著者
加藤 瑠理 奥田 留那 福光 真理奈 小林 美緒 三宅 志穂
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.95-100, 2015

本研究では、 天王寺動物園 (大阪市) のアジアゾウをモチーフにして、 環境教材絵本を創作する研究に取り組んだ。 科学絵本に含まれる3つの観点 (Visual Simplicy, Narrative, Mystery ofthe World) について、 創作プロセスをふりかえることにより、 どのようなことが反映できたかを考察した。1) Visual Simplicy : 画用紙を切り貼りすることにより、 視覚的明瞭さが反映された。2) Narrative : 動物園で実際に会うことのできるゾウを主人公としたことによる親近感、 私たちの日常的なものが環境問題を引き起こしているという関係性が反映された。3) Mystery of the World : 天王寺動物園のゾウの固有な性格や特異な行動の 「謎」 を解き明かす展開が反映された。こうした知見の蓄積は、 環境教材絵本の開発をさらに進めるノウハウにつながるかもしれない。
著者
川上 紳一 三谷 弘敏 長谷川 司 上田 康信
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.1-6, 2003
参考文献数
3

小学理科「月と星」,中学理科2分野「地球と宇宙」の単元における,人工衛星の観測を取り入れた新しい指導法を提案する.人工衛星の観測を行うには,人工衛星の到来時間,飛行経路などの情報が必要であり,そうした情報を提供したホームページ「人工衛星観測ナビゲータ」を開発し,公開した.このウェブサイトでは,肉眼で見える人工衛星の種類やその業務内容,明るさに関する観測データを紹介している.児童・生徒に配布するためのワークシート画面があり,プリントしたものをトレーシングペーパーでなぞることで,目印となる星座や天体の配置に慣れることができる.実際に夜空を見上げて人工衛星を見つけることで,児童・生徒ひとり一人が星座学習の授業の達成感が高まる点に特色がある.
著者
窪 航平 隅田 学 掛水 高志
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.63-66, 2021

<p>本研究は高等学校化学において,物質量に関する科学理解の形成を促進する理科授業を開発することを目指し,まず今回,予備調査として理科教員志望大学生83名を対象に物質量に関する簡単な問題及び定義に関する設問,身の回りにあるある数をワンセットとして考えているような単位概念に関わる設問をからなる3つのセクションの調査をGoogle フォームで実施した.その結果,基本的な問題では90%を超える正答率が得られた.物質量の定義に関わる自由記述形式の設問に対する回答と正答率が90%を下回った問題を総合的に分析した結果,粒子数が体積に影響するという誤概念を形成している学生がいること,基本的な定義を知っているにもかかわらず,それらの活用に問題があることがわかった.また,身の回りにあるある数をワンセットとして考えているものの例としては「クラス,卵,足,パック,カートン,ケース,チーム」などの表現が見られ,それらが単位概念の例として大学生にとって身近である事がわかった.</p>
著者
小林 卓矢 石原 諭
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.25-28, 2019

<p>「物理は公式を覚えてそれに値を代入する科目」といった誤解が,特に物理を苦手とする生徒たちの間に蔓延しているように思われる.その状況を少しでも改善させるため,世界的に評価の高い教材である「ファインマン物理学」のⅠ章9節にある「逐次計算手法」を高校物理に導入することを提案したい.この手法を導入するメリットは,先に述べた物理を苦手とする生徒への物理の概念形成を促すという効果だけではなく,発展的なことを求める生徒にも効果が期待される.それは逐次計算手法が,公式が通用しない,理想的でない状況における物理現象の説明(加速度が位置や速度により変化する,一般に微分方程式を用いなければ運動解析ができないもののグラフ化)に役立つからである.逐次計算手法の教育的効果について,高校3年生に補習授業「単振動の様子を逐次計算で追う」を実施し,補習前後のアンケート調査(MPEXメリーランド大学物理期待観調査)を分析することで,その有効性を確かめた.</p>
著者
吉川 佳佑 島 弘幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.33-36, 2018

