著者
エルナンデス ガライ サンドラ マルチネス ノリエガ ラウル バスケス メディナ ルベン 山口 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.143, pp.43-48, 2009-07-16

本報告では,情報保護のために情報分散法に基づき,誤り訂正符号と組みあわせた,ウェーブレット領域の係数を操作する方式を提案する.通常の信号処理の攻撃に対して耐性を高めるために,透かし情報は近似係数に埋め込まれる.より低いビット誤り率を得るために畳み込み符号を用いた誤り制御を用い,耐障害性を確保するために情報分散法を利用する.この方式は,様々な種類の攻撃をを受けたデータに対して,元信号を用いずに秘密のメッセージを見つけることができる,ブラインド検出を実現している.実験の結果,我々のデータハイディング方式は,聞こえるような音の劣化はなく,64kbpsでのMP3圧縮,ローパスフィルター,サンプリング周波数の変更,雑音の付加などの通常の信号処理の攻撃に対して,よい耐性があることがわかった.
著者
細川 繁 林 友直 竹沢 進 羽地 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.531, pp.37-42, 2003-12-12
被引用文献数
2

鯨生態観測衛星(WEOS : Whale Ecology Observation Satellite)は、重力傾度法による地球指向姿勢制御衛星で、衛星下面に取り付けたアンテナを地球方向に指向させるとともに衛星上面に取り付けたGPSアンテナを常に天頂に指向させる。重力傾度による姿勢制御法を採用した衛星は国内ではWEOSが初めてである。WEOSの姿勢制御機能としては、重力傾度の他にトルカ・コイルによる磁気モーメントを利用したレート・ダンピング制御及び姿勢反転機能を具えている。H2A-4号機ロケットからの分離は、3本のスプリングによって衛星放出がなされる。したがって、3本のスプリング力にアンバランスがあると放出の際衛星にタンブリングが発生する。デタンブリングは、3軸の地磁気センナデータに基づいてトルカ・コイルを励磁することによって行っている。タンブリング減衰後は、遡上からのコマンドによってマストを伸展させ、マスト先端に取り付けたマス(3kgf)と衛星本体で構成される機体に働く重力傾度を利用してアンテナ取り付け面を地球に指向させる。姿勢が逆向きに安定化した場合にはトルカ・コイルの磁化極性を発散方向に作用させて姿勢を反転させる。本論文は、WEOSのロケット分離時の状況とその後の追跡・管制及び姿勢制御結果について述べる。
著者
岡 隆一 西村 拓一 伊原 正典 張 建新 赤坂 貴志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.155, pp.29-35, 2001-06-21
被引用文献数
1

音声やテキストの検索方式を音素記号の系列表現に基づいて構成することを提案する。検索対象のデータである音声波形の各分析フレーム特徴は音素記号に変換される。検索対象のテキストはその読みをひらかなで記述され、さらに音素系列へと展開される。このとき、この各音素表記については平均継続時間長を前もって定めておき、各音素記号について平均時間長のフレーム区間に同一音素記号を配置し音素記号系列とする。クエリーを音声とする場合、このクエリー音声をフレーム単位に音素認識を実行する。音素系列表現の検索対象の音声やテキストと、クエリー音声の音素記号列との間では連続DPによるスポッテイングを行い、データベース中の一致する部分を検索結果とする。
著者
廣田 豊彦 山本 修一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.504, pp.19-24, 2002-12-06

2002年9月11日から13日まで,スロベニアのマリボルで開催されたFifth Joint Conference on Knowledge-Based Software Engineering (JCKBSE2002) の概要について報告する.
著者
秋元 俊祐 桃井 昭好 佐藤 茂雄 中島 康治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.466, pp.67-70, 2003-11-15

我々はストカステイックロジックという論理を用いたニューロチップを試作した.64個のニューロン回路が内蔵されたこのチップでは,一般的な連続時間ニューロダイナミクスを実現でき,速度を大幅に落とすことなく非同期更新を行うことができる.また,活性化関数の形を非単調にすることでネットワークの性能を向上させることが可能である.今回,我々はこのチップを複数個接続した大規模ニューロシステムの構築に関する報告を行う.
著者
小川 健司 稲葉 宏幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.209-212, 2009-02-26

