著者
関場 亜利果
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.141-141, 2005

本研究はキネティック・アートの芸術家グループとして知られているグルッポT(グループT)の活動に関する研究の一部である。本稿は最初の展覧会「ミリオラマ1」で提示された,グルッポTおよび彼らの先駆者による宣言・作品について考察し,1960年代イタリアにおけるキネティック・アートの一面を明らかにすることを目的としている。本研究では先行研究・および現存する史資料のみからでは分からない点を,グルッポTメンバーへのインタビューなどから明らかにした。グルッポTの公式グループ展は14回開催されたが,本稿でとりあげた初回展覧会「ミリオラマ1」は,歴史的前衛美術との関わりが最も具体的に示され,彼らの活動の根底にある造形思想が表されている。この展覧会で展示されたグルッポTの作品をみると,動きということが,視覚的にではなくさらに広い身体表現を伴った知覚に関わるものだと最初から理解されていたことが分かる。
著者
佐々布 裕季 工藤 芳彰 古屋 繁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.P03-P03, 2007

本研究は、理系を指向する女子の人数を増加させることを目的に、「理系女子」のイメージの向上に寄与する製品をデザインした。その手順は次のとおりである。まず、文献調査をもとに、憧れの対象としての「理系女子」キャラクタに必要な構成要素とその属性を設定した。次に、フィールドサーベイをおこない、現在の「理系女子」のファッションを分析した。以上の結果をもとに、3人の「理系女子」キャラクタを決定した。そして、それぞれが使用する携帯電話、携帯オーディオ機器、鞄をデザインした。
著者
井上 正太 若林 尚樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.116-116, 2005

本研究では、mp3プレイヤーの曲の検索という操作に着目し、この操作を短期間で習熟することが可能なデザインの提案を目的としている。その手法として、経験・体験で既に行ったことのあるふるまいを利用し操作することのできるユーザーインターフェースを用意し、そこからユーザーが操作方法を推測することにより、新たに操作を覚える必要のない道具を提供する。ここで曲の検索ということから、音に関わるものを探す場面を5つ想定した。CD屋でCDを探す場面/レコード屋でレコードを探す場面/レコード内のひとつの音を探す場面/ギターのチューニングで調律のあった音を探す場面/聴診器で体の中の音を探す場面といったものである。この場面において、音を探している最中に行うナゾル・ズラス・マワスといったふるまいに着目した。それらのふるまいにより実際に操作できるように、タッチパネルなどユーザーの動きに依存した操作を取り入れたモデルを構想し、研究の効果を期待する。モデル実験の結果、本研究の手法は、ユーザーの経験・体験によって斑が生じてしまうため、より多くのユーザーへの対応を考えるためには、新たな工夫が必要だと考えられた。
著者
永見 豊 本橋 直也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.108-108, 2008

道路を走行する運転手にとって目前に広がる景色の変化を眺めることは、ドライブの楽しみの一つである。しかし、単調な景色が続いたり、道路脇に遮音壁や目隠し板などで景色が遮られている空間(図1)では、集中力の低下や眠気の発生により、事故へとつながる可能性がある。道路は延長の長い構造物であるため、部材要素の繰り返しが多くなるのが特徴である。一般的にある要素が同一の調子でくり返されるとリズムが感じられ、逆に変化が小さくわずかに感じる程度であれば単調になる1)。道路の内部景観では、道路要素が視覚的に流れていくため、運転手はこのリズムをより強く感じることになる。そこで、本研究では「動的視点で見た場合のパターンと印象の関係」の傾向を探り、その応用として、「単調さを改善する遮音壁のデザイン提案」を行った。
著者
坂本 久子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.5-5, 2005

フィラデルフィア万国博覧会(1876年)の会場には二棟の日本の建物が建てられた。これらは日本から建築資材を運び、日本の職人が現地に赴き建てたものであり、アメリカで多くの人々が見た本格的な日本建築であった。一棟は「日本家屋」で、もう一棟は「日本賣物店ノ建築」である。そしてこれらは万国博覧会の日本の出品物であった。これらの建物については、「日本的なもの」や「日本」の演出について考察した研究は見られるが、アメリカの人々がどのような目を向けつつこれらの建物を受留めたかの論考はなされていない。 本報告は、当時の絵入新聞三誌の記事と挿絵を中心にして、この建物を扱ったアメリカの著書と写真を参照しながら、報道を通して日本の建築に対するアメリカ人の受留め方と共にその建設過程についても考察するものである。
著者
森下 奈美 永井 由佳里 森田 純哉 ゲオルギエフ ゲオルギ V.
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.56, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究では触感を通じてガラスから抱く印象を探ることを目的とし,より詳細にガラスから抱く印象を探るため2つの実験を行った.実験1はガラスの表面加工,見た目による印象の変化を探るものである.ここでは,被験者に5種類のガラスサンプルに触らせ,抱いた印象や想像したことを発話してもらった.収集した発話を元に発話内容の分類,潜在イメージを抽出しサンプルごとに比較した.実験2ではタッチパネルを使用し,同一素材上での触り方や操作感による印象の変化を分析した.利き手(利き手・非利き手),触り方(指先・3本指・母指球・関節・親指)を変えて課題に取り組ませ,タスク前後に印象評価を行った.タスクの成績とアンケートの結果を総合し,被験者の抱いた印象を探った.結果,実験1からは,表面加工により幅広い印象を与え,曲線・曲面の加工により硬いガラスからも柔らかさを感じさせる可能性があることが確認された.実験2から,同一素材でも状況によって印象が変わることが確認された.今後,サンプルにより細かな加工を施したり,タスクを変更させて,触覚的な印象を詳細に分析することで,触り心地に影響を与える要因の解明につながると考えられる.
著者
西川 真理奈 岡崎 章
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.70, 2012 (Released:2012-06-11)

