著者
高橋公海 佐藤進也 松尾真人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.24, pp.1-6, 2013-07-15

Web 上の blog 記事や Twitter などのテキストには,日常生活における人々の行動や出来事と,その繋がり (行動パターン) が記述されている.それらのテキストデータを元に行動パターンをモデル化することが出来れば,人間の行動や思考の予測が可能となり,ユーザに対して状況に即した行動提示 (ナビゲーション) や推薦,といったコンテキストアウェアサービスへの応用が見込まれる.とり得る行動は状況により異なるため,モデル化する際にはどのような状況において成立する行動パターンであるかを考慮することが望ましい.そこで本稿では,blog 記事集合を対象として,キーワードに関連する状況毎に文書集合をクラスタリングし,文書集合全体から推定した行動パターンの頻度と,クラスタ内の文書集合から観測される頻度の差を利用して重み付けすることにより,状況に依存した行動パターンを抽出する手法について検討を行った.実験では,本手法を用いて blog 記事集合から抽出した状況ごとの行動パターン例についても報告する.The ability to understand our daily behaviors has long been regarded as enabling a variety of useful applications(e.g. activity-based actuation, recommendation). In this paper, we present an approach to extract context-dependent human behavior models from weblogs. At first, we apply clustering method to weblogs, and then extract important behavior patterns from each cluster using word frequency. We estimated our method by experiment and made sure the effect of it.
著者
高橋公海 佐藤進也 松尾真人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2013, no.24, pp.1-6, 2013-07-15

Web 上の blog 記事や Twitter などのテキストには,日常生活における人々の行動や出来事と,その繋がり (行動パターン) が記述されている.それらのテキストデータを元に行動パターンをモデル化することが出来れば,人間の行動や思考の予測が可能となり,ユーザに対して状況に即した行動提示 (ナビゲーション) や推薦,といったコンテキストアウェアサービスへの応用が見込まれる.とり得る行動は状況により異なるため,モデル化する際にはどのような状況において成立する行動パターンであるかを考慮することが望ましい.そこで本稿では,blog 記事集合を対象として,キーワードに関連する状況毎に文書集合をクラスタリングし,文書集合全体から推定した行動パターンの頻度と,クラスタ内の文書集合から観測される頻度の差を利用して重み付けすることにより,状況に依存した行動パターンを抽出する手法について検討を行った.実験では,本手法を用いて blog 記事集合から抽出した状況ごとの行動パターン例についても報告する.
著者
成田圭介 岡崎博樹 上林憲行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.613-615, 2013-03-06

本研究ではソーシャル図書室「bookHub」の開発・提供を行う。bookHubは学校の研究室や企業のオフィスなどの特定コミュニティから、Web上に仮想の図書室をつくり、コミュニティの蔵書管理や書籍の貸し借りを行うサービスである。大学図書館に未登録の先生個人所有の書籍を学生に貸し出すことや、社内リソースの活用に役立てる。また書籍の貸し借りを可視化することでコミュニティー内のコミュニケーションを促進することを目的としている。
著者
長慎也 筧 捷彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.121-121, 2002-09-15

