著者
田畑 孝一 杉本 重雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.286-293, 1989-03-15
被引用文献数
2

知識ベースシステムとのコミュニケーションをことばや数値を越えて情感の水準に近付けるためには コミュニケーションに視聴覚情報の積極的な導入を行う必要がある.本論文において 我々はそのようなシステムの方式として「視聴覚情報援用型知識ベースシステム(A Knowledge-based system with audio-visual aids:KS/AV)」 またKS/AVにおける知識表現方法として「オブジェクトベース述語論理(Predicate logic based on objects)」を提案した.オブジェクトベース述語論理においては 定義域上のすべての個体をSmalltalk-80のクラスの概念に基づいて定義し オプジェクトヘのメッセージ送受信のために 述語論理における関数の一つとしてmessage関数を導入した.本論文においてはビデオディスク タッチパネル付ディスプレイ等の視聴覚情報機器を接続したパーソナルコンピュータ上にKS/AVのプロトタイプを製作した.このプロトタイプでは視覚イメージに関して ピデオイメージやグラフィクスイメージのみならずそれらの合成イメージをオブジェクトとして定義した.イメージ表示やその応答入力はオブジェクトのメソッドとして記述した.このプロトタイプ上で幼児を利用者とする視聴覚情報援用型幼児向き読香相談システムを構築し 有効性を確かめた.
著者
福島 俊一 下村 秀樹 森 義和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.500-510, 1996-04-15
被引用文献数
19

本論文では フリーピッチ手書き文字列の読み取りのために 新しい知識処理アルゴリズムである「文字タグ法」を提案する. 字形が多様で 文字サイズ・文字ピッチにばらつきがあり 文字の接触・入り組みなどもよく起きる手書き文字列の読み取りでは 誤切り出しや誤認識によって欠落した正解文字を補完する知識処理が不可欠である. 従来の知識処理方式は 単語辞書と候補文字列とを照合して単語候補を抽出したうえで その並びの妥当性を判定する2段構成である. このような従来法では 単語境界が不確定なケースをうまく扱えないことや 候補文字列と単語辞書との虫食い照合における組合せ爆発を避けると 強引に候補を切り捨てることになって最良解を保証できないことなどが大きな問題になっている. これに対して 本論文で提案する文字タグ法は 文字を基本単位としてタグを付与し その位置関係をチェックしながら連結していく戦略をとる. 単語内の文字の連結と単語間の文字の連結とを同等に扱って動的計画法を適用することで 最良解を保証し かつ 入力文字列の長さLと候補多重度Mに対してO(L^2・M^2)またはO(L・M^2)の時間計算量を達成している. さらに 手書き宛名住所の地名領域の読み取りに文字タグ法を応用し 文字切り出しや個別文字認識のあらゆる組合せと正解文字欠落の可能性の中から最良解を高速に探索する文字タグ法の能力を確認した.This paper proposes a new algorithm for post-processing in a hand-written character reader. Hand-written characters have such characteristics as various styles, irregularity in size and pitch, frequency of character overlapping, and so on. These characteristics bring difficulty into hand-written character reading systems. Post-processing to correct mis-segmentation and mis-recognition by linguistic information is an important approach to accurate reading. Conventional post-processing methods consist of two steps. In the first step, word candidates are extracted by word dictionary looking-up. In the second step, combinations of words are evaluated. These conventional methods have the following problems. The first problem is that they don't work well when word boundary segmentation is missed. The second one is combinational time complexity, required for examinations of all combinations of character segmentation candidates and character recognition candidates by approximate matching. In the algorithm proposed in this paper, character candidates are tagged with position-in-word information, and the position-in-word tags are connected by a dynamic programming method. This algorithm has the advantage of time complexity O(L^2・M^2) or O(L・M^2) for optimum path search, where L is input length, and M is average number of segmentation and recognition candidates per character. This paper also describes its implementation and evaluation results in hand-written Japanese address reading.
著者
栗山 和子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-8, 2015-03-23

