著者
松本 崇 鎌田 一雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.80, pp.41-48, 1993-09-17

聴覚障害者の多くがコミュニケーション手段として用いている手話と,健聴者が用いている音声言語の相互変換をコンピュータを用いて実現することができれば,両者間のコミュニケーションは円滑なものとなり,その社会的意義も大きいと考える.本稿では,そのようなシステムの1つである「日本語かなべた書き文」から「同時法的手話単語列」」を生成する「手話ワープロ」構築の基礎検討について述べる.今回,日本語解析処理部分には,既成のかな漢字変換システムWnnを利用することで,入力日本語文の制限を緩和している.しかし,Wnnを利用する場合も課題がいくつかあり,その解決方法を示すとともに,今後の課題である手話の使い分け,未登録語に対する対処方法についても述べる.Many of hearing impaired people use signed language as the primary means of communication in daily life, while hearing people use spoken language. The realization of system, that translates sign language into spoken language and vice versa, makes communication between hearing impaired people and hearing ones smooth. In this paper, basic investigation of constructing "Sign Word Processor" that transforms a Japanese Kana sentence into a sequence of Japanese sign words is described. We use a Kana-Kanji translation system called "Wnn" in a part of Japanese analysis and certain processing. We bring up issues to be solved which occur in using "Wnn" and give some approaches to finding their solutions. We furthermore, describe processing techniques for selecting an appropriate sign word among candidates and for non-entry words in Japanese-Sign translation dictionary.
著者
石井 恵 金田 重郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.1284-1295, 1997-07-15
被引用文献数
3

事務処理システムは,従来,手続き型言語,テーブルドリブン記述,トリガといった,状態遷移を表現する言語により記述されてきた.しかし,この種の状態遷移記述では,(1)事務処理に必要な手続きをすべて網羅的に書き切ることが難しい,(2)事務規則と整合性のとれた処理結果が生成されることをプログラム記述上で確認することが難しい,等の問題を有していた.上記問題を解決するため,本論文では,事務処理を,「事務処理で扱うデータを事務処理規則と整合する状態に維持する整合性管理処理」とモデル化する.そして,それを具現化する,制約プログラミングによる整合性管理システムを提案する.具体的には,事務規則を制約として記述し,制約充足エンジンによって,事務規則と整合するデータ状態を生成する.本手法を実用事務処理システムのタスクに試用した結果,事務規則を容易に制約記述でき,プログラム記述量を半減できた.また,手続き型記述の実用システムでは十分には対応できなかったレアケースに対しても対処可能となった.This paper presents a constraint satisfaction mechanism for office systems.Regulations for business can be regarded as constraints in terms of the data in business databases and application forms.Clerical work can be regarded as consistency maintenance to keep the data consistent with the constraints.We rewrote an office system using constraints.Experimental results show that all the regulations can be easily described in constraints,the description size is reduced by 50% of the original system and the constraints cover rare cases exhaustively.
著者
石田 達郎 瀬古 俊一 青木 良輔 宮田 章裕 橋本 遼 渡辺 昌洋 井原 雅行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.9, pp.1-6, 2014-05-22

筆者らは,災害時にインターネットがつながらない状況でも,離れた避難所間で人の移動を媒介として情報を伝達する 「レジリエント情報流通プラットフォーム」 を構築し,この上で動作する安否確認アプリケーションを開発してきた.東日本大震災の被災経験者を対象に,この安否確認アプリの受容性調査を実施した結果,個人情報の自動入力や自動送信には心理抵抗を感じる被験者がいるものの,利用したいか否かについては一定の肯定的な回答が得られ,安否確認サービスの潜在的な需要を確認できた.We have already developed the information sharing platform that enables to share information among remote locations even if the Internet is disconnected under disaster situation. Afield test was conducted to evaluate the potential of a safety confirmation application which works on the platform. We confirmed the user acceptance of such a safety confirmation service although psychological factors in registering personal information should be considered.
著者
佐藤 洋介 米田裕也 橋本 浩二 柴田 義孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.58, pp.13-18, 2007-06-06
被引用文献数
9

