著者
高橋 暁子 根本 淳子 竹岡 篤永 市川 尚 鈴木 克明
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.249-258, 2023-06-20 (Released:2023-07-14)
参考文献数
17

本研究では,Instructional Design(ID)の専門家の養成を目指した「大学版上級ID 専門家養成講座」のワークショップを題材に,修了者の継続的な参加が修了者自身にどのような意義があるのかを明らかにしようとした.参加者アンケートから,前年修了者がファシリテータとしてワークショップに参加したことで,参加者は有用なアドバイスを得られたと感じていることが示唆された.また,前年修了者に対するフォーカスグループインタビューでは,ワークショップへの継続参加がリフレクションの機会になっていることなどが示唆された.一方で,継続参加の効果についてさらなる分析が必要であることが確認された.
著者
佐藤 和紀 小田 晴菜 三井 一希 久川 慶貴 森下 孟 谷塚 光典
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.Suppl., pp.117-120, 2021-12-20 (Released:2022-02-02)
参考文献数
6

小学校高学年児童がクラウドサービスの相互参照を用いて,他者の文章を参照して意見文を作成する実践を行った.意見文の評価と意識調査の結果,他者の意見文を参照したグループ児童の意見文の評価は有意に高く,他者の意見文を参照していないグループの児童よりも読み手にどう伝わるか気をつけて書く,自分の考え以外の視点でも書く,主語と述語のつながりを注意して書く,形式的なミスを少なくする,ことを意識していた.
著者
木村 明憲
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.46105, (Released:2023-03-07)
参考文献数
25

近年,教員養成コースに,情報リテラシーを育成するための科目が設置されるようになっている.そこでは,情報活用の指導力を育成することが求められている.また,大学の授業では,アクティブ・ラーニングに基づいた学修を行うことも求められている.これらの目的を達成するため,1年次に履修する「情報リテラシー1,2」において,スチューデント・エージェンシー(以下,エージェンシー)を考慮したアクティブ・ラーニング型のシラバスおよび授業設計案を開発し,実施した.本研究では,「情報リテラシー1,2(通年)」の前期,中期,後期の3回にわたって,ICT 活用指導力に関する意識を調査した.加えて,授業に関わるエージェンシーを年度末に調べた.それらを基に,意識の変容とエージェンシーの実態が明らかになり,それらの相関が算出された.結果,ICT 活用指導力についての意識は,年間を通して高まることが明らかになり,また,一定程度の相関が見られた.
著者
保田 幸子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-13, 2021-06-10 (Released:2021-06-18)
参考文献数
43

研究成果を報告する科学論文では,「I やWe の使用は避ける」,「曖昧で冗長な表現は避ける」といったディスコースが推奨され,現在もアカデミック・ライティング授業や論文作成ガイドの中で指導されることがある.しかし,このアカデミック・ディスコースはいつどのように誕生したものなのか.なぜ特定の語られ方に権威が与えられるようになったのか.この権威は21世紀現在も変わらず固定的なものなのか.これらの問いについては国内では十分な検証が行われていない.本研究は,こうした通説を再考すべく,科学論文において客観性が求められるようになった歴史的背景とその後のパラダイムシフトを明らかにするとともに,21世紀型の科学論文において書き手がどのように読み手を導いているか,その主観性の表明技法を明らかにすることを目指す.得られた成果を元に,科学論文執筆に迫られた学習者層に対する21世紀型の高年次英語教育支援のあり方について提案する.
著者
尾之上 高哉 井口 豊
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.Suppl., pp.193-196, 2023-02-13 (Released:2023-03-28)
参考文献数
6

困難に直面している人に,「皆にその能力があるわけではない」「あなたには別の強みがある」といった言葉かけ(以後,comfort と表記する)を行うと,その領域での相手の動機づけを低下させてしまう可能性がある.先行研究では,「その領域で必要な能力を“固定的”に(つまり,変わりにくいものとして)捉えていると,comfort を行い易くなる」との知見が報告される.本研究の結果は,その知見が,相対的にみた時に,当該の能力が“固定的に捉えられ易い領域”と,“可変的に捉えられ易い領域”の両方で追認されることを示した.先行研究と本研究の結果は,能力の捉え方と言葉かけとの関連に注意を向ける必要性を示している.
著者
岩﨑 千晶
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.46090, (Released:2023-04-06)
参考文献数
35