チャイルドライフ・デザインとは,子どもの入院生活のすべてに渡り,大人の知り得ぬ恐怖心や自責の念から解放し,治癒効果を高めるためのデザインのことである.しかし,いまだ理解されているとはいえない状況である.本研究では,医療の専門家, 看護学を学んでいる人が,チャイルドライフ・デザインについてより理解できるようにするためのデザイン要素を明らかにし,リテラシーサイトの制作を行うことを目的とした.既存のWEBサイトであるChild Life-Design(childlife-desing.com)での問題点の抽出,対応措置を検討し,新しいウェブサイトを制作したので報告する.
著者
塩谷 俊起 佐藤 弘喜
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.79, 2014 (Released:2014-07-04)

現在、私たちの生活の周りに於いて様々な製品が存在している。大量のものの中からユーザー自身が気に入ったものを探し出し、いくつかを選択して購入して使用する。素材感のあるパターンやテクスチャ素材を用いることによって、その製品がより良く見えたり、今までになかったような魅力を持った雰囲気を出すことが出来るのではないか。ということから、ユーザーにとってより魅力を持たせられるような新たな価値観に対する研究を行っていきたい。ユーザーは素材そのものに魅力を感じている訳ではなく、その模様やテクスチャ、それらが持つ独特の雰囲気に魅力を感じているのではないのかという仮説が成り立つ。そこから、そのようなテクスチャの中から魅力的に感じる要素とは一体どこに存在しているのかを明らかにする。
著者
市原 増夫 久保 雅義
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.H12-H12, 2010

近年、地方鉄道は経営環境の悪化から存続・廃線の危機に瀕しており、各社とも生き残りを賭けて様々な取組みを行っている。特に観光面では独自性のある一芸を打ち出し、集客を図ろうとしている。その中でもネコの駅長というキャラクターや特徴的な車両デザインによるユニークな取組みと、官民一体の積極的な活動で地方鉄道活性化の成功例とされているのが、和歌山電鐵貴志川線である。本研究では、同線の観光目的の利用者の増加の要因を探ることを目的とした。
著者
近藤 存志
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.D10, 2004 (Released:2005-06-15)

18世紀のイングランドにおけるピクチュアレスクの流行は、クロード・ロランやサルヴァトール・ローザ等の風景絵画に影響を受けると同時に、ウィリアム・ギルピンの活動に代表されるように、イングランド特有の自然や風景、気候などに対する関心を高める契機となった。ピクチュアレスクの流行はイングランド人によるイングランドの再評価を啓発したが、この点で「イングランド性の美的表現」を必要なこととして主張していたオーガスタス・ウェルビー・ノースモア・ピュージンの芸術意識と共通する側面を有していた。実際のところ、ピュージンは19世紀のイングランドにゴシック・リヴァイヴァルの確立を推し進める一方で、前世紀中に異教的芸術の影響下に萌芽的に出現しながら「純粋にイングランド的な美的趣向」として確立されたピクチュアレスクについて言説を残している。その内容からは、ピュージンが正当なピクチュアレスク建築の在り方をゴシック建築の機能主義的デザイン姿勢の派生的な帰結として位置付けていたことが読み取れる。こうしたピュージンのピクチュアレスク理解は、「機能主義的ピクチュアレスク観」と表現し得るものである。
著者
山岡 俊樹
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.124, 2014 (Released:2014-07-04)

