著者
吉田 有花 志築 文太郎 田中 二郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-162, no.5, pp.1-5, 2015-03-06

粘土は馴染み深い素材である.また,つぶす,つまむ,ひっぱる,切るなど自由に変形できる素材である.我々はこれらの特長を持った粘土を用いた 2 次元モデリング手法を提案する.ユーザは圧力センサシート上に粘土を置き,その粘土をつぶす,つまむなどの行為で 2 次元モデリングを行う.これにより,マウス,タッチパネル,ペンなどの入力デバイスに基づくモデリング手法にはない柔軟な質感を感じながら,2 次元モデリングを行うことが可能になる.本稿では,プロトタイプの開発および,つぶす,つまむの操作ができるかの調査を行った.またその調査結果に基づいて 2 次元モデリングのアプリケーションの開発を行い,簡単な 2 次元モデルであれば作成可能であることを確認した.
著者
仙道 航 瀬川 典久 澤本 潤 杉野 栄二
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-158, no.2, pp.1-7, 2014-05-15

大学や大学院の学生の教育研究活動において PowerPoint などを用いたゼミナールが広く行われている.ゼミナールでは,専門性の高いテーマについての活動報告を行うことから,実際に当該テーマについて研究活動を行っている発表者とそうでない聴講者との間に知識量の差が生じやすい.聴講者が発表に対し理解できないままゼミナールが進行していく状態はゼミナールの研究テーマをより良いものにするという目的を妨げる一つの要因になりうる.本稿では,発表資料に記載されているキーワードについて事前に調査を行い,発表時に聴講者へと提示する,聴講者がわからないキーワードを発表者に知らせて説明を促すことにより理解を促すためのシステムを提案する.
著者
イェ チョウトゥ 浦野 義頼
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.5, pp.15-21, 2009-01-19

ミャンマー語(ビルマ語)パソコンのキーボード配列は多数開発されてきたが、標準化はまだ行われていない。本論は、CE、Win Myanmar、Zawgyi Myanmar、MyaZedi、Myanmar3 などのなじみ深いミャンマー語キーボードの配列比較について述べるものであり、キーボードマッピング及び KSPC (1 文字入力するのに必要とされるキーストローク数)に関する実験を重点的に実施した。実験結果から、現行のミャンマー語キーボードの配列はいずれも似かよっており、かつてのミャンマー語タイプライターのキーボード配列に基づいていること、また、KSPC は記号、子音と共に表記する子音記号、下付き文字のキーの割り当てに依存することが分かった。Many PC keyboard layouts have been developed for Myanmar language (Burmese), but there is no standard keyboard layout yet. This paper reports a comparison of well-known Myanmar keyboard layouts such as CE, Win Myanmar, Zawgyi Myanmar, MyaZedi and Myanmar3 etc. The primary research focuses on examination of keyboard mapping and Keystrokes per Character (KSPC). Its result shows that all of the mappings of current Myanmar keyboards are similar and based on the old Myanmar typewriter keyboard layout. Another interesting point is that KSPC value depends on key assignments of various signs, dependent consonant signs and subscript characters.
著者
堤 富士雄 中島 慶人 伊藤 憲彦 三浦 輝久 廣瀬 文子
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.17, pp.1-7, 2012-07-12
被引用文献数
1

つまみを回転させるだけで瞬時に節電を行える「節電ボリューム」を提案する.節電ボリュームは,つまみを回して指定した節電電力量を満たすように,各家電の効用を考慮し,瞬時に機器を制御する.本提案の特徴は「シンプルな操作(しぼるだけ)で節電」「いつでも,どこでも,すぐに節電」「見える化と機器操作の一体化」「家電はこれまでどおりに使える」の4点である.本稿では,節電ボリュームの基本コンセプトを,特にヒューマンコンピュータインタラクションの観点から述べ,開発したプロトタイプの動作確認で分かった効果と課題を示す.This paper proposes a new tool named "Power Volume" to support consumer's daily energy saving activity. The tool has a knob type user interface, and a user can rotate it to the left to decrease total power consumption in user's house. When the user rotates the knob, the energy saving system of the tool immediately controls the power usage of home appliances based on their marginal utility to hold down the total power consumption. This paper describes the key concept of the tool especially on the view point of human computer interaction. We developed a prototype of the tool and a home appliance energy usage simulator to evaluate our tool. This paper also describes the usability and the subject of our tool based on several elementary use experiments.
著者
高野 健太郎 大村 賢悟 柴田 博仁
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-8, 2011-01-14
被引用文献数
3