本研究の目的は,教員が「初年次教育で学習支援に従事する学生スタッフ」に対して求める能力・経験と彼らの育成方法を明示することである.教員5名にインタビューをし,分析考察をした結果「課題探究において考えるプロセスを深める」「活動を振り返るためにフィードバックをする」「受講生のロールモデルとなる」等,11の能力・経験が導出された.これらは「初年次生の課題と初年次生に培ってほしい能力」への密接な関わりや,「受講生に共感し,共に考える」「教員と受講生の架け橋になる」等,教員に担えない学生ならではの能力を含んでいた.また教員は能力別にレベル分けする段階性の方法ではなく,複数の学生スタッフが足りない部分を補い合える学びあいや模倣学習を重視し,どの学生スタッフも活動できる場を提供し,活動にフィードバックをすること等による方法で学生スタッフを育成していることが示された.
著者
尾澤 重知 森 裕生 江木 啓訓
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.41-44, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
8
被引用文献数
1

Wikipediaは誰もが編集に参加できる世界最大の百科事典である.本研究では,大学教育の授業実践において,日本語版Wikipediaの編集を目指す活動を取り入れた授業をデザインした.授業ではWikipediaの編集方針でもある「中立的」「検証可能」な項目の検討を含め,研究活動で必要なスキルの育成を目指した.量的・質的分析の結果,学生の約半数が実際にWikipediaに投稿したこと,文献による根拠づけなど研究活動でも必要なスキルの習得につながったこと,投稿にあたって授業内BBSでのメンターや教員からのコメントや,学生間のやりとりが有用だったことなどを示した.一方,既存記事の削除を伴う編集の少なさなど課題も明らかになった.
著者
川村 美好 松葉 龍一 鈴木 克明 中野 裕司
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45071, (Released:2021-09-13)
参考文献数
5

建築設計業界では人材不足により協力スタッフ(派遣社員)への依存度が高い状況であるため,一定水準の業務遂行能力と社内ルール習得のための協力スタッフ向け自学用学習支援ツールを開発した.協力スタッフと協働する社員へのヒアリング調査及びその分析から,協力スタッフが習得すべき内容を,技術レベルの異なる3分野と全員必要な社内ルールの1分野に分類・整理した.それに基づき,TOTE モデルを用いて,自学用学習支援ツールを設計し,Moodle 上に実装した.専門家レビューと形成的評価により改善をおこなった.結果,ばらつきに対応した実務直結型の学習支援ツールを開発でき,限られた範囲内であるが,意欲の向上を確認した.
著者
森田 裕介
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.593-600, 2023-02-02 (Released:2023-02-11)
参考文献数
40

本稿では,教育工学におけるオンライン教育の研究動向を概観することを目的とした.まず,オンライン教育に関連する研究のキーワードとして,遠隔教育,e ラーニング,ブレンディッドラーニング,オンライン教育に焦点を絞り,海外並びに日本の研究動向についてまとめた.次に,日本の高等教育のオンライン化を10年ごとに分け,1990年代を黎明期,2000年代を発展期,2010年代を拡張期,2020年以降を革新期とし,オンライン教育に関する研究の変遷を考察した.
著者
後藤 崇志 加納 圭
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.113-126, 2021-06-10 (Released:2021-06-18)
参考文献数
30

これまでの研究から,インフォーマルな科学教育が理科を学ぶ動機づけを高めることへの有効性が示される一方で,参加者層がもともと理科を学ぶ動機づけが高い人々に偏っているという問題点が指摘されていた.本研究では,商業施設において,遊びを入口とした科学ワークショップを実施することが,参加者層の偏りを解消するために有効な方策であると考えた.商業施設において,スーパーボールすくいを題材とした科学実験のワークショップを実施し,理科を学ぶ動機づけや科学への関心という観点から,参加者の人口統計学的な代表性について検討した.その結果,本研究で実施したワークショップは従来の研究で報告されていたものよりも代表性が高い参加者を集められていることが明らかとなった.
著者
三和 秀平 青山 拓実 解良 優基 山本 大貴
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46013, (Released:2022-12-14)
参考文献数
7

