著者
前橋 健二
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.106, no.12, pp.818-825, 2011 (Released:2013-10-08)
著者
藤井 建夫
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.174-182, 2011 (Released:2016-11-15)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

わが国の発酵食品には酒類・味噌・醤油・食酢・納豆・漬物・かつお節・くさや・塩辛・ふなずし・チーズ・ヨーグルト・パンなど,さまざまな食品がある。これらの食品は,その土地の産物や気候風土を上手に生かし,さらには長い時間をかけて培われてきた先人達の知恵の結晶である。本解説では,水産物の発酵食品を長年に亘って研究を重ねてこられた筆者に,香の強いくさや・塩辛・ふなずしについて,その歴史・製法・微生物の働きについて解説して頂いた。

4 0 0 0 OA ビール酵母

著者
有村 治彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.11, pp.791-802, 2000-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
62
被引用文献数
2 3

醸造の基本技術シリーズとして、ビール製造における原料及び仕込工程について解説されてきた。また、ビール醸造において「酵母」は欠くことのできない存在であり、たとえ「よい原料」を用いたとしても,「元気な酵母」でなければ,「うまいビール」を製造することはできない。本稿では, ビール酵母において, 最近得られた情報を踏まえ, 基本的な知見を紹介するとともに, 醸造工程における酵母の取り扱い方 (ハンドリング), 酵母活性測定法について解説して頂いた。
著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.12, pp.887-894, 2007-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1
著者
渡辺 敏郎
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.282-291, 2012 (Released:2017-12-12)
参考文献数
25
被引用文献数
1 8

平成22年11月にNHKの「ためしてガッテン」が,酒粕の効能と調理方法について取り上げ放送したところ,消費者から大きな反響があり,酒粕の在庫切れなどを招いたことは記憶に新しい。レジスタントプロテインは番組で取り上げられた食物繊維様の活性を持つ物質である。レジスタントプロテインは米貯蔵タンパク質のプロラミンに由来するタンパク質で,醪中で溶解せず,胃酸でも分解されることなく小腸に達し,種々の生理機能を発揮する。発酵食品である酒粕は栄養学的に優れているのみならず,多くの機能性が報告されているが,ここでは,レジスタントプロテインを中心にその機能性を紹介していただいた。まだまだ遅れている酒粕の有用性研究の発展と酒粕の復権につながれば幸いである。
著者
家村 芳次 片岡 浩平 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.130-135, 1996-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17
被引用文献数
9 9

The laboratory-scale sake mashing was carried out using rice of various polishing ratio; 70%, 80% and 90%.Amino acidity of sake mash was the lowest at polishing ratio 90%, in spite of highprotein content of polished rice.To elucidate its mechanism, the balance of nitrogen in sake mashwas investigated, and results described below were obtained. More than 50% of nitrogen releasedfrom koji and steamed rice was taken in yeast cells in sake mash.The amount of nitrogen releasedfrom both koji and steamed rice was the largest at polishing ratio 90%, whereas, the amount of nitrogen taken in yeast cells was about 1.5 times as large at polishing ratio 90% as that at polishing ratio 70%. Consequently the nitrogen concentration of liquid phase was lowest in sake mash atpolishing ratio 90%. The cell concentration of yeast in sake mash at polishing ratio 90% was 2.5times as high as that at polishing ratio 70%, whereas the amount of nitrogen per dry weight of yeast was about the same regardless of polishing ratio, though the dry weight per 108 yeast cells at polishing ratio 70% was 1.7 times as high as that at polishing ratio 90%. From these results, it was comprehensible that the amount of nitrogen taken in yeast cells in sake mash was the largest at polishing ratio 90%.
著者
溝口 晴彦
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.6, pp.382-388, 2013 (Released:2018-01-12)
参考文献数
35
被引用文献数
1 5