近年,パソコンや携帯電話が普及する中,通信手段として電子メールが多く利用されている.その中で,ユーザの意思に関わらず,有害かつ悪質なメールを受信することが多くある.なかには出会い系サイトへの勧誘等の犯罪性が高いメール等もあり,無視できなくなってきた.この対策手段の1つとして,フィルタリングがある.特に,ベイジアンスパムフィルタは統計的手法によりメールのスパム確率,つまり迷惑メールである確率を求め,継続的な学習によりフィルタの性能を向上させることができるため幅広く用いられている.しかし,ベイジアンスパムフィルタでも検知が難しいメールが存在する.このようなメールはメール本文中に含まれる単語の間に☆や★などの記号を挟んだり,記号を羅列している傾向がある.本報告では,まず最初に最近の迷惑メールと正規メール各1000通ずつについてメール本文中の記号と未知語の分布を調査した結果を示す.その結果,両者の間には明確な分布の違いがあることが明らかになった.そこでその違いをベイジアンスパムフィルタにおけるスパム確率の算出の際に利用する新たなフィルタを提案し,その性能を評価する.
著者
土田 豊 穂刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.715, pp.35-40, 2005-03-07

ディジタル放送やホームシアターの普及に伴い, 一般家庭においても映像、音の高臨場感化が進んでいる。音については、複数のスピーカを用いたマルチチャネル再生となり、ITU-R勧告BS.775-1の3-2方式が推奨されている。しかしながら、一般家庭において部屋の形状や設置スペースの問題から、スピーカを3-2方式で配置することは困難な場合が予想される。3-2方式と異なるスピーカ配置では、音像定位に影響を及ぼすことが考えられる。そこで本報告では、3-2方式と異なるスピーカ配置で、仮想音源を生成することにより、3-2方式と同等な音像定位を得る補正方法を提案した。仮想音源の再現精度について客観評価、主観評価試験を行い、更に音像定位補正効果の検証を行った。その結果、提案した音像定位補正方法は、3-2方式と同等な音像定位知覚を得るのに有効であることを示した。
著者
石崎 雅勝 熊木 武志 幸野 豊 田上 正治 小出 哲士 ユルゲン マタウシュ ハンス 黒田 泰人 行天 隆幸 野田 英行 堂阪 勝己 有本 和民 齊藤 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.425, pp.125-130, 2006-12-07

ハフマン符号化とはデータ圧縮技術の主流となっている方式の一つであり,高速かつ高圧縮であることが求められている.本報告では符号化にCAMによる一致検索結果を利用することで並列に符号化を実現する方法,及び符号化テーブルをリアルタイムにアップデートし,最適化することによって高い圧縮率を得ることができるアーキテクチャを提案する.提案アーキテクチャにおいて,テーブルを交換するタイミングを最適化することで,より高い圧縮率を得ることができると考え,シミュレーションによりJPEG画像におけるアップデートタイミングの最適化を行ったところ,データサイズはスタンダードテーブルを用いたハフマン符号化と比較し,最大22.6%の削減を実現した.
著者
岩下 基 西松 研 下川 信祐
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.545, pp.55-60, 2008-03-06

ネットワークやユーザ端末の高度化に伴い様々なサービスが提供されつつある。それに伴い機器類の接続は複雑になり、ソフトウェアはサービスの高度化・セキュリティ対策等のために頻繁にアップデートされるため、接続出来ないなどのトラブルが増大し、かつ原因特定も難しくなってきている。ユーザからの問合せに対して、オペレータは状況を把握し、適切な次のアクションを迅速に実施しなければならない。本稿では、迅速かつ効率的な対処方法を検討していくため、ユーザからの問い合わせ内容を分析し、分類する手法を提案する。ユーザからの問い合わせ内容は一般に非構造化データ(テキスト)として蓄積されることから、これら膨大な量の非構造化データから効率的にパターンを分類するため、共起関係を適用した手法の有効性を考察する。
著者
戸塚 大介 小暮 悟 小西 達裕 竹内 勇剛 伊東 幸宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.487, pp.25-30, 2009-03-16
参考文献数
5

近年,情報通信機器の発達によって我々の生活は便利になった反面,我々はそれらに応答する責任を暗に負わされている.この問題を解決するために公的メディアを用いたメッセージ配信システムが提案されている.本稿では,比較的小規模な集団内で共有することにメリットがある情報として集団内に属するメンバのスケジュール情報に着目し,スケジュールの遂行支援のためのメッセージを,公的メディアを利用して配信することを考えた.まず,誰にどんなメッセージを配信すれば効果的であるかについて検討しメッセージ生成のためのルールを決めた.そして,決められたルールに従ってメッセージを生成するためのシステムを実装し,集団内での運用実験を行った.実験では,メッセージそのものの有用度の評価,またメッセージを見たユーザに対して,期待したコミュニケーションが発生したかについて評価を行う.最後に考察と今後の展望について述べる.
著者
津川 定之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.233, pp.59-62, 2002-07-18

