著者
石桁 正士 明賀 保仁 赤松 辰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.105, pp.37-44, 1993-06-19

我々は、コミュニケーション支援システム「おはようMACさよならMAC」研究室版を開発した。これは、毎日の研究に対しての卒研生の自己管理を支援するものであり、毎日、研究室に来たときと研究室から帰るときに、自己の気分、やる気、体調、の3項目に加えて、来たときに研究目標、帰るときに研究の達成度を入力させ、卒研生に各々の研究意識の確認を、またこれまでの入力データの推移を自分で分析することによって自分の状態の変化の把握を行なわせるものである。これを用いて卒研生の自己管理意識を高めたいと考えている。我々の研究室の新卒研生を対象として、2月中旬から卒研生の研究が本格的に始まる4月上旬まで試用し、データを得た。その試用結果について報告する。
著者
上村 純平 若宮 直紀 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.691, pp.31-36, 2004-02-26
被引用文献数
1

センサネットワークにより長期間の観測を行うためには,電力効率のよい情報収集機構が必要不可欠である.センサ端末は主として情報の検出,送信,受信で電力を消費する.特に情報送信の消費電力は通信距離の2乗に比例するため,近接するセンサ端末でクラスタを構成し,クラスタヘッドと呼ばれる代表がクラスタに属するセンサの情報を集約して基地局に情報を送信する,クラスタベースの情報収集機構が有効である.LEACHでは,クラスタメンバからの情報受信および基地局への情報送信による電力消費の大きさを考慮して,クラスタヘッドを交代制にすることにより,センサネットワークの長寿命化を図っている.しかしながら,センサ端末間の残余電力の差異を考慮していない,クラスタ形成に際して領域全体へのブロードキャストが必要であるなど,端末種別や導入時期によって残余電力の異なる多数のセンサ端末からなるセンサネットワークでは効率的な情報収集が行えない.そこで,本稿では,局所的な情報交換にもとづいてセンサ端末が自律分散的に適切なクラスタを構成するクラスタリング手法を提案する.シミュレーションによる評価を通して,クラスタベースの情報収集機構のひとつであるLEACHと比較して,残余電力が均一な場合とばらつきがある場合の両方において,提案手法がより長期間に渡り,多数のセンサから情報収集を行えることを示している.
著者
草間 裕介 橋本 修 牧田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.190, pp.67-74, 1999-07-16
被引用文献数
1

本研究では, 現状の溝寸法に対して深さが約半分のチョーク溝について, FD-TD法を用いて検討した. 検討においては, まずTEMモードに対して, 損失材をチョーク溝と併用した場合も含めて, その配置位置や材質に対する検討を行った. そしてこの最適構造をもとに周期構造を設けた3次元モデルを作成し, 実際の漏洩電波により近い高次モードを含んだ漏洩波に対するシールド効果の計算を行った. この結果, 溝の深さを従来の半分にした構造においても, 30dB以上のシールド効果が得られることや, 損失材を併用して周期配置した場合では, さらに良好なシールド効果が得られることを確認した. また, 一例として試作したチョークのシールド効果は約31dBであり, 解析結果の妥当性も実験的に確認できた.
著者
田中 海一 幾野 敬太 葛西 洋平 福永 和哉 欅田 英之 江馬 一弘 菊池 昭彦 岸野 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.125, pp.29-33, 2007-06-22

通信波長帯でのサブバンド間遷移(Intersubband transition:ISBT)は、LOフォノン放出により超高速で緩和するため、光スイッチング素子としての応用が;期待できる。GaN系ISBTは他のISBT試料と比べて特に高速で緩和することができるが、問題点として、サファイア基板との格子不整合によつて生じた貫通転位によるスイッチング効率の低下があげられる。高密度柱状結晶のGaNナノコラムでは、貫通転位を含まない優れた結晶性を有するため、試料の高品質化が望める。そこで我々はGaNナノコラムに多重量子ディスク(MQD)を挿入した試料において、通信波長帯でのISBTによる吸収を確認した。さらに、ポンプ・プローブ法を用いて、ISBT吸収飽和信号の超高速な緩和過程を観測し、性能指数を見積もった。
著者
林坂 弘一郎 三道 弘明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.454, pp.125-128, 2002-11-08