本稿は,電子書籍端末の読みやすさを評価することを狙いとする.26 名の被験者に紙の書籍,iPad,Kindle,ノート PC を用いて短編小説を読んでもらい,読書速度,読書時の認知負荷,メディアに対する主観評価の観点から読みやすさを比較した.結果として,第 1に,ページめくりを含まない場合は 4 種類のメディアでの読書速度は同水準であり,ページめくりを含む場合は Kindle とノート PC に比べて紙の書籍と iPad での読みは有意に速かった.第 2に,NASA-TLX を用いた読書時の認知負荷の測定の結果,4 種類のメディア間に認知負荷の有意な差は認められなかった.最後に,メディアに対する主観評価では,iPad の評価は表示品質,操作性,読書端末としての総合評価では肯定的な評価であり,読書時の疲労やメディアの重量に対しては否定的な評価であった.一方,Kindle の評価は表示品質や読書時の疲労,メディアの重量に対しては肯定的な評価であったが,操作性や読書端末としての総合評価では否定的な評価であった.また,いずれの主観評価項目でも紙の書籍は,異なるメディアのなかで最も高い評価を得た.This paper aims to evaluate readability of electronic books. Twenty six subjects read short stories using paper books, iPad, Kindle, and a notebook PC. We evaluated readability through an experiment comparing reading speed, cognitive load, and subjective evaluation. At first, no significant differences were found in the reading speed between the four media in the case of reading without turning pages. However, in the case of reading that includes turning pages, subjects read with paper books significantly faster than the case of Kindle and the notebook PC. Second, we measured the cognitive load of reading in each media using NASA-TLX, but we could not find significant differences between the four media. Finally, subjective evaluation shows that iPad had a positive score in the overall evaluation as a reading device, display quality, and usability, but it had a negative score as for fatigue during reading and the weight of the device. On the other hand, Kindle had a positive score as for display quality, fatigue during reading, and the weight of the device, but it had a negative score in the overall evaluation as a reading device and usability. As a total, paper books were evaluated highest between the media in almost all criteria of subjective evaluation.
著者
兵吾 勇貴 鈴木 浩子 古川 忠延 三末 和男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-6, 2014-05-15

甚大な被害をもたらす降雨災害を防ぐためには,現況の把握ならびに降雨地域の拡大を見極めることが重要である.我々は降雨メッシュデータに基いて,降雨を受けた地域および当該地域が移動する方向を静止画によって表現する手法を開発した.開発した手法は,矢印により降雨地域の移動の方向を表し,同時に現時点で雨の降っている地域と累積の雨量を色によって表現する.そのため,アニメーションに頼らずに位置情報付き時系列データである降雨データを静止画によって表現できる.本手法により消防団員の意思決定や情報伝達を行うことが容易になる.In order to prevent rain disasters bringing serious damage, it is important to grasp the situation and understand the expansion of the rain area. We developed a technique of expressing the area where rain falls and the direction of movement of the affected area. This technique is based on rain mesh data and uses a still image. The developed technique expresses the direction with arrows and shows the values of rainfall or rainfall accumulation with colors. Therefore, it is possible to express the rain data (which is time-series data with location information) using a still picture, without being dependent on animation. Using this technique, it becomes easy to perform decision-making and communication of information between fire brigade members.
著者
孫 啓譜 浦野 幸 星野 准一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.33, pp.1-7, 2014-03-06