<p>虹をテーマとした「光の回折・干渉」の実験は、目にした生徒の印象に残りやすく、光の波動性を学ぶのに適した実験の一つである。本稿では光ディスク(CD やDVD 等)を用いて、二重同心円の虹模様を、教室の壁いっぱいに作り出す手法を紹介する。本手法で二重の虹の円を実演した後、その仕組みを生徒に考えさせることで、回折・干渉に関する生徒の理解を促すことができる。さらに手軽で安全な道具のみを用いることから、生徒自身が実験条件を自由に工夫して、虹の変化を楽しむことができる。</p>
著者
古木 隆寛 竹内 日登美 原田 哲夫
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.39-42, 2019

<p>生物の解剖を行うことは学生の生物に対しての意識に有益に働くことが数多く報告されている。しかし、高知大学の学生で過去に生物の解剖を実際に行ったことのある学生は多くない。そこで、高知大学教育学部において開講されている「生物学実験Ⅰ」ではこれまでアフリカツメガエルの解剖を行ってきた。アフリカツメガエルの解剖を通して、体のつくりなどを学ぶと同時に、解剖に関して適切な手順や注意点を知ることを目的とした授業であるが、実際に決められた時間の中で、全てを指導するのはやや困難であった。そこで本研究では、全ての学生が適切に解剖を行い、十分に観察および考察ができるように、資料やサンプルを作成し、解剖に臨んだ。その結果、全ての学生が適切に解剖を行うことができ、十分に観察、考察をした結果、生命尊重の観点においても深く考えを至らせることができた。</p>
著者
山本 輝太郎 石川 幹人
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.81-84, 2019-12-21 (Released:2019-12-18)
参考文献数
9

本稿では,疑似科学的言説に対する消費者向け教材開発のガイドラインの作成過程を報告している.疑似科学の問題が深刻化している社会的状況に対して,消費者教育などの関連分野における既存の教材ではその対応が十分でなく,既存の教材では一般消費者が疑似科学の判定を行うには不十分である(ES0.11,95%CI[-0.21, 0.44]).そうした現状を打破するために本研究では,疑似科学に対する消費者向け教材開発のガイドラインの提案を目的として,関連領域における既存のガイドラインおよび筆者らが運営する「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」の実践よって生じた課題から,新規ガイドラインの具体的観点を抽出した.作成したガイドラインは試験的なものであるため,より厳密化するための方策を講じる必要がある.
著者
神山 夏実 古屋 光一
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.5-8, 2020

<p>本研究では,第5学年の内容「天気の変化」の学習を終えた小学校高学年(5・6年生)19名に対して雲を見分けるための授業を開発し,実践を行い,授業で扱った雲を見分けることができるようになったのか実験をした.今回授業で扱った雲は4種類(すじ雲・うろこ雲・かみなり雲・あま雲)とした.この4種類を選んだ理由として,それぞれ雲の形や大きさが異なる雲であるため学習後に簡単に見分けることができると考えたからである.1単位時間(45分)の授業で小学校高学年(5・6年生)19名が雲を見分けることができるようにするために,分かりやすいような授業構成や内容を工夫し,効果的な学習ができるようにした.その結果,授業の前後で比較を行うと,対象児童19人中18人が4種類の雲を見分けることができるようになった.また4段階の確信度調査を同時に行うと授業後では,19人全員が4(とても自信がある)や3(自信がある)と回答した.このことから授業によって自信をもって雲を見分けられるようになったことが明らかになった.</p>
著者
髙橋 雪音 名越 利幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.61-64, 2016

現代話題になっている VR(Virtual Reality)を使って学校教育の場で使えないかと考えた。360°の写真を撮ることのできるカメラ「THETA」で撮影した写真を,VR が手軽に体験できる「HACOSCO」で見ることにより,実際にその場にいるような体験ができるため,実際に体験できないようなことも実感をもとに学ぶことができる。また、電子機器が急速に普及し、今後様々な電子機器を扱う子どもたちが楽しく学習できる教材になっている。今回は,それらの機器を使って小学生や中学生の苦手な単元になりやすい天体学習の教材化を開発した。
著者
横田 康長 赤松 直 蒲生 啓司
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.51-54, 2021-05-22 (Released:2021-05-19)
参考文献数
3