システム構築の観点から,フレームワークに基づく創造的デザイン・サービスの構築方法について述べた.まず,従来のデザイン方法とフレームワークに基づく方法(システムデザイン方法)との比較,特に開発プロセスにおける発想を行う時期について比較を行った.従来のデザイン方法は雑貨などの機能が簡単なシステムの場合,扱いやすく有効である.一方,実態が見えないサービスやUX(ユーザ体験)をデザインするには,事前に検討諸条件を論理的に整理し,構造化コンセプトを構築して,可視化する方法が合理的である.どのような複雑で巨大なシステムに対しても,最初に目的,目標を関係者の同意を得て,厳密に決め,システムの概要を特定するとかなりのデザイン要件が絞られてくる.さらに構造化コンセプトにより絞り込んでいくと可視化(アイディア発想)が容易となる.また,創造性にウエイトを置く場合は,創造性を分析あるいは厳密に定義をすれば,このシステムデザインプロセスに従って,創造性のある製品やサービスを構築することができる.
著者
三友 奈々 渡 和由
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.H19-H19, 2010

本研究では、はじめに非営利団体プロジェクト・フォー・パブリックスペース(以下、PPS)によるプレイスメイキングの原則におけるデザインについて述べる。それを踏まえてPPSが関わった評価項目を用い、米国の先進事例であるニューヨーク市のブライアントパークの現状を通して、プレイスメイキングにおけるデザインに関する評価項目と実態について考察することを目的とする。予備調査として、PPSにおいて情報収集を行った後、本調査として文献調査及び現地調査を行い、二つの調査結果を総合的にまとめた。評価項目について、座る場所が重視されているが、原則のようにそこが利用されているかも重要である。そのため、座る場所自体に関する項目だけでなく、利用の有無についても追加する必要があると考える。また、対象地では、可動イスにより、利用者自身が仮設性と可変性のある簡易な設えをして居心地の良い居場所を自ら創出していた。このセッティング行為を促す可動イスの導入は公共空間のサードプレイス化に寄与すると考える。芝エリアは、日常利用と非日常利用が共存する可変性のある空間であり、ソフト面のデザインに支えられ、利用されるデザインとなっていた。
著者
横山 稔 横山 陽子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.95, 2014 (Released:2014-07-04)

このAwaseru 結婚指輪は、2つの指輪を重ね合わせることで、2人のココロを1つにすることを象徴化したものである。二つのリングはそれぞれが少しづつ欠けていて、1人の人間では不完全であることを暗示し、合わせることで永遠の愛の成就を表現するデザインとした。多くのカップルが結婚する時にイメージするのは、幸福な時間、幸福な空間やキモチだろう。それを求めて結婚をするのだが、結婚式というハレの場から日常生活のケの日々が始まると、大方あのハレの日に誓ったコトバやキモチを忘れてしまう。指輪を合わせ、キモチを合わせる。また幸福な気分で二人の関係を新たに確認する。そのような幸せを感じるきっかけや時間をデザインした。またこの合わせる技術は、日本の伝統的木造建築の、精緻な<継ぎ手>からインスパイアーされたもので、釘や接着剤を使わない継ぎ手は、古来から多くの寺社建築に使われてきた、日本が世界に誇る建築文化である。結果として、世界的なデザイン賞の一つであるドイツの「iF design award 2014」をプロダクトデザイン部門で受賞した。
著者
山崎 和彦
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.32, 2013 (Released:2013-06-20)

本研究は総合的なユーザ体験を考慮したアプローチであるユーザーエクスペリエンスデザインを支援するための手法を提案することを目的とする。 対象となるユーザーやステークホルダーのユーザ体験を、サービスや製品を企画開発する関連者が共通に理解することが重要となっている。そのためには、ユーザー体験を目的に応じて分かりやすく視覚化する必要がある。エクスペリエンスマップはユーザ体験を視覚する代表的な方法であるが、このエクスペリエンスマップの活用や作成のためのアプローチや手法は整備されているとは言い難い。本研究では、ユーザ体験を視覚するためのエクスペリエンスマップに着目して、これからの活用方法や作成のアプローチを提案することを目的とする。これからのユーザーエクスペリエンスマップ活用のアプローチの提案し、そのアプローチを実施するためにどのようにエクスペリエンスマップを制作するのか、具体的なエクスペリエンスマップの制作アプローチを提案する。
著者
山本 佐恵
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.98, 2015 (Released:2015-06-11)

本研究の目的は、田中一光(1930-2002)のデザイン活動の初期にあたる1950年代に焦点をあて、田中における前衛美術の影響について考察することである。彼が青年期を過ごした関西では、 グラフィックデザイナーは美術家と活発に交流し、独自の美意識やデザイン感覚を発展させた。 事実、田中に強い影響を与えたのは早川良雄と吉原治良であることはよく知られている。 50年代の田中の活動においては舞台美術も重要であり、吉原が舞台美術を担当した52年の国際ファッションショーでは助手を務め、また吉原が主宰した具体美術協会が57年に開催した「舞台を使用する具体美術」の大阪公演では演出助手を務めている。さらに注目すべきは、吉原によって前衛書道への開眼に導かれた点である。森田子龍が創刊した『墨美』を吉原から何度か借りたことで、田中は前衛書道に関心を持つようになる。前衛書道の造形は田中に刺激を与え、後に制作したシルクスクリーン作品やモリサワのポスターなどに興味深い類似性がみられる。前衛書道への開眼は、田中がグラフィックデザインにおけるカリグラフィやタイポグラフィの効果について研究する上で役立ったと推測される。
著者
郭 世謀 趙 淑琪 曾 啟雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.67, 2013 (Released:2013-06-20)