顔の魅力は様々な研究分野でも興味の対象となっているとともに,社会的な活動においても対人的に好ましい印象を与えることが重要であることが多い.女性誌でも魅力を向上させるための様々な化粧術が特集されたり,化粧専門の雑誌が発売されたりしている.しかし,メークのテクニックは膨大で,顔の形状には個人差があるため,どのようなメークがその個人に適切なのかを判断することは,日頃からメークを行っている女性にとっても容易ではない.本稿では,個人の顔の形状分析に基づいて魅力的な顔になるためのメークアップ支援システムを提案する.本手法では,平均顔は魅力的な印象を与えると仮定して,ユーザの顔画像から顔の各顔パーツの大きさや位置関係,顔の輪郭特徴を分析して,平均顔に近づけるメーク手順を推薦する.プロトタイプシステムを実装して,ユーザがシステムを利用する前後でのメークの効果について自己と他者の視点から見た評価を行ったところ,顔の魅力度が向上することを確認した.Facial attractiveness plays an important role in social activity. Make-up of women can be said to be an attempt to make a face attractive. However, to make an attractive face that fits the individual user is not sufficient. Furthermore, it is not only generating the image, but also supporting the process to become an attractive face is not performed. Many studies have proven through experiments that images of faces were manipulated to make their shapes closer to the average which are perceived as more attractive. In this paper, we propose a system to synthesize the virtual makeup to make an attractive face. An attractive face is assumed to be an average face in this paper. And after analyzing the shape and arrangement of each part of the user's facial image, two synthesized images will be shown as the output of the system. One is the image close to the average face by face morphing to arouse the potential psychological consciousness to be beautiful. And the other one is the image, which performed the makeup simulation with the advice of covering the complex of the face. Then we took the experiment to verify the system.
著者
井上拓哉 山本邦雄 乃万司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-8, 2014-07-28

本稿では,広域での経路案内において事前に経路全体を確認したいユーザに向け,曲がる場所など経路案内する上で重要なところを拡大しつつ,重要でないところは簡略化して経路全体を示す案内地図作成システムを提案する.提案システムの特徴は,重要地点周辺を拡大した部分地図を抽出し,それらを画像として上手く貼り付け,いわば,コラージュのように組み合わせて経路全体を表示する点にある.提案システムの開発により,案内地図が上手く作成できるかを検証した.
著者
西祐貴 床井浩平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.67, pp.1-6, 2014-03-06

本研究では,ユーザーが指定した任意の二点間に落雷アニメーションを生成するビジュアルシミュレーション手法の開発を行った.提案手法は,方向性を持った放電経路を,雷の進行方向を中心に分布する正規乱数をもとに生成する.また,これを強烈な発光源としてユーザーに知覚させるために,レンダリング時に放電経路に対してグローを生成する.提案手法はこれをリアルタイムで実行することにより,ゲームなどの対話的なアプリケーションの視覚効果として利用できる.
著者
五味 雄一 万井 真理子 森田 圭紀 寺田 努 東 健 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.5, pp.97-104, 2009-01-19
被引用文献数
1

入院中の患者の娯楽の手段・時間は治療上の制約やプライバシの問題から自宅での生活に比べて大きく制限される.しかし,治療や入院生活における身体的・精神的苦痛や退屈の緩和のためには,患者が自宅と同様に周囲を気にせず娯楽を楽しめる環境が必要である.本稿では,頭部装着型ディスプレイ (HMD: Head Mounted Display) で映像コンテンツを提供することによる苦痛や退屈の緩和の効果を調査し,入院生活における QOL の向上において,HMD による映像コンテンツ視聴の効果を明らかにすることを目的とする.アンケート評価の結果より,入院中の HMD によるコンテンツ視聴が精神的苦痛や退屈の緩和に有効であることがわかった.The entertainment for patients in hospital is strictly limited because of remedial limitations and look at privacy compared with that at home. However, it is important to provide an environment that the patients enjoy entertainment without concerning for reducing the physical pain and tedium of patients in hospital. In this paper, we investigate the effect of offering video contents with HMD (Head Mounted Display) to improve QOL (Quality Of Life). The result of experiment clarified the effectiveness of browsing contents on HMD for relaxation of mental pain and tedium of patients in hospital.
著者
中川 雄太 吉田 香
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.3, pp.1-8, 2010-01-15

