著者
金子 昂夢 柳井 啓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.230, pp.53-58, 2013-09-26

近年,スマートフォンのような位置情報を扱えるデバイスの普及に伴い,撮影した画像に位置情報を付加することが容易となった.また,ツイートと呼ばれる短文を投稿できるサービス,Twitterの普及により,自分が今何をしているのか,どこにいるのかといったことを投稿する人が増加してきた.ツイートには本文の他に画像や位置情報を添付でき,外出先で撮影した位置情報付き画像を即座に投稿することができる.本研究では,これらのTwitterに投稿された位置情報付き画像ツイートから視覚的なイベントの検出を試みる.まず,対象をより小さな地域に分割し,各地域において前日の状態と比較して得られるスコアが一定以上となるキーワードを検出した.そして,検出されたキーワードを含むツイートの各画像から画像特徴量を抽出し,クラスタリングを行った.クラスタリング結果からイベントの代表的な画像を選出し,中心座標を計算して地図上に表示させた.実験では,日本とアメリカで投稿されたツイートを用いて,それぞれのデータセットを作成した.検出の結果,台風や虹,花火大会,スポーツの試合といったイベントが検出され,画像からその様子を視覚的に捉えることができた.
著者
山崎 俊彦 福島 悠介 徐 建鋒 酒澤 茂之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.486, pp.119-122, 2015-02-24

筆者らはインターネット上に存在する大規模プレゼンテーション動画を対象に、視聴者らが受けるであろう印象を推定する試みを行っている。本稿では、新たにword2vecを用いた文書特徴、および音の強さやテンポの取り方と言った音声特徴を用いた印象推定について報告する。これにより、従来の内容・構文分析よりも高い精度で印象推定が行えることを確認した。
著者
三宅 正二郎 橋爪 剛 渡部 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.366, pp.25-28, 2003-10-10
被引用文献数
1

新しい固体潤滑膜を開発するため銀と金のナノ周期積層膜をRFスパッタリングで形成した。ナノインデンテーション試験によれば、ナノ周期積層膜は高硬度を示す。さらにボールオンディスク試験によると4-nm周期積層膜はμ=0.05の低摩擦を示し、銀、金単屠膜より長摩擦寿命を示す。また、摩擦による電気抵抗の変化は単層膜より著しく小さい。
著者
大長 勇太 合田 憲人 ABDUL-RAHMAN Omar
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.155, pp.19-24, 2014-07-21

アプリケーションの可用性や実行性能向上を目的として,利用者の拠点の計算資源と遠隔のクラウドの計算資源を併用するハイブリッドクラウドが注目されている.ハイブリッドクラウドを効率よく活用するためには,ローカル資源とクラウド資源に対して処理を適切に割り当てることが重要な課題である.本橋では,ハイブリッドクラウド上でのHadoop処理の性能評価結果について報告する.本性能評価では,Amazon EC2の2つのリージョン(ap-northeast-1およびus-east-1)および国立情報学研究所の研究クラウドを用いて,3種類のハイブリッドクラウドを構築し,Hadoopベンチマークプログラムの実行時間を測定した.またハイブリッドクラウド上での実行時間予測モデルを作成し,実測結果との比較を行った.本性能評価の結果,2つのことが明らかになった.1点目は,ローカル資源に加えて遠隔のクラウド資源を利用することにより,アプリケーションプログラムの実行時間削減が期待できる.2点目は,ベンチマークプログラム実行中の通信時間の大きい場合では,実行時間予測結果と実測結果の誤差が大きいことである.後者については,実行時間予測モデルの通信時間の予測に改良の余地があることがわかった.
著者
山本 裕司 大槻 知明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.596, pp.101-106, 2005-01-21