本研究では,2013 年の読売新聞の 「人生案内」 欄と Q&A サイト 「OKWave」 の 「恋愛・人生相談」 カテゴリに投稿されたの質問・回答について分析を行い,その投稿者と質問・回答の特徴について比較を行った.その結果,共通点としては,配偶者か恋人かという違いはあるものの,自分のパートナーに関連する質問が多く,質問文には評価や感情を表す形容詞がよく用いられていることがわかった.相違点としては,新聞の相談者は女性の割合は高く年齢層があまり偏っていないのに対し,Q&A サイトの質問者はほぼ男女半々で 10~20 代の若年層に偏っており,回答者はそれよりも上の 20~30 代が多いことがわかった.新聞と Q&A サイトの人生相談は利用者や相談内容が完全に異なるわけではなく,10~30 代の若い世代については重複しているため,相補的に利用することで有用な回答を広く探すことが可能性であると考えられる.
著者
神谷 年洋 中小路 久美代 高嶋 章雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.108, pp.63-70, 2001-11-15

日常業務における知的創造活動を支援する対話的アプリケーションシステムには,機能を充足する必要と共に,使い心地の良さ(デザイラビリティ)が求められる.本稿では,デザイラブルなシステムの構築に向けて,システムのインタラクションの分析やデザインを目的とした,インタラクション記述言語CHIOPAを提案する.提案した言語を用いて粒度の異なる2つのインタラクションを記述した例を用いて,アプローチの特徴を述べる.Interactive systems that support intellectual creative tasks require not only to be useful and usable by satisfying their targeted functionalities, but also to be desirable for individual users by providing appropriate interaction styles. This paper proposes a descriptive formal language, CHIOPA (Computer-Human Interaction on Objects, Properties, and Actions), with which developers can analyze and design interaction between human and interactive computer systems. We illustrate characteristics of the language by using two examples of interactions at two different levels of granularity.
著者
足立幸祐 延谷直哉 仲谷善雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.223-225, 2012-03-06

現代の社会問題の一つとして、対人関係でのコミュニケーション能力不足があげられる。特に社会活動では初対面での会話の機会が多く、コミュニケーション支援のニーズはますます高まってきている。本研究では、個人のリズム感としてパーソナルテンポを利用することで、会話行動のストレスを小さくすることを目的とする。人間は日常生活の中で何かしらのリズムを感じている。そのリズムをシステムによって適切な支援をすることで,行動や認知に良い影響を与えることが期待できる。今回それを実験にて確認できたので、本稿では、2者のパーソナルテンポ操作による発話速度の制御を対象とし、そこから得られる2者の行動や心理の変化について報告する。
著者
小池 則行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.344-347, 2015-03-15

情報機器の発展速度が著しい中,学校で利用している情報機器は,一度そろえたら長期間利用できるというものではない.どの学校においてもリプレイスにおいては学習活動だけでなく生徒の主体的な活動をも促進するようなシステムの構築が求めらる.ここでは,教室環境を含めた情報システムのリプレイスを「学び」の場の再構築と捉え,限られた予算や空間的制約がある中,テクノロジーをうまく組み込んだ,生徒の学びを刺激する学習環境をどう創り上げたらよいかを本校のリプレイスを1つの例として紹介する.また,リプレイス後の活用の様子についてもいくつか紹介する.
著者
鎌田 徹朗 橋本 剛 高野 誠也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-6, 2015-02-26

StarCraft はリアルタイムストラテジー (RTS) ゲームの中でも特に人気のシリーズであり,多数のプロプレイヤーがいる.AI 同士で対戦を行う大会が開催され, StarCraft AI の開発は徐々に盛んになってきているが,まだプロに勝てるほど強くない.2012 年と 2014 年に開催された大会で上位入賞 AI 対プロの対戦が行われたが,結果は AI 側の 12 戦全敗であった.この対戦を分析すると,ユニットの移動時の配置に大きな問題があることがわかった.本研究では StarCraft AI に隊列の概念導入を提案し,実装を行い実験により有効性を調べる.StarCraft is a popular series of Real Time Strategy (RTS) games with which many professional players play. Tournaments for AI are often held and development of StarCraft AI gradually becomes popular, however it can not defeat professional players yet. Higher-ranking prize StarCraft AI programs on 2012 and 2014 tournaments played with a professional player and the result is zero win twelve loses among twelve games from AI. Analysis of these games makes aware that disposition of units while moving has great difficulty. This research introduces a concept of ranks of troops to StarCraft AI, implements it and examines its effectiveness by experiments.
著者
山場 久昭 長友 想 油田 健太郎 久保田 真一郎 片山 徹郎 朴 美娘 岡崎 直宣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. IOT, [インターネットと運用技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.32, pp.1-6, 2015-05-14

