著者
馬場 達也 藤本 浩 角 将高 稲田 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.193, pp.15-21, 2005-07-14

現在、ワームやスパイウェアなどのマルウェアの感染による被害が大きな問題となっている。そこで、PCを企業ネットワークに接続する際に、そのPCがマルウェアに感染していないことをチェックする検疫技術が必要とされている。しかし、クライアントOSとしてWindowsを対象とした技術は存在するが、Mac OSやLinuxなどの非Windows OSが混在した環境への対応は十分であるとはいえない。本稿では、Windows以外のOSが混在した環境でも適切な検疫を行う方式について検討した結果を報告する。
著者
岡田 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.177, pp.13-18, 2003-07-03
被引用文献数
3

大規模な地震等の災害時には、安否確認等で通信需要は急増する。これに対し、重要通信を必要とする機関に対し、特定の端末は、優先して接続する災害時優先電話サービスが提供されている。しかし、近年、急速に一般に普及した携帯電話は、有限な周波数資源を用いるため、絹綾が起こり易いと考えられる。一方、通信時間は短くなるが、通信時間を規制することで、多くの通信を実現することを目的にした通信時間規制制御が提案されている。そこで、本報告では、携帯電話の無線区間に注目し、重要通信端末を、通信時間制御を受け入れられない特別なクラスA端末と受け入れ可能なクラスB端末に分け、クラスB端末に通信時間規制を行なうクラス分け通信時間規制を提案する。シミュレーションによる基本特性評価を行い、通信時間が規制される端末が生じるが、呼横車やハンドオーバー時の強制切断率を大きく低減でき、呼横率については、クラス間にほとんど差がない状態になることを示す。
著者
長手 厚史 星野 兼次 藤井 輝也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.439, pp.19-26, 2008-01-18

次世代移動通信では、ユビキタスなワイヤレスブロードバンド環境の実現へ向けて、セル端スループットの向上が重要な課題として掲げられている。この実現に向けては、3セル繰り返しやFFR (Fractional Frequency Reuse)等の周波数繰り返しが有効な手法として考えられている。周波数繰り返しの特性を考慮すると、複数基地局からの信号を周波数軸上で直交多重して受信するマルチリンク伝送は、セル端スループット向上に効果的である。しかしながら、基地局毎の周波数オフセットの違いを考慮すると、直交性の崩れにより周波数間干渉が発生し、通信品質を劣化させる。本稿では、周波数間干渉のキャンセル法を提案し、その改善特性を理論解析、計算機シミュレーションにより明らかにする。
著者
小熊 博 山形 文啓 福田 啓一 浅野 安良 山崎 吉晴 亀田 卓 中瀬 博之 高木 直 坪内 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.415, pp.41-46, 2006-12-07
被引用文献数
6

我々は、広域モバイルブロードバンド無線通信システムの一つであるFLASH-OFDM(Fast Low-latency Access with Seamless Hand-off)方式を活用し、宮城県仙台市中心街をフィールドとした実証実験を展開している。単セクタ内で静止状態及び自動車による移動状態における受信電力、SNR及びスループットに関して評価し、自動車による移動状態においても、Down-Linkにおいて、最大2.6Mbpsのスループットが得られた。さらに、基地局から約1kmの範囲で1Mbpsのスループットが得られることがわかった。
著者
津野 昭彦 間瀬 憲一 柄沢 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.629, pp.31-37, 2001-02-15

複数のミラーサーバに対し2つの測定ツールtimeit、wgetを使用してそれぞれ数週間QoSデータの測定を行った。その測定結果をQoS統計として用い、いくつかのサーバ選択アルゴリズムを実ネットワーク上で比較した。QoS統計により少数のサーバをあらかじめ選択し、その中からechopingによるリアルタイムのQoS測定に基づいた最適サーバを選択する方法は、より高い実スループットのサーバを選択する可能性が高いことが分かった。更に、QoS統計の種類による選択アルゴリズムの性能を検討する。
著者
藤本 康平 阿多 信吾 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.208, pp.41-48, 2000-07-17
被引用文献数
15

