10 0 0 0 OA 低臭納豆の開発

著者
竹村 浩
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.11, pp.794-799, 2004-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14

納豆の臭気成分として短鎖分岐脂肪酸が関与しているのではないかと考え, 関係酵素の遺伝子学研究の結果から, 臭気の少ない数株の組換え株が得られた。しかし, 現時点では組換え菌株の製晶化は禁止されている。そこで短鎖分岐脂肪酸生産酵素を生産しない株を, NTG変異株の中から分離し, 低臭納豆製造の企業化に成功した例を解説していただいた。

10 0 0 0 OA 乾杯の文化史

著者
神崎 宣武
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.768-773, 2009 (Released:2016-02-12)

日本文化のルネッサンスとして日本文化を,日本らしさ伝統を大事にすることを目的として,学術,芸術,伝統産業,食文化,スポーツ等各界の有識者の賛同を得て「日本酒で乾杯推進会議」の事務局が日本酒造組合中央会におかれている。推進会議の会員3か条として,日本文化を愛すること,日本酒を愛すること,率先して日本酒で乾杯することと述べている。が,日本酒で乾杯することは古来からの伝統的なものでないことが「乾杯の文化史研究会」で明らかにされた。筆者(「日本酒で乾杯推進会議の中核をなす100人委員の一人」)のいう酒礼,盃ごと,を踏まえた「日本酒で乾杯」の作法が21世紀はじめに醸成された日本の飲酒文化として確立されることが期待される。

10 0 0 0 OA コクと日本酒

著者
伏木 亨
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.6, pp.388-391, 2003-06-15 (Released:2011-09-20)
被引用文献数
1 1

日本酒のコクはゴク味ともいわれ, アミノ酸やペプチドなどの成分のほかに甘みと酸味のバランスなどが関与しているとされる。コクは日本酒の代表的な味覚感覚であり, その実体を明らかにすることは清酒の品質設計やおいしい飲み方などに貴重な情報を提供するものと考えられる。筆者は最近研究が活発になってきたコクを科学的に解明するための研究に取り組まれている。そこでコクにかかわる生理的側面や日本酒との関係について詳細に解説していただいた。
著者
渡辺 敏郎
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.282-291, 2012 (Released:2013-10-08)

10 0 0 0 OA 麹と麹菌

著者
和久 豊
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.111-120, 1995-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
97

麹と麹菌の最近の進展について, 清酒から味噌, 醤油さらには焼酎用まで解説していただいた。醸造における麹菌の役割は極めて重要であり, 筆者が述べているように, ニューバイオテクノロジーと従来のいわゆるオールドバイオテクノロジーとがうまく調和した状態で発展することが望ましいと言える。
著者
木村 啓太郎 久保 雄司
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.11, pp.756-762, 2011 (Released:2017-03-21)
参考文献数
25
被引用文献数
2

我が国の大豆発酵食品の中で,納豆は味噌,醤油と並んで広く愛され,食されている食品である。本解説では,納豆菌と枯草菌の由来,納豆種菌の由来と製造の現状について歴史的変遷を含めて解説していただいた。また,著者らが研究されてきた納豆菌と枯草菌の系統解析や最近の納豆菌ゲノム解析の完了にともなって得られた研究成果から,納豆菌と枯草菌の相違点について,ゲノム上の一塩基多型とクウォーラムセンシング遺伝子の多様性等,明らかになってきたことや今後の納豆,納豆菌研究の注目点と展望について解説いただいた。
著者
三浦 理代
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.253-256, 2002-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2

醸造物 (味噌, 醤油など) をはじめ, 食品 (パン, クッキー, 麦茶, コーヒー焼き肉など) の加熱・調理・加工・熟成, 貯蔵中の複雑な反応 (メイラ-ド反応) は芳しいフレーバーの生成と共に着色 (非酵素的褐変) を起こす。メイラード反応の最終生成物はメラノイジン (褐色色素) である。本号では, 食品とくに醸造物にとって身近な成分であるメラノイジンの生理機能について, 筆者らの研究成果を紹介・解説していただいた。
著者
佐藤 洋一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.732-738, 1992-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

最近, 縄文時代遺跡の発掘により日本へのイネの伝来がこれまで定説とされていた年代よりももっと古いことがわかってきた。それにしてもイネはどこからきたのか米に携わるものにとって永年の疑問である。著者は, これまでの一元説に対し, 遺伝学の立場から検証し, 南北二元説という新しい考えを発表している。
著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.11, pp.823-828, 2007-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
29