近年,スマートフォンやタブレットのようなモバイル端末の普及に伴い,覗き見によって認証に必要な情報が第三者に取得されてしまてしまうことが問題となってきている.これを解決する技術として,指紋などの生体情報を用いた生体認証が注目されている.本論文では,そのひとつである筋電位を用いた個人認証について検討を行う.具体的には,前腕部の筋電位の波形が手首から先の手の動き (ジェスチャー) によって異なる波形を示すことを利用し,そのジェスチャーを組み合わせてパスワードとして用いる手法を提案する.今回は,個人認証に用いる生体認証として筋電位が利用可能であるのか,筋電位の波形からジェスチャーを判断することができるのか,また,それを計算機上に行わせるのが可能かどうかについて検討を行ったので,報告する.
著者
間下 以大 新谷 晃一 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-7, 2015-05-11

人の空間知覚において,左側を見る場合は左眼を,右側を見る場合は右眼を優位に用い,正面を見る場合は利き眼を優位に用いていることが確認されている.これらの違いを考慮することで人と空間のインタラクションをより深く理解し,身体動作を用いたユーザインタフェースをより使いやすくできる可能性がある.本稿では,ユーザインタフェースとして利用される代表的な身体動作として指差しに着目し,利き目,利き手の違いと指差し動作の精度について被験者実験を行い,その分析結果について報告する.具体的には,被験者の頭部を固定し,着座した状態で,格子状のターゲット群に対して利き手および非利き手で指差しを行わせ,眼と指先を結ぶ直線を用いて指差し位置推定を行った.その結果,指差し動作においては利き手よりも利き眼の違いが重要であることなどが統計的に確認された.
著者
鎌田 和樹 渡邉 俊哉 渋沢 進
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.13, pp.1-8, 2015-05-07

高齢者が要介護状態に陥る原因の一つに認知症がある.拮抗体操は両手足で左右別々の動きをするもので,認知症を予防するための健康行動の一つである.健康行動の指導者は高齢者の数に対して不足しており,指導者の負担を減らすような支援システムが求められている.他方で Kinect は人体の関節を認識でき,導入も手軽なことから体操支援システムに適している.筆者らは以前の研究において,深度センサを利用し体操指導機能とリズムゲーム機能を備えた拮抗体操支援システムを作成した.このシステムでは,Kinect の手先の認識が難しいことから一部の拮抗体操の認識率が劣っていた.そこで今回,Kinect v2 を用いて拮抗体操支援システムを改良し,認識精度の評価実験を行うとともに,高齢者を対象に主観評価実験を行った.その結果,若者を対象にした実験からシステムの認識精度の向上が確認された.また,高齢者の体操の認識精度が若者より低かったが,主観評価実験から高齢者の体操参加を促すのに体操システムが有用であることが分かった.
著者
森嶋 厚行 川島 隆徳 原田 隆史 宇陀 則彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.13, pp.1-4, 2015-05-09