近年, 検知, データ処理, 通信機能を持つ小型センサノードから構成されるセンサネットワークが注目されている.しかし, センサノードは電力, メモリ, 処理能力が限られているため, 電力効率の優れたセンサネットワークの設計が課題である.また, 観測雑音の影響が大きいとき, 実際に起こった事象と異なる情報を, センサノードが送信する可能性がある.本稿では, 観測雑音, フェージング, そして雑音の影響を低減するために, ローカルフュージョンを用いたセンサネットワークを提案し, その電力効率を観測雑音を考慮して評価する.提案方式では, センサノードの近隣にローカルフュージョンセンターを配置してローカルフュージョンを行う.その後, 距離減衰やフェージングの影響を低減するために, 誤り訂正符号化した情報を目的ノード(グローバルフュージョンセンター)までマルチホップ通信する.観測雑音の影響が大きいとき, ローカルフュージョンを用いない方式では, ビット誤り率(BER)特性にフロアが生じてしまい, 所要BERを達成することができないのに対し, 提案方式はローカルフュージョンを用いることで, 所要BERを達成することができる.計算機シミュレーションの結果, 観測雑音の影響が大きいとき, ローカルフュージョンセンターで尤度判定法を用いた方式は, 多数決判定法を用いた方式と比較して, 電力効率を改善できることを示す.また, ローカルフュージョンセンターとグローバルフュージョンセンター間の送信距離に応じて, 消費電力が最小になる最適なマルチホップ数が存在することを示す.
著者
小谷野 壮 阿多 信吾 岡 育生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.408, pp.145-150, 2012-01-19
被引用文献数
2

近年、ルータを含むネットワーク機器の省電力化が大きな課題となっている。このため、トラヒック量に応じて処理能力を動的に変更させ、省電力化を実現するルータに関する研究が行われている。トラヒック流量に基づいて省電力制御を行うためには、ルータにおいて将来発生しうるトラヒック量を細かい周期で正確に予測する必要がある。本稿では、トラヒック量に追従可能な省電力ルータにおける細粒度トラヒック予測技術を実現するための手法および適正なパラメータチューニングを提案する。そして実データによるシミュレーション評価で、提案予測手法が最大95%の電力削減を達成できることを示す。
著者
尹 智鉉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.83, pp.41-44, 2013-06-07

本研究は,韓国のウェブページから収集したデータの分析に基づき,公式謝罪文の特徴を明らかにすることをその目的とする.公式謝罪文を成り立たせているものとは何かについて考察するため,謝罪のストラテジー,談話機能ならびに談話構造の分析を行う。
著者
水口 聖史 唐山 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.155, pp.1-4, 2011-07-16

本研究では,前腕の筋電信号から楽器演奏時の手指の姿勢を判別するものである.本研究で使用する楽器はギターとした.本実験では,ディスプレイにより指示されたギターのコードを被験者に握る課題を与え,その際のEMGを計測する.主成分分析と線形判別分析の結果,被験者3名で脱力時を含めたメジャーコード「C」「D」「E」「F」「G」「A」「B」の計8種類の手指の姿を平均94.4%の精度で認識できることが分かった.
著者
水品 静夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波
巻号頁・発行日
vol.95, no.101, pp.25-30, 1995-06-22

1994年12月6日から9日まで幕張メッセで開催された第6回アジア・パシフィク・マイクロ波会議(APMC'94)の概要を報告する.APMCは,アジア・太平洋地域の国で持ち回りで開催されており,日本で開催されたのは1990年に続き2度目である.APMCセッションでは,42の口頭発表セッション,2つのOpenForumで264件の論文発表,26件の招待講演が行われ,最終日には8つのテーマでWorkshopsが開催された.これに付設して技術展示会,初学者を対象とした基礎講座,製品の技術紹介を提供する起業セミナーが開催された.APMCセッションとWorkshopsの参加者は699名,展示会は出展社204社,来訪者約5000名であり,APMC'90を上回る結果となった.
著者
井口 智之 杉浦 茂樹 松澤 茂 宮寺 庸造 中村 勝一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.632, pp.75-80, 2006-02-25

情報検索は,一度の検索で目的を達成することができるタイプ(専門用語の意味を調べるような検索)と,同じテーマについて継続的に検索を必要のあるタイプ(ある研究トピックについて,その動向を継続的に調査するような検索)に大別することができる.既存の検索エンジンは,前者に対しては有効な場合が多いが,情報検索の継続性を考慮していないため後者に対しては必ずしも有効ではない.そこで本研究では,情報検索の継続性を考慮した情報収集支援システムの提案を行う.具体的には,継続的検索,既知ドキュメントの更新状況追跡,自動アーカイビングの自動化を実現し,検索要求管理や検索結果・アーカイブ管理までを統括的に考慮した支援システムを開発する.アンケート調査の結果から,継続的な情報収集に関する問題点,支援ニーズ,開発した支援システムの特徴について考察する.
著者
安田 浩 小暮 拓世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.3, pp.225-236, 2008-03-01
被引用文献数
1

