著者
長坂 晃朗 田中 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.543-550, 1992-04-15
被引用文献数
128

本論文では ビデオデータベースを実現するための基本アルゴリズムとして ビデオ情報の自動索引付け手法と 特定物体のフルピデオ検索法を提案するこれらは フルテキストデータベースにおける自動索引付けと全文文字列検索に対応する検索機能をビデオデータベースに提供するビデオ情報の自動索引付けは 再生中のビデオ情報から実時間でカット変わりを自動検出することを基本とする各カットの最初のフレームや最初の短時間の映像は そのカットに特徴的な情報であり これらの画像や動画像を表示するiconやmiconのリストは ビデオ情報の索引として用いることができるリスト中の各miconをマウスで指定し 対応するカットのフレーム番号をRS232Cを介してVTRやLDに伝えることによって そのカットを自動再生させることができるフルピデオ検索は 検索者が指定した物体が現れているフレームをビデオ情報中からすべて探し出すことを目的とする物体の指定は その物体を表す画像を与えることで行うビデオ情報に登場する物体は その現れる場面によって異なる大きさ 異なる形状 異なる向きを示すことが多いが 本論文で述べるアルゴリズムでは そのような場面の物体をも見つけることができる
著者
橋本 隆子 白田 由香利 真野 博子 飯沢 篤志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.71-84, 2000-05-15
被引用文献数
25

放送のデジタル化に伴い,映像情報の補足情報をインデックスとして付加し,そのインデックスを用いて映像情報を検索する方式が各種研究されている.インデックスを利用した映像情報検索方式の一つとして,ダイジェスト視聴に注目し,視聴者ごとに意味的に重要なシーンを判定してパーソナルなダイジェストを可能とするシステムを試作した.またこのダイジェスト視聴システムでは,視聴者が複合事象に対して自分の嗜好を交えた抽象度の高い用語を使って検索できるように抽象インデックスを定義できるようにした.本稿では,まずダイジェスト作成モデルを説明し,それを実現するための映像スキーマ定義言語を説明する.そして,野球番組を対象にして,視聴者の嗜好情報登録及び各種検索が可能なダイジェスト視聴システム及びその検索インタフェースの試作を行ったので,その機能についても述べる.Beyond program contents, digital data broadcasting can deliver additional data as indexes attached to the contents. Using these indexes, users can browse and retrive parts of the program. We have developed a system that can construct a digest of the program on the fly using indexes. The system can extract scenes and restructure them based on the information cbtained from indexes and users would use in describing the scenes they are looking for to those terms actually used in the program indexes. The paper firstly describes a formal model of the digest prodiction and a program schene defintiton language to implement the model. Also, we explain our prototype system of the digest viewing system with a user interface to put in user preferences and various retrieval requirements for baseball programs.
著者
角 康之 江谷 為之 シドニーフェルス ニコラシモネ 小林 薫 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.2866-2878, 1998-10-15
被引用文献数
52

本稿では,我々が現在進めている展示ガイドシステムの研究プロジェクトC?MAP (Context?aware Mobile Assistant Project)の概要と現状を報告する.C?MAPの目標は,博物館や研究所公開などの展示会場を想定し,携帯情報端末を携えた見学者へ,彼らのおかれた時空間的な状況や個人的な興味に応じて,展示に関する情報を提供する環境を構築することである.我々は最初のテストベッドとして我々の所属する研究所の研究発表会を選び,展示ガイドシステムを試作した.携帯ガイド上には,展示会場の地理的案内と展示間の意味的な関連を可視化した意味的案内が提供され,これらはユーザの時空間的/心的な文脈に応じて個人化される.また,ガイドシステム上にはlife?likeな外見を持つガイドエージェントが表示され,システムとユーザ間のインタラクションを取り持つ.本稿では,展示に関する興味を共有する見学者?展示者間のコミュニケーションを促進するためのサービスについても述べる.This paper presents the objectives and progress of the Context-aware Mobile Assistant Project (C-MAP).The C-MAP is an attempt to build a tour guidance system that provides information to visitors during exhibition tours based on their locations and individual interests.We prototyped a guide system using our open house exhibition of our research laboratory as a tested.A personal guide agent with a life-like animated charadter on a mobile computer guides users using exhibition maps which are personalized depending on their physical and mental contexts.This paper also describes services for facilitating communications among visitors and exhibitors who have shared interests.
著者
木谷強 小川 泰嗣 石川 徹也 木本 晴夫 中渡瀬 秀一 芥子 育雄 豊浦 潤 福島 俊一 松井 くにお 上田 良寛 酒井 哲也 徳永 健伸 鶴岡 弘 安形 輝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.2, pp.15-22, 1998-01-19
被引用文献数
33