DTP を行うにはフォントの選択が非常に重要であるが,PC に予め用意されているフォントの種類は限られている.本研究では,ユーザの主観的評価を随時計算に取り込み最適化を行う対話型進化計算手法を用いて,ユーザの感性に応じたフォントを生成するシステムの構築を行う.その際,欧文書体のエレメントごとにフォントを変異させることにより,デザインの統一性を保ちながら新しいフォントを生成する手法を提案する.一方,IEC は計算結果が初期集団に大きく依存することや,ユーザの評価による負担,解が収束しないといった問題がある.そこで,本研究ではこれらを解決するための初期集団の生成方法や,設計変数の指定方法を提案する.最後に,提案システムを実装し,動作確認を行った.Font Generating System "PALETTE" is designed to emerge various fonts based on user's Kansei without hand drawing. It enables to generate a new font by selecting user's favorite fonts from displayed candidates, save font information based on user's selection, and reuse saved font to the next font creation. To design PALETTE we focused on Interactive Evolutionary Computation (IEC) technique to take user's subjective desire on font shape into the system. IEC is well known as a method to use user's evaluation interactively. PALETTE has the following modules; (i) create font candidate using basic font shape, for example "century", or saved font information, (ii) generate new fonts using genetic algorithm which can modify each element of the selected fonts, and (iii) export letter with the selected font and save font information. Furthermore we implemented the tool to export font information represented by XML format, because font information should be defined at first. In this paper, we explain about PALETTE in detail and show the experimental results. PALETTE provides not only generating new font but each user's subjective desire on font shape.
著者
東本 遼太郎 森 崇志 中井 仁大 星野 准一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.80, pp.1-6, 2014-03-06

実体験を伴った経験は学習にとって効果的で,学校教育などでは実際に学習対象に触れるような学習が推奨されている.しかし過去の歴史や文化について学ぼうとした場合,実際に体験をすることで知識を得ることは難しい.本稿で提案するシステム,EFfEct: Experiential Foundation for Education では,歴史的な事象を定義でき,プレイヤは登場人物の 1 人として場面に参加することで,様々な視点から多面的に事象を理解できる.システムは様々なゲームコンテンツの基盤となるもので,学習したい場所,時代に対応する.今回は過去の生活習慣や文化に着目し,町を再現したヴァーチャルな 3D 空間の中で人々の暮らしを観察,体験できるゲームコンテンツを制作可能とした.評価として,日本の江戸時代の町における人々の生活を体験できるゲームコンテンツを制作,実現した体験的学習に学習効果があるのか,どういった要素が効果的であるのかを確認した.Experience is effective for learning. Learning with observing or touching on the object actually is recommended, such as school education. However, if we try to learn about the history or culture of the past, it is difficult to learn it from actual experience. In this paper, We developed a game system called EFfEct (Experiential Foundation for Education) using Episode System that allows players the historical and cultural experiential learning. Users as the characters of scenes can actively learn contents with experiencing the time, the place and the change with them. System is foundation, so creators of game contents can produce them representing various age or place with this system. We performed experiments to evaluate the system by getting users to play game content can experience the life of people and entertainments in the town of the Edo period of Japan. In these experiments, it was confirmed whether there is a learning effect and what element is effective.
著者
井上 翔太 櫨山 淳雄
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-157, no.56, pp.1-6, 2014-03-06

