4 0 0 0 OA 真空調理法

著者
脇 雅世
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.190-195, 1989-09-20 (Released:2013-04-26)
被引用文献数
4
著者
安達 町子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.82-86, 1988-06-20

いの豚肉の調理性の検討を目的に、豚肉との比較による官能検査、剪断応力の測定、組織観察を行い、次のような結果を得た。1.官能検査の結果、ロース肉を「トンカツ」に調理した場合、3点識別試験により、いの豚肉と豚肉は0.1%の危険率で区別された。また3点嗜好試験では、歯ごたえを除いて、いの豚肉の方が、味、色、香り、総合評価とも有意に好まれた。もも肉を「ローストポーク」に調理した場合、豚肉はやや硬く水気が少ないが、いの豚肉は、少し匂いがあると評価された。2.ロース部位を加熱後、赤身部分を2cm角で1cm厚さに切り、肉硬度試験機で剪断応力の測定を行ったところ、いの豚肉、豚肉に有意の差は認められなかった。3.組織観察の結果、いの豚肉の方が、脂肉が発達し、脂肪交雑の状態もよい、また豚肉の筋繊維にほぐれや裂け目が多く認められた。
著者
塩田 教子 松岡 麻男
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.209-214, 1986-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
10
被引用文献数
2

“Kakuni of Pork”, one kind of “Shippoku” cookings, is usually made up by boiling pork for several hours. In order to cook it faster, the high pressure cooking was examined.The cooking period, judged by the sensory test, necessary to obtain the same softness of pork as that of the usual cooking was searched. Physical properties, lipid contents and the difference of tissue structure of pork cooked to the same softness was examined. Also the behavior of skin protein during the both cookings was examined by SDS-polyacrylamide gradient gel electrophoresis, because this behavior seemed to relate to the softness of cooking materials.Results obtained were as follows1) Two hundreds grams of pork with skin and one liter of water were put in a pressure cooker, heated for 40 min., left as they were for 10 min., and then after water was changed, again heated for 20 min. and left they were for 10 min. This cooked pork with skin showed the same softness as that cooked for 4 hours by the usual method by the sensory test. Also the values of these cooked porks obtained by the rheological measurements coinsided well.2) Pork cooked with high pressure cooker seemed to be mild in the case of mastication and less lipid content compared with those cooked under the normal condition.3) The pork skin cooked under the high pressure was highly gelatinized, but little difference was observed between two proteins obtained by normal and high pressure cookings on the electrophoretical patterns of soluble collagen and soluble protein.4) It seemed to be clear that the taste of "Kakuni of Pork" was affected by the dissolution of the skin tissue and the alterration in the structure of the connective tissue during the cooking process.
著者
松元 文子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.68-72, 1970-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
18
被引用文献数
4
著者
粟津原 宏子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.114-118, 1982-06-20
被引用文献数
3

卵の熱凝固性に関する基礎的研究として、卵白、卵黄、生卵の各希釈液に食塩(0, 0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5%)砂糖(0, 10, 20, 30%)を添加した場合の凝固力の変化および食塩添加による凝固温度の変化を調べた。1.食塩は卵白、卵黄の凝固力に対して全く異なった影響を与えた。卵白では0.5%でも無添加に比べて凝固力は著しく促進され、1.0%で最高となるが、添加量による差は小さかった。卵黄では1.0%添加まではあまり影響がなく、1.5〜2.0%で著しく凝固が促進された。全卵は食塩添加量の増加に従い凝固力を増したが、その変化は卵白、卵黄における、変化をほぼ反映しているようであった。2.砂糖添加の影響は卵白で最も大きくゼリー強度が著しく減少した。卵黄も砂糖添加によりゼリー強度がかなり減少したが、全卵では減少の程度が小さかった。硬さは卵白、卵黄、全卵共同じように低下し、卵白ではゼリー強度の減少の割に硬さの低下が小さかった。3.凝固温度は卵白、卵黄、全卵共食塩量の増加と共に上昇し、特に卵白に食塩1.5%以上添加した場合には著しく上昇した。
著者
中野 典子 森奥 登志江 小川 安子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.71-78, 1988-06-20

調味料の1つ「みりん」の味覚的効果を調べるために東海地区で販売量第1位の市販みりんと醸造元より直接得た古来製法によるみりん及び調味液が添加された調整みりん3種類のみりんを使用し、蒲焼きの「たれ」を作成し、成分の経日変化の測定と官能検査を行った。1)粗たん白質はしだいに増加したが、「たれ」の種類によって増加量に差が見られた。2)粗脂肪量は5回処理蒲焼き操作により約3倍になった。この脂肪の脂肪酸組成はC_<14>〜C_<18>が多く、「たれ」の"なれ"に従ってC_<20>〜C_<22>が減少し、C_<12>が検出されるようになった。3)全糖量は「たれ」の約15%、アルコール度は「たれ」の1回目の処理で3.0〜5.0%前後に減少し、蒲焼き用「たれ」には1%程度残存している。総酸度、アミノ酸度においては「たれ」の"なれ"と共に上昇した。4)官能検査では、1%の危険率で有意差が見られた。以上の実験結果から、短期間処理したものも長期間処理したものも「うなぎのたれ」のそれぞれの成分変化においては両者間に差はみられなかったが、官能検査においては明らかに長期間で作成した「たれ」が好まれた。
著者
山口 美代子 木咲 弘
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.208-212, 1989-09-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