日本語情報検索システム評価用テストコレクションBMIR-J2は、情報処理学会データベースシステム研究会内のワーキンググループによって作成されている。BMIR-J2は1998年3月から配布される予定であるが、これに先立ち、テスト版としてBMIR-J2が1996年3月からモニタ公開された。J1は50箇所のモニタに配布され、多数の研究成果が発表されている。BMIR-J2では、J1に対するモニタユーザからのアンケートの回答と、作成にあたったワーキングループメンバの経験をもとに、テストコレクションの検索対象テキスト数を大幅に増やし、検索要求と適合性判定基準も見直した。本論文では、BMIR-J2の内容とその作成手順、および今後の課題について述べる。BMIR-J2, a test collection for evaluation of Japanese information retrieval systems to be released in March 1998, has been developed by a working group under the Special Interest Group on Database Systems in Information Processing Society of Japan. Since March 1996, a preliminary version called BMIR-J1 has been distributed to fifty sites and used in many research projects. Based on comments from the BMIR-J1 users and our experience, we have enlarged the collection size and revised search queries and relevance assessments in BMIR-J2. In this paper, we describe BMIR-J2 and its development process, and discuss issues to be considered for improving BMIR-J2 further.
著者
山田 雅之 Rahmat Budiarto 伊藤 英則 世木 博久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.497-504, 1994-03-15
被引用文献数
8

アヤトリはひもを指に絡めて、その変形を繰り返すことによってさまざまな形を作り出すことができる。本論文では、アヤトリのひもの変形遇程の表現の方法と、この表現に基づくひも図形処理の方法について述べる。まず、指の動作によってひもが変形してゆく過程を表現する方法として、いくつかの基本動作を定義し、これ参に対応する図形をそれそれ重ね合わせる方法を提案する。次に、アヤトリの出来上がり形をこの重ね含わせ図形から生成するアルゴリズムについて述ぺる。最後に、この生成アルゴリズムの有効性をプログラムを作成して確認する。
著者
池添 剛 梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.3201-3212, 2001-12-15
参考文献数
24
被引用文献数
30

本論文では,感性語により音楽を検索するシステムを提案する.提案システムでは,データベース中の曲をマッピングするための検索空間をSD法ならびに因子分析により生成する.また,データベースに新たな曲を登録する際には,GAとニューラルネットワークにより構成された自動インデクシングシステムにより検索空間へのマッピングを行う.検索の際には,8つの感性語対の度合い(1?7)をニューラルネットワークに入力することにより,ニューラルネットワークはそれらの入力に対応する感性空間中の座標を出力するので,検索システムはその出力座標値からユークリッド距離の最も近い曲から順番に検索候補としてユーザに提示を行う.提案システムに対して主観評価実験を行ったところ,検索システムに関しては95%の被験者が満足しており,自動インデクシングシステムに関しては59%の被験者が満足するという良好な結果が得られた.In this paper, we propose a music retrieval system with KANSEI words.In the proposed system,retrieval space in which tunes are mapped is generated by semantic differential methods and factor analyses.When a new tune is registered,the tune is mapped in the retrieval space by an automatic indexing system using genetic algorithms and neural networks.In case of retrieval,arbitrary levels of 8 pairs of KANSEI words are input into a neural network,the neural network outputs the corresponding coordinate value in the retrieval space.Then the proposed retrieval systems show a user some candidate tunes in near order of distance from the output value.The subjectivity evaluation experiments to the proposed system demonstrate the good result that 95% of subject was satisfied about the retrieval system and 59% of subject was satisfied about the automatic indexing system.
著者
山村雅幸 亀田祥平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.64, pp.65-68, 2006-06-15

