著者
影山 昌広 浜田 宏一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.J464-J470, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
11

超解像処理が「折返し成分として画像に現れている高周波成分を正しく復元する処理」であることを鑑みると,すでに拡大されたアップコンバート画像を超解像処理する際に,撮像からアップコンバート画像に至る過程における折返し成分の挙動を正確にモデル化することが重要である.しかしながら,未知の倍率で拡大されたアップコンバート画像の場合には,折返し成分の挙動を正確にモデル化することが困難であった.そこで本稿では,このモデル化に必要な「拡大前の画素数,および折返し成分の位相を決定づけるリサンプリング位相」の推定手法を提案する.画像拡大前のナイキスト周波数では,ベースバンド成分と折返し成分の信号強度が必ず一致し,複素平面上で信号が直線状に分布することを利用して,未知の倍率で拡大されたアップコンバート画像における拡大前の画素数およびリサンプリング位相を推定する.シミュレーション実験によって提案手法の有効性を示した.
著者
世木 寛之 田高 礼子 清山 信正 都木 徹 斎藤 英雄 小澤 愼治
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.76-83, 2011-01-01 (Released:2011-04-01)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

The design method of a sentence set for a speech-synthesis database strongly influences the quality of the synthesized speech. To minimize the costs associated with making the speech recordings and constructing the speech database, the number of the sentence set should be limited. However, if a sentence set does not include sufficient data, the quality of the synthesized speech can be inadequate. In this paper, we propose a method for generating a sentence set from templates. When applied to the templates in the "Weather Report" radio program, the proposed method reduced the number of the sentence set to less than several percent of that required by a comparison method. In addition, the mean opinion score of speech samples synthesized using the proposed method was 4.32 on a five-point scale.

1 0 0 0 OA 極微小真空管

著者
金丸 正剛 伊藤 順司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.612-617, 1991-05-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
21
被引用文献数
1

ミクロン以下のサイズの電子放出源を利用した真空管の研究開発が活発になっている.我々が行っている素子試作結果を報告するとともに, この分野の研究動向を電子源の作製方法とその応用例を中心に紹介し, 今後の展望を述べる.
著者
平地 康剛
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.710-718, 1981-09-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
29

現在GaAs FETは, UHF帯からKu帯 (18GHzまで) にいたる周波数帯域で最も重要な半導体デバイスとなりつつある. 低雑音用FETは, 12GHzでNF1.5dBが実用レベルになり, 18GHzでも2dBを切るデータが報告されている. パワーFETは6GHzで25Wが達成され, C帯は完全にGaAsFETの実用化時代に入った. Ku帯では, 数Wクラスの素子の開発が急がれている. 次世代のデバイスとして, 高移動度電子トランジスタ (HEMT) が登場した.
著者
北見 翔 藤代 一成
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 39.14 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.3-6, 2015-03-07 (Released:2017-09-22)

「衣・食・住」の「衣」を構成する布の表現は,コンピュータグラフィックスの分野において多くの研究が行われており,ゲームや映画など,さまざまな映像作品に利用されている.なかでも,写実性を高める目的で布がもつしわや折り目をモデリング,あるいはシミュレートする研究が盛んである.布シミュレーション関する既存研究は,主に物理的な正確性を追求した物理ベースアプローチと,より平易なモデルを用いて「それらしい」挙動を再現する位置ベースアプローチの2種類に大別される.前者は現実の物理法則に基づいたシミュレーションが可能であるが,計算が複雑でかつパラメタ調整も煩雑である.そこで本研究は後者に着目し,位置ベース力学(Position Based Dynamics)を利用することで,位置の制約に基づいた折り目のシミュレーション手法を提案する.位置ベースアプローチは現実の物理法則には厳密に従わないものの,比較的平易なアルゴリズムと簡易なパラメタ指定で布をシミュレートできる.「それらしい結果が得られるか」「パラメタ調整が簡単か」がより重要となるゲームのようなリアルタイムアプリケーションにとって,位置ベースアプローチは適切であるといえる.
著者
金子 満 中嶋 正之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1577-1584, 1996-10-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Computerization of cell-touch animation production started in the 1970s. Most computer systems used 2D computer graphics technology. Even now there are very few systems which use 3D computer graphics technology. The authors have proposed methods and algorithms to produce cell-touch animation image using 3D computer graphics technology such as generation of character lines and an animation spreadsheet. We propose a method to create freer camera motion for cell-touch animation production. We first construct a world in the computer where elements such as camera, lights, objects and cell layers are deployed. 2D characters are mapped on a transparent plate as a layer. Then motion paths and camera directions are set using spline curves. The views can be previewed with wireframes and rendered images. Many camera motions that used to be impossible with conventional cell-animation or 2D-based animation production methods can be achieved with less effort and sometimes automatically.
著者
西田 義人 田中 成典 和泉 紘介 上野 友里恵
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.983-993, 2011-07-01 (Released:2011-10-01)
参考文献数
25