アクションゲームを作成する際に必要となる技術として,複数のオブジェクトの並行動作や,ゲーム画面の視覚的設計,といったことがあげられる.これらの技術をユーザから簡単に利用可能にする言語および開発環境Tonyu System(以下Tonyu)を作成した.まず,Tonyuは各オブジェクトの動きを独立に記述し,それらを並行動作させることが可能である.並行動作を行うには通常マルチスレッドを用いるが,アクションゲームはオブジェクトが多数出現するため,OSで用意されているスレッドでは負荷が大きすぎる.Tonyuは仮想機械による実行系を持ち,仮想的なスレッドを同時に複数実行できるが,OS上ではシングルスレッドで実行される.このため,同等の処理をOSのスレッドを利用して行う場合に比べて負荷が抑えられている.また,Tonyuはゲーム画面の設計を視覚的に行う仕組みを持つ.GUIアプリケーションの外観を設計するビジュアルツールは多く普及しているが,Tonyuはこのビジュアルツールの技術をゲーム画面のレイアウト設計に応用したものである.さらに,Tonyuはプログラムの実行中においても,設計時同様,ゲーム画面のクリックによるオブジェクトの選択,選択されたオブジェクトの値の閲覧,編集といったデバッグ操作をリアルタイムに行うことができる.この機能を利用して,他ユーザのプログラムを容易に解析,改変することができる.これらの特徴を活かし,Tonyuをプログラムの共同開発やプログラミング教育のためのツールとして利用していく予定である.To making action games, we need following techniques: parallel processing of multiple objects and visual design of game fields. We developed "Tonyu System" to support these techniques for users. At first, Tonyu allows users write behavior of each object independently and then put them into a field and run them automatically in parallel. In action games, there may be many threads at a same time. That will charge very high load when using native threads (threads provided by OS). Tonyu can execute virtual multi-threads on the virtual machine. But consumes just one native thread. It charges less load than using native thread. Second, Tonyu enables users to design layouts of game fields visually. To design layouts of GUI-based applications, visual development tools are widely available. Tonyu is also a visual development tool, but for designing layouts of action games. Moreover, Tonyu has some useful debugging features: selecting each object by clicking the game screen and inspecting and editing values of the object. These features can be used not only at design time, but also at runtime. They support users to analyze and modify other user's programs. Using these features, we are using Tonyu for co-operating development, or programming education.
著者
八村広三郎 英保 茂
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.91, pp.37-44, 1995-09-15
参考文献数
6
被引用文献数
25

画像のような視覚メディアは、多くの感性的情報を人間に与え、我々はこのような情報を、無意識的に画像の検索などの際に利用していると考えられる。画像処理操作により、画像中から、このような感性的要素を抽出することができれば、これらの情報は、大規模な画像データベースから目的の画像を検索するために、有効に利用することができる。ここでは、画像のひとつのカテゴリーとして絵画を選び、絵画の中から感性的要素を抽出し、検索に利用する方法について報告する。対象とした絵画は近代日本の花鳥画である。まず最初に、花鳥画について、SD法と因子分析により、印象構造の抽出を試みた。この結果、絵画の印象は描かれているモチーフにより支配される傾向が強く、また、モチーフを描くために使用されている色彩は、絵画の中で、比較的目立つ色であることが多いことが分かった。このような観点から、画像処理手法により、対象の絵画から、主要な色の領域と背景の色の領域を抽出し、これらの情報を用いて絵画の検索を行う手法について述べる。さらに、色彩の組み合わせと印象語との対応データを利用して、印象語を入力し、その印象語に対応した絵画を検索することも試みた。いずれも比較的簡単な処理であるが、絵画の検索の一つの方法として有効であることが判明した。Visual image data usually give us impression-related information, which we unconsciously use for recalling and retrieving images. Method of image processing for extracting these impression-related factors from image data makes it possible to efficiently retrieve data from a large-scale image database. We have been working with the method for extracting some impression-related factors from color paintings, especially Japanese paintings. This paper describes a method for indexing color paintings by extracting "principal" color regions and background color regions from paintings. Paintings in the database can be retrieved by specifying the color and location of principal color regions as well as background colors. Because a combination of colors induces some specific impression which can be expressed by a corresponding word, this relationship can be used for retrieving paintings by giving impression words. The method described here is rather simple, but the processing results has been fairly satisfactory.
著者
永江 尚義 有澤 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.436-443, 1994-03-15
参考文献数
9
被引用文献数
2

