著者
永山 勝也 斎藤 達彦 角井 素貴 川崎 希一郎 松井 雅彦 高見澤 宏史 宮木 秀夫 大賀 裕一 土屋 一郎 千種 佳樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.135, pp.1-6, 2002-06-14

低損失光ファイバは長距離伝送システムの構築に必要不可欠である。今回、1986年の低損失記録0.154dB/kmを更新し、低損失世界記録0.151dB/kmを達成した。純石英拡大コア光ファイバの改良により極低損失は得られた。実効コア断面積は112μm^2に拡大してあり非線形効果の低減にもつながる。この光ファイバの伝送システムへのインパクトも検討した。C,Lバンドは0.160dB/km以下で、既存のEDFを最大限に増幅に活用できる。また無中継伝送では、既存のGe-SMファイバより30%伝送距離が伸ばせ、後方励起ラマン増幅を加えたシステムで400kmの無中継伝送が可能となる。
著者
小川 正幹 ユルム マルコ 米澤 拓郎 中澤 仁 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.38, pp.199-206, 2013-05-16

近年,ディスプレイの低価格化や,デジタルサイネージをはじめとする電子コンテンツへの関心の増加により,公共ディスプレイが普及して来た.それにともない,ユーザからの入力によってニーズに応じた情報を提供するインタラクティブな公共ディスプレイも登場して来た.現在インタラクティブな公共ディスプレイの持つ課題の一つとして,ディスプレイがユーザに対して有益である事を,ユーザへ伝える事が難しいという点が挙げられる.この間題を解決する事により,インタラクティブな公共ディスプレイへの関心や,利用頻度の向上が達成されると考えられる.本稿では,時間と場所を限定することでユーザに特別感を与える公共ディスプレイとのインタラクションモデルを提案する.その一例として,その時その場所にいた人々だけに配布され,かつその人だけが利用可能なクーポン配信アプリケーションを構築し評価実験を行い,本研究で提案したインタラクションモデルの有用性を示した.
著者
小林 聖 風間 宏志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信
巻号頁・発行日
vol.98, no.114, pp.19-24, 1998-06-18

本論文はランダムアクセス衛星通信用スペクトル拡散復調回路を提案している.提案する構成は, ディジタルマッチトフィルタ出力の包絡線検出前および後に巡回積分器を設け, これらに適切な時定数を配分することにより周波数誤差による劣化を抑え低い拡散符号誤検出率を達成する.シミュレーションおよび実験により提案方式を評価した結果、Eb/No=-1dBにおける拡散符号誤検出率は10^<-10>以下であることを示した(検出区間50シンボル).さらにランダムアクセス信号の周波数誤差を抑えるため, サプライリンク信号を端末および中央地球局で周波数基準に用いる新たな周波数同期方式を提案している.提案方式は周波数誤差を大きく低減することを理論的に示した.
著者
リ シューティン ヤン タン 高島 康裕 村田 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.23, pp.7-12, 2008-05-02

IP再利用等においては,利用するIPの特性を考慮して設計を行う必要がある.特にフロアプランにおいては,近傍の配線の状況の影響を受けやすいIPは障害物として考慮する必要がある.しかし,従来のHPWL方式では,障害物の考慮を評価中に組み込むのは不可能であった.本稿では,ヤンらが[5]において提案した手法を基に,障害物を考慮した最小配線長評価アルゴリズムの改良を検討し,より実用的な近似手法を提案する.実験により,提案手法がHPWL評価手法と比較して,数倍程度の時間で実現できることを確認した.
著者
菊池 浩明 香川 大介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.33, pp.33-36, 2009-05-08

はじめに就職活動において就職活動支援サイトや新聞などで志望企業の情報を収集することができる.しかし職場の環境や雰囲気などを知る機会はインターンシップや説明会など情報を得られる機会が少ない.そこで友人と共通の志望企業についての情報交換をできれば有益であるが,友人と共通の志望企業があるかわからない.しかし自分の志望企業のリストをホームページ上で公開すると共通の志望企業以外もわかってしまう.そこで,本研究ではFreedmanらが提案したの手法を使い共通な志望企業のみを抽出するシステムを開発し,この性能の現実的な運用規模を実装に基づいて評価する.
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 田中 祥次 木村 武史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.179, pp.27-32, 2011-08-18