報技術の急速な発展とインフラ化に伴って、さまざまなソースからの時系列データが大量に蓄積されはじめている。時系列データの適切な解析手法の整備が急務である。従来、時系列のクラスタリングにおける類似性は系列間のユークリッド距離をベースに定義されてきたが、多変数に関する情報が失われる欠点がある。本研究では、時系列クラスタリングのために、クモの生態系にヒントを得た新しいアルゴリズムを提案する。そこでは、生態系を通じたクモの棲み分けによって、時系列データの特徴点を巣の位置として抽出し、それらの特徴点の順序相関に基づいてデータ間の距離を定義しクラスタリングに役立てる。オーストラリアの手話の軌跡データを用いて、分類性能が従来の方法より高いことを実験的に調べた。
著者
安藤 一憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.758-761, 2005-07-15
被引用文献数
8

spamメール対策の中にあってフィルタリングはユーザの手の届く範囲に実装されるべき技術である.spamメールの定義は個々人によって微妙に異なっており,その違いを吸収するためには,ユーザがフィルタをコントロールできることが必要になるからである.従来から多く使われているメールサーバに届いたメールを手元に持ってくるためのPOP3プロトコルが単一のメールボックスだけを念頭において設計されていることも,フィルタの存在形態に少なからず影響を与えている.spamメールは万人に平等に降るわけではなく,1日数万通という人から1通も来ない人まで非常にバリエーションが広い.自分に1日15通しかspamメールが来ないから自分のいる組織に対策は必要ないと考えるのは早計で,隣の席の人間が数千通のspamメールを受信している可能性があることを知るべきである.このような状況のもと,ユーザから見た場合にspamメール対策の最後の砦となるのがフィルタである.
著者
武田 達弥 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.93-98, 2008-01-31
被引用文献数
1

本論文では、グループにおける検索活動を支援するシステムについて提案する。グループ内のユーザの間では興味・関心が共有されているため、検索活動の重複が大きい。そのため、グループのメンバがそれまでに行った検索履歴を利用することで、次に他のメンバが同じような検索を行ったときに目的となる情報にたどり着くまでの時間と労力を省くことが出来ると考えられる。本稿では、一つの実現例として、検索クエリが入力されたときに、過去に同じクエリで検索され有用と判断されたページを提示するシステムについて説明し、実際にユーザに使用してもらった結果について報告する。When searching a web using a keyword, the search engine returns many results and the user needs to pick desired one manually by visiting the returned many pages one by one. We try to reduce this burden by reusing the result of this task by other group members. Our basic assumption is that group members are expected to share general interest. For example, if one member picks page A as an appropriate search result for search query X after examining many search results, it is likely that another group member also wants to get page A when submitting search query X. This paper proposes search history sharing system that allows the users to get page A immediately when the second group member submit query X to save the user from checking many search results. Finally, we discuss our preliminary test.
著者
佐々木 宣介 橋本 剛 梶原 羊一郎 飯田 弘之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.53, pp.91-98, 1999-06-24
被引用文献数
4

将棋,チェス,象棋(中国将棋)の3種のゲームは起源を同じくし,世界三大将棋とされている.本論文では,与えられたゲームに対して平均合法手数と平均終了手数から求められる√<B>/Dという値がチェスライクゲームにおける重要な指標となり得ることを示し,また,ゲームの歴史的変遷の過程で,この指標がある値に収束するという仮説を提案する.さらに,コンピュータプログラムによる自動プレイにより,世界三大将棋および日本の将棋類を対象として平均合法手数と平均終了手数などの統計的データを採取した.その結果,将棋類の進化的変遷において,持駒再使用ルールの付加が現代将棋に進化する上で重要な変化であることを確認した.本研究の最終目的は,ゲームの進化や発展における普遍的な法則を見出すことである.SHOGI, CHESS, and XIANGQI (Chinese chess) are the major world-wide-popular chess-like games which have been played for many centuries. In this paper, we propose an estimate given by √<B>/D for the average possible moves B and game length D. We also propose a method called self-random play to analyze games, by which we perform experiments with the above three chess-like games and SHOGI variants. The results of the experiments suggest us that the reuse rule of SHOGI is an important step in the course of evolutionary changes of SHOGI. The present aim is to explore the universal way of the evolution of the games.
著者
柏崎 礼生 宮永 勢次 森原 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-6, 2014-10-02

