著者
岩崎公弥子 安田 孝美 横井 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.40, pp.33-40, 2001-05-12
被引用文献数
4

本論文は,ITを活用した教科教育の新しい形態として,ミュージアムと学校を連携したデジタル教材の開発,及び,その授業ならびに社会見学での利用実験について述べる.特に,今後,急速にインターネットの回線速度の向上が期待されることから,高速通信回線を利用した動画像やWeb3D技術によるデジタル教材のあり方とその学習効果を明らかにした.本研究は,2000年7月?2001年3月に電力会社によって実施された名古屋市瑞穂区内の一般家庭1000軒を対象とした光ファイバー実験の環境を利用し,同区内の瑞穂ヶ丘中学校で評価実験を行った.中学一年理科の「天体」の単元を具体的教材とし,高速通信回線の長所を生かす,ビデオストリーミング,Java3D,XMLなどのWeb技術を活用したデジタル教材を中学校教師?科学館学芸員?大学研究者の3者間のコラボレーションで開発した.開発したデジタル教材は,実際の授業プログラムの中で利用され,さらに名古屋市科学館への社会見学とも連動させて活用した.今回の高速通信回線環境下での「中学校?ミュージアム」連携によるデジタル教材を利用した教科教育について,教師,生徒,学芸員各々に対してアンケート調査を行い,各々の立場から,その有効性を明らかにした.This paper deals with a development of digital teaching materials and a way of using them in a class room and in a museum. It also describes the experimental result of developed digital teaching material in a school and a museum connected Internet with optical fiber. We experimented at Mizuhogaoka junior high school (first year) and Nagoya City Science Museum. We developed the teaching material "Astronomy" for students by using rich contents such as video streaming, Java3D, XML technologies to effectively use the high performance of optical fiber. We also gathered information on collaboration of "school teachers - curators - university scholars" through a questionnaire and we clarified benefits of the collaboration.
著者
ノジク ヴァンソン 石川 尋代 フランソワドゥソルビエ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.36, pp.263-286, 2008-05-01

CPU とは異なり GPU でできることは増加し続け,画像処理に対して想定以上の性能を発揮している.実際に GPU は主にコンピュータグラフィックスのアプリケーション用に設計されており,2D テクスチャや 3D 処理を非常に効率よく行うことができる.こういった能力はリアルタイム画像処理やコンピュータビジョンのアプリケーションソフトウェアの速度向上に適している.また,初期のシェーダー言語に比べて,最新版のシェーダー言語はよりいっそう簡単に使用できるようになっている.しかしながら,GPU を効率よく使用するためにはいくつかのシェーダー基礎知識が必要とされている.本稿では画像処理とコンピュータビジョンにおけるシェーダーの使い方の概要を記述する.本稿では,はじめに,コンピュータグラフィックスのレンダリングパイプラインとシェーダーの一般概念を詳細に述べる.この部分は現存するシェーダー言語の概要,特に GLSL の詳細な記述でもある.これらの解説にはシェーダープログラミング,さらに,シェーダーの読み込みとコンパイルに関する部分も含まれる.ここではシェーダーは特別なプログラム設計となっていることを理解することが目的である.次に,画像処理とコンピュータビジョンに関するいくつかの実用的なアプリケーションを提供する.これらの章では特に色操作,幾何的アプリケーション,さらにバーチャルリアリティや一般的な目的のための GPU 使用方法を扱う.そして,最後に,技術的,理論的なアドバイスとともにシェーダーの導入方法を提供する.Contrary to CPU, GPU capability continues to increase and reaches unexpected performances for image processing tasks. Indeed, GPU is mainly designed for computer graphics applications and can deal with 2D texture or 3D operations very efficiently. These abilities are well suited to speed up real-time image processing and computer vision applications. Contrary to the first generations of shaders, the latest shaders languages become more and more easy to use. However, some basic knowledge about shaders is required for an efficient use of the GPU. This paper presents an overview of how to use shaders for image processing and computer vision. The first part details the computer graphics rendering pipeline and shaders generalities. This part also overview the existing shader languages and especially details GLSL. These explanations include shaders programming but also the shader loading and compilation. This part aims to underline that shaders require a specific program design. Then, this paper presents some practical applications related to image processing and computer vision. These sections especially deal with colour manipulation, geometric applications but also with virtual reality and general purpose GPU methods. Finally, this document provides a part on how to start with shaders, including technical and theoretical recommendations.
著者
山本 篤 山口 和紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.1756-1765, 2003-07-15
参考文献数
14