インターネットアプリケーションにおける重要な通信品質特性としてパケット転送遅延が挙げられる。特に、TCPやストリーミングアプリケーションにおいて通信品質を考慮した転送を行なうには、パケット転送遅延時間の予測が必要であり、特に遅延分布のすその部分の特性を明らかにすることが重要となる。本稿では、まず測定ツールを用いてパケット転送遅延を計測し確率分布関数による分布のモデル化を行う。分析では、特に分布のすその部分に着目し、時間帯や計測期間による遅延特性の変化も明らかにする。その結果、ネットワークが混雑している時にはパレート分布、ネットワークが空いている時には対数正規分布が最適なモデルであることを示す。さらに、長時間の計測において発生しうる経路変更による遅延特性への影響について明らかにする。
著者
宮田 翔吾 勝間田 和輝 春日 貴志 萓野 良樹 井上 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.323, pp.7-12, 2006-10-19

電子機器からの電磁放射・干渉問題の対策として,筐体で電磁放射を覆う方法がよくとられる.筐体には放熱用やケーブルを通すための開口部が存在するため,そこから不要電磁波が放射し,目的とするシールド効果(減衰効果)が低下する.本研究ではまど(開口部)のある筐体からの放射特性を明らかにすることを目指し,プリント回路基板(PCB)を電磁波放射(ノイズ)源として,PCBを筐体で覆った場合の近傍磁界と遠方電界の周波数特性,減衰効果,そして遠方電界の指向性特性を測定した.実験結果から,筐体の空洞共振によって,減衰効果が著しく劣化していることが確認できた.指向性特性から,PCBを筐体で覆った場合に筐体まどの反対側にも放射されており,近傍磁界と遠方電界の関連性を明らかにするためには近傍磁界を複数の箇所で測定する必要があることがわかった.
著者
時永 祥三 富永 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.724, pp.67-72, 2003-03-10

本報告では,ネットワーク上を伝搬するリスクの拡散モデル分析およびその制御方法を議論し,特にCNN (Cellular Neural Network)を用いる方法を提案する。この場合,遺伝的ブログラミング(GP:Genetic Programming)の手法を用いて,観測されたデータからシステムのダイナミックスを推定し、この推定式を用いて拡散の条件などを予測する。CNNにおけるシステム方程式をGPにより近似するために,初等演算のほかに区分線形などの関数を準備し,これらと変数を含む木構造によりにGPにおける個体を定義する。GP手法により拡散のモテルが微分力程式の形で記述できるので,これを線形近似した連立1階微分方程式から進行波の拡散(停止)条件を導出する手順が応用できる。更に,適切な微小制御人力を推定し加える方法により,短い時間で均衡レベルに拡散を制御することができる。応用例として,実際のリスク拡散データ近似とその制御への応用事例を示す。
著者
小林 真雄 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.1-6, 2009-09-18

昨今,インターネットにおける商取引が盛んに行われている.特にインターネットオークションは大きな市場の一つである.現在多くのオークションサイトで用いられているユーザ評価システムには,取引の情報を反映しきれない等の問題点がある.そこで,本研究ではインターネットオークションにおけるユーザ間の関係性を考慮したユーザ評価システムの提案を行う.本論文では本システムにおけるユーザの評価手法を述べ,またユーザ間の関係性を実取引データを用いて検証を行った.らその結果,既存の評価システムとのユーザランキングにおける比較で高い相関を示し,また既存の評価指標よりも提案する関係性値はユーザを低く評価する傾向にあることが分かった.
著者
佐藤 勝善 飯草 恭一 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.425, pp.133-138, 2009-01-28

ITSは渋滞や事故の低減など多くの役割を期待されている.ITSにおいて,車両間通信・路車間通信は大きな役割を果たすが,車両間通信は特に安全運転支援への適用が期待されている.その応用例の一つとして交差点見通し外環境における衝突防止が挙げられるが,このような用途のため比較的周波数が低く回折による回り込みが期待できる720MHz帯がITS用に割り当てることとなった.この周波数帯における車両間電波伝搬特性は現在必ずしも十分に明らかではなく,信頼性の高いシステムを開発するためにはその特性を知ることは重要である.本稿では擬似的交差点構造を用いた720MHz帯における車両間電波伝搬特性について測定を行ったのでその報告する.
著者
広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.520, pp.53-56, 2003-12-12