筆者らは21GHz帯放送衛星によるスーパーハイビジョン放送システム実現を目指し,衛星放送を利用したスーパーハイジョン伝送方式の検討に取り組んでいる.本稿では,これまで取り組んできた衛星を利用したスーパーハイビジョン伝送実験を紹介するとともに,誤り訂正符号としてLDPC符号を適用した300MHz級広帯域変復調器の開発について述べる.本装置は,変調方式2種類(Q/8PSK),符号化率8種類(1/2〜9/10)利用可能であり,シンボルレート250Mbaudにおいて251〜677Mbpsの伝送能力を有する.また,LDPC符号はシャノン限界に迫る性能を有するため,復調器の要求条件として訂正限界C/N下でも十分な同期性能を維持する必要がある.今回,π/2シフトBPSK位相基準バースト信号を,主信号に対して間欠的および周期的に挿入する手法を導入し,同期性能の向上を確認した.本報告ではモデムの基本性能であるIF折返しによるC/N-BER特性および位相基準バースト信号の挿入による同期性能向上効果について述べるとともに,WINDS衛星を利用した衛星折返しによる伝送性能についても報告する.
著者
入鹿山 剛堂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.819-827, 2001-11-01
被引用文献数
10

年々小型化されている携帯電話やPDA向けに, 様々な文字入力方法が考案され商品化されている.ケータイでは, テンキーを50音表に割り当てているが, 標準キーボードを小さくしたもの, 次に来る文字を予測するもの, 更には, 子音だけで入力する方法などがある.PDAでは, 少ないキー数で, すべての文字の入力を可能にしたものや, ペンで入力する方式などもある.将来的には音声入力や視線入力なども考えられるだろう.ただし, デファクトスタンダード化した, 現在の携帯電話の入力方式は, ある意味で携帯性に優れた理想的な入力方法であるのかもしれない.
著者
堀 崇宏 長谷川 浩文 島崎 仁司 堤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

ミリ波, サブミリ波領域における平面集積回路の研究は今後大きな発展が期待されている。方形誘電体導波路はマイクロストリップ線路に比べて低損失であり, 方形導波管に比べて製作が容易でかつコストもかからないなどの利点がある。最近誘電体スラブビームウェーブガイド(DSBW)が捉案された。本研究では, 焦点距離を磁界で制御する目的でフェライトレンズを適用したDSBWを提案し, その実験を行なったので報告する。
著者
濱田 貴之 西村 勝彦 小林 和雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術
巻号頁・発行日
vol.97, no.541, pp.37-43, 1998-02-16

フライバックコンバータを電流不連続モードにおいてフィードバック制御すると, スナバ回路の条件により跳躍現象が生じ, 不安定となることがある.本稿では, この跳躍現象を明らかにし, 安定性を解析し, 跳躍現象を回避できる回路定数を論議している.その結果, レギュレーション機構から跳躍現象を明らかにし, 小信号モデルにより安定性の解析ができ, 跳躍現象の生じない領域を求めることができた.
著者
仁科 圭三郎 上岡 英史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.290, pp.13-18, 2010-11-11

ユーザが望む情報はインターネットなどを利用することにより,簡単に手に入るようになっている.しかし,こういった便利さの裏側で膨大となった情報量により,本当に必要な情報の特定が難しくなり,ユーザにストレスを与えているといった一面がある.本研究では,これを解決するために,情報を気配として伝える「アンビエントシステム」に着目した.アンビエントシステムの研究には光や風を用いるものが既にあるが,我々はユーザの行動に最も縛られない音を用いる事とし,一般性の高い情報として天気情報を選んだ.本稿では,音を用いて無意識にユーザに天気情報を伝えることを目的とした,局所的天気情報伝達システムの構築法と,音と天気を関連付ける手法,そして,本システムの実現可能性について報告する.
著者
松川 忠裕 高野 朗 岡田 啓 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.461, pp.61-66, 2007-01-11

現状主流であるインフラの必要な道路情報システムに対して,車と車の間でメッセージをやり取りして前方の道路情報を得る手法が提案されている.代表的な道路情報は道路の区間単位の平均走行速度であるが,その速度の誤差について評価されたことはない.今回追従理論を用いて車の移動を定義してメッセージの送受信をシミュレートすることで平均走行速度の評価を行った.その結果,ネットワークの分断が発生した区間より遠い区間では得られる平均走行速度の信頼性が低いことが判明した.
著者
市瀬 龍太郎 シャピロ ダニエル ラングリー パット
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.730-740, 2004-06-01