正規表現は,パターンマッチングを行うためのツールとして広く利用されている.しかし,さまざまな応用で拡張されてきたのにともない,次のような問題が出てきている.1)標準的に使われている正則集合による意味づけでは,後方参照がうまく定義できていない,2)オートマトンを用いたパターンマッチングの実装において,状態数やバックトラックの回数が爆発することがある,3)正規表現の積や差を直接的に利用できない.本研究では,このような問題を解決するために,正規表現関数と呼ぶ関数を導入する.正規表現関数は,記号列集合を入出力とする関数であり,マッチする記号列を消費して出力するものである.たとえば,正規表現 a* が a の繰返しにマッチすることは,その正規表現関数が,a*({ab aa b}) = {ab b aa a ε} という入出力関係を持つことで表される.これを拡張し,変数を扱えるようにすることで,後方参照も含めた正規表現を定義することができる.また,正規表現関数を用いたパターンマッチングの実装が可能であり,後方参照のない場合には計算量の爆発を避けることができ,比較実験でも優位なケースを確認した.さらに,正規表現の積と差を導入し,これらが正規表現関数によって簡単に実装できることを示す.最後に,正規表現の積や差を用いる応用例としてHTMLなどへのパターンマッチングをあげる.Regular expressions have been used widely for pattern matching.However the following problems are getting serious in some applications.1) The definition of regular expressions cannot be extended to back reference,which is a popular extension of regular expressions.2) The implementations of pattern matching in automata suffer from the explosion of time or space complexity for some regular expression patterns.3) In the conventional regular expressions,we cannot use intersection and difference operators, which are useful in some applications.In this paper, we introduce a ``regular expression function'' from a set of strings to a set of strings.This function eliminates matching prefixes with given regular expressions from the input strings and outputs the remaining postfixes.For example, a({ab,aa,b})={ab,b,aa,a,ε}.This function can be extended to give a semantics to regular expressions with back references.Then,we show that we can perform pattern matching by interpreting the regular expression function directly without the explosion of time and/or space complexity,which is confirmed by our preliminary implementation.We also introduce intersection and difference operators and show that the regular expression function can be extended to handle these operators easily.Finally, we briefly show some possible applications of the operators.
著者
大和正武 神代 知範 門田 暁人 松本 健一 井上 克郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告
巻号頁・発行日
pp.73-78, 1999
被引用文献数
1

本研究では,視線とマウスを併用することでより効率のよい入力インタフェースの実現を目指す.その第一歩として,GUI上でのボタン選択操作を「ボタン上にカーソルを移動する操作(移動操作)」と「ボタンを押す操作(確定操作)」に分け,移動操作を視線で,確定操作をマウスで行う方式について検討した.適用実験の結果,視線によるカーソル移動は高速で,マウスのみによる選択操作よりも効率の良いことが分った.但し,操作対象となるボタンの大きさが1cm四方程度に小さい場合,視線のみでボタン上にカーソルを移動することは困難であり,視線による移動操作を補助する必要のあることも分った.
著者
樋口 文人 伊賀 聡一郎 安村 通晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.49-54, 1997-05-16
被引用文献数
1