本稿では関数型データモデルに対する新しい検索手法を提案する。関数型データモデルでは、現実世界のデータの意昧を完全かつ特定の物理構造に制約されない平坦な形式でデータベースヘ蓄積するために、単純なデータの二項関係だけを用いて情報をモデリングする。しかし、このような関数型データベースでは膨大なデータが複雑に絡み合うような構造によって表現されるデータ(例えば、文書や図形なぎの階層構造を持つデータ)をそのままの形でユーザに対して提供することはできない。なぜなら、構造を持ったデータもデータベースヘ蓄積する際に単純な二項関係に細かく分解されるため、もともとのデータが持っていた階層なぎの構造情報がデータベース中ではさまざまな二項関係の中に埋没され、明確に区別されなくなってしまうからである、本稿ではデータベース中の二項関係のデータの集合から複合オブジェクトを生成するための構造化オペレータを定義する。このオペレータを用いることにより、データベース中の二項関係には本質的な上下関係がないために、1つのデータベースから容易にさまざまな階層構造を持つ複合オブジェクトを生成することができる。
著者
山口 泰 辻本 徳介 鈴木 宏正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.35, pp.31-36, 2001-04-20
参考文献数
2

狭山事件においては足跡石膏型が重要な証拠の1つとされてきた.すなわち,犯行現場に残された足跡と押収された地下足袋で作られた足跡との,類似性が争点となっている.従来の鑑定は写真を基本として類似性を議論している.すなわち,足跡石膏型を写真撮影した上で長さや角度を測定し.形状の類似性を立証しようとしている.石膏型が,本来3次元形状であることから,今回,我々は3次元スキャナを用いて足跡を計測した.その上で足跡の3次元形状を観察するとともに,2つの足跡の類似性を検討した.Plaster casts of footprints have been considered as important evidences in the Sayama case. Namely, one of the issues is either thefootprints at the scene correspond with the footwears. The previous opinion was based on photos of the plaster casts. They measured distances and angles in the photos. We have taken range images of the plaster casts by using three dimensional laser scanner. This report discusses the three dimensional shapes of the plaster casts and their similarity.
著者
酒向慎司 宮島千代美;徳田恵一 北村正 北村 正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.719-727, 2004-03-15
参考文献数
16
被引用文献数
19

隠れマルコフモデルに基づく音声合成方式を歌声合成に拡張することにより構築した歌声合成システムについて述べる.本システムでは,歌い手の声の質と基本周波数パターンに関する特徴をモデル化するため,スペクトルと基本周波数パターンをHMMにより同時にモデル化している.特に,自然な歌声を合成するうえで重要な要素となる音符の音階や音長の基本周波数パターンへの影響を精度良くモデル化するため,楽譜から得られる音階と音長を考慮したコンテキスト依存モデルを構築している.これらのモデルに対して決定木によるコンテキストクラスタリングを行うことで,未知の楽曲からの歌声合成が可能となっている.実験から,歌い手の特徴を再現し歌声の合成が可能であることを示す.We describe a singing voice synthesis system by applying HMM-basedspeech synthesis technique.In this system, a sequence of spectrum and F0 are modeledsimultaneously in a unified framework of HMM, and context dependentHMMs are constructed by taking account of contextual factors thataffects singing voice.In addition, the distributions for spectral and F0 parameter areclustered independently by using a decision-tree based contextclustering technique.Synthetic singing voice is generated from HMMs themselves by usingparameter generation algorithm. In the experiments, we confirmed that smooth and natural-soundingsinging voice is synthesised. It is also maintains the characteristicsand personality of the donor of the singing voice data for HMMtraining.
著者
滝田 裕 多田 好克
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.16-26, 2006-03-15
被引用文献数
1