人間の建物への侵入や室内での行動を監視するシステムにおいて、主に人物を実時間で追跡する事や、広範囲で鮮明な映像を撮影する事などが求められている。また、広範囲且つ人物の拡大顔画像を撮影することで、一般に利用されている監視カメラの台数や記録メディアの削減につながると考えられる。これまで、カメラの画像から人間の顔を検出し検出範囲を拡大するシステムや、Pan/Tilt/Zoom カメラ(PTZ カメラ)を用いて追跡するシステムの研究がなされてきた。一方、全方位映像カメラを用いた自律ロボット制御や、複数の移動物体を検出するシステム等の研究が多くなされている。そこで、全方位映像カメラを用いて広範囲に人間の顔を検出し、その検出位置情報に基づき、PTZ カメラを制御して顔を適切な位置・大きさで撮影することで、広範囲に人物の鮮明な拡大顔画像を撮影することが可能となる。本稿では人物の顔を特定して抽出し、自動追跡可能な新しい監視カメラシステムについて提案を行う。In the surveillance system which observes the behavior of human invasion to building or indoor, it is required not only to capture the high quality and wide area images, but also to automatically track to the specific suspicious person in realtime to reduce the number of the required surveillance cameras. So far, there are many researches which have investigated the facial motion detection and extraction and the area expansion, and automatic motion tracking using Pan/Tilt/Zoom camera (PTZ camera). On the other hand, the other systems which perform autonomous robotics control and multiple moving objects using omni-directional cameras and PTZ cameras has been also investigated. Using the suggested system, the location of the target human face in wide area with 360 degree surround can be detected and the moving face can be tracked and captured his high quality images in realtime.
著者
井庭 崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.19, pp.75-85, 2007-12-15

本論文では,2人のモデル作成者によるコラボレーションによってモデリングを行う「ペア・モデリング」の方法を提案し,その実践事例を報告する.ソフトウェア工学の最近の研究では,ペアによるプログラミング作業が,個々に仕事を割り振って分業するのに比べて,生産性の観点からも品質の観点からも優れているということが知られており,モデリングにおいてもそのような効果が期待できる.本論文では,ペア・モデリングの方法について論じた後,ペア・モデリングの原理を,ニクラス・ルーマンによって提唱された社会システム理論に基づいて考察する.最後に,私たちの提案するモデリングツールを用いたペア・モデリングの実践事例を紹介する.In this paper, we explore a new method for collaborative modeling, which we call "pair modeling". In pair modeling, two modelers use the same computer at the same time, and conduct modeling by communicating with each other. Pair modeling is considered to improve the quality of a model and productivity of modeling more than usual modeling which two modelers make different models separately and put them into one. We discuss what happens in pair modeling, applying social system theory, which is proposed by Niklas Luhmann. As a conclusion, we suggest that pair modeling is effective method for collaborative thinking, which is essentially different from single modeling. Finally, we take up some comments given by the modelers about the process and advantages of pair modeling.
著者
久保田貴大
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-3, 2014-03-10

選挙における投票を電子化することには以前から関心がもたれており,実際に,地方選に電子投票機が用いられたこともあった.2013 年のネット選挙解禁とも相まってインターネットでの投票にも関心が高まっている.本研究では,日本におけるインターネット投票の実現の可能性や,その制度の導入までの課題について,安全性,コスト,法制度の三つの観点から調査・検討した.特に,JCJ-Civitas 投票プロトコルを基にした,「攻撃者が投票者と物理的に同じ場所にいて投票者の端末を監視する」 という攻撃に対処するようなプロトコルを提案する.
著者
田中 秀俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.76, pp.9-12, 1999-09-21