本論文では,エージェントが他のエージェントの行動を観察することによって,行動制御プログラムを学習する問題について取り扱う.特に,他のエージェントの観察から行動を説明し,そのエージェントの行動を再現できるような,階層的でリアクティブなプログラムをどのように学習するかについて述べる.本論文で観察する行動とは,複数のエージェント間で共有されている複数の選択肢をもつ行動である.本論文で提案する学習手法は,三つの段階を経てプログラムを構成する.最初に,順序性のないプロダクション規則を学習する.次に,それらの規則を分類階層として結合する.最後に,この分類階層を階層的でリアクティブなプログラムに変換する.この手法を使うと,結果として簡潔で分かりやすいプログラムを学習できる.
著者
浅野 哲夫 ムルツァー ウォルフガング ロウテ ギュンター ワング ヤジュン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.110, no.232, pp.1-7, 2010-10-08

本報告では定数作業領域あるいは対数記憶領域と呼ばれる制約のある計算モデル上で効率よく実行できる幾何問題に対するアルゴリズムを提案する.まず最初に平面上に与えられた点集合に対するデローネイ三角形分割を描くアルゴリズムから始め,それをボロノイ図を描く問題に応用する.これらの問題に対しては,O(n)の記憶領域を用いることができるならΘ(n log n)時間のアルゴリズムが知られているが,本報告で述べるアルゴリズムはO(1)の作業領域だけを用いてO(n^2)時間で実行できるものである.さらに,これらのアルゴリズムを用いて,平面上に与えられた点集合に対するユークリッド最小木を求める効率の良いアルゴリズムも与える.
著者
永塚 優輝 坂本 直志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.464, pp.311-316, 2013-02-28

スマートフォンなどの画面の小さなモバイル端末でのプラウジンクにおいて、専用に作られたサイト以外では不便に感じることがある。これは1画面に詰められるの情報量の制限と、画面上に配置されたナビゲーションがモバイル環境では使いにくいことによることが多い。そのための解決手法としては、通常はモバイルデバイス専用サイトの構築が行われている。しかし、デスクトップサイトをモバイルデバイスに最適化するのは容易ではなく、また、デスクトップとモバイルを別々に作成する必要があり、製作コストが増加する。そこで本研究では、デスクトップコンテンツに少しの修正を加えるだけで、デスクトップ環境から見えるデザインは変えずに、モバイル環境からは画面を自動分割して情報量を抑え、さらにj Queryを活用したナビゲーションしやすいモバイルコンテンツに自動的に変形させる手法を開発した。
著者
岩間 太 中村 大賀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.282, pp.67-72, 2011-11-10

要求・仕様書や設計書などの上流文書成果物に対応して計画・実施される統合・システムレベルのテスト設計では,コードを対象とした単体・結合レベルのテストに比べ自動化技術が進んでおらず効率面・品質面から問題となっている.このような状況を改善することを目的とし,我々は,上流文書成果物からのテストケース設計作業を自動化するための課題を整理し,それらを解決する手法を汎用的な枠組として提案したい.提案手法では,テストケースを定義する際に重要であり,かつ現実の多様な文書から取得することが可能な情報のモデルを実プロジェクトからの洞察をもとにまとめ,これを構造的なタグとして定義する.その上で,対象文書からの情報をRDF形式のデータとして抽出しRDFストアに一元的にまとめ,抽出されたRDFリソースデータに対して上記モデルで定義されたタグを付加する.その後,このタグ情報を用いて文書からテストケースを一様な手続きのもと生成する.本論文ではこの手法とその実装システム,実プロジェクトへの適用結果の概要を示す.
著者
中畑 洋一朗 梶原 昭博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.10, pp.1716-1720, 2009-10-01
被引用文献数
1

バスや自動車の車内での高速インターネット接続や動画配信など乗客の快適性や利便性向上のために近距離高速大容量無線伝送が注目されている.しかしながら車内は金属板とガラス窓から構成された閉空間であり,また直接波が座席や乗客により遮断されるため100Mbit/s以上の高速広帯域伝送を実現することは難しいと考えられる.そこで本研究では長距離バス車内での超広帯域インパルス無線を想定し,遅延特性や伝搬損などについて実験を行った.その結果,遅延スプレッドは6〜16nsでバスの車内後方ほど小さく,また乗客によるシャドーイングによって直接波電力は4〜7dB減衰することを確認している.