プライベートクラウドや組織内仮想化基盤からパブリッククラウドへと移行する過渡期において,プライベートクラウドとパブリッククラウドの双方を接続しデータやアプリケーションの可搬性を高めたハイブリッドクラウドが展開される.ハイブリッドクラウドにおいてはプライベートクラウドとパブリッククラウドにおいて同じ,あるいは互換性の高いハイパーバイザーで構築されている事が望ましい.VMware 社は 2013 年に ESXi ハイパーバイザーを用いたパブリッククラウドサービス vCloud Hybrid Service (現 vCloud Air) の提供を開始し,2014 年には日本でのサービス提供が始まった.大阪大学では ESXi を用いた仮想化基盤を構築・運用しているため,このサービスは移行先のパブリッククラウドの有力な選択肢の一つである.本稿では VMware 社の協力のもと,vCloud Air 環境における計算機資源の性能評価を行う.In an age of transition between use of private cloud or virtualization infrastracture in an organization to public cloud service, a hybrid cloud that is a composition of two or more distinct cloud infrastructures (private, community, or public) comes out. The infrastractures are bound together by standardized or proprietary technology that enables data and application portability. From a standpoint of V2V cost, it is desirable for a public cloud and a private cloud to be constructed by the same or highly compatible hypervisor. VMware Inc. started to provide vCloud Hybrid Sevice in 2013 that is constructed by ESXi hypervisor (this service is renamed to vCloud Air in August, 2014). In 2014, this service was also begun to provide in Japan. Osaka university constructed a virtualization infrastracture with ESXi hypervisor. This service seems to one of a workable alternative. In this paper, we show results of performance benchmarks sponsored by VMware Inc.
著者
林 健太郎 久野 義徳 白井 良明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.556-566, 1999-02-15
被引用文献数
9

本論文では 画像から抽出した上半身の3つの特徴点を基準とし 手の3次元位置 方向を計測する手法を提案する. 著者らが先に発表した手法では 3次元情報を計算する際に基準となるアフィン座標系を作るための4つの特徴点をユーザの体から抽出していた. このとき 4点は同一平面上にあってはならないので ユーザの姿勢は大きな拘束を受けていた. 本論文では アフィン座標系を作る特徴点のうちの3点を体上にとり その3点が作る平面の法線上の1点を仮想的な4点目とする. このようにすれば3つの特徴点でアフィン座標系が作れるので ユーザの姿勢を拘束しないヒューマンインタフェースを構築できる. 実験として シミュレーションによって仮想基準点を求める手法を検証する. また 応用例として本手法を用いたプレゼンテーションシステムを構築し ヒューマンインタフェースとして有効であることを示す.This paper describes a method to measure the user's 3D hand position and orientation using 3 features on the upper body of the user. The method proposed by the authors before used 4 feature points attached on the user's body. The user's pose was restricted because these 4 features must not be coplanar. Thus, we propose to use a virtual feature as the 4th feature, which is calculated by using the normal direction of the plane made by the 3 features. This method allows the user to move freely. The experimental results show that the proposed method is useful for the interface of presentation systems.
著者
川又 晃 羅翔 寺島 元章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.105-105, 2000-03-15

