著者
稲田 有史 中村 達雄
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究はそれを末梢神経の痛みを伴う患者に適応したとき、偶然に発見した驚くべき事実、即ちこれまで不可逆と考えられていたCRPSが、局所の障害を受けた神経を切除して、健全な末梢神経を再生されることによって、治癒するという事実を解明した。本研究ではこの局所の再生治癒機転を病理的に解明することから開始した。こういうアプローチは臨床では従来されてこなかったものであり、これまで治のみならず世界的にもかつて例がない。平成22年度に行った研究とその成果は下記の如くである。1) 局所の末梢神経損傷が周囲に与える影響を病理組織学的に検討した。臨床的に我々が初めて確認したカウザルギーの範囲に一致して損傷部位の神経からsproutingが生じるという事実を動物実験で検証した。2) 再生する末梢神経が中枢に与えるメカニズムを解明した。脊髄神経管の活動電位を測定し、神経線維、特にC fiberの再生を評価した。併せて神経の活動電位の回復も調べた。3) ビーグル犬のperoneal nerveの浅枝に微小電極を刺入して、単位感覚神経の活動電位を記録できるシステムを構成した。再生神経が触覚、熱覚、機械刺戟に対してどのように反応するか検討した。またマンシェット圧迫やエタノール注入によりA線維を遮断してCNAPがどのように変化するか、交感神経ブロックにより再生神経の活動電位がどのような影響を受け、これは正常の神経の回復の各時期においてどう違うか調べた。これらの研究の結果より新しい理論として「総和仮説」を提唱した。この理論は運動器疼痛に対する外科治療の新たな地平を切り拓くものとして注目されている。
著者
潮見 佳男 橋本 佳幸 コツィオール ガブリエーレ 松岡 久和 愛知 靖之 木村 敦子 山本 豊 長野 史寛 山本 敬三 横山 美夏 佐久間 毅 和田 勝行 天野 佳洋 吉永 一行 栗田 昌裕 松尾 健一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、①信託を中心とする事業財産権モデル、②知的財産の完全な自由利用を保障するタイプと対価徴収権を中核とするタイプの複合モデルを基礎とする情報財産権モデル、③景観利益や環境利益の侵害に対する救済および原子力損害からの被害者救済に適合した環境財産権モデル、④パブリシティーや個人情報の財産化、ヒト由来物質や身体の譲渡・利用可能性に照準を合わせた人格財産権モデルを提示した。そのうえで、これらの研究成果を踏まえ、共同研究メンバーが、物権法、債権法、契約法の各領域の再編を企図した体系書を刊行したほか、2015年度の日本私法学会シンポジウムで「不法行為法の立法的課題」を担当した。
著者
子安 増生
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2006-03

平成15-17年度科学研究費補助金(萌芽研究)研究成果報告書 課題番号:15650045 研究代表者:子安増生 (京都大学大学院教育学研究科・教授)
著者
高橋 旨象 西本 孝一
出版者
京都大学
雑誌
木材研究・資料 (ISSN:02857049)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.31-41, 1985-02-28
被引用文献数
1

ナミダタケ被害防止のための,土壌処理用薬剤の室内効力試験方法について検討した。培養基の恭材として腐植土および鹿沼土を用い,それぞれにエゾマツ衣桁や栄養液(ペプトン1%,麦芽抽出物2%)を種々の比率で加えた12種類の培養基を作製し,菌体の発育とエゾマツ木片の腐朽重量減少率から判定した菌体活力のもっとも高くなる培養基組成を検討した。その結果,腐植土またぱ鹿沼土250gに,エゾマツ本物20gと栄養波81mlを加えた培養基がすぐれているが,入手しやすさと品質安定性から,後者の鹿沼土培養基を効力試験用として選定することが適当であると結論された。この培養基にナミダタケを十分生育させた後,乾燥鹿沼土に所定濃度の荒波を加えた厚さ3cmの薬剤処理屈を葉子ぅ上に設定し処理屈上面への菌糸の到達の有無とエゾマツ木片の重量減少率により,数種薬剤の効力を比較した。その結果,トリブチルスズオキサイド,4-クロロフェニルー3'-ヨードブロパギルホルマール,トルクロホスノテル,シクラフルアミドなどが土嬢処理剤としての適用に可能性があると判定された。薬剤処理屈の財政操作等検討を要する点は残されているが,基本的にはこの試験方法により,ナミダタケに対する土埃処理用薬剤の効力評価が十分可能であると考えられる。
著者
根立 研介
出版者
京都大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:03897508)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.57-79, 1999-03-31
著者
羽生 剛
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,植物ホルモンであるジベレリンによってブドウの果実が種なしになるメカニズムの解明をのため,種なし化(単為結果)に関係している遺伝子の解析を行った.その結果,ジベレリン処理による反応に関係していると考えられるジベレリンを植物体内で代謝する遺伝子,種が無くても果実が肥大するために必要であると考えられる細胞分裂関連遺伝子,果実に糖を蓄積するのに必要な遺伝子を同定することができた.
著者
恒木 健太郎
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2010-03-23