近年のストレージ技術の進歩により,個人用計算機でも大量のファイルが蓄積できるようになった.Unix のファイルシステムではファイルの名前を木構造で階層化して管理しているが,このような状況では名前によるファイルの特定がだんだん困難になってきている.そこで最近ではファイルの名前を特定するために,全文検索エンジンを用いたファイルの内容検索を行うことが多い.我々は全文検索エンジンによる検索機能をファイルシステムに統合し,従来の木構造のファイル名だけではなくファイル内容に基づくファイル名の両方が使用できるファイルシステムを開発した.このファイルシステムでは特殊なキーワードをともなうディレクトリを検索キーワードと見なして検索式を生成し,全文検索エンジンによる検索を行う.検索結果はその場で生成されるディレクトリ内のシンボリックリンクとして表現される.また,検索インデックスはファイルの書き込み時に自動的に更新され,つねに最新の内容に基づいた検索が行われる.本システムはファイル参照を行うすべてのプログラムに対して,改変をいっさい行うことなく検索機能を提供できる.これを用いることで対話的なシェル上での内容によるインクリメンタルなファイルの絞り込みが可能になる.A personal computer came to be able to accumulate large amount of files by the advancement of the storage technology in recent years. The name of the file is hierarchized by the tree structure and managed in the filesystem of Unix. The file identification by the name gradually becomes difficult in such a situation. So recently, we often retrieve the file by content by means of a full-text search engine. We integrated the search function with a full-text search engine into the filesystem, and developed the filesystem for which not only the traditional tree structured file name but also the content of the file can be used. In this filesystem, the directory which name includes the special keyword regards as search keyword, and the search query which used by full-text search engine is generated by using such keywords. The search result is expressed as a symbolic link in a temporally generated directory. The search index is automatically updated at the time of writing the file, and we can always search the file by the latest content. This system can offer the search function with no modifications of any programs that access files at all. This system also provides incremental file narrowing by the contents on an interactive shell.
著者
北村 裕太 松葉 浩也 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.80, pp.121-126, 2007-08-02
被引用文献数
4

64 ビットアーキテクチャ PC において、一台の PC が持つ物理メモリ容量以上の仮想メモリ空間を利用できるようにするための遠隔スワップメモリシステムを Linux カーネル上に設計する。予備実験として、ネットワークブロックデバイスを用いた Linux のスワップ機構を評価し問題点を示す。次に、Linux のスワップ機構とは異なる新しい遠隔スワップメモリシステムを設計する。本システムでは、ネットワークブロックデバイスが効率良くデータ転送を送れるように、連続物理ベージ単位で領域を管理する。ユーザが定義できるページ入れ換えアルゴリズム機構を提供することにより、アプリケーションのメモリアクセスパターンによる投機的ページ入れ換えを可能とする。A new remote swap system in the Linux kernel, running on a 64 bit PC, is designed in order to provide virtual address memory whose size is larger than the physical main memory. As an experiment, the Linux swap mechanism is evaluated using a network block device. We, then, propose a new remote memory swapping system which differs the original Linux swap system. In the system proposed, the contiguous physical pages of a user process are managed so that the network device may send and receive physical pages efficiently. A new system call, defining page replace algorithm, has been introduced to realize speculative page replacement based on the application memory access pattern.
著者
石井 恵 中渡瀬 秀一 富田 準二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.23, pp.79-84, 2004-03-05
被引用文献数
3

本稿では掲示板のような場につぎつぎ書き込まれるメッセージの列における利用者の興味をそそる話題や、メッセージの書き込みに即応したそれら話題の掛け合いの発生や盛り上がり、流行の兆しなどの意味のある変化を利用者に飽きがこないように提示するための話題抽出手法を提案する。本手法ではユーザの興味をそそる話題として名詞句や固有名詞を話題として抽出する。そして、話題の勢いを扱える話題のスコアリング手法の提案により、それら話題の意味のある変化を利用者に飽きがこないように提示することを実現する。This paper proposes a topic extraction method for a message stream such as BBS. This method extracts noun phrases and proper nouns as topics attracting users and ranks those topics using their pressure around the latest message. As a result, the method can tell users interesting topics and a moment when a meaningful change happens on those topics.
著者
塚田 元 永田 昌明 隅田 英一郎 黒橋 禎夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.194-202, 2008-02-15

近年,統計的機械翻訳研究コミュニティが中心となって,コンテスト形式の評価型ワークショップが開かれている.この評価型ワークショップが,(上)統計的機械翻訳入門で紹介した統計翻訳技術の急速な進歩を後押しする立役者となった.本稿では,代表的な評価型ワークショップを紹介するとともに,これを背景に進展した自動評価などの技術動向を解説する.また,これらのワークショップに日本から参加している研究機関の翻訳システムを紹介することで,日本における統計的機械翻訳研究の動向も合わせて報告する.
著者
佐々木 裕 磯崎 秀樹 鈴木 潤 国領 弘治 平尾 努 賀沢 秀人 前田 英作
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.635-646, 2004-02-15
被引用文献数
12