近年,クラウドソーシングは問題解決の新しいアプローチとして注目を集めている.本講演では,クラウドソーシングの応用事例として,クラウドソーシングプラットフォーム Crowd4U を用いた NDL データ利用プロジェクトについて説明する.Crowd4U は,非営利・公益・学術目的のクラウドソーシングプラットフォームであり,公益と学術のタスクが稼働している.Crowd4U は大学によって開発が行われており,プロジェクトの要望に応じて様々な機能追加が日々行われている.L-Crowd プロジェクトは,Crowd4U 上で NDL データを用いて行われているプロジェクトの一つであり,ISBN による書誌同定における誤り (書誌誤同定) の判定をマイクロタスクで行おうというものである.本講演では,本事例の紹介を通じて,クラウドソーシングを利用した公益・学術プロジェクトの可能性を議論したい.
著者
加藤淳 中野倫靖 後藤真孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.15, pp.1-7, 2014-08-18

本稿では、歌詞を歌声と同期してアニメーションさせる Kinetic Typography と呼ばれる動画表現の制作環境 TextAlive を提案する。既存の制作ツールでは、歌詞と歌声の同期を手作業で取り、文字や単語、複数単語から成るフレーズに対して個別に望みの動きを設計する必要があった。その際は、動きを規定するアルゴリズムのパラメタを、スライダーなどの汎用 GUI で調整して試行錯誤を重ねていた。一方、本制作環境では、歌詞と音楽の時間的対応付けを自動で推定し、動きのアルゴリズムに対する初期パラメタを自動生成する。さらに、動きのアルゴリズムを編集できるコードエディタを備え、プログラマがパラメタ調整に適した専用 GUI を容易に提供できるフレームワークを提供する。これにより、TextAlive のユーザは Kinetic Typography を一から作る必要がなくなり、初めに時間合わせなどを行う手間をかけずに済む。また、歌詞の動きをインタラクティブかつグラフィカルに設計できるようになる。
著者
桑原 周 金井 秀明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SPT, セキュリティ心理学とトラスト
巻号頁・発行日
vol.2015, no.17, pp.1-8, 2015-05-07

本稿では都市部での駐輪管理を対象に,タブレットやスマートフォンの携帯端末を用いた追跡情報の告知システムを提案する.従来では駐輪 1台ごとに駐輪履歴の紐付けを行うことは困難であり,駐輪規範の改善には強制撤去などの即時的な手法を用いる事が主であった.そこで,駐輪場での放置駐輪自転車の行動履歴情報を,携帯端末内に登録する追跡情報システムを構築した.このシステムを活用し,駐輪行動履歴の個別告知を実施し,その駐輪規範の改善効果を測定した.その結果,監視情報の告知前後の駐輪状況を比較したところ,監視情報の告知後 6 週間後において放置駐輪が 5 割ほど減少していることが確認され,質問紙調査を実施したところ,システムの対象ユーザも規範の改善を実感している事実が明らかになった.この知見に基づいて,監視情報が与える社会的ジレンマ状況下の行動規範改善について検討し,本稿で報告する.
著者
田村 拓己 久保田 真一郎 油田 健太郎 片山 徹郎 朴 美娘 岡崎 直宣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.808-818, 2015-03-15

ボットによるWebサービスの不正利用対策として,CAPTCHAと呼ばれる反転チューリングテストが利用されている.Webサイトへの導入のしやすさや回答方式の理解のしやすさから,文字列の画像を用いたCAPTCHA方式が広く普及している.しかし,ボットによる文字認識技術の発展が著しく,高い確率でテストが突破されるなど,その脆弱性が指摘されている.高度化するボットの文字認識技術に対抗し,解読難度を高くしたCAPTCHAや画像識別などの人間の高度な能力を利用するCAPTCHAが提案されているが,利便性が低いことや特定の攻撃に弱い点が問題となっている.本稿では,人間特有の画像認識能力を利用することで,利便性を保ち十分な堅牢性を持つ新たなCAPTCHA方式を提案する.提案手法は,判定に利用する提示画像に正答の文字列を含まないようにすることで文字認識攻撃に耐性を持たせた.また,提示画像には,人間が画像を補完して認識できる程度の妨害図形を付加し,堅牢性を向上させた.提案手法の有効性を確認するため,画像CAPTCHA方式において考えられる攻撃への耐性を考察し,利便性の評価としてアンケートによるユーザビリティ評価を行った.その結果,システム実装に必要な妨害図形の量に関する閾値を明らかにし,提案手法が攻撃に対して十分な耐性を持ち,ユーザビリティが優れていることを示した.A reversal turing test called CAPTCHA is used in many webservice sites to prevent the automatic program called bots from making unauthorized accounts. The CAPTCHA with images of correct answer string, called as the text-based CAPTCHA, is widely prevalent because of an ease implementing in the website. The optical character recognition technologies enable bots solve the text-based CAPTCHA automatically. Any researchers have pointed out the vulnerability of the text-based CAPTCHA. Absorbing the vulnerability of the text-based CAPTCHA, the image-based CAPTCHA is proposed, which use the human abilities to discern objects in images. However, the existing image-based CAPTCHAs also have problems about usability and robustness. In this paper, we propose a new image-based CAPTCHA using images without a correct answer string and with obstruction figures, to achieve high usability and robustness. In order to confirm a effectiveness of the proposed method, we argue to absorb some considerable attacks in the image-based CAPTCHA, and conduct assessment of usability through our questionnaire. The results show that the proposed system absorb the attacks adequately and has usability.
著者
長谷川 聡 菊池 亮 五十嵐 大 濱田 浩気 千田 浩司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. IOT, [インターネットと運用技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.27, pp.1-7, 2015-05-14