コンテンツ流通に必須とされる技術にDRM(Digital Rights Management)がある.コンテンツクリエータの創作意欲,プロバイダの事業意欲,コンテンツ消費者の消費意欲,等を共に満足するコンテンツ流通環境の確立には,DRM技術は不可欠である.一方,コンテンツの不正コピー事例は後を絶たず,プロバイダ事業者はその都度対策を迫られDRM技術を強化してきた.本稿は,比較的初期にDRMを立ち上げたDVDを例に,実用DRM技術を解説し,次いで,急速に普及した携帯電話の標準DRMであるOMA DRMについて言及し,更に蓄積メディアのDRMをSDカードを例にCPRM技術内容を記述した.最近のDRM標準化活動の状況については,国際標準化活動の例としてMPEG-21を中心にIPMP技術を解説し,デファクト標準化活動の例では業界主導DRMとしてコーラルを取り上げ,そのポイントどなる技術を解説した.DRMは,いまだ発展途上の技術であり,またその特殊性(秘匿性)から,公開情報が少ない.本稿ではできるだけ重点技術内容を取り上げ,公開情報の範囲で平易に解説し,最後にDRMの現状課題と将来展望について触れる.
著者
小林 亜令 高木 悟 井ノ上 直己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.627, pp.245-250, 2002-01-23
参考文献数
16

本文では, ラスター画像データからSVG(Scalable Vector Graphics)データへの変換手法を提案する.SVGとは2001年9月にW3Cで策定完了した2次元ベクトルグラフィクスのWWW標準データ仕様である.ラスターイメージデータはCG, 自然画像を問わず, 高圧縮可能な方式が数多く提され, PNG, JPEG, MPEGなどWWW標準データ仕様も既に策定されている.しかし解像度依存性, 拡張性, 対話性の点など, ベクトルグラフィクスの方が優れている点もあり, ベクトルグラフィクスに対するニーズも大きい.そこで本文では, ラスター動画像データを対象として, それをSVGデータに変換する手法を提案する.本手法により, CGベースのラスター動画像をベクトルグラフィクスとして処理可能なため, 本来SVGが持つメリットを利用することが可能となる.本文では, SVGの概要, 評価実験結果にも合わせて言及し, SVGへの変換技術の有効性, 今後の方向性を考察している.
著者
宮島 清富 横山 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.488, pp.33-38, 2002-11-22
参考文献数
7
被引用文献数
1

近年,低電圧で動作する電子回路を搭載した家庭用電気製品やパーソナルコンピュータが広く普及し,雷発生時,配電線やその他から侵入する雷サージにより機器の誤動作や破壊が生じる事例が多数報告されている.しかし,これらの原因となる雷サージの侵入経路や発生頻度,電圧は十分には解明されておらず,落雷との関係も明らかではない.本報告では,落雷が原因と思われる電子機器の故障が高頻度で発生している会社事務所を対象に,低圧配電線から引き込まれる電源電圧の連続測定から得られたインパルス性の過電圧の測定結果とその特徴を明らかにする.そして,落雷位置標定システムのデータとの比較から,雷放電と雷過電圧の関係を明らかにする.
著者
大島 優 正田 悠 阪田 真己子 鈴木 紀子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.189, pp.41-45, 2014-08-15

数名での対話形式を取りながらも,第三者への情報伝達を目的・可能としたコミュニケーション構造は「オープンコミュニケーション」と呼ばれている.ラジオのように,聞き手であるリスナーに直接見られることなく,音声のみ伝わる場合でもオープンコミュニケーションは成立する.これは,ラジオが数名での対話形式を取りながら,リスナーである第三者へ情報伝達を行っているためである.本研究では,聞き手に視覚情報が呈示されないオープンコミュニケーションであるラジオの話者の振る舞いに着目し,聞き手に視覚情報が呈示される状況(公開録音)との比較からその特徴を明らかにする.またラジオパーソナリティの経験者ペアと初心者ペアの比較を行い,ラジオパーソナリティ独自の"スキル"という観点からも考察を行う.
著者
上條 浩一 利根川 聡子 豊川 和浩 森本 典繁 小出 昭夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.591, pp.55-60, 2000-01-27

前回、自動車保険等の損害クレーム処理において、損害の証拠写真にデジタルカメラによるデジタル画像が使われる場合、データハイディングによる画像改ざん・検出方式が、いわゆる"水増し請求"防止にシステムとって有効なことを報告した。今回は、データハイディング技術の続報、特に、デバイス認証が成功した後のイメージ認証において、圧縮画像の周波数成分の量子化ステップの性質を使った改竄の検出法とその実験結果、性能評価について報告する。
著者
酒井 孝真 長村 篤記 井田 明男 金田 重郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.64, pp.7-12, 2012-05-18