風速分布を単純な混合モデルである対角共分散混合ガウシアンモデルで分類し、その分類の変遷を隠れマルコフモデルで解析して風速の区間推定を試みた。気象庁の提供している高層気象観測データから、1993年∼1997年の鹿児島上空を選んで実験したところ、地表から高度20kmまでにわたっておよそ70%の確率で風速が20m/s以下であるような2週間が予想可能という結果を得た。Wind profiles are classified by mixture Gaussian model and the transition of the classes are analyzed by hidden Markov model so that wind speed could be predicted. Wind profile data from 1993 to 1997 at Kagoshima which are provided by Japan Meteorological Agency indicate that we can estimate consecutive 2 weeks when every wind speed checkpoint from the ground through 20km height are less than 20m/s in about 70% probability.
著者
玉井 哲雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.777-784, 2008-07-15
被引用文献数
2

1968年にドイツのGarmischで「ソフトウェア工学」をテーマとするNATOの会議が開かれてから,今年で40年を迎える.この機会に,ソフトウェア工学の40年の歴史をざっと振り返って,今後への参考にしようというのが,この小特集の趣旨であり,またこの記事のねらいでもある.
著者
西野 順二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.18, pp.1-5, 2015-02-26
被引用文献数
2

多人数不完全情報ゲームの人狼においてその自然な勝率を算出した.人狼は,代表的な会話にもとづくゲームである.このため,推論機能を持つ人工知能エージェントによる,会話と信頼創出のテストベッドとして研究されている.村人の人数に対して人狼側が有利であり,ゲームが拮抗する人数は全体の平方根に従うことが明らかになっている.本研究はこれに対し,人狼がより自然な戦略を取った場合に人狼側の有利さがさらに高いことを示した.勝率を算出し示すことで,人工エージェントの能力が有意に高いことを測る具体的な基準値を示した.
著者
青木 輝勝 高橋 由泰 日高 宗一郎 木村 徹 加藤 弘之 安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.85, pp.11-16, 2001-09-08

近年インターネットの急速な普及に伴い、ディジタルコンテンツ流通が盛んに行われるようになってきた。しかしながら、現在なおコンテンツの不正コピーが後を絶たず、大きな社会問題となっている。特に、日本で製作されたCG/アニメコンテンツあるいはゲームコンテンツは国内のみならず外国でも広く人気があり、この分野の著作権保護技術の確立は緊急の課題である。このような背景のもと、本稿ではCG(Computer Graphics)ならびにアニメーション画像の円滑な流通を目的とした新しい電子透かし方式を提案する。With the rapid spread of the Internet, more and more new services for content distribution are starting. However, illegal copies have never decreased and they become a fatal matter. Especially as CG/animation content and computer games made in Japan are very popular in some foreign countries as well as Japan, copyright protection in these areas is one of the most important problems to solve. Under this situation, we propose a new watermarking method for CG/animation images.
著者
岡谷 貴之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理
巻号頁・発行日
vol.2015, no.11, 2015-05-18

一枚の画像からそこに写る物体の名前を答える物体カテゴリ認識は,コンピュータビジョンの長年の課題であったが,ディープラーニングの登場,正確には畳込みニューラルネットの 「再発見」 により大きく進展し,人の視覚と比肩するほどまでになった.一方,その他の多くの画像認識のタスク,例えば特定の物体を画像中で位置決めする 「物体検出」 や,人のポーズ認識,さらには動画像を使った人の行動認識に対しては,物体カテゴリ認識ほどはディープラーニングは成功していない.従来法を超えるという意味では一定の有効性が確認されているものの,これらのタスクでの性能は,人の視覚まではまだ相当の隔たりがある.また,物体カテゴリ認識あるいはその類似タスクに極めて高い精度を発揮する畳込みニューラルネットだが,なぜそんなに高い性能が出るのかの理解が追い付いていない.本講演では,この辺りの現状についてまとめ,今後を占うことを試みたい.
著者
渡辺 富夫 大久保 雅史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1225-1231, 1998-05-15
被引用文献数
21 26