留学生のための日本語能力支援システムをWorld Wide Web(WWW)上に構築した。インターネット・ブラウザをユーザー・インタフェースに利用したこのクライアント・サーバー・システムは,留学生が聞き取れない部分や理解しにくい個所を繰り返して学べるように録画された授業とWWWの持つマルチメディア、ハイパーテキストの機能を用いて学習するためのシステムである。学習者は教科書や参考資料など教材として使われる日本語に現れる読みの難しい漢字や文章を"ふりがな"サーバー機能を利用して読みやすくすることができる。利用者による予備評価を行い有用であるとの評価を得た。本システムの様々な利用法について議論している。
著者
斉藤 康己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, 1982-11-15
著者
牛根 靖裕 白須 裕之 山田 崇仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.9, pp.49-56, 2007-01-27
被引用文献数
5

オブジェクト指向分析/設計の成果物の一つに概念モデルがある。概念モデルは対象となる問題領域を理解するために、その問題領域に存在する主要な概念とその関係を表現する。本稿が対象とする問題領域は中国の唐代行政地理に関するものである。唐代の地理に関係する文献を理解するために、府州郡縣等の行政区及び、その設置、廃止、分割、合併、改名、所属の変更などの現象を捉えるための概念モデルを提出する。行政区の静的な情報のためにはクラス図を、行政区のライフサイクルを理解するためには状態遷移図を用いる。また、『新唐書』地理志、『元和郡縣圖志』などの文献ごとの概念モデルの違いについても議論する。Tang adminitrative geography concerns itself with the hierarchy of areas relating to the national government in the Tang dynasty. This hierarchical structure and the boundaries of the layers in them are subject to histrical records and occasional changes. The paper presents a conceptual model of its administrative geography. We use class diagrams for modeling static information of administrative areas and state machine diagrams for modeling behavioral state of their area boundaries, and also discuss difference of conceptual models in historical sources of its geography.
著者
和田聖矢 松村耕平 角康之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.46, pp.1-7, 2014-03-07

本研究では,図書館での体験共有を促すために,ウェアラブルカメラにより撮影された,複数人の一人称視点映像を利用した図書館内の体験共有支援システムを提案する.本システムは,画像の特徴点を用い,一人称視点映像に写り込んだ本棚の判定を行う.写り込んだ本棚別に,一人称視点映像を合成することにより,本棚ごとの複数人体験映像を生成する.6 名に,図書館での一人称視点映像を撮影してもらい,その映像を用いシステムの動作実験を行った.その結果,複数人の身体が写り込んだ映像,本棚の前で本を読んでいる様子が写り込んだ映像,本棚を見渡すような映像が生成された.In this paper, I propose the system that assists of sharing the experiences in library using multiple person's view image taken by wearable camera. The system judges bookshelf by using feature points of image. Moreover, the system visualizes action that like choose book and read book by synthesize multiple person's view images. I develop the system, and I check the system behavior.
著者
吉田 年雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2335-2342, 1995-10-15

正数xが大きい場合のクンマー関数ぴ(α b x)の能率的な数値計算法を提案している。本論文では、U(α b x)=x-af(1/x)で定義されるf(t)についての近似式を求めている(t=1/x).f(t)の満足する微分方程式t2f"(t)+{(2a-b+2)+1}f'(t)+a(a-b+1)f(t)=0に、γ法を適用し、適当な工夫をすることにより、f(t)に対して次の形の近似式 fm(t)=Σ m i=0 Giti /Σm i=0 Hiti を得ている。
著者
井出 明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.616-623, 2007-06-15
被引用文献数
2

日本における観光産業は,直接効果22兆円,波及効果まで含めると55兆円規模の巨大産業であり,政府も日本の基幹産業として育成する可能性を探りつつある.また近年,各地の大学で観光学部が設置され,学問的興味も高まりつつある.観光シーンにおいては,旅行業者・輸送産業・宿泊業者そしてビジタといった各ステークホルダ間で膨大な情報がやりとりされているが,これまで情報学の観点から観光が研究されたことはほとんどなかった.本稿では,FIT2006で行われたイベント企画"ICTがもたらす観光産業の変貌"において議論された内容を整理するとともに,さらにその後の業界動向や研究の深化を踏まえ,情報システムの観点から観光産業を概観する.
著者
風間 信也 加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.1457-1468, 1994-07-15
被引用文献数
4

