著者
邵 桂鳳 姚 鳳会 山田 博章 加藤 清史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.1-11, 2001-01-18

我々はコンピュータによるジグソーパズルを解くための一方法を提案する。この方法では、ジグソーピースの形状情報と画像情報の両方を用いる。まず、入力画像からジグソーピースを切り出して、各ピースのコーナーポイントを検出する。次に、ジグソーピースモデルに基づいてジグソーピースの分類と認識を行う。そして、ジグソーピースの形状マッチングと画像融合に基づいてジグソーピース間の接続関係を計算する。最後にジグソーピース間の接続関係を復元する。本論文は、第1部としてジグソーピースの切り出し、ジグソーピースモデルの作成、コーナーポイントの検出、そしてジグソーピースの分類と認識について述べる。
著者
長嶋 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.68, pp.31-38, 1999-08-07
被引用文献数
3

ハードウェア的なMIDI音源(M音源)と、ソフトウェア的なGMサウンドドライバについて、MIDI信号入力から発音開始までの遅延時間のばらつきを計測した実験について、多種のMIDI音源の計測結果を詳細に報告する。この結果から推定される音源処理アルゴリズム(IDI入力から発音までの信号処理)に関する考察を行い、音楽心理学的実験に使用できる場合と、実験の意味を失うために使用できない場合とを整理する。また、音源アルゴリズムを現実的に改良するための提案を行う。The purpose of this paper is to examine the delay of hardware/software sound generators from MIDI input and its deviations, and to consider its causes and its serious matter for research of psychoacoustics and its solution.
著者
川井 大陸 山本 一公 中川 聖一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.1-6, 2014-12-08

歌声の自動歌詞認識の第一段階として,本稿では伴奏なし日本語歌唱の自動歌詞認識を行う.このために歌声に適応した言語モデル,音響モデル,発音辞書を使うことで伴奏なし独唱の自動歌詞認識を検討する.言語モデルには歌詞をうまく捉えるために歌詞コーパスで学習した単語 N グラム言語モデルを使用した.音響モデルの学習には,歌声データ不足を補うため少量の歌声データを用いて 2 種類の適応化をした.1 つ目は MAP 適応による音響モデルの適応学習である.MAP 適応では 40 名 40 曲の歌声データを使う方法と,1 曲の話者適応データを使う方法を試みた.2 つ目は朗読 MFCC と歌声 MFCC のペアを使って学習したニューラルネットワークによる特徴変換である.歌声で頻繁に表れる 「伸ばす音」 に対処するため,発音辞書のバリエーションを増やした.性能評価には,事前に伴奏音を除去した JPOP 男性 7 名 7 曲の楽曲を用いる.実験の結果,提案システムは音節認識精度 46.1% (音素認識精度 59.0%),単語認識精度 25.9% を示し,新聞言語モデルと話し声音響モデルに基づく従来のシステムより良い性能を示した.As a first step, we consider Japanese lyrics recognition in monophonic singing that contains no musical instruments. To express singing well, we attempt to use an n-gram language model using a lyrics corpus, singing-adapted GMM-HMM-based acoustic models and plural pronunciation lexicons for vowel-lengthening. We attempted to adapt the read-speech AMs to sung-speech AMs using two approaches. One is MAP adaptation and the other is neural network-based feature transformation. For adapting to singing, we use 40 pieces of music sung by 40 male singers. For adapting to speaker, we use a piece of music sung by a male singer who is the same speaker as a singer of a test data. To deal with the property of singing offten involving lengthening the duration of each vowel, we augment the pronunciation variations. Evaluation is performed on a test set that contains 7 pieces of commercial music sung by 7 male singers. As a result of experiments, our system showed syllable accuracy of 46.1% (phoneme accuracy of 59.0%) and word accuracy of 25.9% in male monophonic Japanese singing. This result showed higher accuracy than a conventional system based on the newspaper LM and the read-speech AM.
著者
松本 安英 宇山 政志 矢崎昌朋 神田 陽治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.32, pp.1-6, 2006-03-20
被引用文献数
2

