:2013-11-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1

【はじめに】がん難民「ゼロ」を目指す横浜市鶴見区の取り組みを報告する. 【現状】鶴見区内には, 区外・県外でがん治療を受ける患者も多いが, 治療終了後や状態悪化時には, 地元での療養を求められることも多い. 緩和ケア病床数は限られており, 緊急対応は困難である. 鶴見区では, 緩和ケアに積極的な診療所も多いが, 患者・家族の療養の場の希望は変化し, 最後まで在宅療養が可能とは限らない. 地域連携の拠点として「つるみ在宅ケアネットワーク」が組織され, 緩和ケアの充実を目標に活動している. 当院は専門施設として積極的に関与し, 診療所に対して緩和ケア提供状況をアンケートで把握, 在宅管理を依頼, 緊急時のバックアップを担保し, 基幹病院に対しては早期からの併診を求め, 円滑な移行を可能としている. 【課題】地域緩和ケア連携には専門施設が外来機能を強化し, 確実なバックアップを提供することが大切だが, 在宅スタッフのスキルアップ, 緩和ケアの啓蒙, 診々連携の構築が課題である.
著者
高橋 修平 佐々木 正史 大橋 鉄也 川村 彰 榎本 浩之 鈴木 聡一郎 高橋 清 亀田 貴雄 菅原 宣義 堀 彰 舘山 一孝 中山 恵介
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

研究課題について次のような成果を得た。(1)知床半島は海氷の流れに対して「せき止め効果」を持ち、北海道で最も長く海氷が接岸する。(2)知床峠の山間部では吹き払いによる無雪区間と5m以上の吹きだまり区間と地形に依存する積雪特性が得られた。(3)知床半島で陸生動物も入った栄養塩循環が確認された。(4)送電線がいしに海塩汚損と着氷による電力障害を観測し、低温実験室内でも再現できた。(5)雪氷環境と人間社会に関する様々な課題が研究された。
著者
高橋 修 真山 茂樹 松岡 篤 竹村 明洋 真山 茂樹 松岡 篤 竹村 明洋
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

一般に,生きている放散虫類は共生藻をもっている.それらは黄緑色ないし黄褐色の微小な球状で,そのサイズは3~10マイクロメータの大きさである.共生体を持っている現生の放散虫類の大部分が共生体から光合成によって固定された炭素の供給をうけ,貧栄養環境下でその共生関係を維持している.この研究では、Euchitonia elegans (Ehrenberg), Dictyocoryne truncatum (Ehrenberg),およびSpongaster tetras Ehrenbergの分子系統および超薄切片観察により,Dinoflagellates、chlorophytes、およびhaptophytesなどの藻類がこれらの放散虫に共生していることを特定した.そのうえ,これまで共生藻をもたないとされていたDictyocoryne profunda Ehrenbergの表面に,数多くのシアノバクテリアが共生していることを明らかにした.本研究の結果,異なった種の放散虫は異なった共生体を持ち,それらは強い特異性もつことを示した.もし,仮に同じ放散虫が異なった藻類を複数,共生体として持つならば,それは選択の柔軟性があることを示すかもしれない.しかしながら,現在の結果はこの仮説を否定する.これらの間の柔軟性の欠如は,放散虫に共生体の認識と選別ための一般的なメカニズムがある事を示すものと考える.
著者
近藤 拓也 高橋 修
出版者
FIT(電子情報通信学会・情報処理学会)運営委員会
雑誌
情報科学技術フォーラム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.261-262, 2008-08-20

近年,PC・携帯等からのWeb閲覧増加に伴い,SNSを利用した交流が盛んに行われている.現状,同様の趣向を持つSNS会員との主な交流はコミュニティを利用した情報交換となるが,会員間で現実世界の行動を共にするに至るには,相手の信頼度や相性を確認するための詳細な情報交換や現実世界での交流が必要となるため,負担の大きい本手続きの効率化が望まれる.本稿では,コミュニティへのアドオン機能として,過去の現実世界での行動に基づいた相手の信頼度および相性を数値化する方式を提案する.近年増加傾向にあるフラットシェア(共同生活)を例に,過去のシェア経験やシェアメイトからの評判による信頼値の付与,住居環境等の趣向の相性を数値化する方式について述べる.