現在の我が国では,特に家電製品のような製品は,標準で1年間の保証を伴うことが多い.保証を伴う製品の製造業者は,故障によって将来必要となる保証費用のために売上の一部を保証準備金として確保しておかなければならない.適切な保証準備金を設定するためには,必要となる保証費用を正確に見積もることが重要である.一方,通常の保証においては,保証期間中の故障に対して修理を行うが,保証期間中に何度も故障を繰り返す場合には,顧客からの信用を失わないために,サービスとして修理ではなく製品そのものを取替える製造業者が少なくない.しかしながら,このようなサービスを行うことによって,当初見積もっていた保証費用を大幅に超過してしまう恐れがある.したがって,取替えを行うことによって増加する費用を正確に見積もることが必要である.本研究では保証期間中の最初の故障に対しては小修理を行うが,以降の故障に対してはすべて新品に取替えるという保証を取り扱う.このような保証に対して,製造業者に必要となる期待費用を定式化する.更に,(a)最初の故障にのみ小修理を行うが以降は対応しない,(b)すべての故障に対して小修理を行う,という保証政策と期待費用の比較,分析を行う.
著者
近藤 俊一郎 海老沼 拓史 久保 信明 安田 明生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.169, pp.25-30, 2007-07-20

電離層シンチレーションは電離層のF層(≧地上高150km)の局地的な電子密度の不規則性によって起こるとされている.この不規則な領域と送信機および受信機の相対的な運動により,GPS信号の信号強度と位相が急激に変化し,受信機のロックはずれやサイクルスリップを起こすことが知られている.本研究では,既存の研究で提案されているモデルを基にシンチレーションサンプルの生成ソフトウェアを製作し,日本で観測される標準的な強度のシンチレーションに対する位相ロックループ(PLL)の性能をシミュレーションで評価した.シミュレーションの結果,帯域可変型Fast Adaptive Bandwidth (FAB) PLLはシンチレーションの影響下にいても位相誤差を見積もって帯域幅を制御できることが確認できたが,信号強度の低い信号では利用は困難であることも明らかになった.
著者
中島 祐介 池田 誠 浅田 邦博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.295, pp.17-22, 2000-09-14

近年の集積システムのサイズの増大化や、動作周波数の上昇に伴いこれまでのRC回路シミュレーションにおける誤差の増大が懸念されている。これに伴って、近年誘導性の要素であるシンダクタンスを考慮するという研究が行なわれてきているが、インダクタンスは既に確立した計算手法が提案されている抵抗やキャパシタンスと異なり、抽出のための計算コストが膨大となる。本稿では、このインダクタンスの抽出に関して、効率的に計算する方法を提案し、それを用いて簡単な回路シミュレーションを行い、インダクタンスの影響を見積もっている。
著者
内藤 秀幸 阪本 真一 大竹 守 奥村 忠嗣 丸山 武男 西山 伸彦 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.125, pp.19-22, 2007-06-22

半導体薄膜導波路構造を用いるDFBレーザは、量子効果による利得増強効果と併せて従来にない極低電力動作、BCB等の屈折率の温度依存性が負となる材料をクラッド層とすることによる発振波長の温度無依存化が期待できる。これまでの作製法で大面積化・再現性が問題となっていた貼り付け法ではなく、薄膜導波路構造下に予め成長した犠牲層の横方向選択エッチングによるエアブリッジ構造を用いて半導体薄膜BH-DFBレーザを試作した結果、光励起下で10℃〜80℃までの連続発振を実現した。最低しきい値励起光強度は20℃で4.3mW、また、レーザの発振波長の励起パワー依存性より見積もった熱抵抗値は11K/mWであった。
著者
アサラット ルチパン 山本 潮 小野里 好邦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.81, pp.59-66, 2000-05-19

DS-CDMA方式に関して、通信のユーザ数減少時にデータ通信速度を改善するため、拡散符号の符号木の再構成方式[1]が提案されている。ただし、符号木の再構成は基地局とユーザの符号同期を引き起こすことがある。本論文では、再構成による符号同期数を下げるため、再構成延期方策を提案する。
著者
小幡 康 亀田 洋志 系 正義 辻道 信吾 小菅 義夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.654, pp.79-86, 2000-02-25

近年, 多目標追尾のアルゴリズムとして.MHT(Multiple Hypothesis Tracking)が注目されている.MHTは観測データと目標との相関処理に関する仮説を複数維持して追尾処理を行う延期決定型の追尾アルゴリズムであり, 追尾開始機能を持っていることが一つの特長となっている.ただし仮説の扱いについては課題があり, 我々は改良版である航跡型MHTを開発した.この航跡型はMHTでは仮説は航跡を元に構成され, 追尾開始機能の向上が図られている.今回、航跡型MHTによる追尾開始方式の性能評価を、NN(Nearest Neighbor)アルゴリズムで追尾を行いゲート内での観測データの観測頻度により航跡確立の判定を行う追尾開始方式との比較シミュレーションにより行った。本稿ではその性能評価について報告する。
著者
川瀬 徹也 系 正義 小菅 義夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.271, pp.1-6, 2004-08-20