近年,大量の文書を用いて自然文によるユーザからの質問に答える質問応答(QA: Question Answering)システムに関する研究が注目を集めている.これまでいくつかのQAシステムが開発されてきたが,それらの多くは人手で作成されたルールや評価関数を用いて,質問の答えを大量の文書から抽出するアプローチをとっていた.これに対し,本論文では,機械学習技術を用いて,日本語QAシステムの主要なコンポーネントをそれぞれ学習データから構築することにより,QAシステム全体を構築する方法について述べる.具体的には,質問タイプや答えの判定を2クラス分類問題としてとらえ,質問文やその正解例から学習された分類器により,これらの機能を実現する.本アプローチのフィージビリティの確認のため,機械学習手法Support Vector Machine(SVM)を用いて学習型QAシステムSAIQA-IIを実装し,2 000問の質問・正解データによるシステム全体の5分割交差検定を行った.その結果,システムの性能として,MRR値で約0.4,5位以内正解率で約55%の正解率が得られることが明らかになった.This paper describes a Japanese Question-Answering(QA) System, SAIQA-II.These years, researchers have been attracted to the study of developingOpen-Domain QA systems that find answers to a natural language question given by a user.Most of conventional QA systems take an approach to manually constructing rules and evaluation functions to find answers to a question.This paper regards the specifications of main components of a QA system,question analysis and answer extraction, as 2-class classification problems.The question analysis determines the question type of a given question andthe answer extraction selects answer candidates thatmatch the question types. To confirm the feasibility of our approach,SAIQA-II was implemented using Support Vector Machines (SVMs).We conducted experiments on a QA test collection with 2,000 question-answer pairs based on 5-fold cross validation.Experimental results showed that the trained system achieved about 0.4 in MRR andabout 55% in TOP5 accuracy.
著者
徳丸 雄一 藤原 暁宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.23, pp.25-32, 2007-03-09
参考文献数
20

本研究では DNA計算を用いて浮動小数点数の演算を行うアルゴリズムを提案する. まずはじめに DNAによる浮動小数点表現を定義する. 本研究で取り扱う浮動小数点数は符号部 指数部 仮数部から構成され 符号部は1ビットの2進数であり また 指数部と仮数部は それぞれqビットとmビットの2進数であるものとする. 次に 浮動小数点数対に対して加算を行う2つのアルゴリズムを提案する. 1つ目のアルゴリズムはO(m^{2})種類のDNAを用いることによりO(log m)ステップで実行可能であり 2つ目のアルゴリズムはO(m^{2}2^{m})種類のDNAを用いることによりO(1)ステップで実行可能である. また O(n)個の対に対する浮動小数点数の加算を行うアルゴリズムも提案する. このアルゴリズムは O(nm^{2}2^{m})種類のDNAを用いることにより O(1)ステップで実行可能である. また最後に 浮動小数点数の乗算を行うアルゴリズムを提案する. このアルゴリズムO(m^{2})種類のDNAを用いることによりO(log m)ステップで実行可能である.In this paper, we consider procedures for floating point arithmeticoperations with DNA molecules. We first propose data structure for representing floating point numbers with DNA molecules. The floatingpoint number consists of a sign bit, an exponent and a mantissa. We assume that the exponent and the mantissa are binary numbers of q andm bits, respectively. We next propose two procedures for an addition of floating point numbers. The first procedure executes an addition inO(log m) steps using O(m^{2}) DNA strands, and the second procedure executes an addition in O(1) steps using O(m^{2}2^{m}) DNA strands. Wealso propose a procedure for additions of O(n) pairs of two floating point numbers. The procedure executes O(n) additions simultaneously inO(1) steps using O(nm^{2}2^{m}) DNA strands. We finally propose a procedure for a multiplication of a pair of two floating pointnumbers. The procedure executes a multiplication in O(log m) steps using O(m^{2}) DNA strands.
著者
青木 秀憲 宮下 芳明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.37-42, 2008-05-21
被引用文献数
1 4