Web サーバを利用してサービスを提供する場合に、サービスに対するアクセス需要を予測し、需要に見合うITリソースを用意する必要がある。しかし、想定していない短期的な需要増加が起きることで、ITリソースが不足することがあり、そのような想定外需要を早期に検出することが重要である。我々は、アクセス需要の想定内および想定外となる2 種類の時系列データと、Webサーバへのアクセス需要との類似度を逐次比較することで、想定外需要の発生を早期に検出する方式を開発した。本方式を評価するためのツールを試作し、商用サイトのアクセスログを用いたシミュレーション実験を行うことで、想定外需要をどれだけ早く検出できるかを評価した。To provide the service by the Web server, it is necessary to forecast the Web access demand and to prepare the IT resource that corresponds to the Web access demand. However, the IT resource might be insufficient because the unexpected short-term Web access demand occurs. Then, it is important to detect such unexpected Web access demand at the early stage. We developed the method to detect the unexpected Web access demand at the early stage by comparing the similarity between two different demand models and observational access data. The one model is the expected access model. The other model is the unexpected access model. We evaluated the ability of unexpected Web access demand detection by making the tool to evaluate this method for trial purposes, and conducting the simulation experiment that used the access log of a business site.
著者
川上 敬 皆川 雅章 嘉数 侑昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.761-768, 1992-06-15
被引用文献数
11 4

3次元の空間認識を伴う複雑な組み合わせ問題として知られる3次元箱詰め問題を自動的に解くための新しいアプローチを提案する本論文では 3次元箱詰め戦略が自動的にチューニングされ 最適な箱詰め解が得られるような機構の実現を試みるこの環境適応型の自動チューニング機構を生物の進化システムを模倣したGA (ジニネティックアルゴリズム)の適用により実現するこの機構により 箱詰め性能は徐々に向上し 近最適な戦略が得られる.ここでデーューニシグ対象となる箱詰め戦略は.二つのステップから構成される.?与えられた長方形空間内における配置位置の評極値を評価関数によリ計算し,その値に従い次の配置位置を決定する?決定した配置位置に最も好ましい箱を評価関数により決定するそこで近最適な戦略を得るために2本の評価関数の各重み付け係数の連結により表現されるストリングに対してジニネテイックオペレータを適用する本論文ではジニネティックオペレータとして 再生 乗り換え 突然変異を採用する。また チューニングにより獲得された戦略を蓄積し 再利用するために 新しく3次元箱詰めルールベースを構築可能とするような方法論についても示すそして 本方法論に基づき 3次元箱詰めシミュレータと3次元箱詰めルールベースを作成し 数値実験によりその有用性が確認された
著者
柏原 大輝 金田 重郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.31, pp.31-38, 2001-03-22
被引用文献数
1

いわゆる「ビジネス方式特許(Bisiness Method Patents)」については1?2年前に大きな話題となったものの、最近では世間の興味は沈静化した感がある。しかし、インターネットの世界で、新事業を展開する際、特許は、事業を守る唯一と言ってよい法的手段であり、その重要性が変化したわけではない。本稿では、コミュニティ型ポータルサイトの特許を例にとり、ビジネス方式特許の強さについて分析する。分析の結果、ビジネス方式特許には、防衛的な意義は認められるとしても、「特許ひとつでボロ儲け」的イメージからは遠い事を明らかにする。大きな理由は、インターネットにおけるサービスの代替手段の実現容易性にある。この事は、既存の業務のなかから「何かビジネスモデル特許になりそうなものは出しておけ」と言った企業政策が不十分である事を示す。営業とSE・技術者とを組ませて、商売の方法を特許化する事には防衛的意味しかない。SE・技術者が追究しなければならないのは、営業等の情報を駆使しつつ、将来の本質的なビジネスの変革を予知し、事業に価値を与える、パイオニア的な特許を出してゆく事である。この結論自体については、「新味」はないかもしれない。しかし、少なくとも、ポータルサイト特許の分析は、特許法の側から、これを傍証する。Business method patent was once the big talk in the Internet business. But now, the interest in it settles down. However, patent is the only way to protect our business legally (especially at the early stage of the business incubation), o it is still important. In this study, we take portal servers for example, analyze the competence of business method patent and make it clear that business method patent has only defensive meanings. Even if get one business method patented, the patent itself doesn't make competence. The reason why the patent doesn't make competence is that on the Internet almost all of business methods can substitute another way easily. Therefore, it is inadequate that the corporate patent policy without strategic purpose. There is only defensive meaning to get business method patented simply. Therefore, system engineer has to predict future innovation of business styles and pursue pioneer invention that make competence to our business with full use of the information from another department just like sales and planning. After that get the business style patented. This may not be new conclusion. However, the analysis of business method patent and portal servers provide some supports for the conclusion from the viewpoint of patent law.
著者
引原 隆士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.943-950, 2010-08-15
被引用文献数
5