当研究室で開発した便宜的ガーベッジコレクション(ccasional G)の並行化とその実装について述べる.便宜的GCとは,リスト処理などの純計算側が消費したヒープ中の最新の使用域のみを対象として使用中オブジェクトの圧縮(liding compactio)処理を行うものである.その効果として,GC処理時間の短縮化と,ヒープ使用の節約に伴うワーキングセットの縮小で純計算時間の短縮も図れることが停止回収型の実装から示されている.この便宜的GCの並行化は,毎回行われるGC処理の実時間(ealtim)化と定期的に行われるGCの並列(oncurren)化とからなる.前者は通常の掃除をこまめに行うことを,後者は時間のかかる大掃除を別個に行うことを意味する.GCの圧縮処理の実時間化に必要な,write?barrierと輪切り複写の機能は,そのまま並列化にも適用できる.並列化ではこれらに,排他制御が付加されるだけである.輪切り複写とは,一度に圧縮するオブジェクトを移動先にその複製が作られる範囲に限定することであり,GCの圧縮処理中での中断を可能にする.また,write?barrierはオブジェクト参照に伴う純計算側の負荷を減らす.純計算側はLispの一方旨であるPHLを用い,GC側はスレッドライブラリを利用したコルーティンという汎用的な環境下で実装を行った.数種のLispプログラムの実行結果から得られた本GCの実時間特性についても述べる.The design and implementation ofincremental occasional garbage collection are presented. The occasional garbage collectionis a new type of garbage collection(GC)based on a "mark-and-compact" or sliding compaction scheme.The GC focuses its task of scavenging on most recently generated data object to gain time, and its good performance is shown by a prototype of "stop-and‐collect" version. The incremental occasional garbage collection is made up of two features:"realtime"and"concurrency''. The former is performed usually, while the latter is periodically to gain more spaces.They need common schemes of a write barrier and a coherent copy.The write barrier is less costly in time for coordination than a read barrier, and the coherent copy makes each data object consistent upon its relocation. The concurrency needs exclusive control in addition to them, so that these two features are implemented effectively in the GC.The incrementaI GC is implemented on a multi‐processor machine with shared memory by using(POSI・ス)thread library that makes it portable. The analys of the GC on its performance is done by using our experimental data obtained from the execution of typical Lisp programs.
著者
神田 峻介 森田 和宏 泓田 正雄 青江 順一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-6, 2014-07-25

トライ法とはキー検索を実現する手法のひとつであり,自然言語処理などにおいて幅広く活用されている.トライ法を実現するデータ構造としては,ダブル配列や LOUDS などがあげられる.ダブル配列は,トライのノード間の遷移を O(1) で実現する高速性を備えたデータ構造であるが,簡潔データ構造である LOUDS と比べ,記憶量は大きい.LOUDS は,ビットベクトルによりトライを表現するため,コンパクト性に優れたデータ構造であるが,ダブル配列に対し検索速度は劣る.本稿では,近似直線との差分値を用いたダブル配列の圧縮法を提案する.また,Wikipedia 日英タイトル各 20 万語~100 万語に対する実験により,提案手法は従来のダブル配列と比べて,記憶量を約 60%に圧縮し,且つ LOUDS より約 12 倍高速に検索がおこなえることが実証された.A trie is one of the method for key search algorithm and utilized in natural language processing and so on. It is represented by a double array and LOUDS. The double array provides fast retrieval at time complexty of O(1), but its space usage is larger than that of LOUDS. LOUDS is a succinct data structure using bit-vector. Its space usage is extremely compact, but its retrieval speed is not so fast. This paper presents a compression method of the double array using approximate straight lines. From simulation results for 200,000~1,000,000 keys, it turned out that the space usage of the presented method becomes about 60% compared with the double array and its retrieval speed is about twelve times faster than that of LOUDS.
著者
但馬 康宏 北出 大蔵 中野 未知子 藤本 浩司 中林 智 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.76, pp.7-12, 2007-07-24

本研究において、比較的長い対話に対する話題分割を行う手法を提案する。隠れマルコフモデル(HMM)による話題分割は、これまでも盛んに研究されており、音声認識の分野で特に成果をあげている。しかし、一般的に対話を単語の列として取り扱うため、長さが数百語程度以上の対話の場合にその対話の発生確率が著しく低くなり、有効精度不足となる。本手法では、対話における発話を HMM の出力単位として話題分割を行う。対話における1発話ごとにベイズ推定によりあらかじめ話題のラベルを付けた後、そのラベル列を出力する HMM を構成することにより話題の切り替わりを特定する。ここで、HMM はすべての状態間の遷移を許したモデルとした。68 名の被験者で対話実験を行い、62 対話を作成し、本手法の有効性を検証した。この結果、1500 単語程度の長さの対話にたいして良好な分割精度を出せたことを報告する。We propose a dialogue segmentation and topic structure finding method via Hidden Markov Model (HMM). HMM has been applied for this problem in previous studies and its advantages have been shown. Nevertheless, the length of the dialogue must be restricted about a hundred words because of computational errors, i.e. the occurrence probability of a dialogue which has a thousand words tends to be less than 10-1000 and we fail to construct HMM because of lack of computational precision. In this paper, we propose a new approach for this problem by HMM whose state outputs a symbol of an utterance. Every utterance is classified into some symbols of a segment by a Bayesian classifying method, then we construct an HMM for the target dialogue. The HMM in our method can handle a long dialogue whose length is about 1500 words for 1000 kinds of words. We used 62 dialogues by 68 testee and evaluate our method.
著者
村上浩介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.9, pp.1-2, 2014-10-11