新制・課程博士 甲第15461号 人博第491号
著者
田中 正明
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2011-07-25

新制・課程博士(経済学)

1 0 0 0 OA 直接知の探求

著者
松丸 壽雄
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2007-11-26

新制・論文博士
著者
水野 章二
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2000-09-25

新制・論文博士
著者
吉田 純
出版者
京都大学
雑誌
京都社会学年報 : KJS
巻号頁・発行日
vol.5, pp.23-36, 1997-12-25

Die Wille von Habermas, die kritischen Momente der asthetischen Moderne nicht esoterisch-d. h. offentlich-zu retten, ist ein hintergrundige Motiv seiner starken Orientierung zur Moderne als "ein unvollendetes Projekt". Tatsachlich in seiner letzten Werken hat Habermas oft uber das Problem der idealen-oder nicht idealen-Beziehung von Kunst und Gesellschaft bzw. Politik diskutiert. Dieser Aufsatz zielt darauf, die theoretische und praktische Perspektive von Habermas uber dieses Problem klar zu machen, und als Folge, darauf hinzuweisen, das "die asthetische Offentlichkeit", das Kommunikationsfeld um asthetisch-politische Probleme, als eine notwendige Voraussetzung fur das Projekt der Moderne von Habermas aufgestellt werden muBte. In seinen theoretischen Schriften kritisiert Habermas Nietzsche und Poststrukturalisten, vertreten von Derrida, weil sie daB asthetische Urteilskraft als ein privilegiertes Kriterium uber theoretische und praktische Vernunft erheben, oder durch die "Asthetisierung der Sprache" den Eigensinn, d. h. starke Autonomie, von normaler und poetischer Rede verleugnen. Dagegen behauptet Habermas, das die asthetische Moderne, neben den Gebieten der theoretischen und praktischen Vernunft, jeden Eigensinn haben musse, und die drei Gebiete jede eigentliche Position in der kulturellen Moderne aufnehmen mussen. Dies ist seiner basale Gesichtspunkt fur das Problem der idealen Beziehung von Kunst und Gesellschaft. In seinen zeitdiagnostischen oder kulturkritschen Schriften uber moderne Archtektur, Heinrich Heine und deutschen Neokonservatismus feststellt Habermas : i) Die Autonomie der asthetischen Moderne und soziale Funktion der Kunst, gegen asthetische Theorie von Adorno, miteinander vereinbar sind. ii) Alle Neokonservative ignorieren die Autonomie der Kunst. iii) Die Offentlichkeit als Kommunikationsfeld ist die Voraussetzung fur die Vermittlung zwischen autonomer Kunst und politischen Meinungsbildung. Die dritte Feststellung ist besonders wichtig, weil sie ist auch die Voraussetzung fur die Vereinbarung von autonomer Kunst und ihrer soziale Funktion (i), oder fur die Kritik an Nerkonservatismus (ii). Diese Offentlichkeit muste diejenige beiderseitige Struktur haben, in die asthetische Probleme durch politische Disukurs, und politische Probleme durch asthetische Diskurs, uminterpretieren konnen.
著者
森藤 大地
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

統語知識の中でも特に,複文構造の獲得に焦点を当てシミュレーションを行った.英語において,複文には4種類の構造が存在する.これらの構造は,関係節によって修飾される名詞が,「主節内」および「関係節内」で主格または目的格のどちらの役割を果たすかという2つの要因によって生成される.複文の4つの構造に対する成人の理解度は異なっており,右分岐文の理解が中心埋め込み文に比べて容易であることが示されている.この理解の困難さの違いは,複文自身が持つ構造的な複雑さ,および言語環境における複文構造の典型性の2点から説明されている.また,最近の幼児における複文理解を調べた研究からも,複文それぞれの理解度は構造の典型性や頻度など言語刺激のもつ統計的な性質を反映していることが示唆されている.もし,この示唆が正しいものであるならば,統計的な性質を反映した統語獲得を行う能力を有するニューラルネットワークモデルに対して幼児が経験する言語刺激として尤もらしいコーパスで学習を行えば,人の示す複文理解を再現できると考えられる.尤もらしいコーパスとは,複文だけを含むのではなく,単文や等位接続文,分裂分や関係節修飾名詞句など多くの文構造を含むコーパスである.シミュレーションには,私達が提案した自己組織化マップを含む再帰的ニューラルネットワークを用いた.シミュレーションの結果,複文だけで学習したネットワークに比べ,単文や等位接続文を含む尤もらしいコーパスで学習したネットワークは,人の複文理解をよく再現し,構造による理解の困難さの違いを示した.この結果から,先行研究で示唆されているように,人の統語学習,特に複文学習は言語刺激の統計的性質を反映した形でなされること示した.
著者
吉川 忠夫
出版者
京都大学
雑誌
中国思想史研究 (ISSN:03883086)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.1-16, 2000
著者
河野 一紀
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2012-05-23

新制・課程博士
著者
秋富 克哉
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2003-03-24

新制・論文博士