著者
綾塚 祐二 那和 一成
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.1-5, 2012-07-12

本稿では、Twitterに発信するメッセージのような短い文の入力をターゲットとした新たな作文手法「完成文変更方式」を提案する。既存の文章入力システムでは、全ての文字をタイプするなどにより文を先頭から入力し、文末まで入力が完了したところで文が完成するが、我々の提案する手法は自動的に生成された文をベースに変更を加えていくという方式で、常に発信可能な完成した文があるという状態を保つことにより、その時点で掛けられる手数によらず発信文を生成することができる。その実装へ向けた第一段の試作として、位置情報に基づき自動的に複数の候補文を生成してユーザに提示し、発信のできるシステムGhostTweetを試作した。We propose a new text input paradigm for short messages, named Composition by Altering Complete Sentense. A system with a method under this paradigm provides a complete sentense. A user can alter a part of the provided sentense or request another sentence to make it suitable to his/her intention. Unlike traditional text input methods, with which a sentense is imcomplete until a user type or select the last word, the system always shows a complete sentense as a candidate according to user's input. This means our method is available even for a user who is only able to share little resource for input. We implemented a prototype application, named GhostTweet, to investigate the paradigm. GhostTweet shows some automatically generated candidate sentense to tweet, according to location information.
著者
王 慧 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.28, pp.145-152, 2009-03-06

本研究では,グループでの議論において参加者それぞれが持つ多様な視点からの意見を引き出すことを促進するため,オンラインコミュニケーションメディアが本質的に有する匿名性をより効果的に活用する,非対面同期型議論システムについて検討する.問題の正確な把握や,新たな問題点を見つけたり新たなアイデアや知識を生み出したりするためには,参加者それぞれが持つ様々な視点からの意見表出を促すことが非常に重要である.しかしながら,一般の会議では,発言の論理性と一貫性の維持や,グループ内の社会的な関係の制約により,各参加者が有する様々な視点からの意見を自由に表出できるようにすることは困難である.そこで本研究では,オンライン空間の中で,参加者各自が複数の人格を駆使して議論に参加することを可能とする 「任意ハンドルネーム発言機能」 と,他の参加者に特定の視点での発言を強制する 「視点押付機能」 を有する "Cosplay Chat" を構築した.Cosplay Chat を使用して,各参加者が有する様々な視点からの意見を引き出すことが可能となるか評価実験を行った.Cosplay Chat を含む 4 つのチャットシステムを用いて,20 名の被験者を 4 つのグループにわけ,比較実験を実施した.比較実験の結果,Cosplay Chat によって多様な視点からの意見を引き出せることがわかった.In this paper, we propose an online discussion system for encouraging participants of a discussion to express their opinions from diverse perspectives and evaluate its efficiency. It is very important to encourage the participants to express diverse opinions for accurately grasping situations of problems, finding overlooked problems and creating novel pieces of knowledge. However, in the usual meetings, it could not be achieved that the participants freely express opinions from diverse viewpoints in their minds because of the requirement to maintain logical consistency of their statements and constraints of the social relationships in the group. To solve this problem, we propose a new online discussion system named "Cosplay Chat." This system provides two functions: a "talking-as-any-other-personality function" and a "forcing-another-personality-against-someone function." We conducted experiments with subjects using four different chat systems including Cosplay Chat to evaluate whether they can more freely express opinions from diverse viewpoints with using Cosplay Chat. as a result, we confirmed that this system works as expected and opinions from diverse viewpoints could be obtained.
著者
染谷 有利奈 高橋 英之 伴 碧 久木田 水生
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2023-HCI-201, no.16, pp.1-4, 2023-01-09

近年,宗教的な存在を想起させるエージェントのデザインや役割について注目が集まっている.本研究では宗教的なエージェントのデザインを行う上での調査として,様々な宗教的な存在に対して,人々がどのような心的知覚を持つのかについて調査を行った.特に本研究では地蔵尊に着目し,現代の日本人が地蔵尊をどのように捉えているのか,他の存在と比較しながら検証する.そこから地蔵エージェントのデザインと効果について考察していく.
著者
阪本 毅 神田 智子
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-159, no.8, pp.1-6, 2014-07-28