本論文では Twitter 上でのつながり構築支援を目的とし,その構築支援手法の提案とシステム構築を行った.Twitter 上でのつながり構築は主に人間関係や趣味などのつながりから推薦されてきたが,人間関係や趣味でつながりが強い相手であっても,Twitter の利用頻度や投稿量が違いすぎるとコミュニケーションがうまく行えない場合がある.そこで本研究では,活動時間帯,活動量を用いたつながり構築を行えば,よりコミュニケーションをとりやすくなると考え,活動時間帯,活動量からつながり構築支援手法を提案し,システム構築,実験を行った.被験者にアンケートを行い,活動時間帯,活動量を用いた推薦は,活動時間帯,活動量を用いない推薦より,ユーザーのツイートを被験者が目にしやすいという結果が得られた.また,ツイートの中で,テレビ番組の話題など,リアルタイム性の高い話題に興味を持ったと言う回答も得られた.結論として,Twitter というリアルタイム性の高いマイクロブログにおいて,趣味や興味を取り入れず,ユーザーの活動形態を利用したユーザー推薦を行った結果,ユーザーの趣味や興味以外の日常的なツイートにおいても興味関心を抱くことがあることがわかった.またそれらは多くの人が共通して話題にするもので,特にリアルタイム性の高いものであるため,活動時間帯が同じことが重要であるという結論が得られた.
著者
淺原 彰規 佐藤 暁子 丸山 貴志子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.24, pp.1-8, 2009-11-05

本報告では歩行者の動線解析技術を提案する.動線解析とは測位装置を持った歩行者の位置情報に意味づけを行う処理であり,意味づけにより適応的な情報配信などが可能となる.まず本報告では動線解析処理を体系化し,動線解析技術が提供しうる機能を明らかにする.次に動線解析の実現可能性を検証するため,バーベキューイベントにて 13 名の動線を収集し,解析した.その結果,誤差 10m 程度で 15 秒/回の測位でも,イベントに伴う歩行者行動の変化が検出された.We propose a pedestrian trajectory analysis in this paper. The trajectory analysis, which is defined as a process to discover sematics of the trajectory, enable an adaptive information distribution for the pedestrian's preference. We classified the analysis methods and their functions in this paper. Then we measured positions of 13 people in a BBQ event in order to prove the possibility of the system with the trajectory analysis. Finally, we obtained that the trajectory analysis is effective even if positioning systems are not so precise.
著者
吉田 翔 金井 秀明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.52, pp.1-8, 2014-03-06

本研究は,食事中のそしゃく癖の改善を目的としたそしゃく状況通知手法に関する研究である.共食の場において周囲に悪影響を及ぼす 「クチャラー」 を対象とし,聴覚遅延フィードバックを用いたそしゃく状態の通知を行った.被験者のそしゃく音を遅延させて再生することで,自分のそしゃく行為が周囲からどのように認識されているかを通知する.構築システムでは通知だけでなく,被験者の顎の動きを検出することで,そしゃく状態を測定することが可能である.このシステムを用いた実験により,遅延時間を大きくした場合,被験者は自らのそしゃく状態を認知でき,そしゃく行為を控えようとする傾向が確認できた.In this paper, we propose a notification system of a state of mastication in order to improve a habit of mastication during the meals. The system senses user's mastication state, and uses the delayed auditory feedback to notify the user of the state. The system does the feedback of user's mastication sound depending on the mastication state in order to make sense of the state. We carried out user experiments in order to investigate the effects of the system and how to change user's behavior of masticating using the system. From the experiments, we found that the subjects tend to change their masticating action depending on the delayed auditory feedback.
著者
吉田 綾奈 邱 起仁 櫨山 淳雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.35, pp.1-6, 2014-03-06

インターネットが普及したことにより,SNS 上でなど,コンピュータを介したコミュニケーション (Computer-Mediated Communication: CMC) が日常的になっている.CMC では主にテキストによるコミュニケーションが行われる.マイクロブログの代表例である Twitter では,文字数に制限があるので,簡潔に感情を伝えるために顔文字を使用する.顔文字の種類は日々増えており,その膨大な量を把握することはもちろん,多数の顔文字から自分が伝えたい感情に適した顔文字を決定することが難しくなっているというのが現状である.そこで本研究では,伝えたい感情に適した顔文字を推薦するための足がかりとして,顔文字を Twitter のつぶやきから自動的に抽出し,つぶやきの文章から検出した感情を付与した顔文字データベースを構築する.The growth of the Internet makes Computer-Mediated Communication (hereafter CMC) getting popular in these days. Communication by text is mainly conducted on CMC. In Twitter, one of the representative examples of micro-blog, emoticons are used for showing the feeling briefly because the number of letters is limited in Twitter. The number of emoticons is increasing, thus that it is difficult not only to figure out the total amount of emoticons, but also to choose a proper emoticon that shows the feeling we would like to express to others from enormous emoticons. In this study, an emoticon database is constructed. It is composed of emoticons that are automatically extracted from tweets on Twitter and associated with emotion which is inferred from them.
著者
桜井雄介 増井俊之
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-154, no.5, pp.1-4, 2013-07-29

