著者
中畑 正志 内山 勝利
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

アリストテレスの哲学の基礎的語彙の多くは、「可能と現実」「実体」などのように、現在では哲学の基礎概念となっているばかりでなく日常用語にまで浸透している。そうした語彙をアリストテレスがどのような意図で提示し、またその後西欧においてどのように継承され受容されてきたのかを改めてたどり直すとともに、19世紀の西欧における支配的な解釈の影響下にある日本における受容と翻訳のあり方をその問題点を確認し、あらたな翻訳の可能性を検討した。
著者
山口 正晃
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2004-03-23

新制・課程博士
著者
服部 武文
出版者
京都大学
雑誌
生存圏研究 (ISSN:1880649X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-9, 2008
被引用文献数
1
著者
壇辻 正剛 新保 仁 堂下 修司 梅崎 太造 大西 雅行 土岐 哲
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

日本語音声に対するIPA(the International Phonetic Alphabet,国際音声記号、国際音声表記、国際音声字母、国際音標文字)表記の基準作成を求めて、人文系と工学系の研究者が協力して研究を推進した。音声学的側面、音韻論的側面などの言語学的側面および日本語教育などの語学教育的側面、音声の音響分析、音声認識、音声合成などの音響工学、音声情報処理的側面など様々な方面からの研究を統合することによって、日本語音声の記述にIPAという一種のグローバルスタンダードを導入する基盤を確立した。分析対象の音声資料の収集に関しては、既存の音声データベースを活用するだけでなく、独自に音声データの録音、収集、編集を行なった。アンケート調査の結果、相違の著しかった音声を中心に、精緻な音響分析を施し研究の進展を図った。また、比較検討のため他の諸言語の音響分析も行った。主観的な判断に傾きがちであった聴覚印象に頼る音声転写に音響分析を積極的に活用して客観的な基準の作成に努め、定量的な比較や定性的な比較が可能になる新たな音響素性の導入を提案した。また、日本語教育や障害者教育など教育の現場にどのようにIPA表記の問題を活用していくのかを各側面より検討した。その成果の一部をコンピュータ支援型日本語教育システムの開発に導入することが可能になった。IPAのコンピュータ処理に関して、従来のIPAの数値コードの問題点を指摘すると共に、改善案としてより合理的な新たな数値コード化の導入を提案した。さらに、音声合成や音声認識など音声情報処理の分野にIPA表記の問題を導入し、日本語の合成音の記述、表記に関して基準を提供した。音声認識に関しては、特定言語にとらわれない記号系の利用としてIPAを利用する研究を進めるなど、各分野の研究の進展とIPAの応用に新しい側面から視点を与える研究を推進した。
著者
山下 正男
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究の成果の一部は、平成5年1月27日京都大学人文科学研究所刊行、山下正男編『法的思考の研究』の巻頭論文「法的思考とはなにか一義務論理学の効用性一」において発表された。本論文はそれに先だって自分で開発した義務論理学を、実際の法的諸問題に適用し、義務論理学の効用性を験証したものである。そして以下はその効用性のあらましである。(1)義務論理学もしくは法論理学は日本の現行憲法はもちろん民法、刑法をはじめとするすベての法文に適用可能である。ただし憲法前文は適用範囲から除かれる。(2)義務論理学と事実論理学とが互いに還元不能であるということから、法体系が事実学およびイデオロギーから独立しているという主張を正当化することができた。(3)いままでの法文の基本用語はホーフェルドによって提案されたものが用いられていたが、それを改良することができた。(4)法律で便宜的に使われ続けてきた構成要件なるものの論理学的身分を解明することができた。(5)いわゆる概念法学というものの素性をはっきりさせることができた。(6)法延論爭の基本構造を義務論理学と実験論理学を組みあわせることによって解明することができた。(7)いわゆる法的三段論法が欠陥品であること、そしてそれに代わる義務論的仮言三段論法(法的推論)を使うベきであることが提案された。以上7点のほか、義務論理学の応用範囲は今後とも、さらに拡大されることは疑いないと考える。
著者
清水 昌 片岡 道彦 小林 達彦
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

(1)土壌より分離した糸状菌Mortierella alpina 1S-4をグルコースを主炭素源とする培地で培養すると、菌体中に著量のアラキドン酸含有油脂を蓄積することを見いだした。本菌を用いてアラキドン酸含有油脂の蓄積量増大に関する培養条件の検討を行った。炭素源としてグルコースと共にオリーブ油、パーム油などのオレイン酸含有油脂を併用すると、菌体油脂中の不飽和脂肪酸の割合が著しく上昇することを見いだした。また、培養時間の延長、窒素飢餓条件下でグルコースなどの炭素源の添加は、アラキドン酸含量の上昇に寄与した。最適条件下でのアラキドン酸生産量は約5g/lに達した。(2)本菌のアラキドン酸生合成経路の解明を行った。その結果、本菌ではグルコースから生成したステアリン酸が不飽和化と鎖長延長を繰り返してアラキドン酸へ至ることを生合成経路の各中間体を単離することにより明らかにした。(3)アラキドン酸生合成に関与するΔ5不飽和酵素反応について検討を加え、本反応の特異的阻害剤が天然物中に存在することを認めた。ゴマ種子、ウコンの抽出物から阻害剤の単離を試み、それぞれセサミン関連リグナン化合物、クルクミンを単離・同定した。(4)上記のゴマ種子抽出物またはウコン抽出物を本菌の培養液中に共存させて培養を行うと、Δ5不飽和化反応が抑制され、アラキドン酸の前駆体であるジホモ-γ-リノレン酸が蓄積することを認めた。最適条件下での生産量は3.2g/lであった。
著者
山中 伸弥 一阪 朋子
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