本稿では, SSM,システムシンキング,概念データモデリングなどの問題領域モデリングにおいて利用されるモデリング手法(概念活動モデル,因果ループ図,組織間連携モデル)をメタレベルで比較する.比較手法としてはUMLクラス図の他,英語の品詞を利用する.それにより,それぞれのモデリング手法が,問題領域を表現する概念(加算名詞,非可算名詞,動作動詞,状態動詞)のサブセットを利用して,対象のある側面のみを強調していることを示す.また,同様にして,手島による概念データモデリングの「静的モデル」が概念クラス図に一致しないことを示す.
著者
松本 洋一 久保田 周治 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.94, no.57, pp.57-63, 1994-05-20

本報告は,CMOS0.8μmマスタースライス(2V動作)を用い開発した,低消費電力化パーソナル通信用復調器LSIについて述べている。開発したLSIは,通信品質の改善および消費電力の低減を図るため新たに以下の方式を用いている。(1)π, 4位相回転操作にキャリアフィルタ帯域が可変な逆変調キャリア再生方式,(2)プリアンブル位相情報を用いた初期クロック位相推定型クロック再生方式,(3)低消費電力化を考慮したパルスカウント型直交検波方式,(4)プリアンブル位相情報を用いたバースト検出方式.試作LSIによる評価試験により,本LSIはパーソナル通信環境下において,遅延検波復調器に比べエラーフロアを40%低減,フロア誤り率10%における所要Eb/Noを3dB改善することが確認された。
著者
大西 正輝 泉 正夫 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1590-1597, 1999-10-25
被引用文献数
24

近年,ネットワーク技術の発展に伴い,映像情報などの大容量データ転送が可能となり,大学や各種の学校ではサテライトシステムなどを用いた遠隔講義が行われている.講義風景を撮影する方法として,1台の固定したカメラを用いる方法や,複数台のカメラをディレクタなどが各時点でスイッチングする方法が考えられる.しかし,前者では講義の臨場感が伝わらず,また板書が見にくいといった問題点があり,後者ではカメラを制御する人手が必要となる.本論文では,動画像処理により講義映像の撮影・編集を自動化する手法を提案する.まず,映像中に発生した画素ごとの情報量を定義する.次に,その情報の分布に基づいて複数台のカメラを制御し,あらかじめ生成したスイッチング規則に従い映像の選択を行うことで,受講者に必要な情報を多く含む臨場感のある講義映像をリアルタイムで生成する.また,受講者の視認テストにより本手法の有効性を確認した.
著者
銭 こん 山田 祐樹 河邊 隆寛 三浦 佳世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.369, pp.27-31, 2007-11-29

本研究は,きらめき格子錯視(Scintillating grid illusion)の生起メカニズムを明らかにするために,錯視図形の格子の交差点上に重ねる幾何学図形の大きさ,形状及び方位に着目し,これらがきらめき格子錯視に及ぼす影響を検討した.その結果,きらめき格子錯視の生起には交差点に重ねる幾何学図形の形状そのものではなく,大きさと方位が影響していることが示された.したがって,きらめき格子錯視には大きさと方位に関する視覚処理が関与していることが示唆された.
著者
齊藤 一幸 吉村 博幸 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.410-420, 2004-03-01
被引用文献数
2

がんの温熱療法(ハイパサーミア)の一形態であるマイクロ波組織内加温法と放射線療法の一つである組織内照射療法を組み合わせることにより,がん細胞に対して致死効果の高い治療が可能であることが知られている.現在,組織内照射療法単独では多数の治療が行われており,その治療手技はほぼ確立されている.しかしながら,効果的なマイクロ波組織内加温を実現するためには,アレーアプリケータの構造及び給電方法等に関して検討が必要である.そこで本論文では,既存の治療装置(マイクロ波発生器)を活用した臨床応用を念頭におき,比較的大きな腫瘍の均一加温を目指して,マイクロ波組織内加温用アレーアプリケータの給電システムとして,コヒーレント給電システム及びコヒーレント給電システムとインコヒーレント給電システムを組み合わせた給電システム(提案システム)の二つの給電システムを取り上げ,提案システムを用いて腫瘍部分を確実に加温するためのアンテナ素子への入力電力の条件について検討を行った.