我々は,SNS 上の自分の発言によって他の利用者がどのような印象を発言者に対して抱くのか,発言者自身が理解を深めることが有用であると考える.先行研究より,人々は小説形態の文章のみから,書き手の印象を形成することが可能であることが示されている.本研究では,SNS 上の発言からも書き手の印象が形成されるかを印象評価実験を通して検証する.また,および似顔絵描画ツールを用いて,SNS 上の発言から形成される書き手の顔の印象の可視化を試みる.
著者
太田 祥一郎 河田 隼季 牟田 将史 益子 宗 星野 准一
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2017-HCI-172, no.10, pp.1-8, 2017-02-27

近年では,年間に放送されるアニメ作品は 200 本を超え,関連グッズなどのコンテンツを含めた広義のアニメ市場規模は 1 兆 8250 億円に昇る.しかし,アニメ作品と市場の発展に伴い,数多くのアニメ作品の中からユーザが自分の嗜好に合った作品を見つけ,それらの関連コンテンツの全容を把握することは困難となっている.そこで本研究では,ユーザの潜在的嗜好を反映した,アニメ作品や関連コンテンツを横断的に推薦することができるアニメ作品推薦システム “AniReco” を提案する.本システムは,アニメの視聴回数とジャンルや声優などの指標によって分類したアニメ作品情報を用いてユーザの嗜好を算出し,ネットワーク図による視覚化を通した推薦を行う.システム利用姓,推薦内容の検証を目的とした評価実験を行った結果,提案システムがユーザの嗜好に合ったアニメ作品を推薦可能であることを確認した.
著者
大槻 麻衣 大隈 隆史
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2020-HCI-187, no.13, pp.1-6, 2020-03-09

超高齢化・少子化のために労働人口減が進む現代日本社会において,サービス業における人手不足が今後ますます深刻化することが予想される.現状,サービス業における訓練では,OJT (On the Job Training) として,指導者が訓練者に付き添い,実際の接客を通じて指導を行うことが多いが,訓練者の認知や判断の途中経過を指導者が客観的に捉えることが難しいことから,OJT による指導は極めて難しい.また,訓練の効果を評価するためには,採点者に依らない定量的な指標の計測が必要であるが,実店舗での接客中に計測することも困難である.これらの問題に対し我々は,飲食サービス業において特に実店舗で訓練が難しい要素である「気づき」と「優先順位判断」に着目した VR 業務訓練システムを開発する.提案システムでは,VR 空間に再現した実店舗モデルを用いて訓練を行う.訓練者は複数のテーブルに対して並列して接客業務を訓練することができ,また,指導者はリアルタイム,あるいは後からその様子を見て採点可能とした.本稿では提案システムの設計とプロトタイプの実装について述べる.
著者
西本 一志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.1-8, 2012-07-12

本稿では,ポスト知識社会を見据えた,Creativity Miningという新しい創造活動支援のあり方を議論する.我々のような一般人がなにがしかの新奇なモノを創り出すことは容易ではない.しかしながら,それは我々が非創造的であるということを意味しない.我々は皆,潜在的に創造性を有している.ただ,持てる潜在的創造力を思い通りに発揮することができないか,あるいは潜在的な創造力の存在に気づいていないだけであると私は考える.すなわち,我々の多くは「非創造的」なのではなく「未創造的」であると言えよう.来るべきポスト知識社会としての「創造性社会(Creative Society)」を確立するために必要となる創造的人材を大幅に増員するためには,未創造的な人々の裡に深く埋もれたままの創造性を見いだし,その発揮を支援するための新たな技術の実現が不可欠である.すでに創造性支援技術が広く研究開発されているが,これらの技術は基本的に「既創造的」な人々を主たる支援対象としており,未創造的な人々には適用し難い.Creativity Mining技術は,未創造的な人々を支援対象とし,これらの人々が有する潜在的創造性を発見・発掘することを支援する.本稿では,筆者らの研究室でこれまでに開発された3つのシステムを事例として取り上げ,これらの事例がどのようにCreativity Miningシステムとして機能するかを論じ,Creativity Mining技術の要件について検討する.This paper proposes a novel concept called "Creativity Mining" for Post-Knowledge Society. Even though it is quite difficult for general people to create novel things, that does not mean that we are not creative. We all potentially have creativity. We simply cannot manifest our potential creativity at will or are unaware of its existence. In this sense, perhaps we are not uncreative but not-yet-creative. To increase creative human resources to establish the coming "Creative Society" as a Post-Knowledge Society, we require new technologies for finding the buried creativity deep within not-yet-creative people and for supporting its manifestation. Although creativity support technologies have been widely studied, they have supported the creative activities of already creative people. They are not useful for supporting not-yet-creative people. In contrast, creativity mining technology supports not-yet-creative people to find and confirm their potential creativity. This paper illustrates three example systems developed at the author's laboratory and discusses how they work as creativity mining systems and their requisites.
著者
西尾孔志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-1, 2010-05-07