IMM(Interacting Multiple Model)フィルタは,様々な運動モデルを持つカルマンフィルタより構成される追尾フィルタである.複数の異なる運動モデルの残差ベクトルより尤度を算出し,運動モデル毎の尤度比から得られるモデル信頼度により,モデル毎の平滑値の重み付けを行っている.しかし,高サンプリングレート追尾においては,準最適化による平滑値のミキシングにより,モデル毎の尤度に差がつきにくく,追尾精度精度が劣化する問題がある.本報告では,サンプリングレートが高い場合に,モデル毎の尤度に差が生じるまで,一定期間混合処理を延期させる高サンプリングレート追尾に対応したIMMフィルタについて提案する.
著者
小幡 康 亀田 洋志 系 正義 辻道 信吾 小菅 義夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.655, pp.79-86, 2000-02-25

近年, 多目標追尾のアルゴリズムとして, MHT(Multiple Hypothesis Tracking)が注目されている.MHTは観測データと目標との相関処理に関する仮説を複数維持して追尾処理を行う延期決定型の追尾アルゴリズムであり, 追尾開始機能を持っていることが一つの特長となっている.ただし仮説の扱いについては課題があり, 我々は改良版である航跡型MHTを開発した.この航跡型MHTでは仮説は航跡を元に構成され, 追尾開始機能の向上が図られている.今回、航跡型MHTによる追尾開始方式の性能評価を、NN(Nearest Neighbor)アルゴリズムで追尾を行いゲート内での観測データの観測頻度により航跡確立の判定を行う追尾開始方式との比較シミュレーションにより行った.本稿ではその性能評価について報告する。
著者
中山 悟志 萬代 雅希 渡辺 尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.437, pp.37-42, 2004-11-11

電力効率の高いルートを構築するアドホックネットワークルーチングアルゴリズムPERFECT(Power Efficient Routing based on Function of Energy Computing Time)を提案する。 PERFECTはRREQ (Route REQuest)の受信電力の大きさから待機時間を算出し、待機時間の間だけRREQの転送を延期することで電力効率の高いルートを構築する。関連研究との比較評価によって、PERFECTがわずかな制御トラヒックや計算量のコストで電力効率の高いルートを構築することを示す。さらに、PERFECTの待機時間を算出する関数を拡張し段階的にパワー制御を行う実際の状況への対応を検討する。
著者
中脇 望 舟阪 淳一 石田 賢治 天野 橘太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.564, pp.13-18, 2003-01-09

近年のインターネット上で提供されるコンテンツの多様化に伴い,コンテンツが大容量化する傾向にある.利用者がこのようなコンテンツをより速く取得できるようにすることは重要な課題である.この要求を満たすために,1つのファイルを複数のブロックに分割し複数のサーバから並列にダウンロードする方式が提案されている.しかし,既存の方式は(1)コンテンツを要求する際あらかじめ分割数を決定しておく必要がある,(2)クライアントから各サーバヘの利用可能帯域について考慮していない,という問題点がある.そこで本稿では,各サーバに対するスループットを観測することにより,リクエストするブロックのサイズを動的に変更する方式を提案した.提案方式ではファイル分割数も動的に決定される.インターネットを用いて評価した結果,提案方式の方が従来方式よりファイル取得時間を短縮化できることが分かった.
著者
王 亮 川原 圭博 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.103-108, 2009-02-24
被引用文献数
1

YoutubeのようなCGM型動画共有システムは現在のインターネット上でのキラーコンテンツの一つである.しかし,動画共有システムは桁違いに大きなトラフィックを発生させるため,サービスをスケールさせるためにP2P技術の導入が期待されている.しかし,P2P技術を用いると著作権管理機能が大きな課題となる.本研究は利用者発信型P2P動画共有システムの著作権管理を以下の条件で実現することを目的としている.(1)ユーザ認証は本人特定が困難な緩いレベルで行う.(2)一般利用者からのコンテンツのアップロードを認める.著作権違反コンテンツを削除したい場合,悪意があるノードによってキャッシュが不正所持され,コンテンツの流通を停止できない可能性もある.これを防止するために,コンテンツを暗号化し,閲覧時に暗号鍵の取得を義務付ける.しかし,暗号鍵を格納したノードも不正である可能性も考え,不正ノードによる暗号鍵の削除拒否も発生する可能性がある.そこで本論文では,暗号鍵を秘密分散法で分散鍵に分割し,分散鍵を複数のノードに格納することで,コンテンツ削除後の暗号鍵の不正利用を高い確率で防ぐ.解析的にもシミュレーション上でも,10%の不正ノード存在環境に対しても分散鍵の数を100,復号に必要な鍵の閾値を21個とすれば,不正利用率を0.1%以下に抑えることができることを示す.
著者
林 雅也 今井 慈郎 堀 幸雄 林 敏浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.470, pp.175-180, 2009-02-28
被引用文献数
1