本研究は主に台湾の紙蓮花の折紙について構成とその意味である。研究結果は普段に使われている紙蓮花は紙の枚数と色彩によってその造形が違い、また完成した紙蓮花は花弁数に影響され、花とその座のあるかどうかについれて意味と使う場所も違う。その意味は道教と佛教の意味に沿って使われた。
著者
小森 俊哉 小山 慎一 日比野 治雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.223, 2013 (Released:2013-06-20)

「キャラクターの効能において、7割近くの人がキャラクターに「やすらぎ」を望んでいる」という調査結果がある。このように人の精神状態とキャラクターにはなんらかの関係があると考え、人が持つ不安の強さに応じて求められるキャラクターの表情がどのように変わるのかを研究した。本研究では人の精神状態を測る指標として状態不安と特性不安を用い、アメリカの心理学者、Paul Ekmanの提唱した人類共通の基本6表情に焦点をあてた。基本6表情を参考にしながら27種類の表情画像を作成。6種類の形容詞を用いてそれぞれの表情がどのような印象なのかを27名の被験者に評価してもらった。人の不安状態に応じてそれぞれの表情がどのような印象になったのかを統計的にまとめた。
著者
滝本 成人 山本 直
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.49, 2013 (Released:2013-06-20)

本研究は、福井県越前市のタケフナイフビレッジ協同組合青年部との共同研究による、新しい刃物鋼材の実用化に向けた基礎研究である。「越前打刃物」は、約700年の歴史を持ち、昭和54年に全国打刃物業界では初めて、伝統的工芸品としての国の指定を受けた。今回の研究は、新素材「チタン圧延クラッドメタル」と、伝統技法である「火造り鍛造」を組み合わせた、新しい取り組みである。チタンクラッドメタルは中心材に炭素鋼とステンレス鋼で実験を行った。切断実験はプレス加工機とレーザー加工機で行った表面加工実験は陽極酸化法により単色とグラデーションを試みた。試作制作においては、同協同組合の山本直氏の協力と技術指導もとで研究を進めた。
著者
盛 穎魁 植田 憲
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.213, 2013 (Released:2013-06-20)

黄酒は、中国における伝統的米を原料とする最も古い醸造酒である。中華文明の発展とともに形成された黄酒文化が、中国の伝統的生活文化のひとつとして極めて巨大な社会的、文化的価値がある。一方、1978年に始められた「改革開放」政策以降、中国は著しい経済発展を遂げてきた。しかしながら、人々が豊富、便利な物質的生活を享受した時に、伝統的生活飲食習慣、先人から伝承された習俗、自然に対する理念など伝統生活文化が30年間で急激に変化した。伝統的黄酒文化も例外ではない。 本研究は、中国江南地域における黄酒文化に関する多面的な調査に基づき、改革開放以来の農村地区の伝統生活文化と地域のアイデンティティが失われた現状を把握し、中国黄酒文化の意味と黄酒づくりの意味を探求することを目的とする。中国江南地域における湖北省房県の黄酒の事例を通して、古来から記録に残っていない黄酒文化の価値と「黄酒づくり」の文化的意味を再確認するとともに、中国農村地域における伝統的生活文化の多様性と重要性を再認識し、共有文化を守る思いを確かめ、このような伝統文化をこれからの世代へ伝えていくことを望む。
著者
藤松 裕士 山崎 和彦
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.290, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究では実際の通勤、通学での移動方法などを同行による調査を行い、その結果に基づいたコンセプトを設定したうえでそのコンセプトに沿ったパーソナルモビリティツールを提案することを目的とする。複数人でしようするための自動車や自動二輪車、公共のモビリティツールとして利用できる電車やバス、モビリティツールとしての有用性より娯楽性を際立たせたスケートボードやローラースケートなど。様々なモビリティツールが存在する。その中でもセグウェイをはじめとした新たなパーソナルモビリティツールが多くなっている。その一方で、日本で実際に乗っている光景を目にする事は無いので、その理由について調査を行った。セグウェイを例に挙げれば、現在の日本の法律ではセグウェイは原動機付自転車などの自動二輪車、あるいは電動車椅子に該当するが、自動二輪車としても電動車椅子としても、それぞれ異なる理由から日本の公道を走れる規格の中におさまっていないことが原因である。これらのような背景から、日本の公道を走ることができるモビリティーツールをテーマと設定した。