国立国会図書館では,平成 21(2009) 年度から平成 24(2012) 年度にかけて SP レコードのデジタル音源約 4.9 万点を収集し,現在,「歴史的音源 (れきおん)」 のサービス名称で提供している.このサービスについて,概要を紹介する.
著者
高田 哲司 小池 英樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.3265-3275, 2000-12-15
被引用文献数
21 30

計算機の運用管理においてログ情報の調査は必要不可欠である.この作業は,計算機への不正侵入の多発にともないその重要性を増しつつある.しかしログ情報の調査は退屈で単調な作業であるため,その作業を敬遠する傾向が高く,結果として種々の問題を見過ごす原因となっている.さらに,異常を表すログ情報の抽出が困難であることも調査作業を困難にする原因としてあげられる.そこで本研究ではテキストマイニングをログ情報に適用し,異常事象を表すログ情報の抽出を支援する.さらにそれらの情報を情報視覚化を用いて図化してユーザに提示することによりログ情報の認識を支援する.我々はこれらの特徴により人間によるログ情報の調査作業を支援するログ情報ブラウザ``見えログ''を開発した.本システムを利用することにより,システム管理者が異常事象を表すログに関する種々の規則を事前に定義しなくても異常を表すログ情報の抽出を可能にする.また抽出された特徴情報は,情報視覚化によって図化されるとともに文字による表示と連係して提示される.これにより個々のログ情報に関する種々の特徴を容易に把握することが可能となり,人間が様々な観点をもとに注目すべき情報か否かを判断をすることが可能となる.これらの特徴により人間によるログ情報の調査作業を支援することが可能となる.It is necessary for system administrator to investigate some log information. The reason is that log-files contain enormous information generated from an operating system and various programs and these information are useful to solve a variety of troubles on computer. Moreover, an intrusion to the computer becomes serious problem more and more.A system administrator, therefore, has to watch a log information periodically in order to find out the intrusion marks.In this research, we developed log information browsing system, which is called ``MieLog'', in order to support such task.MieLog extracts some characteristics from log information.An example of these characteristics is the number of log outputting in fixed time or the length of log text.MieLog, moreover, represents their characteristics visually with textual information.As a result, MieLog makes it easier for system administrator to investigate log information.
著者
南里 卓也 大津展之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:18827810)
巻号頁・発行日
vol.46, no.15, pp.43-50, 2005-10-15
被引用文献数
48 23

セキュリティ分野における映像監視や老人介護のモニタリングシステムなどにおいて,異常動作の検出は非常に重要な課題である.そこで,本論文では,固定カメラによる複数人動画像からの異常動作検出のための教師なし手法を提案する.本手法では,画面内で頻繁に行われる動作を通常動作とし,異常動作をその通常動作の特徴分布から逸脱するものとして定義する.動作特徴として立体高次局所自己相関特徴を用いており,この特徴の加法性の性質と固有空間法の線形性がうまく組み合わさることによって,画面内に複数人いる場合でも,個々の人物の切り出しやトラッキングをすることなく容易に学習および検出が可能となる.しかも対象に関する先見知識もいっさい必要としない.実験では,複数人の歩行者の中での転ぶ動作を異常動作として検出し,手法の有効性を確認した.The detection of anomaly (abnormal/unusual) movements is an important problem in video surveillance applications. We propose an unsupervised method for anomaly movement detection in scenes containing multiple persons. Our method uses cubic higher-order local auto-correlation (CHLAC) to extract movement features. We show that the additive property of CHLAC in combination with a linear eigenspace method is well suited to simplify the learning of usual movements and to detect anomaly movements even in scenes containing multiple persons. One particular advantage of this method is that it does not necessitate the object segmentation and tracking, and also any prior knowledge about objects. Some experimental results are shown to exhibit the validity of the method.