「どうして勉強しなきゃいけないの?」という勉強する理由についての哲学的な対話が学習動機づけに与える効果を検証した.研究1では大学生を対象に対話を行った結果,参加者の勉強に対する動機づけが向上する傾向がみられた.また,児童の動機づけを高めることができると思うか予想を求めたところ,概ね高めることができると考える傾向にあるものの,否定的な意見もみられた.そこで研究2では小学生を対象に対話を行った.その結果,日常生活における価値のみ向上がみられた.一方で,他の価値の側面や興味,努力の意図などの向上はみられなかった.
著者
西条 正樹
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.469-482, 2021-03-20 (Released:2021-03-25)
参考文献数
24

近年,スポーツ分野で海外留学を目指す日本人が増えている.本実践報告では,ジャンル準拠タスクを用いた英語教授法により,将来,海外でサッカーの選手や指導者になることを目指す学生または社会人の6名が,サッカーのトレーニング指導で外国語コミュニケーション能力をどのように高めたかを報告する.参加者は,全15週にわたる学習の中で2回(中期と後期)タスクパフォーマンス・テスト(英語でのサッカーのトレーニング指導)が課された.本研究では,参加者の英語による発話の変化の様子を,「語彙・文法」と「ジャンル構造」の観点から2種類の質的調査(学習ログ記録,半構造化インタビュー)を用いて分析した.その結果,ジャンル準拠タスクを用いた英語教授法により,参加者たちは分野に特化した語彙・文法やジャンル構造への認識を深め,タスクパフォーマンス・テストに応用したことがわかった.
著者
加藤 奈穂子 尾澤 重知
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.433-452, 2022-09-10 (Released:2022-09-15)
参考文献数
43

本研究の目的は,大学入学後のどのような学習経験がアンラーニングを促し,学習観に影響を与えるかを明らかにすることである.そのため大学3年生7名を対象とし半構造化インタビューをおこない複線経路等至性アプローチを用いて分析した.その結果,本研究の対象となった学生は,(1)大学入学後<大学生になり高校との違いに驚く>という経験や,(2)自分の意思とは違う<講義重視・一方向型授業>,(3)意欲的になる<演習重視・参加型授業>,(4)意欲的になる<プロジェクト型授業>のスパイラルな経験などを経て,授業に対して批判的な問題意識を醸成した.その結果,<強制的に知識を詰めこむ>という価値観に対してアンラーニングが生じるというプロセスが明らかになった.またアンラーニングの過程で,<対話により知識を構成する>,<グループで協力しながらゼロからデザインし試作品をつくる>という考えが生み出され<学習とは社会で活躍するために行うこと>とする学習観が強化されていた.
著者
渡辺 雄貴 加藤 浩 西原 明法
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.19-27, 2014-05-20 (Released:2016-08-11)

通勤・通学時に電車のような環境で学習する際には,学習以外に様々な情報を処理する必要がある.そこで本研究では,そのような環境下における情報の介入を想定し,動画コンテンツによる学習を行った際,どのような影響があるかをパフォーマンステストおよび質問紙調査により定量的,定性的に調査を行った.その結果,パフォーマンステストでは,内容理解を必要とする問題において,介入の有無により効果の差異があることが明らかになった.また,質問紙調査により,多くの被験者は視覚に対する介入と比較して,聴覚に対する介入を煩わしく思う傾向があることが明らかになった.
著者
伊藤 貴昭
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46018, (Released:2022-09-09)
参考文献数
8

本研究では対象指示コミュニケーション課題を用いて,図形を伝達するための説明とその正答数ならびに共感性との関連を検討した.大学生29名に対象指示コミュニケーション課題を実施し,同時に共感性尺度に回答させた.その結果,大学生の正答数はそれほど高くないことが示された.また,共感性については自己指向的な認知傾向である「想像性」と正答数との間に負の相関関係が見られた.本研究の結果は,情報を伝達するための説明を促す際の留意点を示唆している.
著者
恩田 真衣 大久保 紀一朗 板垣 翔大 泰山 裕 三井 一希 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46026, (Released:2022-10-13)
参考文献数
9