スマートグリッドに関連した用語が新聞の紙面で飛び交い,昨今基盤技術として先進の技術からは顧みられることが少なくなっていた電力・エネルギー分野が,情報技術の適用にとって新しいフロンティアとして着目され,新しいエネルギー技術,持続可能社会実現への入り口として脚光を浴びている.動力を電気エネルギーに変換する発電機の発明は19 世紀に遡る.現在の交流電力の大規模ネットワークは,この発電機間を電力を融通する線路でつなぐと同一周波数に収斂する性質に依存している.この性質を維持しつつ必要な電力を供給する大規模システムの運用において,ICT 技術がブレークスルーを与える技術となり得るであろうか? スマートグリッドなどの技術がエネルギーシステムに革新を与えるか否かは,この点を抜きに議論することはできない.本解説は,人の生活環境,すなわち建物内からボトムアップに電力分野を通信・情報分野と融合させる手法として,電力パケットを導入する方法とそのルーティングの可能性を,周辺技術の現状に基づき述べる.
著者
COBOL研究会
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.88-95, 1967-03-15
著者
浦野 幸 于沛超 遠藤 靖典 星野 准一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.357-366, 2013-01-15

地域特有の災害リスクの対処法を楽しんで学習できるゲームシステムを提案する.本システムはスマートフォンに搭載されているGPSと加速度センサを利用して,実際に地域を歩きながらゲーム要素のある様々な災害イベントを体験する.震災を想定したゲームアプリケーションを作成して実証実験を行った結果,災害リスク認知支援に関する有用性が確認できると共に,訓練に対する継続性の維持でも高い評価が得られた.We propose a new disaster experience game system which could instruct about general knowledge and regionally specific disaster risk in a joyful way. The system does not give advice in a unilateral way; instead it helps the user, with an accurate awareness of the real world and then shows the risk information e.g., prevention plans and evacuation maps. Additionally, introducing game elements, the user plays with some level of interaction. Using this system, we created a game application for an earthquake. An assessment experiment of the game was clearly beneficial to not only understand Risk Perception but support it; it also has the motivation of a muster drill.
著者
仲野 良佑 打矢 隆弘 西村 良太 山本 大介 内匠 逸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.1-8, 2015-03-13

3D キャラクタとのリアルタイムでの音声対話が可能な音声対話システムとして MMDAgent が提案されている.この動作環境を拡大し,利便性を向上させるために MMDAgent を Android スマートフォン上へ移植したスマートメイちゃんが提案されている.これらのツールキットにおいて採用されているシナリオ定義手法では,複雑な対話シナリオの作成や,端末間通信による連携を必要とするシナリオの構築が困難である.本研究では,これらの問題点を解決するため,スマートメイちゃんをソフトウェアエージェントにより拡張する機構を提案,実装し,有効性を確認するための評価実験を行った.エージェントを用いてスマートメイちゃんの拡張を行うことで,複雑な応答文や条件分岐を持つシナリオの開発がより容易となり,また,ネットワークと連携する必要があるシナリオの開発も,エージェント間通信の延長線上と捉えることで格段に容易となる.評価実験の結果,提案機構によって問題点を解決できたことを確認したが,実用的な機構とするためにはいくつかの課題点も存在することが確認された.
著者
北口 秀美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.973-982, 1993-08-15
被引用文献数
4

ソフトウェア特許の定義や特許の基礎知識からはじめ、特許に関して実際に起こっている事件をふまえ、ソフトウェア特許の現実について述べる。また、特許取得のノウハウにも触れている。

1 0 0 0 ゲームの核

著者
山本 時代 北 隼人 飯田 弘之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.20, pp.49-55, 2007-03-05
参考文献数
9

ゲーム理論値の概念は,多くのゲームを同じ土俵で評価するという点で画期的である.しかし,プレイヤはゲームの結果だけではなく,過程によって,そのゲームの魅力を感じる.本稿では,先行研究である高貴な不確定性の概念からゲームの核という概念を提案する.また,提案したゲームの核をシミュレーションによって測る方法の模索として,セミランダムプレイによる4x4リバーシの自己対戦を行った.さらに,ゲームの核をはかる方法として,高貴な不確定性の概念に基づく自由度と与えられた自由度の割合を提案.The concept of game-theoretical value is epoch-making at the point of evaluating many games in the same level. However, a game often attracts an interest to players with not only the result but also the process. This paper formulates a notion of the kernel of games from the concept of game refinement, stochastic uncertainty and noble uncertainty. We groped for a method of scaling the kernel of game, and performed 4x4-reversi with the semi-random self-play. Moreover, we assumed a relationship between the degree of freedom with each depth the semi-random ply.
著者
久保 琢磨 宇野 毅明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.17, pp.57-60, 2008-03-05
被引用文献数
3