近年,プライバシを保護しながら統計分析を行うことができる技術として,データを撹乱してプライバシを保護し,その後データの分布を推定して得る (再構築と呼ぶ),撹乱再構築法が注目されている.従来の撹乱再構築法では,元データに対する一切の仮定をおかず,元データの分布を推定することから,精度良く再構築を行うためには大量のデータを必要としていた.しかしながら,実際には再構築に十分なデータ数がない場合も多く,そのような際でも精度よく再構築したいニーズがある.そこで,十分にデータがない場合でも精度よく再構築を行えるよう,分布の推定によく用いられる有限混合モデルと呼ばれる確率分布を仮定した新たな再構築法を提案する.
著者
王 一凡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-4, 2015-05-09

大正新脩大蔵経所収 『一切経音義』 は,活字本でありながら多様な差異を有する膨大な異体字群を内包している.当資料を適切にデジタル化・UCS 符号化するためには,活字の異同を検討したうえで用字に関する体系的な理解を得る必要があるが,総字数 100 万字超,異なり活字約 3 万種と推定される本文を直接点検しながら,一貫性のある分析を行うことは困難である.したがって,活字の集計を省力化する手段が求められる.本報告では,オープンソースライブラリ OpenCV による自動処理を適用することでこれを実現する試みを紹介し,もって特定分野への汎用ライブラリの応用の可能性を提示する.
著者
Abdoulaye Maiga Naoki Chiba Tony Tung Hideo Saito
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.54, pp.1-4, 2015-01-15

We present a novel method for interpolating views captured with an omnidirectional camera. The proposed method relies on a piece-wise transition-based image interpolation model that produces smooth local transitions between images by selecting optimal transition points. Hence, ghosting effects in standard interpolation methods can be reduced, and occlusion issues can be handled. The technique can be used to reduce the number of capturing images, which is the burden when constructing an image-based virtual system, while preserving the immersive realism. We show early results using real-world images as a proof of concept.We present a novel method for interpolating views captured with an omnidirectional camera. The proposed method relies on a piece-wise transition-based image interpolation model that produces smooth local transitions between images by selecting optimal transition points. Hence, ghosting effects in standard interpolation methods can be reduced, and occlusion issues can be handled. The technique can be used to reduce the number of capturing images, which is the burden when constructing an image-based virtual system, while preserving the immersive realism. We show early results using real-world images as a proof of concept.
著者
小川 宏高 中田 秀基 工藤 知宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.15, pp.1-6, 2013-05-22