本研究では,小学校第4学年理科「物のあたたまり方」の単元で日常生活や社会との関連を図るアニメーション教材を開発し,その効果を検証した.その結果,開発したアニメーション教材を使用すると,学習内容と日常生活や社会との関連に気づき,理科学習に対しての興味が高まること,アニメーション教材に,児童が選択したり,繰り返し試行したりできるような機能をつけることで,思考を深めようとする理科学習に対しての興味が高まること,正しい概念形成が促されることが示唆された.
著者
岡崎 善弘 大角 茂之
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.485-491, 2022-09-10 (Released:2022-09-15)
参考文献数
20

本研究では,設計図の利用がプログラミング的思考の「分解」の理解に与える効果を検討した.小学4年生から小学6年生の児童が2日間のプログラミング体験講座に参加した.プログラミング体験講座は,設計図を示しながらプログラミングを教える設計図あり群と単にプログラミングを教える設計図なし群で実施された.プログラミングを終えた後,ゲームに必要な構成要素を考えさせた.構成要素の数を2群間で比較した結果,構成要素の数は設計図あり群の方が多かった.本研究の結果から,設計図の利用はプログラミング的思考の「分解」の理解を促進することが示唆された.
著者
吉田 英彰
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.393-403, 2022-05-20 (Released:2022-06-22)
参考文献数
51

本稿は,未来の学習のための準備(Preparation for Future Learning:PFL)研究に着目し,個別最適な学びの実現について検討を行った.1999年から2020年の間に,学術誌に査読付き論文として掲載された論文のうち,ICT を活用したPFL に関する論文に絞り研究内容のレビューを行った.その結果,ICT を活用したPFL により,既有知識や学習達成度を把握でき指導の個別化に有効であること,自己調整しながら学習を進めることができ学習の個性化に有効であることが示唆された.最後に,PFL の知見を個別最適な学びのアプローチの一つとして位置づけ,今後研究を進めていく上での課題を検討した.
著者
高橋 純 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.suppl, pp.133-136, 2005-03-20 (Released:2016-08-01)
参考文献数
4
被引用文献数
9

22,810人の小学生を対象に, キーボード入力スキルの現状を調査した.その結果, 次のことが明らかとなった.1)ひらがな一文字の入力では, 最も遅い3年生が14.9[文字/分], 最も速い6年生は25.4[文字/分]であった.また, 正確さは, 最も低い3年生が77.3[%], 最も高い6年生は86.2[%]であった.2)キーボード入力の基本的なトレーニングが完了すれば, 学年による差の少ない速さで入力できる.3)入力の速さは, 学年が高いほど少ない試合数で向上する.4)入力の正確さは, 濁音の文字が最も低い.特に, 濁音の中でも「ぢ」「づ」が最も正確に入力ができない.
著者
川中 紫音 鈴木 雅之
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.65-78, 2022-02-20 (Released:2022-03-15)
参考文献数
55

本研究では高校生を対象に調査を行い,有機的統合理論に基づいた学習動機づけと部活動動機づけの関連について検討した.その結果,学習における内的調整と部活動における内的調整など,同じ調整スタイル間には正の相関がみられた.そのため,学習に自律的に取り組んでいる生徒は,部活動にも自律的に取り組む傾向にあり,学習に被統制感を持っている生徒は,部活動でも被統制感を持っている傾向にあるといえる. また,学習と部活動それぞれにおける内的調整と同一化的調整は,基本的心理欲求充足と正の相関を示した.さらに,Big Five と基本的心理欲求充足を統制した場合には,調整スタイル間の関連は弱いものとなった.これらの結果から,部活動,あるいは学習に自律的に取り組むことによって学校生活における基本的心理欲求が満たされ,基本的心理欲求の充足が学習,あるいは部活動に対する自律的な取り組みを促すという可能性が示唆された.