近年,組合せ最適化の実社会への適用を目的とする動きが活発となっているが,一般ユーザが容易に最適化を利用できるまでには至っていない.本研究方針は,中小規模の問題に対し,ユーザ自身が容易に最適化を利用できるしくみづくりとしている.今回はスタッフスケジューリングに焦点をあて,勤務スケジュール作成者のスケジュール作成作業の負担を軽減させる為に,あるビジネスホテルが抱える問題を対象に,スケジュール作成者にとって,容易に調整可能なスケジュールを作成することを目的とする.Recently, the movement to apply combinatorial optimization to practical problem has been active. However, general users can't easily use optimization. The direction of our research is that general users can lightly use optimization. In this paper, we focus the problem called staff scheduling and we want to reduce workload of a staff which make a schedule for every staff. Then, we aim to make an easily adjustable schedule to practical problem which the staff in certain business hotel has.
著者
中野 倫靖 後藤 真孝 平賀 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 = IPSJ journal (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.227-236, 2007-01-15

本論文では,歌唱力を自動的に評価するシステム開発の第1 段階として,ポピュラー音楽における歌唱力の「うまい」「へた」を,楽譜情報を用いずに自動的に識別する手法を提案する.従来,訓練された歌唱者の歌唱音声に関する音響学的な考察は行われてきたが,それらの研究は歌唱力の自動評価に直接適用されたり,人間による評価と結び付けて検討されたりすることはなかった.本論文では,聴取者の歌唱力評価の安定性を聴取実験によって確認し,そこで得られた結果から歌唱音声に「うまい」「へた」をラベル付けして自動識別実験を行った.そのための特徴量として,歌唱者や曲に依存しない特徴であることを条件に,相対音高とビブラートの2 つを提案する.聴取実験では,22 人の聴取者を被験者とし,聴取者間の評価に相関があった組の割合は88.9%(p < .05)であった.また,600 フレーズのラベル付けされた歌唱音声に対して識別実験を行った結果,83.5%の識別率を得た.As a first step towards developing an automatic singing skill evaluation system, this paper presents a method of classifying singing skills (good/poor) that does not require score information of the sung melody. Previous research on singing evaluation has focused on analyzing the characteristics of singing voice, but were not directly applied to automatic evaluation or studied in comparison with the evaluation by human subjects. In order to achieve our goal, two preliminary experiments, verifying whether the subjective judgments of human subjects are stable, and automatic evaluation of performance by a 2-class classification (good/poor ), were conducted. The approach presented in the classification experiment uses pitch interval accuracy and vibrato as acoustic features which are independent from specific characteristics of the singer or melody. In the subjective experiment with 22 subjects, 88.9% of the correlation between the subjects' evaluations were significant at the 5% level. In the classification experiment with 600 song sequences, our method achieved a classification rate of 83.5%.
著者
鈴木 俊哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-07-19

近年、モバイルデバイスでのセキュリティ配慮のためにアプリケーションの実行環境も仮想環境や Web ブラウザ内部に閉じられ、様々な周辺機器への利用が難しくなってきている。本稿では JavaScript インタプリタが対応していないキャラクタデバイスの制御信号を WebSocket によって受信し、Web アプリケーションのインタフェースを改善する可能性について試験実装と評価を行った。Recent mobile devices restrict the distribution and the installation of the software, and the applications are permitted to be executed under some virtualized machines or in the web browser. Thus it is difficult for the software developers to extend the user interfaces of their applications with special human interface devices (HID). Although there is a movement of a migration from all physical HID into "virtualized" HID using trackpad with multitouch features, it is not easy to realize many devices onto single trackpad, because the touch events on the web application are tightly bound to the document object models. In this report, the direct injection of the control packet from the character devices to web applications is discussed, and preliminary implementation based on WebSocket technology is evaluated.
著者
西村 健 猪原 茂和 益田 隆司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.79, pp.61-66, 1996-08-26
被引用文献数
1