コミュニケーションにおける引き込み現象のように関係が成立するノンバーバルなインタラクションは,異文化,異民族間のコミュニケーションにおいても通用する共通語ともいえ,人間生物学的にみて,より普遍的であり,本質的重要性を持っていると考えられる.本論文では,従来主観的行動観察による定性的研究の色彩が強いこの分野に,呼吸・心拍間隔変動を用いた生体情報計測手法を導入し,新たにコミュニケーションの定量評価手法を提案している.本手法を用いて,成人の対面・非対面コミュニケーションおよび原初的コミュニケーションとしての母子間インタラクションにおける生理的側面での引き込み現象を呼吸を中心に分析評価し,呼吸の引き込みが身体的コミュニケーション場の創出に重要な役割を果たしていることを示している.自己のリズムを変化させ,互いに引き込み化を図ることによって,関係が成立し,より深いコミュニケーションが可能になる.テレビ会議等で円滑なインタラクションを実現させるには,この呼吸の引き込み化を図ることが大切で,呼吸の引き込みの評価がシステムの設計・評価に応用できる.本研究の成果は,身体的コミュニケーションにおける引き込み原理の解明とそれに基づくヒューマンインタフェース開発の基盤になるものである.The Entrainment which forms the biological relation between talkers plays an important role in the smooth exchange of information.In this paper,the physiological entrainment of respiration between talkers is evaluated on the basis of burst-pause of speech,respiration and heart rate variability as indices from the viewpoint that the respiratory entrainment would be a physiological main factor to make communication smooth in face-to-face interaction.By using the proposed physiological measurements of communication,the experiment is performed in adult face-to-face versus non-face-to-face communication and mother-infant interaction as a primitive form of communication.The existence of respiratory entrainment in face-to-face interaction is demonstrated by the cross-correlation analysis of indices.This finding suggests the entrainment is biologically essential to human communication and it could be applied to human interface for the design and evaluation of face-to-face interaction support systems such as a teleconference system.
著者
辻 仁志 喜多 一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-9, 2014-11-29

日本の新学習指導要領では,中学校の教科 「技術・家庭」 の技術分野で,「プログラムによる計測・制御」 が必修化されるなど,プログラミング教育は重要な研究対象であるが,初学者には様々な躓きがあり多くの支援が必要である.教育の負担を減らしつつ,学習効果を高めるためには,生徒が自立的にプログラミングを学習でき,プログラミングを行える能力を習得することが望ましい.本研究では,Raspberry Pi を活用する形で,「プログラムによる計測・制御」 の学習を目的に,写経型学習という手法を用いたプログラミング教育の教材の開発を行う.この手法を用いた教材を利用することで,初学者の学習効率を向上させ,教員がプログラミングを教える難しさを軽減できると考えられる.作成した教材を普通科高等学校での課外活動で試用することで評価を行う.Education of computer programming is an important research issue in general education as well as vocational education. For example, in Japanese new course of study for junior high-schools, instrumentation and control using computer programming has been changed from an optional unit to a compulsory one in the subject "Technology and Home Economics." However, novices of computer programming face various difficulties in their learning, and effective and efficient teaching must be pursued by making learning of computer programming independent as much as possible. In this paper, the authors have developed learning materials for "instrumentation and control using computer programming" using Raspberry PI. For development of the material, "Shakyo-style" learning is adopted so as to raise efficiency of learning by novices. The developed material is used and evaluated in extracurricular activities in a senior high-school.
著者
松本章代 木村実穂 佐伯啓
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-4, 2013-06-29
被引用文献数
1

外国語による会話を練習させるための仕組みとして,指定日時に学習者のスマートフォン (Skype) に電話をかけ,教員があらかじめ用意した音声データを自動再生するシステムを提案する.生身の人間相手ではないため学習者は羞恥心を抱かずに実践的な会話を練習できるというメリットがある.学習者の発話は録音,さらに音声認識によって自動でテキスト化する.録音データと認識結果は学習履歴として教員・学習者の双方から確認できる.この機能は,発音の客観的な評価を行えるのみならず,発話が記録されることにより聞き取りの集中力向上 (=聞き流し防止) 効果が期待できる.また,配信した音声データは学習者が後から繰り返し聞くことも可能である.つまり本システムは,電話によって発話の練習を強制する側面と自主的な復習をサポートする側面を併せ持っている.
著者
大江 宏子 樋口 清秀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.53, pp.29-36, 2005-05-27

