著者
牛嶋 昌和 湯浅 肇 荻野 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.445, pp.7-12, 2015-02-13

磁界共振というと一次側と二次側に共振構造を持つものが広く検証されていて,共鳴フィールドを形成していると言われているが,実際には二次側共振構成だけでも効率的な電力伝送は可能であって,既に一部では実用化されている.しかしながらQ値の高い状態での理論的な検証はあまりされていなかったので,Q値の高い状態かつ二次側の共振のみのモデルを周波数解析によって検証する.
著者
入口 亮介 渡辺 澄夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.588, pp.103-108, 2007-03-07
参考文献数
7

ニューラルネットワーク、混合正規分布、ベイズネットワーク、隠れマルコフモデル、ボルツマンマシン等の学習モデルは特異モデルと呼ばれ、パターン認識、時系列予測、システム制御等の様々な実問題に応用されている。しかしながらこれらの学習モデルは、階層的な構造や対称性に起因する特異点を持つため、最尤推定量が漸近正規性を持たない。そのため、従来の統計的正則モデルの漸近理論を適用することができず、理論的に最適なモデル選択や設計を行うためには代数幾何学的手法を用いた解析が必要となる。学習モデルの代数幾何学的な解析には、ブローアップによって学習モデルのゼータ関数の極を求める必要があるが、複雑なモデルになると困難である。本論文では、数値計算によりゼータ関数の極を求める新たな手法を提案する。
著者
西 奈津子 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.447, pp.43-48, 2004-11-11
参考文献数
13

会話や細かい文字の判別が困難,また,手指によるキー操作が困難な障害者・高齢者との自由自在なコミュニケーションを支援するために,利用者の顔表情や動作を認識することによる意思伝達システムの研究開発を行っている.本報告では,利用者の前に設置したカメラ画像から4種類の口部形状を認識することにより,階層化された日常会話を順次選択し,相当する会話文を合成音声により出力するシステムのプロトタイプ開発の結果について報告する.利用者による口部パターンの認識は画像の明度分布を相互部分空間法を用いて解析することにより行い,選択結果の確認は口部の開閉動作を明度分布の時間変化として検出することにより行う.20人による口部パターンの認識実験により,この方式の有効性を確認した.
著者
神澤 正則 三澤 厚司 藤原 孝司 沢田 康夫 三枝 秀隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.490, pp.23-28, 1999-12-08
被引用文献数
1

営団日比谷線の信号機器更新にあたり、ATC地上装置に於ける冗長構成として、N送信機あたり2台の予備機を保有する(N+2)方式を開発・実用化した。 従来の、各送信機毎の待機2重系構成と比較して、部品点数を4割削減し、装置稼働率を約6倍に向上したので、ここにその概要を報告する。
著者
小川 智明 工藤 栄亮 須田 博人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.156, pp.37-42, 2000-06-23
参考文献数
9
被引用文献数
9

無線アドホックネットワークのルーティングプロトコルとして, 送信局から受信局まで複数のルートを構築するマルチルート構築法を提案する.本方式では, 複数のルートを構築する際, 制御信号中に他ルートの存在を示すフラグを設定することにより, 互いに相関の少ない複数ルート構築を可能にしている.本方式について計算機シミュレーションによってネットワークのトラヒックを考慮した特性を検討した結果, パケット損失率に優れており, 高信頼な伝送が要求される場合に有効であることを示す.
著者
福元 康仁 早川 正士 Biagi P.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.389, pp.47-52, 1999-10-25
参考文献数
6

本研究ではVLFより高周波のLF帯のラジオ電波に注目し、1997年3月15日から1998年12月31日までの期間で、イタリアとその隣国で起きた地震とLF帯伝搬異常との関係を調査した。地震の前には電波の日変化パターンにおけるTerminator Time (Morning, Evening)の有意な偏移を確認した。観測している電波は電離層・大地導波管を伝搬する電波が優勢なので、電離層が地震による影響を受け、伝搬異常を引き起こしていると考えることができる。
著者
辻井 重男 山口 浩 北沢 敦 黒澤 馨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.98, no.426, pp.45-52, 1998-11-20
被引用文献数
1