映画は,作品とその中にあるテーマを,映像と音声により視聴者に向けて届ける芸術作品です.視聴者にその作品を,そして作品が伝えたいことを明確にあるいは印象的に届けるためにどうしたらいいか,そのためにどうすればよいかという知見は,計算機の情報処理結果を人間に届ける際にも通じるものがあると思われます.そこで,映画作りにおいて人間(視聴者も登場人物も)をどう捉えるか,という観点を中心に,映画がどうして観る人を引き込むかについて,実際の製作の様子を見ながら映像的/映画的観点で概説します.また,最新のインディーズ映画事情について,CO2(シネアスト・オーガニゼーション大阪エキシビション)という若手映画監督活動支援プロジェクトにディレクターとしてかかわっている立場から紹介いたします.
著者
石山 琢子 楠 房子 稲垣 成哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-5, 2013-05-17

大規模な博物館では,展示の理解のために,インタラクティブなコンテンツ開発が行われている.一方で多くの博物館では,展示の理解支援コンテンツを新規に設置することは難しいのが現状である.また学芸員の時間的余裕も少ないため,常設展示の内容も変化がないなど,支援は必要とされているが,展示支援コンテンツの実現が難しい現状がある.そこで本研究では iPad mini とキューブ型のスタンプを用いて,簡単に博物館の展示支援が可能なシステムを実装し,評価実験を行った.本論文ではその実験から得られたコンテンツと UI の評価について述べる.Large museum is developing interactive content for the understanding of the exhibit. On the other hand, many museums is difficult to install a new understanding support content of the exhibit. And curator is so busy. Therefore There is no change in the contents of the permanent exhibit. Support are needed there. But the realization of support content of the exhibit is difficult. So, we made a system that can support the museum exhibition easily by using a stamp of cubic and iPad mini. And we have the evaluation experiment. In this paper, We describe the evaluation of the user interface and contents obtained from the experiments in this paper.
著者
高橋 英之 伴 碧 近江 奈帆子 上田 隆太 香川 早苗 石原 尚 中村 泰 吉川 雄一郎 石黒 浩
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2019-HCI-181, no.13, pp.1-7, 2019-01-14

心に働きかけることで,人間の暮らしを豊かにするヒューマンエージェントインタラクションの研究が多数行われている.一方で既存の研究は,ユーザーとエージェントとが特定の状況で短時間だけ相互作用することを想定する場面設定が殆どであり,従来のエージェントを長時間使用した際には,かえってユーザーがその存在に飽きてしまったり,“あざとさ”を感じてしまったりするリスクがある.本稿では,五感刺激を組み合わせて空間に提示するシステムとロボットを連動させることで,心に持続的に影響を与える続ける空気感エージェントのデザイン原理とそれに期待される価値についての議論を行う.
著者
加納 寛子
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2016-HCI-167, no.3, pp.1-7, 2016-03-01

本稿では,即レス症候群の傾向にはどのような違いがあるのか明らかにすることを目的とした.その結果,性差や年齢に関して即レス症候群の傾向にいくつか特徴が指摘された.そして,即レス症候群は,必要に迫られて即レス症候群になる場合と,無意識型の即レス症候群に大別されることが指摘された.さらに,即レス症候群や既読無視,ネットいじめやコミュニケーションのずれを防ぐためにも,きちんと教育をしてスマートフォンやSNSを使うことの重要性が指摘された.
著者
吉川 祐輔 宮下 芳明
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.1-7, 2010-07-23
被引用文献数
1

本稿では,調理レシピを記述するためのデータフロープログラミング言語を提案する.提案手法でレシピを記述することで,調理と食材の流れを視覚的に把握しつつ,構造化されたレシピを得ることができるようになる.本稿ではさらに,調理レシピをデータフロープログラミング言語として表すために必要な要件と,もたらされるであろう未来について述べる.We propose a data flow programming language to describe cooking recipes. It brings visual showing of the flow of cooking and foodstuffs and the structured recipes to describe recipes by the technique that we suggest. In this paper, we observe requirements to express cooking recipes as data flow programming language and our vision.
著者
横山 元紀 吉田 香
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010-HCI-136, no.6, pp.1-8, 2010-01-15 (Released:2009-12-24)