When glutinous rice (R) colored with the aqueous yellow extract (YE) of the Gardenia fruit (GF) was steamed, the color sometimes changed from yellow to green unexpectedly. The experiment was done to clarify the phenomenon of the greening.The greening occurred when R was steeped in YE at 30-40°C for 24 hours and then steamed, and no greening occurred at 20°C or below for 24 hours or at 30°C for 12 hours. The greening was weaker when the well-washed R was steamed, and stronger when R with addition of rice bran (RB) was steamed.Furthermore, an experiment of greening YE was carried out by using RB or its extract. The result showed that the greening did not occur when RB was heated previously. The greening was inhibited when silver ion was added. The green liquid obtained by this experiment had a maximal absorbance at 440and 590 nm in the visible range. We may conclude on the basis of this experiment that a green color consits of two kinds of color, namely, yellow and blue.The phenomenon of greening seems to indicate that iridoid glycoside (such as geniposide) contained in GF was liberated into iridoid compound (such as genipin) by the function of enzyme contained in R or RB. The phenomenon also revealed that iridoid compound turns into blue color when it was heated with amino acids.
著者
倉賀野 妙子 梅村 素子 奥田 和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.290-295, 1988-12-20
被引用文献数
8

エタノール濃度(1、5、15%)を異にして加熱したじゃがいものテクスチャーを比較するため、600W電熱器で25分加熱したじゃがいもについて官能検査、定速圧縮破断試験を行った。同時に、煮汁の濁度、固形分、可溶性成分を測定し、煮くずれ程度からも比較した。さらに、エタノールの影響の原因について水分含有率とペクチン質の変化から検討した。結果を要約すると以下の通りである。エタノールで加熱したじゃがいもは、水加熱に比較して、破断応力、破断エネルギー値が大きくなる、すなわち、破断の際の抵抗が増しこわれにくくなる傾向を示す。この原因の1つとして、水分含有量の低下や、水溶性ペクチン区分の減少(加熱による水溶化の減少)等が認められた。煮汁では可溶性成分の溶出が少なく、煮くずれによる固形分が少ないこと、濁度が低いことを認めた。これらの傾向は、エタノール1%では少ないが、濃度が高いほど顕著であった。一方、エタノール1%は官能検査でいずれの試料よりもやわらかく、ふっくらしているとの評価が得られ、また初期弾性率が低く、特徴的な傾向が認められた。1%エタノールで加熱終了後のじゃがいも中にはエタノールが0.13%浸透しており、少量のエタノールでもじゃがいもの組織に与える影響が大きいと考える。なお、調理書にある野菜・いも類の煮物に用いられる清酒、みりん濃度をエタノール濃度に換算すると0.5〜2.0%の範囲が多い。エタノールの影響はエタノール自身とエタノールによってもたらされる昇温速度の遅れの2要因から検討する必要があることが示唆された。
著者
宇田 律子 山田 光江
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.236-242, 1983-12-20

家庭用ガスオーブンを用いて種々の大きさのシュー皮焙焼時の設定温度と時間を検討した結果,1.イ(12.5g×16個)は180℃15分か200℃12分,ハ(50g×4個)は200℃18分か220℃14分,ニ(100g×2個)は220℃17分,ホ(200g×1個)は220℃20分+150℃15分で何れも余熱10分を加えて焙焼するとよいことがわかった。2.今回の条件のペ一ストでは,設定温度の上限は220℃,大きさの上限は,この規定のオーブンでの天板上のぺ一スト量400g1個,ただ今回の時間配分では脹れ方がやや不足なので焼く時の工夫次第で良好なシュー(400g大)が出来る可能性は十分にあると思えた。3.庫内温とシュー内温上昇勾配の関係では庫内温が同一ならばぺ一ストが大きくなる程,また天板上のぺ一ストが1個で200g以上の場合には庫内温が低い程,それぞれ勾配は緩やかとなるが,ぺ一ストが100g以下になると庫内温の勾配への影響は必ずしも見られなかった。本研究に当り,種々御助力頂きました本学調理学教室の皆様に衷心より感謝の意を表します。尚,本研究の大要は昭和57年11月27日第58回日本家政学会関西支部研究発表会(於:ノートルダム女子大学)にて口演発表したことを附記します。
著者
塩田 教子 松岡 麻男
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.209-214, 1986-12-20
被引用文献数
3

卓袱料理の豚の角煮は, 常法では長時間かけて水煮してつくられるので, 高圧加熱による早煮法を検討した。先ず感応検査でほぼ同じやわらかさの角煮を得るための高圧加熱時間を求め, その角煮について物性, 脂肪含量および組織の相違を調べた。また一般家庭では豚皮はかたいので除去されるが, 高圧加熱した場合の嗜好や軟化に関係するタンパク質の動向を電気泳動で調べ, 消化率も求めて利用価値を検討した。1) 40分間高圧加熱後, 水を換えて再び20分間加熱した角煮(S3)は, 常法の4時間水煮(S1)とほぼ同じやわらかさの製品が得られた。機器による物性測定でも, ほぼ同じ性質をもつものであることを示した。2) 高圧加熱されたS3は, S1に比べて重量と脂肪含量は僅かに低値を示した。またガス消費量と調理所要時間は, 常法の45%と25%であった。3) S3の皮部の可溶性コラーゲン量は, S1の皮部とほぼ同量であり, また両者の可溶性タンパク質の電気泳動パターンもほぼ同じであった。4) 高圧加熱によると, 豚皮は短時間にゼラチン化し, 製品の口あたりをよくし, 消化率も高く, 利用価値が認められた。5) 組織は, S3の皮部のコラーゲン線維がほぐれて細分化し, さらに一部溶解していた。これが物性を口あたりよいやわらかさに変えた。肉部では結締組織が顆粒化し内筋周膜の間隙にも顆粒が充満し, これがもろさの原因と思われた。