近年、高速ネットワーク技術の革新とインターネットの普及にともなって画像や音声などのデータをネットワーク上で通信し加工するアプリケーションが増えつつある。しかし従来のOSではTCP/IPのような特定のネットワークプロトコルのみがカーネル内で実現され、それ以外のプロトコルはカーネル外で実現するしかなかったためアプリケーションレベルのプロトコル層とカーネルレベルのプロトコル層の間でパケットを複製する操作がボトルネックとなっていた。本研究では、ユーザレベルのプロトコルモジュールをカーネル内にロード可能にし、一連のプロトコル処理をカーネル内で処理することで大量の通信データを効率的に扱う機構を提案する。カーネル内にロードされたモジュールは、通信データに対する主要な処理であるネットワークシステムとファイルシステム間のデータ移動、および内容の加工(圧縮や展開など)を行う。これらによって、画像や音声データを多くの場合複製操作なしで処理することが可能になる。ユーザコードは不法なアクセスの検査を行うカーネル内のインタプリタ上で実行し、システム全体の安全性を確保する。Due to the high-speed network technology and the wide spread of Internet, there are a growing number of multimedia applications that process and exchange large amount of data (audio and video streams). Conventional OSs support a fixed set of protocols in the kernel, and other higher protocols out of kernel. This results in copying of packets between the application-level and the kernel-level protocol layers, which causes large overheads. This study proposes a mechanism for efficiently transferring and manipulating bulk data, by embedding user-level protocol modules in the kernel, and executing the whole protocol operations in the kernel. The module can move data between the file system and the network system without copying. It also manipulates data in the kernel (e.g. compression, de-compression, or data format transformation). To keep safety, the embedded modules are executed by an interpreter which checks illegal accesses.
著者
松田 昌史 松原 繁夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.24, pp.85-90, 2005-03-15

複数の売手が、複数同一財を出品するオークションメカニズムを考案する。インターネットオークションにおいては多くの場合、相手の素性が不明であり、相手が優良な取引相手かどうかを知ることが困難である。社会的に効率の良い財の割当てを達成するためには、望ましくない取引相手をオークションから排除することが必要である。そのための方法として、本稿では買手が得た情報を他者と共有することで、望ましくない売手を特定し、取引から排除するオークションプロトコルを提案する。本プロトコルの特徴は、売手の素性がわからない状態の時に、一部の買手が売手と取引を行うことでその売手の情報を獲得し、それを他の買手や主催者と共有する誘因を、価格を優遇することで与える点にある。解析では、買手が正直に情報を共有することが均衡になることを証明する。また、計算機実験を行い、提案プロトコルでは社会的に望ましい割当てに近い状態が実現されることを実証する。To achieve a socially efficient allocation in Internet auctions, it is important to exclude insincere sellers,i.e., it is necessary to investigate unidentified sellers and share information on them. However, the first buyer (investigator) may suffer a loss if the seller is insincere, which discourages the buyer being an investigator. To solve this problem, we design auction protocols that motivate buyers to investigate unidentified sellers by determining an appropriate amount of payment. We prove that buyer`s truth telling is in equilibrium in this protocol. Moreover, experimental results show that the social surplus obtained by our protocol is close to an efficient allocation.
著者
関根 利一 前田 剛志 山井 成良 北川 直哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CSEC, [コンピュータセキュリティ] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.6, pp.1-5, 2015-05-14

DNS は,Web や電子メール等の様々なインターネットサービスの利用前に,通信相手が持つドメイン名の名前解決を行うために使用される機構である.したがって,DNS が使用できない環境では通信相手が特定できず,各種サービスを利用することができなくなるため,政府や ISP などの運用ポリシによって様々なアクセス制限が行われる場合でも DNS サービスが完全に使用できない環境は存在しない.本研究では,この特徴を利用し,利用者の得たい情報を代理で取得し,応答する特殊な DNS サーバを試作した.これにより,Web ページのアクセス制限が実施されている環境下においても任意の情報を取得することができる.
著者
米澤 朋子 クラークソンブライアン 安村 通晃 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.3, pp.17-24, 2001-01-17
参考文献数
11
被引用文献数
10

我々は,ぬいぐるみとのインタラクションが音楽を生み出すシステムを,新しい音楽コミュニケーションとして提案し,"Com-music"を実装した.ぬいぐるみに様々なセンサを埋め込んだ"Com-music"は,隠れマルコフモデルにより予めラベル付けされたジェスチャー認識を用い,ユーザとぬいぐるみとの間に行われるインタラクションのレベルを判断する機構を持っている.本稿では,インタラクションの頻度・強度が音楽マッピングを変更し,状況や文脈によって異なる音楽を作る新しいタイプのコミュニケーションについて考察する.We propose a music expression system which generates music by interaction between the user and a sensor-equipped doll named "Com-music." Since the sensor-doll includes various sensors and a PC, it can detect not only raw data but also pre-defined gestures and contexts using HMMs (Hidden Markov Models). The doll has five levels of interaction as pre-defined contexts, that correspond to the strength and the frequency of the interaction with theuser. Each interaction level has different set of music control mappings, so the doll reacts with music expressions correspondent to context. In this paper, we consider the sensor-doll system as a device of the new type of communication, which uses music expressions as the communication media.