IEEEのITSカウンシルが主催する2002年度のインテリジェントビークルズシンポジウム(IV2002)が,2002年6月18日から20日までフランス,パリ近郊のベルサイユにあるベルサイユ会議場(Palais des Congres-Versailles)で開催された.6月17日にはベルサイユのINRIAでチュートリアル講演が3件あり,21日にはベルサイユ郊外のサトリーでデモ2002が行われた.シンポジウム参加登録者は約335名,発表論文数100件,キーノート講演2件であった.
著者
柴田 武志 赤木 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.551, pp.117-122, 2008-03-13

本稿では,連続発話音声中に含まれる音響特徴量を静的な特徴,および動的な特徴に分類し,これらがどのような順序で男声・女声知覚に寄与しているか明らかにすることを目的とする,(1)声質変換モデルを用いて連続発話音声から静的特徴および動的特徴を表すパラメータ値を抽出する.(2)各パラメータ値が男声・女声で違いがあるかどうかを確かめるためにMDSによるパラメータ値の分析を行う.(3)MDS分析によって,違いが見られた特徴量を表すパラメータ値が男声・女声知覚にどう影響を与えているかどうかを調べるために,パラメータ値を平均した平均音声と,男声・女声の静的特徴,および,動的特徴を表すパラメータ値とを入れ替えた音声を合成し,男声・女声を判別する聴取実験を行った.その結果,男声・女声知覚には静的特徴である平均基本周波数とスペクトル包絡が大きな影響を与えており,次いで,動的特徴である基本周波数の変化と音韻長が影響を与えており,スペクトルの変化とゲインのダイナミックレンジはあまり影響を与えていないことが明らかになった.
著者
畑崎 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.287, pp.37-41, 2006-10-06

Hewlett-Packardは単体サーバ製品と同様の扱いで大規模クラスタおよびクラスタ用ストレージ製品を販売している。多数のハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントから構成される製品に対して標準サービスを提供するために、ラッキングやケーブリングなど物理構成の画一化、オープンソース活用による開発の効率化、各種ソフトウェア設定や障害診断の自動化など、多くの工夫がなされている。大規模な運用における共有ファイルシステムの性能や信頼性に関する従来からの要求には、Lustreファイルシステムを利用した独自の実装によって対応している。本発表では、これら汎用製品技術の実際について紹介する。
著者
澤田 圭一 姜 錫 坂本 雄児
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.489, pp.7-11, 2008-02-12

近年,インターネット配信や有料放送などの有料映像配信が盛んになってきている.しかし無料配信ほどの利用者を獲得するには至っておらず,違法コピーなどによる著作権侵害の問題も抱えている.そこで利用者獲得と著作権保護を同時に行うことを目的に,概要を認識できる程度に品質を劣化させたスクランブル動画を,サンプル映像として用いる手法が提案されている.しかし従来手法では,サンプルとなるスクランブル動画の画質を制御するために,パラメタを対話的に調節する必要がある.そこで本稿では,スクランブル度合いを目標PSNRという統一的な指標から算出し,スクランブル動画の画質を制御する手法を提案する.さらにそのスクランブル度合いに対して補正を施すことにより,視覚特性を考慮した画質制御を可能とした.
著者
中島 裕 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.55-58, 2009-04-09

近年,無線LANが安価になり,かつ設置が容易であるため広く普及してきた.これを背景に,無線環境での音声やビデオストリーミングなどのリアルタイムアプリケーションの需要が高まっている.IEEE802.11の通信品質(Quality of Service:QoS)を向上させるための方式としてIEEE802.11eが標準化されている.しかし,この方式ではアプリケーションから過剰なトラヒックが生成された場合,十分なQoSが提供できなくなる.これは,IEEE802.11eがMAC層でトラヒックの発生をスケジューリングするが,トラヒックの発生量を制御しないためである.この問題を解決するためMAC層の無線チャネル占有情報を用いてアプリケーションレベルのトラヒック生成制御を自律的に行う方式を提案する.チャネル占有率はNetwork Allocation Vectorを分析することによって推定し,クロスレイヤ制御によってトラヒックの生成を適切に制御することを可能にする.
著者
松尾 正輝 平田 雄也 Syafei Wahyul Amien 黒崎 正行 黒木 祥光 宮崎 明雄 斉 培恒 尾知 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.202, pp.17-22, 2009-09-17

