著者
本同 宏成
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.216-219, 2020-06-05 (Released:2020-06-12)
参考文献数
11
被引用文献数
1
著者
日本調理科学会近畿支部 焼く分科会
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.400-406, 2011 (Released:2014-04-25)
参考文献数
15

過熱水蒸気で焼成した製品の特徴を明らかにするために,家庭用過熱水蒸気オーブンの過熱水蒸気機能とオーブン機能を用いて,低温加熱(150°C)と高温加熱(250°C)でハンバーグの焼成を行った。試料内部温度が75°Cになるまで焼成を行った。加熱初期の温度上昇速度は,過熱水蒸気では低温加熱は高温加熱と同様に速かった。製品重量や製品から採取した肉汁量は焼成温度の違いによる差はなかった。官能評価において,低温加熱の方が焼き色は薄く(p<0.001),香ばしい香りは弱く(p<0.01),総合評価は悪かった(p<0.01)。しかし,ジューシーさと脂っぽさは差がなかった。このことから,過熱水蒸気の低温加熱は,加熱時間を長く要する料理に向いていると考えられる。

2 0 0 0 OA 凍豆腐

著者
田村 正紀
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.114-122, 1995-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
16
著者
品川 喜代美 金 娟廷 河村 彩乃 岩崎 裕子 高戸 良之 大越 ひろ
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.126-133, 2014 (Released:2014-07-04)
参考文献数
22
被引用文献数
1

高齢者向けにテクスチャーを改善した餅様食品が開発されている。その食べやすさについて検討するため,テクスチャー特性と筋活動量の測定ならびに官能評価を行った。テクスチャー特性の測定は,飲み込む直前の食塊についても行った。試料は,高齢者向けに開発された餅様食品S,K,および市販の切餅を用いた。餅様食品SおよびKのテクスチャー特性の付着性は,切餅に比べて小さいことが示された。若年者を被験者にした官能評価において,餅様食品SおよびKの喉につまる危険性は,切餅に比べて低いと評価された。また,SおよびKの筋活動量は切餅に比べて少ないことが示された。餅は高齢者が喉につめやすい食品であり,高齢化にともない咀嚼機能が低下するといわれている。付着性と喉につまる危険性および筋活動量に関係がえられたことから,付着性を抑えた餅様食品は,切餅に比べて食べやすいことが明らかとなった。
著者
木村 友子 福谷 洋子 菅原 龍幸 佐々木 弘子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.24-31, 1995-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
11

To develop a new cooking method for rapid rehydration of dried radish (strips of dried radish), several conditions for rehydration including a step of ultrasono-irradiation were studied. The conditions for the best rehydration were determined at 5,25 and 40°C and the effects of ultrasonication on physical properties and palatability of the cooked radish were investigated. The results were as follows:(1) The amount of water absorbed into dried radish increased as the rehydration time goes up. The irradiated radish showed further improved swelling in shorter time and their tissues were softened faster than those in the control without irradiation.(2) When rehydration was conducted under the suitable conditions at the water temperature of 25°C, no difference was observed between the subjects irradiated for 15 min and those soaked for 30 min without irradiation, with regard to in the contents of moisture, total sugar, free sugar, crude protein, free amino acids and ashes, and the remaining proportions of mineral components in both subjects were 81% for Ca,70% for iron and 69% or more for Mg.(3) For texture characteristics, ultrasono-irradiated radish after cooking exhibited large rupture strain and chewiness than the control without irradiation. In addition, the permeability of seasonings was a little higher in ultrasono-irradiated radish and also the odor specific to the dried radish was somewhat decreased, resulting in superior taste evaluation.
著者
畑江 敬子 飯島 久美子 小西 史子 綾部 園子 村上 知子 香西 みどり
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.234-242, 2003-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
19
被引用文献数
2

沖縄から北海道まで2,633家庭の雑煮の食べ方を調査し,次のような結果を得た.(1)2002年正月,雑煮の喫食率は,92.2%であった.元旦の喫食率が82.0%と最も高く,2日以降は減少した.(2)餅の形は東日本は角餅が多く,西日本は丸餅が多かった.しかし,山形に丸餅の飛地が,鹿児島,徳島に角餅の飛地があった.(3)だしは天然素材が60.4%を占め最も多かった.(4)雑煮の味付けは醤油が最も多かった.しかし,味囎には地域性がみられ,近畿を中心とする一帯に多かった.(5)具材は多い順にニンジン,ダイコン,鶏肉などがあげられたが,具材は多様であり,各家庭の自由な発想が伺えた.しかし,地域独特の具材も残っていた.(6)CHAIDによる解析から,全国の雑煮は鶏肉の有無で2分され,さらに餅の形で2分され,それらがさらに鰹削り節,干しシイタケ,ゴボウ,かまぼこの有無で2分されることがわかった.
著者
辰巳 桃子 鮫島 由香 松井 徳光
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.329-334, 2019-10-05 (Released:2019-10-11)
参考文献数
12