本報告では,インターネット上の活動から派生するオフ会に代表されるヒューマンネットワーキング(フォーラム)に参加するメンバーの利用評価の視点から,ネットワークの情報獲得効果について考察を試みるものである.冒頭,情報獲得や発信を目的とするインターネット上での様々な活動とフォーラムの実態をサーベイした上で,人々の信頼,規範,価値を共有することで強化されるとするソーシャルキャピタルにおけるネットワーク概念に着目しつつ先行研究を整理した上で,本報告において検証を行う仮説を立案する.フォーラム活動に参画したことのある者を対象に実施したアンケート結果から,当該仮説の検証を行いつつネットワーク利用者の評価の視座の把握を試みる.This paper analyzes the personal networks to gather information. Factor analysis and multiple regression analysis models are used on the data obtained from a questionnaire administered to 317 people to determine how they acquire information through participating in informal gatherings ("forums") and through internet based activities. The respondents'awareness of the benefits of networking is also paid attention to, as well as the factors leading to satisfaction or dissatisfaction with the outcomes of networking. The qualitative analysis of this data confirms the hypothesis that people recognize the different aspects of information-gathering forms or styles, and use them according to their needs, case by case, and in a complementary manner. Lastly, study points for future research are discussed.
著者
亀井 邦裕 児玉 公信 細澤 あゆみ 成田 雅彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.3, pp.1-7, 2013-09-05

ビジネスシステムにおいて代金計算に伴う消費税の計算は必須であるが,消費税率の段階的引き上げや特例の導入などが見込まれている中で,税制改定に追随し,適用時点に応じた税額計算を,合理的に行う必要があるここには,過去の取引データの遡及的な修正も含む.このための概念モデルのあるべき姿を,取引 (商流) データおよび代金 (金流) データのモデルを含めて提案する.Calculation of consumption tax accompanied with the price calculation is inevitable in the business information system. However, it will be more difficult to catch up the tax revision and calculate the tax reasonably in accordance with the applicable time, because of expected gradual increase in the tax rate and uncertain application of special exceptions. In addition, the calculation must include retrospective fix of transaction data in the past. In this paper, we propose the conceptual model for consumption tax calculation, which can be an ideal one, because it includes models of the transaction representing commercial distribution and billing as the example of money distribution, which are the organizational basic activities.
著者
日高 伊佐夫 後藤 真孝 村岡 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.19, pp.29-36, 1996-02-24
被引用文献数
12

本稿では、ジャズセッションシステムにおけるベーシストとドラマーの実現方法について述べる。従来の研究では、人間のソロ演奏への追従が中心であり、計算機が演奏上どう主張するかについては十分考慮されていなかった。本研究では、すべてのプレーヤーが対等となる合奏を実現するために、計算機上のプレーヤーが演奏での主張の仕方を自ら決定することを提案する。また、曲のおおまかな流れを事前に決め、その部分ごとに主張の仕方を変えることを提案する。そのために、セッションの中でどの程度主導権を握りたいかを算出して、自分が主張する程度を決定する。本システムを実装し、ジャズピアニストとセッションを行なった結果、起伏に富んだセッションが実現できた。This paper presents implementation of a bassist and a drummer in our jazz session system where each player is independent and interplays with others. In most previous systems, computer players only followed a human solist and did not play with a certain intention. In our system, each computer player can dynamically determine his musical intention by considering the whole musical relationships among players. Moreover, we introduce a song form called scenario, which enables the player to change his way of playing according to where he plays in it. Experimental results showed that interaction among a human pianist and the computer players made the performance expressive and interesting.