Recently, the government of Japan has been working on creating a society in which people enjoy participating in sports whenever, wherever, and at any age. To create such a society, there needs to be more players of all kinds of games. However, at present, more than half the public and private gyms in Japan lack instructors. In this research, we focused on the game of tennis doubles and have developed a system for improving tactics using a digital video camera even when no instructors are available. The position of each player when stroking the ball is obtained to track the player and the ball in a dynamic image. A tactic that is right for the situation and based on the positional relations of each player is presented to both the offensive and defensive side. This system can be used to encourage more people to learn to play tennis even when they cannot learn from an instructor and to build a lifelong sports society.
著者
向井 信彦 加藤 康寛 小杉 信
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.2063-2066, 2008-12-01 (Released:2010-05-01)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

We describe a method of using computer graphics to represent the flow of a river in real-time. As rivers are usually narrow and long, the water surface can be seen in detail only in the near view, but it cannot be seen as clearly from a distance. Therefore, the level of water wave model should be dynamically changed on the basis of the distance from the viewpoint. In the near view, the water wave and the reflection at the riverbank can be seen, but this is impossible from the far view. However, the changes in direction of the wave caused by wind can be seen even in the far view. We also propose a method of generating patterns of waves caused by wind. We applied our method to simulations of a landscape and clarified the behavior of a river in real-time.
著者
安部 弘哉 奥 万寿男 高橋 将 藤井 由起夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.183-186, 1990-02-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4

S-VHS VTRの, 輪郭部での色にじみ低減を目的とするカラーエンハンサを検討した.ディジタル信号処理を用い, 色差信号のエッジ部分で時間軸演算を行い, 信号変位を時間圧縮することにより, エンハンス効果を得る方式を開発した.
著者
山岸 靖明
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.128-132, 2007-02-01 (Released:2009-07-27)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1
著者
伊藤 正史
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.J125-J130, 2017 (Released:2017-03-25)
参考文献数
11

地上デジタル放送で,HDと4Kを切替えながら視聴できる番組コンテンツ技術を実用化した.現在の地上デジタル放送では,放送波で4K映像を提供することはできない.しかし,ハイブリッドキャスト運用規定2.0版で,H.265/HEVCにより圧縮符号化された4K映像をMPEG-DASHで配信し,テレビ上で再生する運用が可能になった.そこで,ハイブリッドキャストを使って放送と同内容の4K配信映像を表示し,従来の受信機に影響を与えることなく,放送の使命である視聴者の安心・安全を確保した上で,現在の地上デジタル放送でHDと4Kを切替えて視聴できる番組を実現した.本稿では,4Kなどの新しい映像技術を放送サービスで提供する方法として,ハイブリッドキャストによる放送と通信のハイブリッド伝送の実現手法を示すとともに,実際の放送結果と,視聴地域に応じたCMを表示するアドレッサブル広告への応用について述べる.
著者
古賀 広昭 永野 留美子 清田 公保 下塩 義文 小山 善文
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 24.28 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.9-16, 2000-04-14 (Released:2017-06-23)

本報告は聴覚障害者などのために、腕に取り付けた振動モニターによる音楽感性情報の伝達方法を述べたものである。腕の振動距離の分解能、振動周波数の検知・判定限界、複数振動モータによる音楽情報の伝達とその効果について検討した。振動に対して腕部の特性は、距離分解能が数cm以上であること、15Hz以下の振動周波数が分離した振動として判断できることを示した。また、音楽の周波数成分を8分割し、それぞれの周波数に対して振動させた結果、感性に対して効果があることを示した。
著者
杉谷 邦明 合志 和洋 古賀 広昭 小山 善文
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 24.51 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.33-40, 2000-09-14 (Released:2017-06-23)

本報告は, 聴覚障害者などのために, 腕や頭に取り付けた振動モータによる音楽情報の伝達を行い, 音楽の楽しさなどの感性を与えることができる方法について述べたものである.腕や頭の振動距離と感性, 音楽に対する振動の快適性の効果, 複数振動モータによる音楽快適性の効果について検討した.音楽情報を振動により伝達する上で, より感性を強調するために最適な振動モータ配置, チャネル数, および単位チャネル当たりの振動モータ数を明確にする.そして, 振動を付加した音楽情報を伝達する実験により, ダイナミックレンジが約0.7以上の音楽に対して本手法が感性強調の効果を持つことを示す.