近年の情報技術の発達により,インターネット上に多くの Web ページが存在するようになった.これに伴い,Webページを検索・ランキングする技術が発達してきたが,現在の Web ページ検索技術はレイアウトの良さや読みやすさに関する評価因子を考慮していない.本研究では人間の視覚モデルを用いて Web ページの評価因子を解析し,Web ページの順位付けに評価因子を用いた Web ページ検索・ランキングシステムを提案する.本稿では提案システムを構築するにあたり,提案システムの概要と提案システムに用いる評価因子に関する考察を行った.その結果,Web ページのコントラストだけではなく,メニューやタイトル,画像などの構造を考慮した特徴量および既存の類似画像検索などで用いられる特徴量などを用いることで提案システムを利用するユーザの評価因子の評価によく当てはまる評価関数を構築できる可能性が確認できた. Conventional web search by keyword gives us retrieval results according to similarity between keyword and web page content or importance. There are several ways to calculate similarity or importance such as PageRank and HITS. However, higher ranked web page is not always well understandable or readable. On this point, people are interested in usability to evaluate web page. On the other hand, human visual perception model is suggested by psychologists and computer vision researchers. They reported our impression to web page is occurred in instant. In this paper, we propose the web page design evaluation system based on human visual perception model to apply page ranking method which can sort web page retrieval results by understandable or readable order. The proposed system is constructed by (i) image capture module, which takes web page retrieved by keyword as an image, (ii) feature extraction module, which extract image feature based on human visual perception model, (iii) evaluation factor analysis module, and (iv) re-rank module. We report the experimental result of questionnaire for web page evaluation and show consideration of web page design factor.
著者
磯山直也 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-153, no.6, pp.1-8, 2013-05-17

近年,インタラクティブシステムのためのユーザ行動認識手法が多数提案されている.情報提示システムがインタラクティブになることで,観客はシステムを自らの体で経験して楽しむことができ,システム提供者もより豊かな表現をすることができる.ユーザ行動には様々なものがあるが,システム設置の制限などの理由により,既存のシステムは特定のアクションの認識に特化しているものがほとんどである.本稿では,平面に複数の加速度センサを装着することで,行われたアクションの位置や強さを認識する手法を提案する.小型の加速度センサのみでシステムを構成することにより,デバイスが目立たずに,汎用的に設置することが可能である.これまでに2度の長期的なメディアアートでの使用を通じて,提案手法の有用性を確認した.
著者
中嶋慶輔 福地健太郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-152, no.8, pp.1-7, 2013-03-06

スポーツの中継映像は,実際の現場での視界のごく一部しか視聴の対象になっていない.人間の視覚特性では周辺視野部では特に動きの知覚に優れているため,中継映像では速度感覚への刺激が実際に比べて低下していると考えられる.我々は今回,画面周辺部に動き提示のみを目的とした LED アレイを設置し,画面内の動きにあわせて LED を点灯させることで,速度感を増強するシステムを提案する.評価実験ではこの LED 表示により,被験者の速度感覚に影響を及ぼすことができることが確認できた.本手法は視界が制約させるコックピットや遠隔操作システムやなどにも応用することで制御精度の向上も期待できる.
著者
山下 大輔 間 博人 松井 健人 三木 光範
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-165, no.4, pp.1-8, 2015-11-22

近年,コンピュータの直感的な操作としてジェスタ認識に注目が集まっている.専用のジェスチャ認識デバイスのみでなく,モバイル端末を用いたジェスチャ認識の研究も行われている.しかし,追加デバイスが必要であったり,カメラを用いることで消費電力やプライバシーの問題が発生するなどの課題点がある.本研究では,モバイル端末内臓の照度センサを用いてハンドジェスチャ認識する手法を提案する.端末表面の明暗変化を取得してハンドジェスチャ認識を行う.モバイル端末内臓の照度センサを用いることで,追加のデバイスを必要とせず,消費電力やプライバシーも考慮したハンドジェスチャ認識を実現した.提案手法における認識精度の検証を行い,正確なハンドジェスチャ認識が可能であることを確かめた.また,提案手法を用いたモバイルアプリケーションの実装を行い,ユーザビリティ評価実験を行った.作業効率や視線の動きなどの指標からタッチ操作と比較したハンドジェスチャ操作の有効性を検証した.想定した状況下において,ハンドジェスチャ操作は有効である.
著者
岩本 拓也 小倉 加奈代 西本 一志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-150, no.16, pp.1-8, 2012-10-25