本論文は、新しい入カインタフェースであるペンと表示一体型タブレットを採用し、ユーザの発想支援を目標に、これまでの計算機を用いた作図手法とは異なり、従来の紙上での作図に近い直感的な作図操作を行える環境について、またその評価のための予備実験の結果について述べる。われわれは、ペン入力の良さは特に次の点にあると考える。(1)ペンの操作に意識を払う必要がない分、思考に集中できる。(2)図や文章を書くときにペンを持ち替えなくても済み、思考の継続を妨害しない。以上のことから、特別な訓練や意識を払う必要がなく、従来から人間が慣れ親しんだ紙上での作図を計算機支援する可能性を実験することにした。本システムでは次の作図環境を提供する。(1)下書き用の画面に対しフリーハンドで書きたいものを自由に書く。(2)下書き用の画面の上に清書用の画面を仮想的に重ね、整形したい対象に対して文房具メタファという仮想的な文房具を用いて整形を行う。これにより、手本の清書になりがちだった従来の計算織上での作図操作に比べ、本システムでは発想の段階からユーザを支援できる。この手書き作図システムをユーザに使用してもらい、その使い勝手について調査した。そして、その結果から、文房具メタファを用いた手書き作図システムの有効性と問題点を考察した。
著者
金山 淳一 北條 孝 田村 直良
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.104, pp.1-6, 2002-11-12
参考文献数
7
被引用文献数
1

本論文では、一連の出来事において関連する人間の相互関係として意味構造を定義し、特に新聞の事件記事から意味構造(犯罪スキーマ)を抽出する手法を述べる。事件スキーマの要素は、関連人物の容疑者、被害者、警察としての同定、それぞれのプロフィール、犯罪の動機、事件の進行などからなり、新聞記事から抽出される。解析、抽出処理は、スキーマの要素に応じて、パターンマッチング的な手法、構文解析、格フレーム抽出に基づく手法、主題の構造解析に基づく手法、時間セグメント分割に基づく手法などにより、犯罪スキーマとして再構成する。In this paper, we define a semantic structure as mutual relations among persons who relate a crime and we present a method to extract the semantic structure, especially from crime articles of newspaper.We call hte structure as crime scheme The scheme consists of descriptions of persons who relate the crime, identi?cation of the persons with one of suspect, victim or police, the motivation of the suspect of the crime and theevent sequences occurred in the crime. The analysis and the extraction are based on the pattern matching, syntax analysis, case frame extraction, thematic structure extraction and so on, and are reconstructed as a scheme, according to the element of the scheme.
著者
小林功介 辻本拓也 安本匡佑 羽田久一 太田高志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.207-209, 2013-03-06

2012年10月の就職内定率が6割を切り、就職難と叫ばれて久しい。多くの就職活動生(以下就活生)は、いくつもの企業の選考を受けてもなお内定を獲得することができず、その代わりに数多の「不採用通知メール(通称 お祈りメール)」を受け取っている。 本研究では、お祈りメールが就活生に与える虚しさに着目し、これを題材にしたインタラクティブコンテンツを開発することで、就職難という昨今の世相の皮肉的な表現を試みている。神社の参拝を模したお祈りのジェスチャーに反応して、映像と音楽に併せて加工したお祈りメールの文面を提示する作品である。 なお、このコンテンツは今年10月30日から1週間に渡って開催された東京デザイナーズウィーク2012に出展され、閲覧者の好意的な反応を多数得た。
著者
山根 信二 村山 優子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.1975-1982, 2001-08-15