電子投票や電子サーベイにおいては、投票者のプライバシを保護しつつ、二重投票、非有権者投票などの不正投票を防止できることが重要であり、本稿では、これら矛盾する要求を満たす投票プロトコルの方式を提案する。本文のポイントは、高次剰余暗号の準同型性を利用すること、及び票の集計処理と開票処理を分離させたモデル構成をとることにあり、これらとユニバーサルな検証性、柔軟なシステム構成可能性を併せて、実用性の高い投票システムを提案する。
著者
堀 正義 中野 学 松本 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.732, pp.75-80, 2005-03-11

現在, インターネットを構築している重要な技術の一つとしてDNS(Domain Name System)がある.DNSはドメイン名とIPアドレスを対応付けるシステムであり, 多くのユーザに利用されている.しかし, サーバ内のキャッシュを改竄するDNSキャッシュ汚染攻撃や, 名前解決応答パケットの偽造によるDNSスプーフィング攻撃により, ユーザを不正なサーバに誘導して個人情報を盗むといった行為が可能である.本論文ではこの問題に対し, 複数のDNSサーバに名前解決要求を送信し, その応答を確認, 比較することでDNSを安全に利用する方式を提案する.また, 実装を行うことで, 提案方式利用時の名前解決に要する処理時間の増加について評価した.
著者
刀根 啓太 石原 豊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.93, no.212, pp.27-34, 1993-09-16
被引用文献数
2

地表面上の垂直微小電流源によって励振されるパルス波伝搬について、解析的・数値的手法を用いて検討をした。地表面をインピーダンス境界面で近似し、周波数領域における解析結果をFFTを用いて数値解析することにより、時間領域における応答波形を求めた。この場合の波源のパルス波形としては、ガウス形の変調パルスを仮定している。境界面のインピーダンス値が高誘導性の場合、従来のNorton地表波の他に遅波形の表面波パルスが励振されることを明らかにした。表面波パルスは減衰が大きいために、遠距離においては地表波のみが観測されることを示した。また、地表波の伝搬が大気の状態により大きく影響を受けるのに対して、表面波はほとんど影響を受けないことを明らかにした。
著者
野田 真 宮森 恒
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.75, pp.13-18, 2012-05-29
参考文献数
8

近年では日々の食事においてレシピを考える際,Web上のレシピ検索サイトが広く用いられている.それらのサイトにおける検索では,指定した料理名やキーワード,調理時間,カロリーなどの条件から,レシピを大量に取得することができるが,各レシピは,ユーザの調理熟練度や利用可能な調理環境とは関連付けられておらず,これら技能や環境を考慮したレシピを,効率よく取得することは困難である.そこで本稿では,熟練度や環境を考慮したレシピ検索を行なう為に,料理レシピにおける調理動作の難易度を道具別に付与する方法について検討する.具体的には,各調理動作について共起する道具を抽出し,その種類や傾向を観察することで,道具による調理動作の難易度のあり方について分析する.得られた結果をもとに,難易度を自動付与するアルゴリズムについても検討する.このような難易度は,簡単に調理可能な料理レシピを検索する際の一要素として役立つことが期待される.
著者
田中 耕平 堂薗 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.328, pp.83-88, 2007-11-11
参考文献数
4
被引用文献数
1

音楽情報の自動分類システムの1つとして,MIDIによって作られた楽曲を,自己組織化マップを用いて分類する実験を行った.MIDIは楽曲の譜面情報を電子化したもので,楽曲を再生するためのすべての情報を表現することができる.本研究においては,MIDIのデータから1小節ごとあるいは曲全体を入力ベクトルに変換し,自己組織化マップに学習させることで,ロック,ジャズ,ブルース,カントリー,ラテンのようなジャンルごと,または曲ごとに分類され学習することが可能であるか実験を行った.
著者
山崎 政彦 荒木 友太 有田 公輔 宮崎 康行 松原 一雄 中村 義隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.497, pp.23-28, 2008-02-21
参考文献数
3

日本大学では,2001年より超小型人工衛星開発に着手し,2004年10cm立方,1kgのSEEDSを完成させた.SEEDSは2006年7月に打ち上げられたが,ロケットのエンジントラブルによって打ち上げは失敗に終わった.2007年6月,再び打ち上げを目指し,開発を完了したSEEDSは,今年度中のインドでの打ち上げを目指している.2005年11月,日本大学2機目となる超小型人工衛星SPROUTの開発をスタートさせた.SPROUTは2009年度の打ち上げを目指し現在開発中である.本報告では,SEEDSの概要と現在の状況および,SPROUTの概要,開発状況と今後の計画を報告する.