我々は,オンライン機械学習向け分散処理フレームワーク Jubatus を基盤として用いた,大量センサデータに対するリアルタイムかつ複雑な解析を実現する処理エンジンの構築を目指している.特にさまざまな応用分野へのシステムの適用を想定した場合,多種多様なリアルタイムデータを処理対象として取り扱えることが重要である.そのなかでも映像や音声に代表されるメディアデータは,汎用性が高く,実世界へのセンサー装置の浸透が顕著に進んでおり,内包している情報量の多さから高い利用価値が期待される.本稿では,Jubatus を基盤として実際に多数の動画像を対象としたリアルタイム異常値検出を行うシステムを構築し,その構成概要を示した.また,性能特性の調査を行い,その結果を示した.その結果,学習データに基づいた異常値検知はリアルタイムに実現できたが,学習フェーズは学習データの増加とともにリアルタイムに処理することが困難になった.レスポンス時間についてより詳細な調査を行い,LSH から取得した擬似近傍点の個数が多い場合に著しい性能劣化が見られることが判明した.We aim to build a real-time and complex data analisys engine for large-scale sensor data, based on a distributed online machine-learing framework, Jubatus. In order to adapt this engine to various application areas, it is crucial that we can handle a wide variety of real-time data. Especially, multimedia data, including video and audio, are general-purpose and feature rich, and their sensors have already been penerated into the real world deeply and widely. Hence, we expect that they are quite valuable for various applications. In this paper, we realize an actual system that provides real-time anomaly detection for multiple video streams and describe the overview of our system. And, we also investigate the performance characteristics of the system. As a result, anomaly dectection based on learnt video frames can be performed at real-time, but learning phase can hardly be processed at real-time according to the growth of learnt video frames. We conduct more detailed investigation into the response time of the system, and clarify that peformance degradation is observed mostly when the amount of pseudo-neighbors extracted from LSH is relatively large.
著者
吉田 京平 服部 峻
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.20, pp.1-6, 2014-05-08

近年,歩きスマホによる事故が多発しており,特に階段ではユーザが自己抑制しないと大きな事故に繋がる危険性が高い.階段における歩きスマホ事故を未然に防ぐため,コンテキスト・アウェアネス技術を用い,階段における歩きスマホを検知できるモバイルアプリケーションを提案する.加速度センサから得られた加速度値,及び,4 つの閾値とウインドウサイズをパラメータとして,「静止」,「歩行」,「階段昇り」,「階段降り」の 4 つのコンテキスト認識を行っている.また,各コンテキストの再現率・適合率が最大となるようなパラメータを求める実験を行った.Recently, texting while walking is frequently causing many accidents, and especially in the case of stair ways, not exercising self-control by users has a high risk of big accidents. To prevent texting while walking on stairways, this paper proposes a mobile application that detects it based on context-awareness technologies. The proposed system uses acceleration value acquired from accelerometer with four threshold values and window size as parameters, and recognizes four kinds of contexts: standing, walking, upstairs, and downstairs. In addition, the experiment that optimizes the parameters to maximize the recall and precision of each context has been carried out.
著者
西村 則久 明関賢太郎 安村 通晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.4388-4395, 1999-12-15
被引用文献数
8

外国語作文の自動添削では,通常のCAIソフトウェアは数例の正解のみを内部に持っている場合が多いが,この場合,非常に簡単な問題を除いては多様な解答例に対応することができない.本論文で提案する英作文の自動添削手法では,正解の一括表現を用いて多様な解答例に対応することが可能である.システムをネットワーク上で実現すれば,一元管理の行き届いた英作文CAIを実践できる.本研究ではシステムを試作し,評価を行った.本論文ではシステムの仕組み,評価結果について述べると同時に正解一括表現法としてBUD(Basic Universal Description)を提案する.Concerning the automatic correction of foreign language composition exercises, conventional software on the market contains only a few correct answers. This approach, however, cannot handle a lot of various correct answers, except when the question is simple. We propose a method of automatic correction of English composition exercises which deals with an enormous number of correct answers, making use of multiple-unit representation which expresses multiple sentences all together. Network-based implementation of the system will enable practice of CAI for English composition and its unified management. We built a prototype system and made some evaluations. Here we describe the mechanism of the system and the result of the evaluations. We propose BUD (Basic Universal Description) as a multiple-unit notation.