1990年代の暗号技術規制論は,キーエスクローシステムを中心とする枠組みで論じられた.だが当時の議論はもはや有効ではない.今後の暗号技術の進路策定について議論する際には,1990年代の議論とは異なる枠組みが必要である.現在,議論のための枠組みの形成が急がれている新たな暗号技術問題として,暗号解析をめぐる係争があげられる.暗号技術の開発評価において暗号解析は重要な役割を担ってきたが,暗号解析の公表やその再配布については議論が分かれている.日本では,1999年から著作権の「技術的保護手段」の回避を行うプログラムを公表しようとする者は処罰されることになった.本論文では,この法制による暗号解析への影響を,2000年にアメリカで起こったDVDプロテクト破り訴訟を参考にしながら検証する.コピープロテクトに対する暗号解析の公表を法的に規制することは,コンピュータ専門家がかかえる技術的および法的リスクを増大させる.また,その影響はコピープロテクト技術のみにとどまらず,暗号技術の開発評価全般に及ぶ可能性がある.このような問題に対処するためには,暗号解析を含む暗号技術開発の進路策定を決める枠組みを刷新することが必要である.最後に,今後の専門家に要求される新たな役割についても検討を行う.The regulation of cryptography in 1990s had been formed under the ``framework of key escrow system,''such as the limitation of thekey-length or the lawful access field.While the 1990s' framework is not effective anymore,a new framework of regulation is evolving worldwide.After 1999, the copyright act in Japan prohibits ``the circumvention of atechnological copyright protection measure.''This act can make some work including the reverse engineering and cryptoanalysis illegal.The same problem has examined in the U.S. on the DeCSS DVD decoder lawsuit in 2000. The outlawing of the circumvention of the copyright protectiontechnology is not limited only the cryptanalysis, and will effect to the further social problem. The new role of computer professionals arerequired to deal with this new kind of risks. Finally this paper examines the computer professional's activities for the comming alternative framework as well.
著者
鈴木 大介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [プログラミング-言語基礎実践-]
巻号頁・発行日
vol.93, no.97, pp.37-46, 1993-10-29

ポリモルフィズム(多相)はプログラミングの柔軟性と再利用性を向上させるのに必要な道具の一つである.Stracheyは多相をparametricなものとad-hocなものに区分した.これらはプログラム言語において広く用いられているが,実際には両方の多相を備えた言語はほとんど存在しないので,プログラムの再生産性には制限が生じる.我々はparametric多相とad-hoc多相を備えたオブジェクト指向言語のための新しい枠組であるF^<&le;>-Fにsubtyping, bounded qantification, coercion, mergeの機能を追加したもの-を提案する.そして,この計算系が,簡約による合流性,型保存性,強正規性などの性質を満たすことを示す.最後に,この計算系の実際のオブジェクト指向言語へのいくつかの応用例を与える.
著者
内元 清貴 関根 聡 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.3397-3407, 1999-09-15
被引用文献数
21 22

本論文ではME(最大エントロピー法)に基づくモデルを利用した統計的日本語係り受け解析手法について述べる. 一文全体の係り受け確率は 一文中のそれぞれの係り受けの確率の積から求められると仮定し それぞれの係り受けの確率はMEによって学習した係り受け確率モデルから計算する. この確率モデルは 学習コーパスから得られる情報を基に 2つの文節が係り受け関係にあるか否かを予測するのに有効な素性を学習することによって得られる. 我々が素性として利用する情報は 2つの文節あるいはその文節間に観測される情報 たとえば 文節中の表層文字列 品詞 活用形 括弧や句読点の有無 文節間距離およびそれらの組合せなどである. 本論文では 我々が用いた素性のそれぞれを削除したときの実験結果を示し どの素性がどの程度係り受け解析の精度向上に貢献するかについて考察する. また 学習コーパスの量と解析精度の関係についても考察する. 我々の手法による係り受けの正解率は 一文全体や係り受けを文末から文頭へ向かって決定的に解析した場合 京大コーパスを使用した実験で87.1%と高い精度を示している.This paper describes an analysis of the dependency structure in Japanese based on the maximum entropy models. Japanese dependency structure is usually represented by the relationships between phrasal units called bunsetsu. We assume that the overall dependencies in a sentence can be determined based on the product of the probabilities of all dependencies in a sentence. The probabilities of dependencies between bunsetsus are estimated by a statistical dependency model learned within a maximum entropy framework. This model can be created by learning the features that are useful for predicting the dependency between bunsetsus from the training corpus. We are using information about a bunsetsu itself as features, such as character strings, parts of speech, and inflection types. We are also using information between two bunsetsus as features, such as the existence of brackets or punctuation and the distance between bunsetsus. We compare the performance of our method with and without each feature and discuss the contribution of each feature. And we discuss the effect of the size of the training corpus on the performance of our method. The accuracy of our method for obtaining the dependency of bunsetsus is 87.1% using the Kyoto University corpus when we parse a sentence deterministically from its end to the beginning.
著者
西野 順二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.27, pp.17-23, 2002-03-15