本稿では,ウェブサービス「ニコニコ動画」でのコメント頻度によってその映像にともなう音楽のサビ部分の検出や映像要約に応用可能なのかを検証すべく,様々なジャンルの映像をとりあげ評価を行った.In this paper, we investigated various movies on Nicovideo, and checked the relation between the frequency of comments and chorus-section in the music used in it. We also proposed the method for video summarization using the frequency of comments on Nicovideo.
著者
美崎 薫 河野恭之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1637-1645, 2005-07-15
被引用文献数
6

本研究では,個人体験をディジタル化し,記憶想起活動を支援する場として住宅を記憶媒体とする実験を行った.住宅内部に大量のストレージを内蔵し,個人の「見たもの」「書いたもの」をスチル画像化して蓄積,それを整理しブラウジングする環境を構築した.この76万枚に及ぶ膨大なスチル画像を多数のディスプレイ上に並列にスライドショウ表示し,ユーザが住宅内で常時それらの画像を受動的に閲覧することにより記憶想起活動が活性化することを確認した.This paper proposes the "Remembrance Home" for supporting a person's remembrance throughout his/her life that employs his/her house as media for memorizing, organizing and remembering his/her everyday activity. The Remembrance Home stores his/her everyday memories which consist of digital data of both what he/she has seen and what he/she has generated. He/she can augment his/her memory by viewing slideshown images played in ubiquitously arranged displays in the house. The experiments have shown that the prototype system that contains over 760,000 images augments his/her remembering activity.
著者
高橋 直也 橋本周司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.90, pp.1-6, 2006-08-07

近年,筝とエレキベースやドラムなどの大音量楽器とのセッションが増えている.弱音量楽器のPAの際に起こるハウリング,外部音侵入,音質劣化の問題を同時に解決する手法として,共鳴部駆動による筝のエレキ化を提案する.筝に内蔵したスピーカを用いて共鳴部を駆動させることを実現した.作成したエレキ筝は10dB程度の音量増幅を実現し,外部音侵入をSN比にして12dB改善し,音質劣化の問題についても改善した.In these years, KOTO which is Japanese instrument and high-volume instrument such as electric bass and drams are often played together. In that case, the volume of KOTO sound must be increased to a satisfactory level for balancing. However there are some problems in amplifying the volume of KOTO sound such as acoustic feedback to cause howling, commingling of other back ground sounds, and degradation of sound quality. In this paper, we propose an electric KOTO with real body. The electric KOTO has a built-in speaker which makes the body resonance. We achieved 10dB amplification of sound pressure level without the problems of acoustic feedback, commingling of other sounds, and degradation of sound quality.
著者
中里 純二 藤本 賢司 菊池 浩明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.2068-2077, 2005-08-15
被引用文献数
3

本論文では,ロバスト性を保証して回答者のプライバシを守る,ウェブでのアンケートを行うセキュアプロトコルを提案する.提案プロトコルは,Cramerらによって提案された効率の良い秘匿性を満たしたセキュア電子投票プロトコルに基づいている.秘匿性と効率性は,選挙とアンケートの両方に共通する要求条件である.しかし,特にアンケートにおいては複数の選択肢を同時に選択することが許されていることがあり,選択肢数nに対して,通信量が指数関数的に増加するという課題が生じることを本論文で指摘する.この課題を解決するために,正当性の証明コストをΘ(2n) からΘ(n)に削減するプロトコルの提案を行う.また,試験実装に基づいたパフォーマンス評価を与える.This paper proposes a secure protocol for web-based questionnaire that preserves the privacy of responders and ensures the robustness. The proposed protocol is based on secure electronic voting protocol proposed by Cramer et al. with confidentiality and efficiency, which are common requirements for both applications. This paper points out an issue particular in the secure questionnaire, that is, a requirement to deal with a multiple-choice question, and shows that the communication overhead grows exponentially with the number of choices n. To address the issue, the proposed protocol reduces the cost from Θ(2n) to Θ(n). The performance based on the experimental implementation is also shown.