タブレット計算機の QWERTY ソフトキーボード上でのフリック操作を利用した日本語入力システム 「Blossom」 を提案する.タブレット計算機で広く利用されている QWERTY ソフトキーボードにおいて,キーを普通にタップすると英数字が入力され,タップしてからスライドする 「フリック操作」 を行なうとひらがなが入力されるようにすることにより,キーボードを切り換えることなく英数字と日本語の入力が可能になった.
著者
秋山 博紀 安村 通晃
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011-HCI-142, no.13, pp.1-8, 2011-03-10

近年,Amazon 社の Kindle や Apple 社の iPad の登場により,電子書籍はより身近なものになった.特に日本国内でも電子書籍市場規模は右肩上がりで拡大しており,電子書籍の重要性が高まっていることが分かる.しかし,従来の電子書籍は紙の書籍同様,一人のユーザーが読み,自分のためにコメントなどを付加できるもので,他の読者とコメントなどを共有できるものではなかった.コメントやブックマークなどの書籍に関連したアノテーションを他のユーザーと共有することで,書籍の特定の箇所に関わる議論や疑問の解決や要点の抽出など,電子書籍ならではの新しい書籍の読み方が提案できる.本研究で提案および実装を行った “libenote” は電子書籍に対してアノテーションを付加し,それらを共有することでユーザー間の知識共有を図る,電子書籍のための統合プラットフォームである.本稿では,印刷された書籍に対する読者の書き込み調査を元に提案を行い,設計と実装について述べる.
著者
菊地 泰己 桂田 浩一 入部 百合絵 新田 恒雄
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-2, 2013-01-25

本論文では,一般的な Web ブラウザ上でマルチモーダル対話システムを可能にするための JavaScrip tライブラリ MMI.js を提案する. MMI.js は,逐次的,同時的,択一的なマルチモーダル入出力の制御,入出力のタイミング制御,エージェントによるプレゼンテーションの各機能をサポートしている. MMI.js の有用性を確認するために,本研究室で開発している英語の発音訓練ソフトにマルチモーダルインターフェースを組み込んだ.これにより複数の入出力手段を組み合わせた複雑な対話を容易に記述できることを確認した.This paper proposes a JavaScript library called "MMI.js" which enables us to use multiple modalities on web browsers. This library supports sequential multimodal inputs/outputs, simultaneous multimodal inputs/outputs, alternative multimodal inputs/outputs, synchronization of multimodal inputs/outputs and gestures given by the dialogue agents. To show usefulness of this library, we embedded multimodal interaction into a pronunciation training application for Japanese students. Through the development of this application, we confirmed the library makes it easy to describe combination of multiple inputs/outputs appearing in complicated interaction.
著者
山本伶 増井俊之 安村通晃
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-8, 2013-03-06

メールや SNS のような様々なコミュニケーションシステムが現在広く利用されているが、このようなシステムを利用して情報をやりとりするためにはメールアドレスや SNS アカウントのような個人情報を交換する必要がある。たまたま一緒になった人と写真を交換したい場合のように、よく知らない人と情報をやりとりしたい場合、メールアドレスや SNS アカウントのような個人情報を知らせることには危険があるため、個人情報を開示することなく手軽にデータを交換できる方法があると便利である。本稿では、その場限定で匿名で簡単に情報を共有できるシステム 「Sonoba.org」 を提案する。時間制限つきの URL を使用することにより、個人情報を開示せずにその場限りの情報共有が可能となる