本論文は複数の道具を投げるトスジャグリングの技の表記について整理し、とくに複数の技の接続方法について検討するこを目的とする。このため、複数の技の性格付けを行い、また技同士の接続可能性について分析するため、状態と相という概念を導入した。技を数列表記するサイトスワップ表記をもちいて、接続を可能とする余分な動作を必要とすることを示した。この接続のための動作の系列を生成がつねに可能であることを、技の差分表記を提案しこれを用いて生成アルゴリズムを構成することで明らかにした。This paper shows how to connect toss juggling tricks such as balls, clubs and etc. Juggling state and Phase of trick are introduced to characterize each tricks and to solve an issue of combination feasibility. By the siteswap notation, tricks are denoted with sequence of numbers. It needs Certain connector sequence to combine two different tricks classed different phases. To prove general connection possibility over all tricks, we show a procedure that make a connector sequence as a glue of two pahses.
著者
西出 頼継 本間 維 永森 光晴 杉本 重雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-8, 2013-09-19

近年,誰もが利用・アクセスを行え,再利用や再配布が許可されたデータセットである Open Data が増えてきている.しかし,Open Data の構造は複雑なものが多く,スキーマ定義がないと再利用が難しい.また日本において LOD として公開されている Open Data の数は世界全体と比べると少ない.本稿では,日本で公開されている Open Data を LOD として活用することを目的に,CKAN 日本語などで公開される日本のデータセットを対象にスキーマの分析やリンク関係などの調査を行った.その結果日本の Open Data ではスキーマ定義やデータセット間のリンクが少ないということが分かった.そして,Open Data を LOD として活用するためにはスキーマ定義を行うためのメタデータ語彙の推薦や,リンクで結ぶためのリソースの同定が必要であると考察した.In recent years, there has been an increase in the use of Open Data. These datasets are freely available to everyone to reuse and republish. Unfortunately, many Open Data structures are complicated and are difficult to reuse without a schema definition. Compared with the rest of the world, Japan releases relatively little Open Data as LOD. We investigated Japanese Open Data, focusing on CKAN-Nihongo schemas and links to improve the use of datasets as LOD. We found that there are few Japanese Open Data schemas and links. Therefore, we recommend that metadata vocabularies and identification of links to connect resources should make use of Open Data released as LOD.
著者
秦 淑彦 廣瀬 竜男 中西 吉洋 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.14-26, 2001-03-15
被引用文献数
4