本報告では,4Kデジタルシネマ画像の無線伝送システムを提案する.本システムでは,次世代無線方式として国際標準化に向けて動き出したIEEE802.11TGac(ac task group)を基本とした伝送速度1.2Gbpsの無線伝送システムを用いる.このシステムは5GHz帯を使用し,80MHzの周波数を用いることで33メートルの伝送距離を実現した.また,ビデオデータをJPEG2000符号化を用いて圧縮し,かつ,誤り耐性機能を持たせることにより,無線伝送での誤りの影響を低減しつつ,1.2Gbpsの伝送速度での伝送を可能としている.シミュレーションにより,本システムの有効性を示し,リアルタイムアプリケーションの実例を示す.
著者
堀内 健介 権藤 俊一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.392, pp.39-44, 2009-01-15

NGNのような使用帯域が保証されたネットワーク環境が整備されていることを背景に,高画質の映像配信サービスとしてIPTVが注目されている.IPTVの視聴には信頼性の高いネットワークが必須要素であることからユーザーの宅内の受信機は有線LAN環境に接続されていることが前提である.一方,今後は無線LANが多用されると想定される.そこで本稿では,無線LAN環境(IEEE802.11g)における,標準化プロトコルを用いたIPTV視聴時のストリーム伝送特性と映像品質への影響を評価・考察する.
著者
古川 智章 溝端 竜也 東野 武史 塚本 勝俊 小牧 省三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.380, pp.99-104, 2010-01-14

映像コミュニケーションサービスが発達する今日,その1つとしてモバイルインターネットアクセスを利用したTV電話サービスがある.しかし,無線LANのような無線アクセスでは,無線リソースの逼迫に起因するサービス品質の劣化に対して,品質保証が必要となる.その指標として客観品質評価値があり,TV電話サービスには客観品質評価方法として,ITU-Tで標準化された評価手法G.1070がある.本稿では,背景トラヒックによる無線帯域の逼迫時における,映像トラヒックのパケットロスと客観品質をG.1070を用いて実験的に評価する.また,パケットロスと送信ビデオビットレートのトレードオフ,さらにビデオビットレートとフレームレートの関係に着目して,帯域逼迫時における映像品質を最大化するビデオビットレートとフレームレートの最適値について検討する.
著者
平井 敏之 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.4, pp.11-16, 2010-04-08

インターネットへのアクセス手段として、IEEE 802.11による無線LANが急速に普及してきた。無線LAN環境下で、TCPとUDPが同時に利用されているとき、それぞれの通信品質を確保する制御方式を提案する。UDPによるリアルタイム通信では、所定の帯域幅を必要とする。ところで、TCPの輻輳制御アルゴリズムとしてよく利用されるTCP Renoは、パケットロスが発生するまでウィンドウサイズを増加させる方式を採用している。そのため、UDP通信(リアルタイム通信)に必要な帯域幅を奪い、リアルタイム通信の品質を低下させる恐れがある。この問題を解決するために、無線LANの利用状況を観測しながら、リアルタイム通信の妨害をしないウィンドウサイズの制御方式を提案する。提案方式をコンピュータシミュレーションにより評価し、UDP通信に必要な帯域幅を確保しながらTCP通信が可能となることを示す。
著者
秋田 純一 村上 知倫 戸田 真志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.163, pp.159-164, 2007-07-19

近年のVLSI技術の進歩に伴うコンピュータシステム・ネットワークシステムの進歩により、我々が多くの電子機器を常時身につけて利用する、いわゆる「ウェアラブル・コンピューティング」が現実的となってきた。ウェアラブル・コンピューティングにおいて、身につける機器数が増大するのに伴い、ケーブルのひきまわしと、電源確保という2つの問題が深刻となってきた。著者らはこれまで、我々が普段から着用する衣服に着目し、これを導電性の布によって製作し、それを電力供給と通信に用いることでケーブルのひきまわしと電源確保の問題を根本的に解決するネットワークシステムTextile Netの開発を行ってきた。しかし従来のTextileNetシステムでは通信の信号振幅が大きいため、消費電力の低減と高速化に限界があるという問題があった。本稿では、直流電力供給に小振幅の通信信号を重畳する方式(DC-PLC)に基づくTextileNetの改良形について述べる。このDC-PLC方式の予備的な実験結果と、その結果に基づくトランシーバLSIの設計・評価の結果について述べる。