恋人間の愛着行動 (いわゆる 「いちゃいちゃ」) は,幸福感を得るためや相手との関係をより良いものにするために重要な行為である.恋人達の多くは,常に愛着行動をとりたいと願っている.しかしながら公共空間では,目の前にパートナーがいるにもかかわらず愛着行動を行うことができない.従来の恋愛支援技術の研究は,遠距離恋愛者を対象に研究開発が進められてきたが,近距離恋愛者に対しても支援すべき課題が残されていると考える.そこで我々は,公共空間内での対面状況において,周囲に不快感を与えることなく愛着行動を行えるメディアの研究開発を進めている.本稿では,このメディアの実現に向け,どのような種類の行動を伝え合うことが有効かに関する基礎的検証を行う.
著者
阪本 毅 神田 智子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-6, 2014-07-28

我々は,SNS 上の自分の発言によって他の利用者がどのような印象を発言者に対して抱くのか,発言者自身が理解を深めることが有用であると考える.先行研究より,人々は小説形態の文章のみから,書き手の印象を形成することが可能であることが示されている.本研究では,SNS 上の発言からも書き手の印象が形成されるかを印象評価実験を通して検証する.また,および似顔絵描画ツールを用いて,SNS 上の発言から形成される書き手の顔の印象の可視化を試みる.It is important for SNS users to understand what kinds of impressions are formed from the tweets written by themselves. Previous research showed one can form impressions of others from novel-style writings. This research aims to investigate whether personality impressions of SNS users can be formed from their tweets by evaluation questionnaire. We also visualized the facial portraits of the SNS users from their tweets.
著者
杉山 暢彦 澤本 潤 杉野 栄二 瀬川 典久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-6, 2014-07-28

論文サーベイは研究活動において、動向調査や新規性の確認をするための非常に重要な過程の一つである。近年では、Google Scholar や Cinii などといった論文検索サービスによって簡単に論文を探して取得できるようになった。しかし、論文検索は目的に沿った論文を探すために、より深くページを辿り、多くのキーワードを使う必要がある。そのため論文検索は、少数の優良なページを探したら活動を終了できる通常の検索活動とは大きく異なる特徴を持つ。そこで、本研究では他者の検索結果を利用する事で論文検索活動を容易にするシステムを提案・実装した。本システムは論文検索機能に加えて、キーワードに関する論文グループを提示し、グループ内で利用されるキーワードを提示する機能を持つ。これにより、論文検索における手間の軽減を狙う。In research activities, paper survey is one of the process very important for checking the novelty trends and research. In recent years, it has become possible to find and fetch the paper simply by article search services such as Cinii and Google Scholar. However, in order to find the paper in line with the objective, it is necessary to follow a deeper page, use many keywords paper search. Search paper is characterized by very different from the normal course of search that can terminate the activity if you looking for a good few pages for that. Therefore, we propose and implement a system that facilitates the search paper activities by making use of the results of others in this study. In addition to the article search function, the system has the ability to present a paper on the keyword group presents a keyword that is used within the group. As a result, I aim to reduce the time and effort in the paper search.
著者
助台 良之 大野 悠人 福地 健太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.66, pp.1-6, 2014-03-06

既存のものごとに楽しさの要素を追加することにより自発的な参加と継続を促すことを目指した 「エンタテインメント化 (entertainization)」 の研究の一環として、トランポリン運動を題材に、カメラによる自分撮りの機能を付加したシステムを開発した。このシステムでは、人の、楽しい・面白い写真を撮って人に見せたいという自己表現欲求をくすぐることで、自発的な運動への参加を促すことを狙っている。今回実装したシステムでは、トランポリンで跳んでいる状態の写真を自動で撮影するために測距センサをトランポリンに設置し、跳躍間隔から頂点到達時間を推測する手法を開発した。We developed a novel training system using a trampoline with a automated self-portrait photo system, which encourages the users to take their self-portrait images to entertain theirselves and others. This system implements the idea of "entertainization", encouraging the users to participate and continue less enthusiastic events voluntary, by adding entertaining and attractive elements. This system is designed to appeal to the users to take an entertaining self-portrait image and participate the trampoline exercise voluntary. The system empolys a range sensor to estimate the time at the peak of the user's jump.