中学校2年で学習をする気象の単元は「天気の変化」である。気象の学習で基本となるところは、雲の発生についてであり、飽和水蒸気量と露点、湿度および温度の関係が理解できていないことが雲の発生のしくみを理解する際のつまずきを招く。本研究では、飽和水蒸気量と温度と湿度の関係を生徒に理解させることを目的として、隈元の実験方法に改良を加えることで、飽和水蒸気量の温度依存から湿度変化を理解することを促す授業を計画し実践した。授業では、まず温度が高くなると湿度が高くなるという概念のもとになっている夏と冬の気象の特徴について、生徒へのアンケートを実施した。約4割の生徒が湿度に関する特徴を答えていた。次に、湿度計を入れた密閉容器を食器乾燥機で温め、湿度が下がることを確認した後でその理由を考えさせた。理由を正確に説明できた生徒は28名中9名であったが、グループ討議をすると、友達どうしで飽和水蒸気量のグラフを使って教え合う姿が見られた。
著者
鶴岡 森昭
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.5-8, 2015

2015 年 3 月上旬、高校「物理基礎」最後の 2 時間を使って放射線に関する授業を実施した。この教材は 2011 年 3 月 11 日の東日本大震災に伴って起った福島第一原子力発電所事故による放射線漏れの緊急事態に直面し、当時の勤務高校の物理授業で自主編成し実施したものを基にしている。放射線の単位、放射線の所在、放射線の識別、放射線の利用、放射線の被害と防護に関する理解を促すことをねらいとした。本論考ではその実施前と実施後の調査結果も紹介する。
著者
寺田 光宏 中嶋 健二
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.97-102, 2012 (Released:2018-04-07)
参考文献数
8

本研究では,小学校4年生の理科「物のあたたまり方」の単元におけるの指導の現状を明らかにするために,直近10年間の小学校理科教科書の実験・図解・表現を変遷および現職教員や理科教師を志望している学生のもつ「水のあたたまり方」の概念を調査,検討した。その結果,小学校4年生理科「水のあたたまり方」の教科書は,先行研究の指摘により変化が認められるが,まだ混乱していることが明らかになった。また,現職教員及び教育学部理科専修学生がもつ「水のあたたまり方」の概念は,10年前以前の教科書にあるような概念を保持していた。また,「水のあたたまり方」の概念は確固で変容が難しい可能性があることが明らかになり,改善案を考察した。
著者
澤田 大明 宮村 連理 和田 一郎 森本 信也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.27-30, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
9

本研究では,近年の理科教育における重要課題の一つである,子どもの自律的な学習を通じた科学的な思考力・表現力を育成する理科授業の成立に関して,その過程を子どもの認知的な側面から精査することを目的とした。具体的には,和田らが開発した,科学概念構築を可視化する表象ネットワークモデルに着目し,これと表象の相互移行に関わる鍵概念として Gilbert,J.K が提起する視覚化との関連について分析した。さらに,Nelson,T.O らのメタ認知理論を援用し,これと表象の視覚化との関連性を見極めることによって,子どもが自律的に表象の視覚化を図っていくための視点の導出を志向した。この際,Justi,R.らが概念化している,視覚化に関わるメタ認知(=メタ視覚化)に着眼し,科学概念構築の観点からその内実を詳細に検討することを試みた。
著者
甲斐 初美
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.1-4, 2013 (Released:2018-04-07)
参考文献数
11

本研究では,各単元内容の系統性を整理するとともに,理科の一連の指導内容の最適化や構造化を図ることを目的としたこれまでの研究成果から明らかとなった,モデルやアナロジーの取り扱いについて,概念の体制化(organization)と精緻化(elaboration)の観点から考察することを目的とした。特に,温度による体積変化の学習において用いられるアナロジーの教科書における問題点を指摘し,モデルやアナロジーの使用の際の制約の必要性について検証したものである。それらのことから,教科書や教師の説明手段として使用されるモデルやアナロジーのベースとなる領域が,子どもにとってどの程度のなじみがあるのかを検証することや,子どもが理科授業内に持ち込むモデルやアナロジーの起源を整理することで,子どもにモデルやアナロジーを用いて説明させることが可能であるかどうかを検討することの重要性について提言していった。
著者
上松 英介 大村 詠一 岸木 敬太
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.89-94, 2010 (Released:2018-04-07)
参考文献数
7