清酒醸造において,伝統技法の一つが生〓つくりであろう。そこには種々な微生物が関わり,そのなかでも乳酸菌が大きな役割を演じている。しかしながら,どのような乳酸菌がどのように関わり,生〓および醪,さらには酒質への影響との相関については,長年の課題であった。筆者らは分子生物学的な手法により,生〓の乳酸菌叢とその特性を解析し,そこから見えてきたこれからの清酒醸造における生〓の意義について解説していただいた。
著者
布村 伸武
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.3, pp.151-160, 2006-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1 4

日本の醸造醤油の最も特徴づける香味成分は, このフラノン類の一種HEMFである。この香味成分は最近, 発がん抑制効果があることが認められた。香味成分「HEMF」研究の第一人者の筆者に詳しく解説いただいた。
著者
渡辺 正澄 藤原 正雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.171-176, 1988-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

酒をおいしく味わうには, 飲酒に最適な温度と酒に合った料理を選ぶことがポイントであるが, 特にワインの場合には両者の関係がよリ厳しく要求される。本稿では, ワインの酸組成と飲酒適温との関係並びに料理との相性についてこれまでの知見を要約して紹介いただいた。ワインがなぜ温度と料理にこだわるのかを科学的に解き明かしてくれた興味ある解説である。
著者
円谷 悦造 太田 美智男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.28-36, 1998-01-15 (Released:2011-09-20)

大腸菌0157による集団食中毒が発生し日本中が大騒ぎとなったのは記憶に新しい。今なお発症が続いているが, 原因となった食品の特定が不明な場合も多く, 人々の不安感をつのらせている。当然のことながら食品産業界ではその汚染防止に最大の努力を傾注している。このような状況の中で, 醸造調味料である食酢に抗菌作用が認められるとの報告は朗報である。研究に携わった著者に, まず大腸菌0157とは何かを解説していただいた。次号では, 引き続き食酢の0157に対する抗菌作用について解説していただく。
著者
小崎 道雄 岡田 早苗 関 達治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.46-61, 2002-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

酒は農耕文化の産物で, 酒の原料はその民族の主食と一致している。米は日本人の原味覚となっており, 米を原料とした酒は日本人の心の故郷といえる。筆者の提唱される「米の種類を問わず米を原料として醸した酒」を「米酒」とする定義は日本酒, 焼酎の国際化をも考えなければならない現在, 大いに役立つものであろう。タイ国のいろんなタイプの米酒の詳細な製法が臨場感をもって記述されており, 大変興味深い。筆者の長年の調査研究の成果を, 写真, 図を交えて解説いただいた。「米酒」に関心のある方のご一読をお勧めする。
著者
小崎 道雄 飯野 久和 トク トランリン ホウ ファムタン 関 達治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.327-337, 2002-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10

「米酒」醸造地帯の「米酒」と米関係食品の製法, 特徴, 背景などについて, 東南アジア全域に渡り長期調査された筆者に, 前回に引き続き甘酒, 梗米酒, 糟米酒, 籾殻吸管酒, 焼酎について解説していただい。「米酒」の製造に黒米や赤米を使ったり, 米を焦がす方法や, 米とともに雑穀やキャッサバを使用するといった工夫がみられて面白い.又吸管の籾殻壼酒は親睦だけでなく, 儀礼的にも重要な位置を占めており, 飲酒文化面からも興味深い。
著者
諏訪 芳秀
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.376-383, 2006-06-15
参考文献数
11
被引用文献数
1

レストラン等で「とりあえずビール」と注文されるように, ビールはアペリティフとして食欲を刺激し食事を美味しく感じさせて, 我々の食生活を豊かにしてくれる。<BR>本稿では, 食物認知としての食物刺激ではなく, 飲用後のビールが消化管内に到達した後の普遍的な生理特性としてのビールのアペリティフ効果のメカニズムと関連成分について解説していただいた。
著者
二宮 大記
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.114, no.10, pp.625-639, 2019 (Released:2023-12-10)
参考文献数
15