計算機アーキテクチャ教育支援を目的とした可視化シミュレータVisuSimはアプレットとしても,スタンダローンアプリとしても動作できるようJavaで記述・実装されている.可視化機能と共に情報通信機能を有し,ユーザ間での非同期型情報共有を可能としている.実際の教育現場では,効率的な情報共有を実現するため,シミュレータのダウンロード用Webサーバを立ち上げ,これにメイルサーバ機能や情報共有機能(の一部)を準備し,複数ユーザを対象とするシミュレーション機能,情報通信機能,情報共有機能などを提供している.本稿では,シミュレータの運用を目的とした情報サーバの環境について事例に基づき報告する.
著者
増田 直紀 河村 洋史 郡 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.248, pp.77-78, 2009-10-15

世の中の複雑ネットワークの多くは、枝に方向をもつ有向グラフである。有向グラフに特化した中心性指標の代表例は、グーグルの検索エンジンの基幹をなすページランクというアルゴリズムである。本発表では、ネットワークが巨大であるなどの理由で各頂点のページランクが正確には求められないという状況のもとで、ページランクを近似する手法を紹介する。近似手法を開発するために、線形代数の行列=木定理を用いる。結果の実データへの応用例についても講演で触れる。
著者
久保田 佳明 鍾 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.392, pp.29-34, 2010-01-18

Webスケール問題解決システムの開発には,ルールベース推論だけでなく,事例ベース推論との統合利用が要求される.そこで,本研究ではルールベース推論と事例ベース推論の協調処理ができる,分散Web推論エンジンのモデルとシステムを開発した.まだ,使用例として,パーソナライズされた旅行プランサービスを旅行ポータルサイトで提供するためのシステムを開発し,その提案手法の有用性を示した.これにより,ツアー情報と個々の旅行情報をそれぞれ提供できるのようになり,ユーザーが旅行プランを立てる負担を軽減できる.
著者
正岡 元 関 顕生 岸場 清悟 近堂 徹 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.161-166, 2009-02-26

近年,LinuxやFreeBSDなどUnix系OSの配布などで,BitTorrentをはじめとしたP2P型のファイル共有ソフトウェアが利用されている.P2P型のファイル共有プロトコルでは,ノードのアドレス変更や切断にある程度対応するための仕組みが含まれている.しかし,多くのノードが移動している場合など,アドレスが頻繁に変更される場合,転送効率が低下し,高速なネットワークであってもその帯域を十分利用できない.一方,ネットワークを移動してもセッションを中断することなく通信を継続できる技術として移動透過通信がある.移動透過通信を利用しP2P型ファイル配布を行うことで,ファイル転送の速度向上を実現することができる.本稿では,移動透過通信を利用した場合のP2P型ファイル配布時間を測定することにより,多くのノードが頻繁に移動する環境におけるファイル配布方式について評価する.
著者
徳永 和也 児島 彰 弘中 哲夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.394, pp.19-24, 2010-01-19

FPGAはユーザが任意の論理回路を生成できるデバイスであり,多くの分野でハードウェア(HW)化による処理の高速化に利用されている.本研究室ではそのようなFPGAを複数有するリコンフィギャラブルコンピュータシステムの開発を行っている.今回,システム利用環境を整備する目的でFPGAに対する管理機能であるRC-OSの開発を行い,RC-OSが提供するサービスをアプリケーションが容易に利用するためにAPIライブラリの開発を行った.本稿では作成したRC-OSの実行環境として作成したプロトタイプHWである"RC-SYS1"上で動作させ,各サービス実行時間を測定した結果を示す.また,実際のアプリケーションとして2次元DCT処理を実行した場合の,アプリケーション実行時の総処理時間に占めるRC-OSによる処理時間の割合を机上計算により導出した結果を示す.