多数のカメラで撮影され相互に時間同期した多視点映像の応用として,運動会やコンサートなどのイベントにおいてユーザが興味を抱いた被写体を,ユーザが見ているシーンと比べ``よりよく''写している映像シーンを検索することが考えられる.このような応用に対する1つの技術課題は,検索の仕方や被写体に関する十分な知識を持たない一般ユーザが,興味ある被写体を見つけ簡単に問合せを形成できる仕組みを提供することである.もう1つは,ユーザが注目した被写体を``よりよく''写す映像,たとえばズームアップした映像や反対側から撮った映像シーンを探して表示する機能の実現である.本論文ではこれらの課題に対して,カメラメタファに基づく多視点映像の問合せ検索方式を提案する.まず,我々が慣れ親しんだカメラ操作を問合せ形成のためのメタファとする検索カメラを考え,検索カメラのファインダに写る被写体を観察し,興味あるものを探して指定する.次に,興味対象を指定した際の検索カメラの撮影時刻と撮影範囲を問合せ情報として,撮影時刻と撮影範囲をメタデータとして有する多視点映像を時空間上で検索し,興味ある被写体を``よりよく''写している映像区間の集合を得る.検索結果には映像実体データ以外に被写体の写り具合を計算するための情報が含まれ,ユーザの好みに応じた映像を選択して表示する.さらに,提案方式をプロトタイプとして実装し,時空間検索アルゴリズムに対する実験評価を行う.Suppose that, in an event such as a sports meeting or a concert, a user searches and gets video scenes taking interesting objects ``better'' from multiple perspective video that means a collection of mutually-synchronized video data taken by a lot of cameras. For such applications, one of the most important research issues is how to provide a mechanism that a user can find out interesting objects and create appropriate queries easily to get video scenes taking such objects, even if the user does not have enough knowledge about the objects and how to query them. Another issue is how to search video scenes that take the objects ``better''. In this paper, we propose a novel query method with camera metaphor for multiple perspective video. We consider ``query by camera'' with metaphor of video camera operations familiar with an ordinary user in order to create queries. A user finds out and specifies interesting objects while looking at scenes through a query camera's finder. Query parameters are time and focused object areas of the video interval taken by a query camera. Then multiple perspective video data with metadata of their time stamps and focused object areas are searched spatio-temporally. A user can get multiple stream video data taking focused objects and data indicating how the objects are taken in each video scene. We also describe a prototype of our query method and some experimental results of its search algorithm.
著者
中村 亮太 井上 亮文 市村 哲 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.172-180, 2006-01-15
参考文献数
24
被引用文献数
3

近年,大学などの教育機関では,学習用コンテンツとして講師映像と講義資料を組み合わせたものが制作されているが,単調な表示方法であるため学習者を飽きさせてしまうという問題がある.そこで本稿では,学習者にとって飽きにくい講義コンテンツを自動的に作成することができるシステム「MINO: Multimedia system an Instructor needs Not Operate」を提案する.著者らは映像の単調さを改善するために,誘目性(目が惹き付けられる)に着目し,画面に並列表示された講師映像と講義資料の表示サイズを交互に拡大縮小することで提示映像のスイッチングを行い,講義資料中の重要語句(講師の発話と一致した語句)を誘目性の高い表示へ変換することが自動的にできるシステムの開発を行った.MINO では,音声認識によりテキスト化した講師の発話情報と講義資料内の文字列とをマッチングさせることで重要語句の特定とともに,映像の切替えタイミングとフォントの変換タイミングを自動的に決定することができる.評価実験の結果,本提案手法は従来の提示方法に比べ,学習者を飽きさせないという評価を得ることができた.本稿では従来の提示方法について分析した結果を示し,開発したシステムの設計,実装,評価について述べる.Recently, e-learning contents that combine the speaker video with supporting materials are produced in educational institutions such as universities. However, there is a problem that those systems make learners become tired because produced contents are monotonous. In this paper, we propose the system "MINO: Multimedia system an Instructor needs Not Operate" that can automatically edit the recorded speaker video and supporting materials. MINO allows users to automatically convert words in the supporting materials into conspicuous ones according to the utterance of the speaker. We used speech recognition to convert voice of lecturer into character string. Their data are matched up words into the supporting materials so that speaker video is synchronized with supporting materials. Through evaluations of the system, we verified the effectiveness of our system.