学習指導要領の改訂により,先端科学技術への認識を深めることがこれまでに比べ重視されるようになった。そこで先端科学である超伝導現象におけるゼロ抵抗の観測を学校の理科室程度の環境でもできるような実験方法の開発に取り組んだ。実験にはこれまでよく使用されてきたセラミックのイットリウム系超伝導体ではなく,線材化されたビスマス系超伝導体を用いた。また簡易な温度調節器を作成することで超伝導体の温度調節を容易にした。これらによって,障害となっていた超伝導体の強度の弱さと実験操作の難しさを解消することに成功した。その結果,定性的ではあるが,ゼロ抵抗や超伝導状態から金属の性質を示す状態への転移の様子をはっきりと観測することができた。 加えて,線材化されたビスマス系超伝導体をリング状にすることでマイスナー効果を観測できることも確認し,セラミックのイットリウム系円形超伝導体を用いるよりも単価を安くして観測できることがわかった。
著者
野口 大介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.47-52, 2019-12-21 (Released:2019-12-18)
参考文献数
81

Copper dendrites exposed to a magnetic field of rare earth magnets in an electrolyzing aqueous solution of CuSO4 resulted in two things. Firstly, a precipitation around the cathode with swirling, and secondly, a growth while spinning around the cathode during the electrolyzing process if a vibration by hand was gently added to the cathode. If these phenomena become inquiring learning materials, it seems to be of significant value in secondary educational practice. In this report, it is shown that the different concentrations of solution change the form of copper dendrites. The lower one needs waiting for enough changing the form, on the other hand, the higher one causes collapse with too strong flow by the Lorentz force acting ions in the solution.
著者
野口 大介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.33-38, 2020-05-16 (Released:2020-05-13)
参考文献数
32

Some spiders were easily observed on the campus of Nagasaki University from autumn to winter such as Argiope bruennichi, Thomisus labefactus, Cyclosa confuse, Hasarius adansoni, Argyrodes bonadea, and Leucauge blanda. The spiders that could be found in the field even in winter, outside of the period in which adults are expected to appear by literature, had white, silver, and golden parts of the body surface. The case that the crab spider T. labefactus preyed A. bruennichi in its center of the web is considered to be unique. UV-vis spectrum of L. blanda was measured and shown that the body had gold and yellow parts.
著者
野口 大介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.23-28, 2020-06-20 (Released:2020-06-17)
参考文献数
15

高等学校化学においてよく取り上げられるナトリウムフェノキシド(NaOPh)の結晶構造データを取得し,その単分子および結晶中三次元構造を調査した。NaOPhのみからなる純結晶はNa2O2四角形単位を含む(Na2O2)nラダー型ポリマー構造を有しており,ユニークな三次元構造を形成している.一方,水和物結晶であるNaOPh・H2Oでは対イオンであるナトリウムイオンとともに水和されている様子が,さらにNaOPh・3H2Oでは結晶水によりナトリウムイオン対が解離して水に溶解したかのような状態が,それぞれ確認できる.その他の溶媒和結晶の構造からも,溶媒和に伴う(Na2O2)n構造の解離の様子が見られた.これら一連の流れを授業で効果的に展開することで,化学物質の構造や溶解現象を分子間相互作用と結び付けて生徒に理解させることが期待できる.
著者
森 拓哉 鈴木 栄幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.33-36, 2014 (Released:2018-04-07)
参考文献数
4

本研究ではTwitterとNAVERまとめを用いたノートテイキング手法を提案し、評価実験を行った。評価実験では大学生の2グループに紙ノート使用(以降、紙群)とTwitter・NAVERまとめ使用(以降、Twitter群)の2条件で講義ノートを作成させ、授業後、確認テストを実施した。その結果、講師の印象的な発言を挙げる問題と講義で紹介された5つの事例(理論)を挙げる問題においてTwitter群が紙群よりも得点が高いことが確認できた。被験者が構成したノート内容を比較したところ、Twitter群のノートは紙群と比較して①情報量が多いこと、②自身の理解プロセスの再構成になっていること、が確認された。