- 著者
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小笠原 昭彦
甲村 和三
宮崎 光弘
牛田 洋一
山内 慎吾
- 出版者
- 日本特殊教育学会
- 雑誌
- 特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.3, pp.45-54, 1989-12-28
- 被引用文献数
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3
筋ジストロフィーおよび気管支喘息患児を対象に,自己意識についての質問紙調査を実施した。質問紙は,自己意識・心理的ストレスに関する42項目と病気・入院生活についての8項目を加えた50項目から成る自己評定形式のものである。比較対照群は,健常な中学生・高校生・大学生である。健常大学生群の結果の因子分析から,「情緒性」「共感性」「対人関係」「自己信頼感」「目標志向性」の5因子が抽出できた。健常群に比べ,筋ジストロフィー群では感情の統制面での困難さ,対人関係での消極さなどが目立った。喘息群では,感情の不安定さ,感情統制の困難,過剰な共感性,投げやりな傾向,病気に対する「罪悪感」といった傾向が強かった。筋ジストロフィー群よりも喘息群で,自己意識の形成の上での問題点があることが示された。