ES細胞は分化多能性を維持したまま半永久的に増殖することから、細胞移植療法の資源として価値が高い。しかしヒトES細胞には受精卵の利用という倫理的問題が影を落とす。成体からES細胞に類似した多能性幹細胞を樹立できたなら、細胞移植療法にとっての理想的な幹細胞となりうる。私たちは、これまでES細胞などの多能性幹細胞で特異的に発現する遺伝子群(ECAT : ES cell associated transcript)の同定と機能解明を進めてきた。本研究においてはECAT遺伝子群を選択マーカーとして、成体マウスからの多能性幹細胞分離を試みた。1.最適の多能性細胞マーカーの決定ECATの中でどの遺伝子が選択マーカーとして適しているかを検討した。ES細胞との融合によるリプログラミング系で検討した結果、ECAT3がマーカーとしてすぐれていることがわかった。2.細胞培養条件の最適化リプログラミングを誘導する培養条件として、LIFは必要であるが、フィーダー細胞は必須でないことを見いだした。3.クロマチン修飾薬剤の検討体細胞をアザデオキシシチジンやトリコスタチンで処理することにより多くのECAT遺伝子の発現が誘導されることを明らかとした。今後、これらの実験系を用いて、初期化能力のある因子や遺伝子の探索を行う。
著者
大森 不二雄 牧 貴愛 江川 良裕 北村 士朗 渡邊 あや
出版者
京都大学
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.47-58, 2009-12-01

This article describes a project for developing a work-based learning module called 'University-Corporate Partnership Learning' in a Master's degree programme, and explores its general implications for postgraduate education for professionals in the dialogue between practical and academic knowledge. The project is part of the government-funded initiative by Kumamoto University's Graduate School of Instructional Systems, which has been selected and funded by Japan's Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology as one of the good practices in postgraduate education. This graduate school is the first in Japan to provide postgraduate degree programmes for training e-learning professionals in both the corporate and education sectors. The pilot practice of the module ran from November 2008 to March 2009, with the module's official launch as a formal part of the Master's degree programme to be from October 2009 to March 2010. Based on a description of the project and formative evaluations of the pilot practice, the article examines the possibilities and conditions for successful postgraduate education for professionals in the dialogue between practical and academic knowledge.
著者
田中 雅一 DEANTONI Andrea. DE ANTONI A.
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究は「現代の京都における死に関する宗教的象徴(シンボリズム)と境界的(リミナルな)空間」を検討することである。本年度に本研究は調査上でのデータ収集と参考研究に基づき進んだ。調査上でのデータ収集は次の三点に注目した:(1)「京都怪談夜バス」観光ツアーで参与観察(7月-9月)(2)それが訪れる心霊スポットと言われている場所での調査(3)インターネットと雑誌における「心霊スポット」についての語分析とその噂の広まり方の検討(1)ツアーに参加した上で、ツアーの構築戦略に注目し、その実践と関わっている業者、ガイドさん、そして観光客に対するインタービューを行った。観光客の中でMixiの「心霊スポット」やオカルト等に関するコミュニティに参加している方々が多いと理解した上で、Mixi上でも調査とインタービューを行った。さらに同コミュニティが準備するイベントにも参加し、参与観察によるデータ収集を行った。(2)「心霊スポット」のローカルな歴史を調べた後、居住者にインタービューを行った結果、彼らの記憶とアイデンティティ構築過程、彼らの「心霊スポット」という語に対する認識を検討した。また、京都の不動産業者に対するインタービューによって、その地域のイメージと「心霊スポット」の噂における地域の経済(主に土地の値段)に対する影響を検討した。(3)専門雑誌における京都の「心霊ポット」に対する語の分析を行った。それに、専用ソフトウエアーを用い、インターネット(ウェブサイト、Wikipedia、SNS等)における「心霊スポット」の噂の構築過程・広まり方、それによって起きる抵抗を検討した。参考研究によって、観光学と人類学に注目し、上記のデータに基づき、理論的なアプローチを検討した。主に、モノの人類学という新たな理論的なアプローチに基づき、「心霊スポット」に関わる人たちの体験に注目し、それの関係性上での構築過程を分析した。
著者
久保 徹
出版者
京都大学
雑誌
古代哲学研究室紀要 : hypothesis : the proceedings of the Department of Ancient Philosophy at Kyoto University (ISSN:0918161X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.35-49, 1993-04-29

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
遠藤 民生
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1987-09-24

新制・論文博士