トルコは,ヨーロッパとアジアの境目にあり,オスマン朝では,バルカン半島,北アフリカ,アラビア半島に進出したため多様な文化の影響を受けている。トルコ料理は世界三大料理に数えられるが,米と小麦を両方使用し,海産物,肉,野菜と料理に使用する素材が豊富,ヨーグルトやオリーブオイルの使用など,本当に多様である。中でもヨーグルトは,日本では隣国のブルガリアが有名であるが,発祥の地とも考えられている。本稿では,ヨーグルトを始めとしたトルコ特有の発酵食品とその利用方法についてご紹介いただいた。
著者
髙山 卓美
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.114, no.11, pp.681-691, 2019 (Released:2023-12-10)
参考文献数
41

悠久の歴史を持つ中国の酒には多くの古文書があり,さらに現在もなお続く遺址の発掘によって当時の状況が明らかになりつつある。本稿はこれらの資料と関連文献を整理し,紀元前から現在に至る中国の酒の変遷を,その時代背景を踏まえながら解説したもので,中国酒に関心を持つものにとって貴重な知見と示唆を与えるものである。
著者
能勢 晶 朝日 輝 小路 博志
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.114, no.6, pp.363-376, 2019 (Released:2023-10-27)
参考文献数
36
被引用文献数
2

①市販の連続蒸留式焼酎の1H NMRスペクトルを25℃と5℃で測定した結果,水分子とエタノール分子のピークが,25%(V/V)エタノール溶液と同様に両温度において別々に存在する焼酎と,25℃では二つのピークが一体化し5℃でのみ分離している焼酎,さらに両方の温度において二つのピークが一体化している焼酎が存在しており,この両方の温度においてピークが一体化している焼酎は水-エタノールの水素結合が全体として他の焼酎よりも強くなっていることも分かった。②①において25℃と5℃の両温度で水分子とエタノール分子のピークが一体化し,水-エタノール分子間相互作用が最も促進されている焼酎は,他の焼酎に比べ炭酸水素イオン含量が高く,ナトリウム,カルシウム,マグネシウムなども多く含まれていた。③炭酸水素イオンには,5℃において水-エタノールのプロトン交換を促進し,同時に水素結合構造を発達させる力があることがわかった。このことは1H NMRスペクトルの半値幅の変化からも確認することができた。この効果は他のNa塩,Ca塩,Mg塩には認められなかった。炭酸水素イオンの存在が,焼酎において水-エタノール相互作用を促進し,水素結合構造を強くしている主な要因であると考えることが出来た。④官能評価の結果,炭酸水素ナトリウムが15%(V/V)のエタノール水溶液に存在することで「甘味」を強く感じ,「アルコール刺激」が低減することが示唆された。⑤割水用水に含まれていると考えられる炭酸水素イオンは,連続式蒸留焼酎の水-エタノール相互作用の強さに影響を与え,アルコール刺激の低減という効果を持っていることが示唆された。
著者
鄭 大聲
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.265-274, 2002-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4
被引用文献数
1

マッコルリは朝鮮半島の代表的な伝統酒であり, 韓国で一般的に飲まれている濁酒である。現在の韓国の大衆酒は焼酎になっているが, マッコルリには伝統酒としての魅力があり, またマッコルリを通じて韓国の伝統的な国民生活や文化を窺い知ることができる。日本の酒類関係者にとってもたいへん興味深いお酒であろう。筆者はマッコルリをはじめとする朝鮮半島の酒類について造詣が深い。そこでマッコルリについて, そのつくり方や歴史, 文化及び生活との関わりについて詳細に解説していただいた.
著者
多山 賢二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.10, pp.693-699, 2002-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

食酢の機能性も, 柵数年前から他の発酵食品とともに話題になってきた。しかし, その効用については長い間の言い伝えが殆んどでその科学的裏付けが不十分であった。ここでは, 食生活習慣病予防の観点から, 動物レベルと同時に, 人体レベルでの食酢の効用を紹介していただいた。