現在清酒は, 台湾, 韓国, 中国, ベトナム, オーストラリア, カナダ, 米国, ブラジルなど多くの国で造られている。本稿によると, 20世紀初めからの台湾における清酒醸造は, これらの先駆けであり四季醸造技術や理研酒など様々な試みが行われている。先人達の努力と経験に学ぶところ, 日本と台湾の深いつながりについて考えさせられるところが多い技術史である。
著者
岸本 徹
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.104, no.3, pp.157-169, 2009 (Released:2011-03-05)
著者
古林 万木夫 谷内 昇一郎 田辺 創一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.96-101, 2005-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

大豆と小麦は醤油の主原料である。そのうち小麦はアレルギー物質を含む食品として表示が義務づけられている。大豆は義務表示ではなく推奨となっている。筆者らはこれまで全く解明されなかった醤油中の小麦アレルゲンについて測定法を確立し, 製造工程の各段階・原料比の変更等様々な場面を想定して小麦アレルゲンの消失を確認している。その詳細を解説していただいた。大いに参考になるであろう。
著者
藤田 晃子
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.271-279, 2011 (Released:2016-11-15)
参考文献数
29
被引用文献数
1

酒が充分にない頃は酒が飲めるというだけでも喜びであったはずだが,誰と飲むか,どこで飲むかを気にすることが多くなり,酒の種類が増えてくると,売り場のPOPをはじめ何の料理ではどの酒ということが情報として必要とされている。酒と料理の相性に関する研究は,まだ始まったばかりであり幅広い方に興味を持っていただき,様々なアプローチが行われればと思う。
著者
加藤 寛之
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.426-432, 2014 (Released:2018-03-14)
参考文献数
13

ワインのコルク臭や清酒のカビ臭の原因物質であるTCA (トリクロロアニソール) は、極低濃度で異臭として感じられることが知られている。コルク臭やカビ臭はワインや清酒の品質を大きく損ねてしまうが、TCAには「異臭」だけでなく、他の香りを感じなくさせてしまう強力なマスキング効果があるという興味深い結果が筆者らによって明らかにされた。運悪くコルク臭ワインやカビ臭清酒に当たってしまったら、他の香りがマスクされるか試してみてはいかがだろう。
著者
山口 仁美
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.716-723, 2013 (Released:2014-04-25)
著者
金子 ひろみ
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.447-454, 2010 (Released:2016-01-21)
参考文献数
6

この度日本酒造組合中央会は,日本酒が常備されていない家庭にも,飲用以外の用途で日本酒をおいていただくことを目的として,「日本酒を,すべての家庭に」というキャンペーンをスタートさせた。健康や美容に良い日本酒を健康的に飲むためのおつまみなどについて研究をしてこられた管理栄養士,料理研究家そして日本酒スタイリストとしてご活躍中の筆者に,その経験を生かして,飲用以外に日本酒を使う実例やその効果・効能などをわかりやすく解説をしていただいた。このキャンペーンをとおして,日本の全世帯に日本酒が備えられ,料理などに幅広く活用されることを願っている。
著者
金子 ひろみ
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.447-454, 2010 (Released:2011-05-27)
著者
土田 靖久 大江 孝明 岡室 美絵子
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.7, pp.489-495, 2015 (Released:2018-05-10)
参考文献数
25

梅酒は製造工程がシンプルであるため,原料ウメの特性や状態が梅酒品質に及す影響は大きい。しかしながら,この分野での研究例は未だ少なく,十分な知見が蓄積されていないのが実情である。 本稿では,原料ウメの栽培条件とそのウメを使用して製造した梅酒品質との関連性について,これまでの試験研究結果を含め貴重なデータをご紹介いただいている。梅酒製造に関心ある方は,是非ご一読いただきたい。
著者
黒田 利朗
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.136-148, 2012 (Released:2017-10-24)

黒田利朗氏は,1981年にパリに翻訳やビジネス関連調査を行うシンクタンク会社KSMを設立され,この分野では長く活躍されておられますが,2004年から日本食レストラン(現在3軒),2007年から日本食材・調味料,酒類の輸入販売を行うワークショップ・イセを始められました。ワークショップ・イセでは「ホンモノの食材を通じて日本の風味を伝える」をコンセプトに,欧州への日本の生活文化の発信に取り組んでおられます。氏のフランスでの長い経験と交友関係を生かした,ジャーナリスト,ソムリエ,飲食業関係者を対象とした日本酒試飲会の取り組み,また,ビジネス経験に基づくアルコール関連事情の分析等から,今回大変新鮮かつ価値のある報告をいただいております。