韻律は、文字言語にはない音声言語特有の特徴であり、人間のコミュニケーションにおいては、言語情報はもちろん、意図、態度、感情といったパラ言語情報、非言語情報の伝達に重要な役割を果たしている。しかしながら、この重要性にもかかわらず、特に工学的見地からは、研究の焦点は主として音声の音韻に置かれてきた。音声言語情報処理研究の今後の発展は、韻律の明確な定式化を行った上で、それに立脚して進めることによって初めて可能になると考えられる。このような観点から、韻律に関連した研究を進めているわが国の主要な研究者の緊密な協力により、韻律の基礎から応用までを統合して発展させ、音声言語情報処理の高度化に資することを目的とした文部科学省特定領域研究が2000年10月からスタートした。総括班を含めた8班の計画研究班体制で4年間の研究を進めた結果、韻律のモデル化、韻律の多様性の分析、韻律コーパスの作成、韻律の観点からの音声合成・音声認識の性能向上、韻律を利用した音声対話システムの開発、医療福祉技術の向上等について多くの成果を達成した。本研究は2003年度が最終年度であるが、それによって定着した韻律研究の流れは今後も継続し、真に使いやすい音声言語マン・マシン・コミュニケーションの実現に大きく寄与すると期待される。
著者
織田 瑞夫 木村 香代子 玉田 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.613, pp.43-46, 2003-01-22

本報では,マルチエージェントシミュレーションにより,国際取引市場における二酸化炭素の排出権取引の再現を試みる.各エージェントは排出権の購入,または自国内で二酸化炭素の排出量を削減することにより,自国の二酸化炭素排出の不遵守量をゼロにすることを目指す.また,排出権の購入や排出量の削減には費用がかかるが,各国は排出権を安く買って(または国内で排出量の削減を行って)得た排出権を高く売ることができれば,不遵守量の削減に関する収支を改善することができる.本報では,収支の改善および不遵守量の削減という目的をめざして各国が市場取引や自国内での排出量削減を行った場合の,価格の推移や全体としての削減効率等を相対取引およびオークション取引の場合について観察する.
著者
Loh YinHuei 原 隆浩 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.203, pp.61-66, 1999-07-23

近年, 無線通信技術の急速な発展により, 移動体計算環境が普及しつつある。移動体計算環境では, 無線の通信範囲の制限や移動体の省電力などのために, サイト間の断線が頻繁に発生する。断線した複数のサイトにおいて, 同一データの複製を更新するトランザクションが同時に実行されると, そのデータの一貫性が損なわれてしまう。そこで本稿では, サイトの断線時に, トランザクションの発生確率とホスト間の断線時間により, データベースの更新制御法をトークン手法と楽観手法のいずれかから動的に選択する手法を提案する。トークン手法では, 断線時に, トランザクションの実行権利を唯一のサイトに与えることで複製間の一貫性を保証する。一方, 楽観手法では, 複数の断線したサイトで同時にトランザクションを実行でき, 再接続時に更新操作の衝突を検出すれば, 一部のトランザクションをロールバックする。
著者
河村 晃好 黒武者 健一 佐藤 亮一 芥子 育雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.192, pp.9-16, 2001-07-11

膨大な量のデジタルコンテンツが蓄積されるようになり, ユーザが興味を持っている情報を選択的に探し出すのは困難になってきている.ユーザが欲しい情報を得るためには, 検索についての専門的な知識や技術も必要になってくる.そのため, ユーザの嗜好を学習し, 嗜好に合致した情報だけを推薦するリコメンダシステムが注目されている.本論文では, 簡単なアンケートを元にユーザグループを決めた後, グループ嗜好モデルを利用して検索キーワードを拡張するコンテンツの検索方式と視聴履歴による検索とを融合した嗜好類推型検索方式を提案する.さらに, ユーザにお薦めコンテンツを推薦する検索サーバのプロトタイプについて紹介する.
著者
石川 博 久保田 和己 金政 泰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.201, pp.19-23, 1999-07-21

XMLデータはWeb情報システムやEC/EDI応用で広く使われていくことが予想されるが、そのような応用では大量のXMLデータを通常対象とする。そのためには利用者がサーチ条件を指定できるようにして本当に必要なXMLデータのみを検索できるようにすることと、複数のXMLデータソースを統合利用できるようにすることが必要である。このためにXQLというXMLデータの問い合わせ言語を提案する。XQLは従来のデータベース標準(SQLやOQL)との整合性を考慮して設計されている。本稿ではXMLデータの問い合わせ言語の要件と機能について説明し、XML問い合わせ処理システムxQuesのためのXQLの実装について触れる。
著者
柳 済群 西村 敏博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.506, pp.65-68, 2007-01-19