低温(5℃)条件下で甘酒により挽肉を発酵させ,タンパク質の分解の程度を調べたところタンパク質の分解は緩やかであった。そこで,より早く食肉を軟らかくでき,甘酒で発酵させることの有効性を明らかにするため,酵素活性に影響を与えることが予測される,米麹の保存状態(冷蔵・冷凍)や甘酒の塩分濃度によるプロテアーゼ活性への影響について検討した。米麹のプロテアーゼ活性は冷蔵・冷凍ともに保存期間の経過につれて増加傾向が見られ,冷凍保存した米麹は著しい品質劣化もなかった。甘酒に食塩を添加することで酵素反応温度55℃で行ったものはプロテアーゼ活性が増加した。食塩を添加した甘酒で発酵を行う方が調理への汎用性が高いことが推察されたため,今後,実際に食肉の発酵を行う5℃においての食塩添加による有効性を明らかにする必要がある。
著者
竹村 諒太 本田 真己 深谷 哲也
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.57-66, 2019-04-05 (Released:2019-04-26)
参考文献数
29

トマトやその加工品に豊富に含まれるリコピンは強力な抗酸化能を有している 。しかし,植物中のリコピンはtrans体として存在し,trans体リコピンは体内吸収性が低いことが知られている。一方で,トマト加工品には,cis体リコピンが豊富に存在し,体内に吸収されやすいことが報告されている。また,最近の研究では,リコピンはオリーブオイル,たまねぎと一緒に加熱されると,trans体からcis体への熱異性化が促進されることが報告されている。そこで我々は,家庭において一般にトマトと一緒に調理されている野菜からリコピンの熱異性化を促進する野菜を調査したところ,たまねぎに加えてにんにく,ブロッコリー,キャベツがリコピンの熱異性化を促進することを明らかにした。さらに,たまねぎ,またはブロッコリーを使用した一般的なトマト料理の加熱調理がリコピンの熱異性化に及ぼす影響を調査した。その結果,トマト料理の加熱調理においてもたまねぎ,またはブロッコリーの使用は,リコピンの熱異性化を促進した。
著者
高橋 智子 川野 亜紀 中川 令恵 大越 ひろ
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.314-322, 2007-10-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13
被引用文献数
2

本研究では,高齢者に好まれるごぼうを材料とした,食べやすいレトルト食品開発の基礎的研究を,力学的特性,咀嚼運動,官能評価より検討した。その結果,加圧・加熱時間が長く,表面積を大きく成形したごぼうであるほど軟かく調理できることが判った。また, ごぼう繊維に対して, 斜め方向から咀嚼できるよう成形したごぼ,咀嚼速度が速く食べやすいことが示された。以上の結果より,ごぼうは,加圧・加熱時間,加熱時の表面積,および咀嚼時における臼歯の貫入方向を考慮することで,食べやすいごぼう調理が可能になると推測される。
著者
郡山 貴子 飯島 久美子 香西 みどり
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.240-248, 2019-08-05 (Released:2019-08-21)
参考文献数
29

ムクナ豆の硬さ,L-DOPA含量,および組織変化に及ぼす貯蔵の影響について検討した。ムクナ豆は貯蔵の影響を受けやすく,高温高湿(30℃/75% RH),常温(20℃/60% RH)および低温低湿(4℃/35% RH)において硬化した。最も変化が小さかったのは冷蔵保存(4℃/80% RH)した豆であった。L-DOPA含有量は高温高湿で貯蔵してもほとんと変化はみられなかったが,煮豆にすることで生豆に対して約1/3に減少した。ムクナ豆の硬化の機構はAISの分析によりペクチンと二価のカチオンによる架橋形成が関与するよりもペクチン以外の細胞壁構成成分と金属イオンとの相互作用が関与している可能性が大きいことがわかった。また,DSCやSEMの結果より,でんぷん周囲のタンパク質の変性により加熱中のでんぷんの膨潤糊化が妨げられることも要因の一つであることも示唆された。