知能型サービスロボットの自動走行の核心はロボット周りの環境には手を加えず,走行と同時に位置を推定しマップを作成(SLAM)することである.本論文では単眼カメラを使用して,SLAMを実現する情報処理の手法を述べる.また,リアルタイムSLAMのためのシステムのアーキテクチャーを述べる.マップの作成と自己位置の推定は単眼カメラで得られた画像の特徴点を利用する.ロボットは室内で移動しながら一定の間隔で二つの画像を取得する.画像から抽出された特徴点はスケール不変特徴変換(SIFT)と相対位置推定アルゴリズムを利用して3次元座標に再構成される.そして,SLAMをリアルタイムで実行するために,V-SLAM (Vision based SLAM)サーバーを用いる.システムはXscale-CPUを内蔵したロボットと,画像から特徴点を抽出し,マップの作成とロボットの位置を計算するV-SLAMサーバーで構成される.実験結果は±6.2cmの最大の位置誤差の誤差と±5°の最大の方位の誤差を見せた.
著者
小川 健司 稲葉 宏幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.460, pp.209-212, 2009-02-26

近年,パソコンや携帯電話が普及する中,通信手段として電子メールが多く利用されている.その中で,ユーザの意思に関わらず,有害かつ悪質なメールを受信することが多くある.なかには出会い系サイトへの勧誘等の犯罪性が高いメール等もあり,無視できなくなってきた.この対策手段の1つとして,フィルタリングがある.特に,ベイジアンスパムフィルタは統計的手法によりメールのスパム確率,つまり迷惑メールである確率を求め,継続的な学習によりフィルタの性能を向上させることができるため幅広く用いられている.しかし,ベイジアンスパムフィルタでも検知が難しいメールが存在する.このようなメールはメール本文中に含まれる単語の間に☆や★などの記号を挟んだり,記号を羅列している傾向がある.本報告では,まず最初に最近の迷惑メールと正規メール各1000通ずつについてメール本文中の記号と未知語の分布を調査した結果を示す.その結果,両者の間には明確な分布の違いがあることが明らかになった.そこでその違いをベイジアンスパムフィルタにおけるスパム確率の算出の際に利用する新たなフィルタを提案し,その性能を評価する.
著者
田村 慶信 山田 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.161, pp.23-28, 2009-07-24

現在,OSS(オープンソースソフトウェア)は,数多くの企業,自治体,教育機関,政府関係機関などにおいて,様々な分野で使用されている.また最近では,組込み機器に対してもBusyBoxやAndroidに代表される組込みOSSが積極的に採用されつつある.一方で,利用者側や開発者側にとって,サポートや品質上の問題といった多くの不安が残されている.特に,組込み製品に対して組込みOSSを導入する際には,移植可能性の評価,移植作業期間における進捗管理,および最適リリース時刻の決定が重要となる.本論文では,こうしたOSSの信頼性を評価するためにハザードレートモデルを適用するとともに,その最適リリース問題について議論する.さらに,実際のバグトラッキングシステム上から採取されたフォールトデータに基づく信頼性評価例を示すとともに,その適用可能性について考察する.
著者
田村 慶信 竹原 英秀 山田 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.67, pp.13-17, 2009-05-22

オープンソースソフトウェア(open source software,以下OSSと略す)の普及の動きが活発である.特に,組込み機器に対してはBusyBoxやAndroidに代表される組込みOSSが積極的に採用されつつある.しかしながら,そのサポート体制および品質上の問題や,移植可能性の問題から,その導入へ踏み切れない企業が多く存在している.本論文では,オープンソースプロジェクトの下で開発されている組込みOSSの信頼性を評価するために,ベイジアンネットワークおよびソフトウェア信頼度成長モデルに基づく信頼性評価法を提案する.本手法では,OSSを構成するコンポーネント間の因果関係を条件付確率で表現する.これにより,主要コンポーネントと,それに影響を及ぼすコンポーネントとの相互作用を包括することが可能となることから,組込み製品に対するポーティングを利用した開発の際に役立つものと考える.さらに,実際の組込みOSSのフォールト発見数データに対する数値例を示す.
著者
齋藤 謙太 牧田 裕喜 佐々木 整
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.52, pp.31-36, 2009-05-16

e-Learningやモバイルラーニングの普及により,学習者の学習機会が増えている.そのような機会があるにもかかわらず,実際には積極的に学習を行わない学生も多く,何らかの工夫が必要である.そこで本研究では,多くの学生が所持している携帯機器に着目し,それで動作する電子単語帳を開発を行っている.本電子単語帳は画像や音声,3Dオブジェクトなどを利用したカードを使うことができる.現在はこの電子単語帳に対してカード表面の操作に対応させ,裏面を変えることができるよう改良を行っている.本発表では,これまでに開発した電子単語帳を紹介するとともに,カード上でのアプリケーションの実行について報告する.